想い事 家族の記録

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鬱病
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犯人はこのなかにいます。

2024-10-08 20:11:00 | 日記
一度は使ってみたい台詞。

昔、オリエント急行殺人事件を読んで犯人を当てた時に、
自分には探偵の素質があると
勘違いしたおバカさんです。


今日は父の面会日。
待ち時間の間に、温泉に入り、
院内のコンビニでランチ買って、
休憩スペースで原稿チェック。
猛烈な眠気と闘いつつ、
考え続けた。

これで、いいのだろうか。
もう出版済みの話と違って、
こちらは全7巻。
途中でやめるわけにはいかない。
それなりの覚悟が必要で。
腹はくくったか?

自分が何歳の時に描き出したか、
あまりに遠い過去なので思い出せないが、20年かかったことは確か。
「出そうかな」
と決めて、まず始めたのは、
物語全体をまずは俯瞰して、
矛盾点を暴くことだった。
無知無学な作者は、
ことごとくやらかしている。
誤字脱字勘違い説明不足。
ひとつ云えることは、

あの頃の作者は、
ものを知らない少女だったということ。
世界を知らない。
哀しみも絶望も知らない。
世界は美しいと勘違いしている。
一途に美しい世界を探求し、
物語を描きたいと願う。
結果的に悲劇以外の何ものでもない話だったが、
その哀しみすら美しい。
本物の地獄を知らぬ者に、
地獄は描けないのですよ。

あの頃の少女が描いた風景を、
今の私が描き直すと、
片鱗すらなくなって
しまいそうになった。
全てを塗り替えるには惜しかった。
多分あの少女は、
途中で気づいている。
この世は不条理だということ。
人間の残虐性。
失うかも知れないという恐怖も。

私は、「これは弔い合戦だ」と思うことにした。

途中で儚く散った少女性。
最後まできれいでいたかったよね。
でもそれは叶わなかったでしょう。
だから、ベースは残してあげよう。
あの子にしか描けない風景はそのままに、
あの子には描けない風景は、
この私が。

私は本物の地獄を見た大人だから、
その手のシーンは任せなさい。

残酷で残虐で、
悲劇でしかない、哀しい物語を、
あの子と私で完成させる。
人間は、それでも、
最後は神に縋るもの。
奪わないでと、祈るもの。
あまりに身勝手で、
虫唾が走った。
大切なものを破壊されて、
怒りに震えた。
物語のラストで、
想いは昇華される。
私の感情を向けてしまって悪いけど
よろしく頼むよ。


で、全話を通してわかったことは、
「結局犯人は誰?」
ってことだった。
謎を残したまま、物語は崩壊した。
今の私には全く謎だったが、
この話の番外編に、
犯人は描かれていた。

「頭が悪いなりに、
色々考えていたのね」
と、少しは自分を見直した。
これで、番外編3作を追加して、
弔い合戦は終わる。



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