木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

坂の途中

2010-02-04 23:56:40 | タイムマシン
今はようやく駐車場に変貌した僕の出た幼稚園はずっともぬけの殻の様相を呈したままで
ついこの前まで僕たちが遊んでいた地面は残っていた
遊具やら水飲み場なんかはとっくの昔に取り払われ 
でも園舎だった建物は建築のための仮事務所のような形で長いこと残っていた
こんなに狭いところで僕らは生きてたんだ と大人になったらびっくりするくらいのそれで
運動会の時は幼稚園の前の道を横断して普段はだれの土地なのかわからない広場まで走り合った
たしか歩道の段もこちら側と向こう側にあったような気がする
今そんなところで走ってもし転んで怪我でもしようものなら大きな問題になるんじゃないだろうか
でも、楽しかった
幼稚園にいた期間はたった一年
僕らのころはそれが普通だった
2学年下の妹のころになると2年が普通になる・・・


そのたった一年の間にたくさんの出来事が詰まってる
家を出るのが怖くって「行きたくない」って泣いてぐずったこともあった
その時の心情もよく覚えている
あばあさんが幼稚園の門まで送ってくれた

そうそうその間にスクールバスが導入された
たった3分歩くと着く幼稚園なのに バスを待った
バスは大回り、みんなの家を回り幼稚園に着く
着くと一仕事終わったような気がした

妹と僕の幼稚園は違うところだった
僕のはすぐ近所の「さくら幼稚園」

一番上のお姉さんが園長先生で妹たちが普通の先生だった
大森先生だったかなぁ 名前は忘れてしまったけど記憶の底にそんな名前がある
先生たちの家はもちろん違うところにあって
でもそんなに遠いところじゃなく歩いて通えるところだった
なぜそんなことを覚えているかといえば みんなでそこまでいって遊んだ覚えがあるからだ
坂の途中にそこはあった
静かだった
木がいっぱい生えてた
なぜか映画の1シーンのようにそれがよみがえる
やさしい先生たちはみんな結婚していなくて
しばらくすると花がしぼむように「さくら幼稚園」は消えていった

最近その坂の、先生がいたあたりを歩いてみるけど
どこだったか全然思い出せない
もうその時の風景は残ってるはずもない


恋を終えた二人の出会いは何故かあの時の先生の家の近くを思い出す
ちょっと冷たい風と懐かしく温かな心が入り混じって・・・

つまさき坂 永井龍雲





コメント (14)
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