毎度読みにくい文章で本当にすみません(^^;
前回にUPした記事において誤変換例をいろいろ検討した際に、論旨に沿わず横道に逸れそうなためあえて挙げなかった語句・文例にスポットを当ててとりあげてみたいと思います。
せっかく議論の材料になりそうなのにお蔵入りさせるのはもったいないですからね。
主なテーマであった文末表現云々のくだりでまだ挙げ足らなかった例を列挙します。今回は特にこれといった問題提起をするような記事ではないのでまとまりのない・とりとめのない列挙ですがよければお付き合いください。
誤変換の例:私魔性→渡しましょう 動詞「渡す」の連用形である「渡し」に丁寧の助動詞「ます」の未然形+意思の助動詞「う」がついた形
誤変換の例:掘った層だ→掘ったそうだ 動詞「掘る」の連用形である「掘っ」+過去の助動詞「た」+伝聞の助動詞「そうだ」がついた形
誤変換の例:変化死相→変化しそう そう:様態の助動詞「そうだ」の語幹
誤変換の例:向こう→剥こう う:推量・意志の助動詞
助動詞・ニュアンスのついた文末は明確に分ける必要があります。
※「掘った層だ」の誤変換は断定の助動詞「だ」のついた文末ですが後者の「そうだ」のついた文末の方がより長いため派生の度合いがより強いとの判断から通常変換においては「掘ったそうだ」の方を採ります。
助動詞「だ」は別口入力にも使われるほどの基本辞であり、「そうだ」はそれよりもより派生色の強いことがうかがえます。
それに加えて、「層だ」のほうは名詞が主なので属性イで変換するのが筋というものでしょう。
誤変換の例:噛んだら→寒鱈 完了の助動詞「た」(だ)の仮定形
この例は逆で寒鱈のほうが変換しにくいレアケースの場合ですが寒鱈くらいは変換して欲しいというぼやきも込めて挙げておきます。
補助動詞は通常変換で対応、複合動詞は属性ロで…この方針もしっかり認識しておきたいところです。
「ない・よい・ほしい」補助形容詞も同様にひらがな表記のほうを配して変換します。
使い分けの例:並べておく⇔並べて置く 「ならべておく」通常変換(文末派生)⇔「並べて置く」属性ロ(複合動詞または動詞の並立)
*ちょっと微妙なニュアンスですが、通常変換・属性ロ・属性ハにまたがった使い分けもあります。
使い分けの例:乗っとり(口語)⇔乗っ取り⇔則り 通常変換⇔属性ロ(複合動詞)⇔属性ハ(則りには基準に従うの意があり、通機性のある語とみなす)
続けて
助詞が付加したものや定型句的なものも多くあります。
誤変換の例:見よ→身よ 「見よ」は上一段動詞の命令形なのに対して「身よ」は詠嘆的な間投助詞「よ」が付加したもの
誤変換の例:ドコモダケ→ドコモだけ 「だけ」は限定の副助詞
誤変換の例:見た回→見たかい 「かい」は疑問と念押しの終助詞
誤変換の例:見た頭→見たかしら 「かしら」は疑問の意の終助詞
誤変換の例:同化してる→どうかしてる 「どうか」呼応の副詞☆やや定型句的
あとは古文由来の例を2つあげます。
誤変換の例:イワンとする→言わんとする 「言わん」は「言う」に意志や意図を表す助詞「む」が付いた語
使い分けの例:イカれる⇔怒れる 「イカれる」は先を越される・用をなさなくなる・考え方がおかしくなるの意/「怒れる」は完了・継続の助動詞「り」の連体形「る」が接続したもの
「イカれる」は属性ロ、「怒れる」は通常変換です。
最後に方言・口語表現から例をあげます
誤変換の例:タイタン→炊いたん 「ん」は「の」の転で、「のもの」を表す。
以上、雑多でまとまりのない記事でしたが通常変換のもつ指向性をこれらの例から読み取れることにつながればいいと思います。
前回にUPした記事において誤変換例をいろいろ検討した際に、論旨に沿わず横道に逸れそうなためあえて挙げなかった語句・文例にスポットを当ててとりあげてみたいと思います。
せっかく議論の材料になりそうなのにお蔵入りさせるのはもったいないですからね。
主なテーマであった文末表現云々のくだりでまだ挙げ足らなかった例を列挙します。今回は特にこれといった問題提起をするような記事ではないのでまとまりのない・とりとめのない列挙ですがよければお付き合いください。
誤変換の例:私魔性→渡しましょう 動詞「渡す」の連用形である「渡し」に丁寧の助動詞「ます」の未然形+意思の助動詞「う」がついた形
誤変換の例:掘った層だ→掘ったそうだ 動詞「掘る」の連用形である「掘っ」+過去の助動詞「た」+伝聞の助動詞「そうだ」がついた形
誤変換の例:変化死相→変化しそう そう:様態の助動詞「そうだ」の語幹
誤変換の例:向こう→剥こう う:推量・意志の助動詞
助動詞・ニュアンスのついた文末は明確に分ける必要があります。
※「掘った層だ」の誤変換は断定の助動詞「だ」のついた文末ですが後者の「そうだ」のついた文末の方がより長いため派生の度合いがより強いとの判断から通常変換においては「掘ったそうだ」の方を採ります。
助動詞「だ」は別口入力にも使われるほどの基本辞であり、「そうだ」はそれよりもより派生色の強いことがうかがえます。
それに加えて、「層だ」のほうは名詞が主なので属性イで変換するのが筋というものでしょう。
誤変換の例:噛んだら→寒鱈 完了の助動詞「た」(だ)の仮定形
この例は逆で寒鱈のほうが変換しにくいレアケースの場合ですが寒鱈くらいは変換して欲しいというぼやきも込めて挙げておきます。
補助動詞は通常変換で対応、複合動詞は属性ロで…この方針もしっかり認識しておきたいところです。
「ない・よい・ほしい」補助形容詞も同様にひらがな表記のほうを配して変換します。
使い分けの例:並べておく⇔並べて置く 「ならべておく」通常変換(文末派生)⇔「並べて置く」属性ロ(複合動詞または動詞の並立)
*ちょっと微妙なニュアンスですが、通常変換・属性ロ・属性ハにまたがった使い分けもあります。
使い分けの例:乗っとり(口語)⇔乗っ取り⇔則り 通常変換⇔属性ロ(複合動詞)⇔属性ハ(則りには基準に従うの意があり、通機性のある語とみなす)
続けて
助詞が付加したものや定型句的なものも多くあります。
誤変換の例:見よ→身よ 「見よ」は上一段動詞の命令形なのに対して「身よ」は詠嘆的な間投助詞「よ」が付加したもの
誤変換の例:ドコモダケ→ドコモだけ 「だけ」は限定の副助詞
誤変換の例:見た回→見たかい 「かい」は疑問と念押しの終助詞
誤変換の例:見た頭→見たかしら 「かしら」は疑問の意の終助詞
誤変換の例:同化してる→どうかしてる 「どうか」呼応の副詞☆やや定型句的
あとは古文由来の例を2つあげます。
誤変換の例:イワンとする→言わんとする 「言わん」は「言う」に意志や意図を表す助詞「む」が付いた語
使い分けの例:イカれる⇔怒れる 「イカれる」は先を越される・用をなさなくなる・考え方がおかしくなるの意/「怒れる」は完了・継続の助動詞「り」の連体形「る」が接続したもの
「イカれる」は属性ロ、「怒れる」は通常変換です。
最後に方言・口語表現から例をあげます
誤変換の例:タイタン→炊いたん 「ん」は「の」の転で、「のもの」を表す。
以上、雑多でまとまりのない記事でしたが通常変換のもつ指向性をこれらの例から読み取れることにつながればいいと思います。