前回の助詞が組み合わさってできる複合助詞の話から発展して話を進めたいところですが、今一度複合助詞というものについて振り返ってみたいと思います。
まず、骨組みと言うかでき方については、単独の助詞の連接によってできる複合助詞だけでなく、結合することによって元の助詞の機能とは異なる意味を持った新たな助詞(もはや複合助詞とは言わない単独の助詞)が構成される場合も多いです。
また、「の」においては格助詞というよりも準体助詞(形式名詞)として連接し複合助詞(あるいは一語の助詞)を構成するのに一役買っているものであるといえます。(あくまで格助詞の枠組みの拡張として捉え、「の」までのひとかたまりを体言化する格助詞だという説もあります)
また、複合助詞には「からには」「とともに」「に対して」などのように必ずしも一文字助詞だけからなるわけではなく、連語的に連なるものも多くありますがここでは別口入力との組み合わせを念頭に置いているので一文字の助詞・助動詞あるいは活用語尾の複合によるものについてクローズアップしていきたいと思います。
前回は2つの助詞の組み合わせによる2文字の複合助詞について挙げましたが今回は「な」や「だ」に連結の対象を広げて2文字あるいは3文字からなる複合パーツについての解説です。
<「だ」と「な」を含む別口入力複合パーツの例>
だが だと だとか だとは だとも だの だな だか
なのを なのが なのは なのに なのと なのや なので なのも なのな なのか なのだ
以上あげていきましたが、これらのうち「だな」「なのな」の最後の「な」は終助詞の「な」(詠嘆や命令・念押しなど)なので簡単のために今は説明せずここでは断定の助動詞あるいは形容動詞の活用語尾の一部としての用法に焦点を当てて解説していきたいと思います。
まず「だが」については接続詞(自立語)の「だが」である場合と、断定の助動詞「だ」+逆接の助詞「が」の複合したもの(付属語)…両方の可能性がありますがどちらの場合でも別口入力"だ-が"のように入力していきます。
同様に「なので」も接続詞の場合と「な」+助詞「ので」の複合の場合とが考えられますがこれも別口入力"な-の-で"のように入力します。
なお、断定の助動詞「だ」については関連事項として次の2つの性質を頭に入れておくといいかも知れません。
(1)連用形の活用に「に」がない。
形容動詞では「豊かになる」のようにワンフレーズで一つの意味を成すので「に」が連用形の活用語尾として機能しますが、
「祭りになる」では「祭り」(名詞)+「に」(助詞)+「なる」(動詞)のように分解されて「に」が変化の結果を導く格助詞としてはたらき断定の意味をもたないからです。
(2)連体形の「な」が接続する形は、「な+の」、「な+のに」、「な+ので」の形だけに限られ、体言(名詞)は接続しない。
「のに」「ので」は2文字分で一つの接続助詞です。「なのは」「なのが」「なのを」等は「な+の+副助詞」または「な+の+格助詞」のような連結になります。
これらは形容動詞にはない要素です。
また両品詞の場合にも言えることですが、別口要素「な」と「だ」を2つとも含んだ「なのだ」については連語的ではあるものの
断定の助動詞「だ」または形容動詞の連体形活用語尾+助詞「の」+断定の助動詞「だ」からなる組み合わせとなっておりこれも連続して別口入力"な-の-で"のように入力していきます。
以上で「な」や「だ」を使った別口入力複合パーツについて解説していきましたが連続して入力するのが多少面倒かもしれませんがご理解いただきたいと思います。
文法上の解説もしていきましたが、実際のIME変換エンジンの動作にこういった背景情報がどの程度汲み取られていくものなのか、あるいは別口入力の働きかけによって文法上の細かな判断の局面が猶予されているといったほうが正しいのか見極めていきたいところです。もちろん余計な干渉を起こさずに文法情報が適切に反映できるようにするのがベストだと思うので今後も探っていきたいと思います。
なお申し遅れましたが当記事において当たり前のように使っていた言葉に、若干の補足を入れたいと思います。
「別口入力複合パーツ」という言葉ですが、"複合助詞""複合辞"のようにひとくくりにするのにはちょっと違和感があったため苦し紛れで考えたものですが、
片や断定の助動詞「だ」、片や形容動詞の連体形の活用語尾「な」などと一般の格助詞・副助詞などとの混合を"複合辞"とするにはいささか乱暴であり、別口入力の都合上で連結するものだけを対象にしているだけに過ぎないので限定的な意味として厳密には「別口入力複合パーツ」と呼ぶこととしたいと思います。
ただ、検索の用途上は複合動詞で調べるケースが多いので以後の記事では「複合助詞(別口入力複合パーツ)と別口入力(3)」のように併記した形でいきたいと思います。
まず、骨組みと言うかでき方については、単独の助詞の連接によってできる複合助詞だけでなく、結合することによって元の助詞の機能とは異なる意味を持った新たな助詞(もはや複合助詞とは言わない単独の助詞)が構成される場合も多いです。
また、「の」においては格助詞というよりも準体助詞(形式名詞)として連接し複合助詞(あるいは一語の助詞)を構成するのに一役買っているものであるといえます。(あくまで格助詞の枠組みの拡張として捉え、「の」までのひとかたまりを体言化する格助詞だという説もあります)
また、複合助詞には「からには」「とともに」「に対して」などのように必ずしも一文字助詞だけからなるわけではなく、連語的に連なるものも多くありますがここでは別口入力との組み合わせを念頭に置いているので一文字の助詞・助動詞あるいは活用語尾の複合によるものについてクローズアップしていきたいと思います。
前回は2つの助詞の組み合わせによる2文字の複合助詞について挙げましたが今回は「な」や「だ」に連結の対象を広げて2文字あるいは3文字からなる複合パーツについての解説です。
<「だ」と「な」を含む別口入力複合パーツの例>
だが だと だとか だとは だとも だの だな だか
なのを なのが なのは なのに なのと なのや なので なのも なのな なのか なのだ
以上あげていきましたが、これらのうち「だな」「なのな」の最後の「な」は終助詞の「な」(詠嘆や命令・念押しなど)なので簡単のために今は説明せずここでは断定の助動詞あるいは形容動詞の活用語尾の一部としての用法に焦点を当てて解説していきたいと思います。
まず「だが」については接続詞(自立語)の「だが」である場合と、断定の助動詞「だ」+逆接の助詞「が」の複合したもの(付属語)…両方の可能性がありますがどちらの場合でも別口入力"だ-が"のように入力していきます。
同様に「なので」も接続詞の場合と「な」+助詞「ので」の複合の場合とが考えられますがこれも別口入力"な-の-で"のように入力します。
なお、断定の助動詞「だ」については関連事項として次の2つの性質を頭に入れておくといいかも知れません。
(1)連用形の活用に「に」がない。
形容動詞では「豊かになる」のようにワンフレーズで一つの意味を成すので「に」が連用形の活用語尾として機能しますが、
「祭りになる」では「祭り」(名詞)+「に」(助詞)+「なる」(動詞)のように分解されて「に」が変化の結果を導く格助詞としてはたらき断定の意味をもたないからです。
(2)連体形の「な」が接続する形は、「な+の」、「な+のに」、「な+ので」の形だけに限られ、体言(名詞)は接続しない。
「のに」「ので」は2文字分で一つの接続助詞です。「なのは」「なのが」「なのを」等は「な+の+副助詞」または「な+の+格助詞」のような連結になります。
これらは形容動詞にはない要素です。
また両品詞の場合にも言えることですが、別口要素「な」と「だ」を2つとも含んだ「なのだ」については連語的ではあるものの
断定の助動詞「だ」または形容動詞の連体形活用語尾+助詞「の」+断定の助動詞「だ」からなる組み合わせとなっておりこれも連続して別口入力"な-の-で"のように入力していきます。
以上で「な」や「だ」を使った別口入力複合パーツについて解説していきましたが連続して入力するのが多少面倒かもしれませんがご理解いただきたいと思います。
文法上の解説もしていきましたが、実際のIME変換エンジンの動作にこういった背景情報がどの程度汲み取られていくものなのか、あるいは別口入力の働きかけによって文法上の細かな判断の局面が猶予されているといったほうが正しいのか見極めていきたいところです。もちろん余計な干渉を起こさずに文法情報が適切に反映できるようにするのがベストだと思うので今後も探っていきたいと思います。
なお申し遅れましたが当記事において当たり前のように使っていた言葉に、若干の補足を入れたいと思います。
「別口入力複合パーツ」という言葉ですが、"複合助詞""複合辞"のようにひとくくりにするのにはちょっと違和感があったため苦し紛れで考えたものですが、
片や断定の助動詞「だ」、片や形容動詞の連体形の活用語尾「な」などと一般の格助詞・副助詞などとの混合を"複合辞"とするにはいささか乱暴であり、別口入力の都合上で連結するものだけを対象にしているだけに過ぎないので限定的な意味として厳密には「別口入力複合パーツ」と呼ぶこととしたいと思います。
ただ、検索の用途上は複合動詞で調べるケースが多いので以後の記事では「複合助詞(別口入力複合パーツ)と別口入力(3)」のように併記した形でいきたいと思います。