さて今回は前回・前々回と続けた複合パーツのことについて、触れられていなかった事項に言及したこまごまとした雑記です。
複合助詞だけにとどまらず、「な」や「だ」を用いて組み合わせられた複合パーツの類はまだあります。
例えば副助詞「だに」がそうです。古典や文語などで使われ昨今ではあまり見ないのですが、「微動だにしない」「見るだに辛そうな」などの表現で使われています。「さえ」「すら」とほぼ同じ意味をもちます。
これは「だ」+「に」の連結によるものではなく2文字で一つの独立した助詞です。別口入力においてはこのように全体で一つの助詞であるときも"だ+に"のように連続入力していきます。
もう一つ厳密な取り扱い方に触れておかねばならないのが接続助詞の「でも」は別口入力には使用しないということです。
仮定条件に使われる「でも」ですがこれは連用形のテ形に見られるもので一部の五段動詞において音便形によって濁音化が生じるところから端を発する形の助詞です。(泳いだ・死んだ・学んだ・住んだ)
この形の「で」の含まれる「でも」の用法に限っては入力時は"転んで+も"のように「も」の受け持つ部分のみ別口入力をしていきます。
これはテ形のて(例:見てしまう)の別口入力「て」が存在しないのにその濁音化した「で」も同様の用法で別口入力が用意されているわけではないからです。
ややこしいのがこの「で」の別口入力は
・形容動詞の活用語尾
・「ようで」「そうで」「みたいで」などの助動詞の一部
・断定の助動詞「だ」の連用形
・格助詞の「で」
・各種用法の「でも」の一部の「で」
├初心者でも使える =ましてや上級者ならなおさらわかる
├お茶でも飲もうか =軽く例示してみる
├槍でも鉄砲でも持ってこい =例を列挙する
├せめて第3話だけでもみてほしい =希望
├まんざら捨てたものでもない =不確かな・軽い判断
└医者でも病気になる =特殊なケースの一般化
などのようにさまざまな用法があり混同しやすいのですが「ても」の音便化した「でも」には別口入力は適用されないというのがその成り立ち上からもご理解いただけると思います。
逆に接続詞としての「でも」(例:腹が立った。でも許す)は別口入力せずにベタ打ちで入力します。
「でも」は「それでも」の短縮形であり逆説や反論の用法がありますが接続詞は文頭にくるので分かりやすいかと思います。
さらに「でも学者」や「でもしか先生」などのように接頭語・単語の構成要素になっている「でも」もベタ打ちで入力します。ベタ打ちをすることによって何らかの合成語・派生語であるということがわかれば単語学習にも寄与するのではないでしょうか。
最後に末尾に「な」のつく「こんな」という語の扱いですが、これは形容動詞とも連体詞とも諸説ありましてひとつの説に収まりきらない特殊な特徴をもっています。
形容動詞の観点から見てみると、こんなだ、こんなだろう、こんなに…など形容動詞に準じた活用をするように見えますが、連体形のときにすんなり「こんなな」とはならず語幹のままの「こんな」の形が使われさらに助詞「ので」「のに」につくときだけ「こんななので」「こんななのに」の形になります。(連体形が2種類ある)
似たような考えで形容動詞とはたらきが類似しているのに分類上は連体詞となるものが「同じ」という語です。「同じだ」「同じに」はありますが「同じな」はちょっと不自然になりますね。「同じ」がそのまま使われます。
別口入力においても"こん+な+な+の+で"のように連続入力するのは避けたいのでどちらの品詞であるかの議論は置いていおいて、「こんな」は「な」を別口入力はせずにベタ打ちで入力する方がペンタクラスタキーボードの場合には馴染んでいると考えます(こう書いてしまうと何だか"連体詞支持派"寄りみたいですね)。
なお、この点に関しては過去記事 連体詞と別口入力 において「こんな」を連体詞だと分類していましたが形容動詞だともいえるという可能性を示しつつ訂正したいと思います。
複合助詞だけにとどまらず、「な」や「だ」を用いて組み合わせられた複合パーツの類はまだあります。
例えば副助詞「だに」がそうです。古典や文語などで使われ昨今ではあまり見ないのですが、「微動だにしない」「見るだに辛そうな」などの表現で使われています。「さえ」「すら」とほぼ同じ意味をもちます。
これは「だ」+「に」の連結によるものではなく2文字で一つの独立した助詞です。別口入力においてはこのように全体で一つの助詞であるときも"だ+に"のように連続入力していきます。
もう一つ厳密な取り扱い方に触れておかねばならないのが接続助詞の「でも」は別口入力には使用しないということです。
仮定条件に使われる「でも」ですがこれは連用形のテ形に見られるもので一部の五段動詞において音便形によって濁音化が生じるところから端を発する形の助詞です。(泳いだ・死んだ・学んだ・住んだ)
この形の「で」の含まれる「でも」の用法に限っては入力時は"転んで+も"のように「も」の受け持つ部分のみ別口入力をしていきます。
これはテ形のて(例:見てしまう)の別口入力「て」が存在しないのにその濁音化した「で」も同様の用法で別口入力が用意されているわけではないからです。
ややこしいのがこの「で」の別口入力は
・形容動詞の活用語尾
・「ようで」「そうで」「みたいで」などの助動詞の一部
・断定の助動詞「だ」の連用形
・格助詞の「で」
・各種用法の「でも」の一部の「で」
├初心者でも使える =ましてや上級者ならなおさらわかる
├お茶でも飲もうか =軽く例示してみる
├槍でも鉄砲でも持ってこい =例を列挙する
├せめて第3話だけでもみてほしい =希望
├まんざら捨てたものでもない =不確かな・軽い判断
└医者でも病気になる =特殊なケースの一般化
などのようにさまざまな用法があり混同しやすいのですが「ても」の音便化した「でも」には別口入力は適用されないというのがその成り立ち上からもご理解いただけると思います。
逆に接続詞としての「でも」(例:腹が立った。でも許す)は別口入力せずにベタ打ちで入力します。
「でも」は「それでも」の短縮形であり逆説や反論の用法がありますが接続詞は文頭にくるので分かりやすいかと思います。
さらに「でも学者」や「でもしか先生」などのように接頭語・単語の構成要素になっている「でも」もベタ打ちで入力します。ベタ打ちをすることによって何らかの合成語・派生語であるということがわかれば単語学習にも寄与するのではないでしょうか。
最後に末尾に「な」のつく「こんな」という語の扱いですが、これは形容動詞とも連体詞とも諸説ありましてひとつの説に収まりきらない特殊な特徴をもっています。
形容動詞の観点から見てみると、こんなだ、こんなだろう、こんなに…など形容動詞に準じた活用をするように見えますが、連体形のときにすんなり「こんなな」とはならず語幹のままの「こんな」の形が使われさらに助詞「ので」「のに」につくときだけ「こんななので」「こんななのに」の形になります。(連体形が2種類ある)
似たような考えで形容動詞とはたらきが類似しているのに分類上は連体詞となるものが「同じ」という語です。「同じだ」「同じに」はありますが「同じな」はちょっと不自然になりますね。「同じ」がそのまま使われます。
別口入力においても"こん+な+な+の+で"のように連続入力するのは避けたいのでどちらの品詞であるかの議論は置いていおいて、「こんな」は「な」を別口入力はせずにベタ打ちで入力する方がペンタクラスタキーボードの場合には馴染んでいると考えます(こう書いてしまうと何だか"連体詞支持派"寄りみたいですね)。
なお、この点に関しては過去記事 連体詞と別口入力 において「こんな」を連体詞だと分類していましたが形容動詞だともいえるという可能性を示しつつ訂正したいと思います。