天馬の血族
(左からオルスボルト・アルトジン・帝)
ある…不思議な世界のお話でございます。
その世界では…
天の采配する天候でさえも左右することの出来る
多大な超能力者「天馬」を産み出す血族が支配をしておりました。
その支配は世襲と共に連綿と続き…
始まりが何時なのかも解らない程
それ程に長く、磐石に、続いていたのです。
「天馬」には男である「龍」と女である「牡丹」がおります。
血族の中で最も力のある者が「天馬」となってこの世界を支配するのですが
必ず支配の中枢である都には「龍と牡丹」一対が
揃って鎮座して居なければなりません。
なぜならば…
「龍」はこの世界を正しく導く礎。
「牡丹」はこの世界が歪んでしまった時にリセットする鍵。
「龍と牡丹」はそれぞれの役割を担いながらどちらか一人が「天馬」となって
この世界を支配しなければならない掟がありました。
しかし、長い年月を経て血族の血が薄まり「天馬」と呼ばれる程に
力を持った子が生まれない時代が続きました
その時の「天馬」は龍。色と欲とに溺れた年老いた男でした
その時の牡丹は前の「天馬」である牡丹。
年老いて不老不死の人魚の生を吸いながら、やっと生きながらえている老婆
次代の「天馬」を作りだす為に焦った二人は
不老不死の人魚の生を使い一人の「天馬」を作り出してしまいます。
生まれた子供は龍でした。
しかし…
永遠の生命を持つといわれる人魚と交わって生まれた子が
「天馬」となった時、その血ゆえか…
美しい少年の顔をした「天馬」は残虐性を現し
人魚の生のみならず…人間の生まで吸うバケモノへと変貌していくのです
時を同じくして都の片隅では
天馬を生み出す血族同士の、それとは知らずに結ばれてしまった二人に
子が生まれておりました。
掟では、血縁のより深い血族同士の婚姻は禁じられております
同時期に二人の天馬を作り争わせない為の楔でした
が…愛し合った二人が天馬の血族同士であると知ったのは
子をなしてしまってから後の事でございます
掟に反してしまった二人はもちろんの事
生まれ出でた赤子も殺される運命にあります
二人は赤子を従僕に託し、世界を統べる天馬が唯一手出しが出来ない
不可思議な国、草原のチグルハン国へと逃がすのです
その赤子は女の子…しかも…天馬となりうる「牡丹」でした
その後…
成長した草原の「牡丹」アルトジンと、その乳兄弟であるロト
草原の王オルスボルトと、その弟イスマイル達と
都で帝として君臨する人魚の生を受けた「龍」との
世界を巻き込む壮絶な戦いへとお話は進んで行くのです
さ~すがは、竹宮恵子様でございまする~
全24巻をまったく飽きさせずに一気に読ませて頂きました
場所柄的には、この地球ですが…
お話の最後にはSFめいたお話もチラリと出てきます
普通の人間と超能力を持った人間との共存
及び先任者達が作ったシステムに対しての反発
などは竹宮恵子作「地球(テラ)へ」との共通点が見えます
ただ、1980年代に作られた「地球へ」よりも
2000年代に描かれた「天馬の血族」の方が人間模様の描かれ方が
より密度の濃いものに感じられました
竹宮さんの作品を読んでいて良く思うのは
一貫して強い人間、一貫して弱い人間は居ないっと言う所です
どんなに強い主人公でも、ある時は弱気になったり
またどんなに弱い端役さんでも急に心が強くなったりします
一瞬、ついて行けない違和感を感じるシーンもあるのですが
本来の人間はどんなに強く振舞っていても
弱さも強さも心に秘めている生き物なので
その点を竹宮さんは現しているのでしょう
今回はマンガ好きさん向けにマジメに記事をUPしてみました(笑)
なのでマンガをあまり読まない方は…
ナニがナニやら~の世界だと思います(ハハハハ)
上でチラリと引き合いに出している「地球へ」が
TBS系 4月7日土曜6時よりアニメ放映されます
以前に劇場映画版が出ましたが…
その時の声優さんは…
ジョミー・マーキス・シン:井上純一
キース・アニアン:沖雅也
ソルジャー・ブルー:志垣太郎
フィシス:秋吉久美子
トォニイ:古谷徹
ジョナ・マツカ:薬師丸ひろ子
セキ・レイ・シロエ:神谷明
グランドマザー:岸田今日子
さんでした~(スゴイわ~凄いメンバーじゃったのね~笑)
確か…この時の声優さんたちは…
コスプレしながらアフレコをしたような~(ウロで~す!)
今回TV版ではどうなんでしょうか~少し楽しみです!
この「天馬の血族」もブログで知り合った夜さんからお借りしました~
面白かったです~ありがとうございました~