「チームバチスタ」シリーズでおなじみの
海堂尊の桜宮サーガのタイトルの1つ、ブラックペアン1988を読みました
今作では、主流の田口・白鳥コンビシリーズの登場人物が数多く登場しています。
まずは東城大学医学部付属病院病院長となる高階権太。
高階とは長い付き合いという設定の不定愁訴外来看護師の藤原真琴も
登場していて、高階のことを「ゴンスケ」と呼んでいました(笑)
若き日の高階は、ちょっと白鳥と似てる感じ。
分別を備えた白鳥というか。
自分に似てるから、田口・白鳥シリーズでは
あんなに白鳥のことを毛嫌いしてるのかもと思ったりしました。
チーム・バチスタの一員(第一助手)の垣谷や、
田口・速水(ジェネラル・ルージュ)・島津(ナイチンゲール)の同級生トリオが
医学生として登場していたり、
昔から居眠りの常連であることが判明した猫田師長の他、
ナイチンゲールで重要な役割を占めた
城崎のバンド「バタフライシャドウ」や、
歌手水落冴子の「ラプソディ」もレコードで登場していました。
桜宮シリーズを読んでいれば2倍に楽しめるような作品ですが、
いつものように作品自体のストーリーも面白くできています。
今回はミステリー色は皆無で、医療教育現場の問題を提起するような主題ですが、
登場人物のキャラクターが立っていて、
ストーリーのテンポもよくて、
今までのシリーズの中で一番スラスラと、
単純に楽しんで読めた作品だと思います
主人公の世良のキャラも結構気に入ったので、
彼がちらっと登場するらしい「極北クレイマー」が
文庫化したら購入したいと思います
また、個人的には、去年病気をして手術を受けたので、
手術シーンの細かな描写にいちいち当時の記憶がよみがえり、
とても生々しく小説の世界に入り込んでいくことができました
唯一腑に落ちない点は・・・
この文量で上下巻に分ける必要はあったのか?
十分1冊に収まると思うんですけど。。。
(実際にこれよりも分厚い文庫本は存在するし。)
まあきっと「大人の事情」があったものと推察します
早く全部文庫化してほしいです(笑)