満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

さくらん

2007-03-27 | 漫画紹介
 さくらん…安野モヨコ作

監督は写真家の蜷川実花(実父は舞台監督)
主演は下妻物語の土屋アンナ
音楽監督を椎名林檎
で今、ロードショー中のビビットカラー満開の映画
「さくらん」
これの原作マンガを、チョイと読んでみた

これ、雑誌「イブニング」に2001年~2003年まで不定期連載されたらしい。
話しの内容としては、この第一巻で完結しているのだが…
続編があってもおかしくない雰囲気で終わっている。
だからかどうかは知らないが…
2005年1月から「イブニング」で、第二部の連載がスタートしたらしい。
が、現在連載は停止状態。
ナゼかの????
実に…続編があるのなら…読みたいマンガである。

作者の安野モヨコさん。
1971年生まれというから、30歳代半ばか~
にしては…凄い
キメのセリフが実にイイ~(笑)

時は江戸、幕府公認の吉原が舞台
その吉原に禿(かむろ)として「玉菊屋」に売れれて来た子供が主人公
器量良し、性格悪し、負けん気強し。
禿(かむろ)時代は「とめき」っと呼ばれ
ケンカ、逃亡の日々を送り痣の耐える事のない日々をおくる暴れん坊
無事に「新造」となり名を「きよ葉」と名乗る
琴はヘタだが将棋が強い。
相変わらずの減らず口に艶やな笑みを覚え、向かうところ敵なし
突き出し(客取)を経て人気者となる
後に昼夜金二分の座敷持ちとなり廓内のナンバー3をはる。
ガラの悪さに変化は無いが、この物怖じしない態度が客に受ける
これが…後に吉原一の花魁となる玉菊屋の日暮(ひぐらし)の
話しである。

禿(かむろ)の「とめき」時代に世話になっていた「花魁粧ひ」に向かい
「花魁なんぞ、なりとうない!」っと言うと
「なりとうないは、なってから言え!」っと言われる

また将来お職をはるであろうと噂され
妬まれイジメにあった「とめき」に対し、「花魁粧ひ」は
「人より多くもらう者は、人より多く憎まれる
それがお職の花魁サ。憎まれっ子のお前にはうってつけじゃ」っと言われる
(これ、実は粧ひの愛情が底辺にある言葉)

ナンバー2の部屋持ちに足をすくわれた時に
「同じ思いをしてるからこそ
同じ地獄におとさなけりゃ、気がすまねえのさ
泣いたら負け、ほれても負け、勝っても負け」
っと心の中で遊女の悲しさを表す。

殴られ、蹴られ、踏みつけられても…
爪の間に土が入り込み
指先から血が滲んでも…彼女は立ち上がる。
何があってもムンズと立ち上がる。
そうして、細いアゴを上げ男達に微笑み返す
そんな…とてつもなく強い「女」のお話です

機会があったら一読してみてくださいね~

途中で停止状態の第二部は
花魁日暮になってからのお話だとか…
何故、筆が進まないのかは解らんが…続が見たいの~
(もしかしたら…この強い女の最後の結末に悩んでいるのかもしれない)