小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

"Round Midyear"の『個人的な祝祭』~07年個人読んだ本ベスト5

2007-12-31 17:24:15 | 週間日記
よし、2週間前にまで追いついて年越し、少しだけ気持ちいい新年。

10日(月)仕事
11日(火)OB・Y君、OG・Eちゃんとシネマテークたかさきで『長江哀歌』。直前に何と平成はじまって以来となるロッテリアでフィッシュバーガー~だるま大使
12日(水)出張授業~駅前「博多」で同級生Mト君主催忘年会
13日(木)校正作業のため築地に。まず、今年最後かなと共楽で中華そば~作業、編集Oさん、塾OBI川君と中華で夕食~途中ミラン・浦和戦もみる~帰路、佐藤優『国家と神とマルクス』読了。刺激的な論考多く、できれば後でレビューを書こう
14日(金)仕事
15日(土)昼は撮影~Mixiコミュニティの忘年会で目黒へ~夜通し遊ぶ
16日(日)朝帰り、OB・O島君の結婚式のために、恒例お金で買えない贈り物シリーズ製作。なんでこんなに苦しいんだといいつつO島君中学生時作品のコラージュ完成。出力形式で苦しむもキタムラで額入り作品に仕上げる~者どもと会場の与野へ。大いに盛り上がる~帰って力尽き、楽しみにしていたがロンドンダービーどころでなく寝る

大晦日。
でも、普段と変わらず、でも“年末的”だな。今日は「読んだ本ベスト5」にしましょう。
何といっても、記録的に読書量が少なかった07年。多くはなくてもいい本には出会えた。範囲は07年中に読了した本。一応、刊行年月も入れておきます。

1)内田樹『私家版 ユダヤ論』(06年7月)
2)橋元淳一郎『時間はどこで生まれるのか』(06年12月)
3)坪内祐三『同時代も歴史である 一九七九年問題』(06年5月)
4)五十嵐太郎『現代建築に関する16章』(06年11月)
5)佐藤優『国家と神とマルクス』(07年4月)
番外)茨木のり子『詩のこころを読む』(79年1月)

なんと、新しいと思ってたのも、みんな昨年出た本ではないか。でも、別に本は逃げないからまあいいや。
では、昨日の反省から1行レビューを。

1)これまで読んだ氏の著作の中でも集大成的な分厚い論考。構造主義者、現象学的アプローチのストレートな切り口が切れ味鋭く展開するさまはスリリングなことこの上なく、言説の対象からもっと大きな構造に論理を広げていく醍醐味は柄谷行人『マルクスその可能性の中心』を思い出しました。
2)このわかりやすさはまさしく「どこで生まれるのか」。ミクロでは時間はないとか、エントロピーとかに対して今までになく理解が進み、それでおおざっぱに感じさせないのは驚異。そして、「意外な結論」という本という形式では忘れてはいけない美点も備えているのだからいうことはなく感動的です。
3)個人的に、日本文化=歴史の中の1979年には思うことが多かったので読み始めたのですが、当時の「アンティゴーネ」の公演に始まる構成は意外で見事。視点を複雑化することで過去の時間を別のかたちで再構成するという最近の興味をかきたてられたすばらしい論考でした。おまけはいつの日かの、個人的な1979年考の完成で。
4)きっかけは読売で読んだ『「結婚式教会」の誕生』の白幡洋三郎の書評(ありました http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20071126bk0a.htm)。建築の本はたまに読みますが、これは対象に関する視点がフラットな点が新鮮でした。いろいろおもしろい知識が手に入り、まさに読書の醍醐味を満喫。
5)周辺では大変な話題で、雑誌などでは読んでいましたが著書では初めて。ぶれのなさが美点だと思います。国家、宗教、思想について学ぶ点が非常に多く、いいたいことだけを直線的に語るテキストに「語るべきこと」が多い人のすがすがしさと限界を感じました。
番外)この本を通して知った何人もの詩人と言葉。宝物であり、決して古びることはありません。

というわけで、やっぱり年末には関係ない、面倒なことをだらだら書き並べてしまって07年を終わります。
誰かと語ることと違って本を読むことは、昨日も書いた河合隼雄さんの言葉を借りれば「個人的な祝祭」。意外にも年末から正月にかけてはいいのかも知れません。
それは「もの」をいわないで「語り」だけする「ねこ」といることと、意外に共通点があるようにも。本は「言葉」、ねこは「にゃん」。

きいているのは、結局新譜はまだ買っていないロバート・ワイアット。もうすぐ、そんな言葉があるのか "Round Midyear" はもうすぐ。

よいお年を、来年もよろしくお願いします。

※5分後の追記:
よく考えると midyear では、6月と7月の間くらいか。でも、間違いも味のうちでそのままに
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