乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

いろいろな方と話をして・・・ ボランティアガイド6

2020年08月10日 | 乙女高原案内人

井上さんがレポートを書いてくださいました。

 

8月10日は3連休最終日、案内人活動も最終日でした。誰か案内人は来ているかと思いましたが、誰もいないので、一人でロッジを開けて案内の準備をしました。準備をしていたら、ヒメヤママユの終齢幼虫が地面にいて、案内するベンチの方に這って来ました。踏みつぶすといけないので、草むらに移動してやりました。

10時ころから3時近くまでロッジ前にいました。この日は4人の家族連れ、長野から初めて来たという年配のご夫婦、以前に案内人をしていたという男性、キャンプが目的というご夫婦、地元の男性、小楢山に登ってきたという女性などに、パンフレットを差し上げたり、草原のことをお話したり、花情報をお知らせしたりしました。パンフレットや話のなかで、より草原のことや花のことなどが楽しめたと言って下さる方もいて、やはり少人数でも案内をする価値はあったと思いました。

3時近くに片づけをしてロッジを閉めました。

3時過ぎに半場さんご夫婦が富士山でガイドをしているという男性と一緒にいらっしゃいました。それで草原を一緒に歩きました。その男性は「この花はどんな戦略でこんな形をしているのだろうか(たとえば、ツリガネニンジンの萼があんなに細いのは何のため?)」などと目のつけどころが面白かったです。案内活動の中でも、いろいろな見方がお知らせできると、さらに興味を持ってもらえるかなと思いました。

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虫取り網を持った人がいました ガイド5

2020年08月08日 | 乙女高原案内人

今回も山本さんのレポートです。

 

 今日は井上さんと鈴木さんと私の3人が参加しました。草原を散策する人たちもまばらで大半は草原駐車場を利用されていました。所沢のご夫婦は毎年来られているようですが、以前東京で植原さんの講演を聞いてメルマガ会員になっていた経緯があり、以来乙女高原が好きになったようです。

 虫取り網をもっている男性がいましたが、草原には入らないで、道路沿いで虫取りをしていました。

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花と昆虫のリンク調査

2020年08月02日 | モニタリング調査

2013年、麻布大学・高槻研究室の学生・加古さんが「花と昆虫のリンク」の調査・研究を乙女高原で行いました。この場合のリンクというのは、花と昆虫の結びつきということです。5月から10月まで何度となく乙女高原を訪れ、どんな花にどんな昆虫が来ているかなどを根気強く調べ、卒業論文にまとめました。すごい労力だったと思います。


 高槻先生の提案によって、今年、これと同様の調査を行い、2013年の結果と比較してみようということになりました。2013年からの7年間に、乙女高原では大きな環境変化がありました。2015年に草原をぐるっと囲むシカ柵ができたのです。状況はあきらかに変化しています。それを解き明かそうというのです。ところが、この調査は「いい天気」の日でないとできません。いい天気でないと、昆虫たちが活発に活動しないからです。最初設定した7月11日は天候不順で中止。12日も、18日も、19日も、東京オリンピックの開会式のはずだった4連休もだめでした。そうこうしているうちに東京でコロナ感染が拡大し、そもそも高槻先生が山梨に来られなくなってしまいました。


 そこで、高槻先生なしで高槻先生から事前に送っていただいた調査マニュアルを見ながら、高槻先生抜きで、調査を行ってみることにしました。マルハナバチ調べ隊の翌日、8月2日です。この日は静岡からの団体を案内する予定日でしたが、そこは山本さんと渡辺さんにお願いし、三枝さん・芳賀さん・井上さん・鈴木さん・角田(晴)さん・植原の6名が2人ずつ3グループに分かれて調査しました。ちなみに、この日は角田(敏)さんが遊歩道等の草刈りをしてくれ遊歩道を歩きやすくしてくださいました。
高槻先生の送ってくださった遊歩道地図には、ポイントポイントに1から16の番号がついています。そして、1と2の間はA、2と3の間はBというように、各区画にアルファベットが割り振られていました。今日はAを三枝・鈴木グループが、Cを井上・芳賀グループが、Dを角田・植原グループが調査することにしました。

 所定のスタート地点に行き、出発時刻を調査票に書き込みます。そして、遊歩道の右側2m範囲内で花に来ている昆虫を探して1歩ずつ歩きます。このとき、歩数を数えておきます。花に来ている昆虫を見つけたら立ち止まり、発見時刻・歩数・花の種類・昆虫の種類を調査票に書き込みます。花は種名まで書きますが、昆虫ではそれはむずかしいため、わかる範囲で書きます。基本的には、1ハチ 2ハエ・アブ 3チョウ 4ガ 5甲虫(コガネムシなど) 6その他(カメムシ、アリなど)…の6群に分けられればいいことにします。ゴール地点に着いたら、今度は来た道を戻り、やはり右側(行きとは反対側を調査することになります)で花に来る昆虫を見つけながら歩いて、スタートまで戻ります。一つの花(またはひとかたまりの花)にたくさんの昆虫が来ていることがありますが、その場合「ハエAが3匹、ハエBが2匹」などと記録することにしました。
どの区画も調査するのに1時間前後かかりました。そして、たとえば、ウエハラが角田さんと行ったD区画では108もの「花を訪れる昆虫」が記録されました。


調査方法が妥当かどうか高槻先生に確かめたかったし、天気も怪しくなってきましたし、なにより、調査票がなくなってしまいそうだったので(こんなに多くの「リンク」が記録されるとは…)、午後の調査は行わず、午前で打ち切ることにしました。

 

 

1週間後の8月9日、乙女高原の案内活動を行いながら、調査の続きをしました。芳賀さんにも手伝っていただきながら、さらに7区画の調査を行いました。これで10区画の調査が終わり、残る区画は8つとなりました。調査結果を高槻先生がどのようにまとめてくださるか楽しみです。

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団体の皆さんから一言メモをいただきました ガイド4

2020年08月02日 | 乙女高原案内人

今回も山本さんのレポートです。

 今日は高槻先生が計画していた「花と昆虫のリンク調査」を天候の関係で実施できなくなっていたので、ファンクラブスタッフで行ってみることになり、案内人スタッフもそちらに参加されたので、私一人で静岡からの団体14名の応対をする予定でしたが、渡辺さんが応援に参加してくれました。リーダーは前日も来られていて、当初の計画は大窪山ハイキングを計画していて下見もされて帰りましたが、マルハナバチ調査隊のことに関心を持たれたので、大窪山ハイキングはやめて乙女高原での滞在時間を長くすることにしたと言ってくれました。渡辺さんが案内人として一緒に乙女高原歩かれたので、帰りがけに一言メモを書いていってくれましたので一部紹介します。

・丁寧に説明して下さり、ありがとうございました。今まで適当に覚えていたので、細かいところの違うところを教えて下さり、同じ仲間なのに違うところに気づかされました。これからもう少し丁寧に見たいと思いました。

・遊歩道も敷わらがあり歩きやすく常日頃のファンクラブの方々のご苦労が身にしみました。要所要所に花の写真説明があり案内人がいなくてもとてもわかりやすく素晴らしいと思いました。

・思ったよりたくさんの花があって驚きました。チョウやハチも説明を聞き一段と興味がわきました。

・アサギマダラやヒョウモンチョウ、トンボ、ハナバチなど普通の山行では見落としてしまいそうな事柄も見られて良かったです。

・乙女高原の戦前からの生い立ちを聞き、この貴重な自然あふれる高原を残そうとする努力を知り、改めて敬意を表します。高原を歩き、林の中を歩き、木立の美しさ、風景の美しさに目を見張った。ダケカンバとシラカンバの林がすばらしい。

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マルハナバチ調べ隊~盛夏編

2020年08月01日 | マルハナバチ調べ隊

特に何にも告知はしていませんが、当日は10人がマルハナバチ調べ隊のために来てくださいました。スタッフで話し合い、本日の調査はコロナ感染拡大防止のため、午前中のラインセンサス調査のみにし、短時間で終了させることにしました。もちろん、説明時には人と人の距離を取り、スタッフは必ずマスクをすることにしました。

全体の司会進行は鈴木さん。それに三枝さん、芳賀さん、井上さんがサポートしてくださいました。紙芝居は、芳賀さんのお孫さんグループが一手に引き受けてくれました。この子たち、紙芝居上演はもう何回目になるでしょうか。

トイレや持ち物など少し準備の時間をとった上で、ラインセンサス調査のために草原内に入っていきました。曇りがちで気温も低く、マルハナバチがどれくらいいるか心配でしたが、その心配はすぐになくなりました。次から次へとマルハナバチが見つかるのです。しかも、気温が低いせいか、動きが鈍く、いつもだとハチの動きが忙しすぎるので見にくい花粉団子の様子もばっちり観察できます。「ミヤママルハナバチ、働きバチ、花粉団子は無し、蜜を吸っている、来ている花はノハラアザミ」といった具合に、調査票に記入していきました。

結果、1時間のラインセンサスで113頭のマルハナバチが観察できました。内容は以下の通りです。

・トラマルハナバチ・・・計03頭 ノハラアザミ2 ノアザミ1
・オオマルハナバチ・・・計77頭 ノハラアザミ36 クガイソウ20 
タチフウロ16 キリンソウ4 ヒメトラノオ1
・ミヤママルハナバチ・・・計33頭。  ノハラアザミ26 タチフウロ6クガイソウ1

 

113頭というのは17年間のマルハナバチ調べ隊の中でも3本の指に入る大記録です。「たくさんいて、うれしいな」と思っていましたが、調査をしていくうちに、だんだんその思いがしぼんできました。
 なぜかという出会うマルハナバチのほとんどの動きが緩慢なのです。さっきも書きましたが、最初は気温のせいかと思っていましたが、たぶん違います。ハチたちの毛並みが悪いのです。つまり、年寄りのマルハナバチなのです。年寄りだから、動きが鈍いのではないかと思われました。
 もう一つは、花粉団子を付けていないハチの多さです。花粉団子を付けていたのは113頭のうち3頭だけでした。この時期、マルハナバチの巣の中ではたくさんの幼虫が、働きバチが届ける花粉団子を待っているはずです。なのに、花粉団子を付けていないとは、どういうことでしょうか? 幼虫の成長に何か問題があったのでしょうか?
 考えているうちに、一つの仮説が思い浮かびました。今年は梅雨の雨が多く、しかも長引きました。それは、地面の下に巣を作るマルハナバチにとって、とても迷惑なことで、例年だとそんなことはないのですが、浸水被害 (?)が生じてしまい、次世代の幼虫たちが育っていないのかれしれません。あるいは、長雨で、十分な餌を確保できず、子育てに支障があったのかもしれません。その結果、「新しく・若々しい」働きバチが少なく、「年寄りの毛並みの悪い」働きバチが多くなり、また、巣には幼虫がおらず、そのため花粉を集める必要がなくなってしまったのではないでしょうか。
 もし、9月の調査で、マルハナバチが減っていれば、この仮説が正しい可能性が大きくなります。9月の調査が楽しみですが、怖くもあります。

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