闇サイト殺人事件の判決が下った。
何の関係もないアカの他人が殺害の1週間前に知り合い、何の関係もない女性を拉致して殺害。
そこには怨恨も愛情のもつれもない。
なにかたまたま知り合った人たちがちょっと飲みに行かへん?と言わんばかりの軽さでひとりの命を奪った。
殺人に重いも軽いもないのかもしれないけれど、こういった無差別で残虐な事件にとてつもない恐怖を感じる。
偶然にも今読んでいる宮部みゆき「模倣犯」に次のようなくだりが出てくる。
「本当の悪とはこういうものなんだ。理由なんかない。だからその悪に襲われた被害者はどうしてこんな目に遭わされるのかが判らない。納得がいかない。何故だと問われても答えてはくれない。恨みがあったとか、愛情が憎しみに変わったとか、金が目当てだったとか、そういう理由があるならば被害者の側だってなんとか割り切りようがある。自分を慰めたり、犯人を憎んだり、社会を恨んだりするには根拠が必要だから。犯人がその根拠を与えてくれれば対処のしようがある。だけど最初から根拠も理由もなかったらただ呆然とされるままになっているだけだ。それこそが本物の『悪』なのさ」
おそらく今後こういった類の事件は増えるだろう。
そしてそういう環境を作り出している社会に不安を感じているのは僕だけではないはず。
ネット社会の闇の部分が抱える問題は深刻さを増している。