夕暮れを、いるも一人で眺めるのが好きだった。
暮れていく空の向こうを思うのが怖かった。
自分には出来ない事がいっぱいあって、
ちっぽけな、儚い奴だと言っているようで・・・。
誰にもどうにもならないことが、いっぱいあって、
助けてくれる人もなく、孤独が真実なんだと
気づかせてくれた。あの赤い空は・・・雲は・・・。
怖かった、怖いと言えない底深い井戸を覗くように。
裏切ったり、裏切られたり、弱い人を責められもせず、
悲しい色した涙だけが、こころに溜まっていくだけで。
逃げる事など許されず、諦めだけが救いだった。
怖かった、捨てられることだけが、私を震わせた。
しかし今や、あの夕暮れの向こう側では、朝日と名を変え
人々に光を与え、温もりを与え、希望となり、
悲しみと恐怖の涙をぬぐい去っているのだと知った。
夜は果てしなく夜ではなく、暗闇も支配を終える時が来る。
突き落とされたと怯えた所には、暖かな支える手があったのだ。