オーストラリアの魅力は、豊かに残る大自然との触れ合いと、人工の利便さがほどよく調和している点にあります。元来、二律背反する2つの要素が、絶妙のバランスを保っています。
日本人は近年、旅行の際に名所旧跡を見物して歩く従来のパターンにはあきたらず、自らの行動参加を求める傾向が強くなっています。登山、トレッキング、マリンスポーツ、サファリなど、ふだん体験できない大自然との出合いに楽しみを見いだそうとする人が増えました。それだけ日本社会の暮らし方が都会型になり、失いつつある野性への郷愁をかきたてるのかもしれません。
オーストラリアは、海洋体験の場としては、地球上に残された最高の条件を備えています。たとえば、クイーンズランド州には、南太平洋に突き出た大陸棚が深海に落ち込む所に形成された地球上最大のサンゴ礁・グレート・バリア・リーフがあります。日本列島を上回る全長2000キロの長さに、600以上の岩礁が連なる壮大なスケールには圧倒されます。
海洋生物の宝庫でもあります。エメラルドグリーンに輝き、公害とは無縁の海水中に生息するサンゴや魚類。スキューバダイビング、シュノーケリングで見る海中のサンゴ礁の景観は美しいです。
一方、地中海のコートダジュールに比肩するゴールドコーストは総合海浜リゾートとして昼夜のレジャー施設が完備されています。サンシャイン・コースト、南回帰線直下のカプリコーニアの静かなビーチも魅力的です。