しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

民藝のレッスン 2

2014-02-14 01:30:06 | 日記
LESSON2からは物づくりやデザインの現場にいる人たちが登場し、鞍田先生と対談する形式。

それぞれ、テーマが設けられていた。
LESSON2のエフスタイルさんでは、
「ローカル」(ローカルなふるまい)、

LESSON3の木工デザイナーの三谷龍二さんでは、「リアル」(取り戻されるリアル)、

LESSON4ではKDDIの電話や無印良品のデザイナーであり、日本民藝館の館長に就任した深澤直人さんの、
「ノーマル」(ノーマルという視点)、

LESSON5ではgrafのクリエイティブディレクターの服部滋樹さんの、
「ムーブメント」(ムーブメントの行方)。


LESSON2のエフスタイルさんは、地場産業を中心にデザイン提案、制作、販路の開拓まで一貫して行う女性2人組。

この二人の、仕事や暮らしに対する謙虚さや誠実さは本当に心にしみた。

デザイン提案というよりは、地場産業に従事する人の思いや悩みを聴き、自分を空にして共に作り上げていくようなスタイルだという。

印象的だったのは、
「自分たちが良いと感じた身の回りの人にお金が循環していくように心がけて ます。」というお話。

また、「こういう、話すお仕事は選ぶようにしてます。
お米を研いだり、制作したり、発送の準備したりする普通の暮らしができなくなるから。
そういう普通の生活こそが基盤で、そうしてないと不安になります」。

日々の暮らしに手応えを感じ、みんなで益を分け合って、独自の価値基準を持っていて、とっても理想的な生き方だなと思った。

LESSON3は、元劇団にいたという、私は今回初めて知った方だったけど、超有名な木工デザイナー三谷龍二さん。

この人は長野で、年4回、木工によるものづくりWSを子どもたちとともに行っているという。
ものづくりの楽しさや、温もり、創ることで美意識を育て、やがてその美意識が、流されない心や価値観を作って、生きることの実感を持つことになるというお話。WSは森に分け入り、木を切るところから始まるという。
そんな豊かな経験、幼いときにできたら、その後の人生観も変わってくるだろうなあ。


LESSON4は超満員。深澤直人さんのお話は何ともユーモアに溢れ、かつ深く考えさせられる。
環境との調和の中で美しさが感じられるもの、使いやすさを極めたら、もう使いやすいということすら意識になくなってしまうこと、それがデザインの理想型であること。

愛らしいもの、土臭いもの、可愛らしいものは、自意識がとれた状態で作られたもので、民藝はそれに当たるのではないかということ。
その後、深澤さんは可愛い!を連発して会場を爆笑させた。この人、話が上手い。

最後に「目利きになりたい、いいものを見極めたいと思う人が増えるのは、社会をとてもよくすることだよ。」とおっしゃった。
また、生き様を賭けてものづくりをする人が最近は減ってきたけど、そういう人が生み出すものが、やはりいいものだから、作る人はそのことを常に念頭におくこと、とも。

本物は厳しいな。

LESSON5は服部滋樹さん。小豆島などで地域再生などの社会活動も行うgrafのクリエイティブディレクター。
イースター島のモアイ像が歩く(歩くような姿で移動させることができることがわかったという話)から、人が面白がって、知らず知らずのうちに関わってしまうシステムが作れないかと模索している話、
これは鞍田先生の言で、デザインとフォークロア、フィロソフィーの3つが未来を変えていく力になりそうであること。

イームズの「懐かしい未来」という言葉を引き合いにしていた。



書き落としたことがたくさんあるかもしれない。
物凄く充実した内容だったし、
まずは日々の自分の暮らしを問い直すことからはじめないとな、と思った。

幸せな未来は遠くじゃなくて、足元にほんとはあるのかもしれない。
民藝が灯台になり得る、ということの意味を、深く理解できた。















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