午前11時から「Eglise(教会)」にてコンサート。ピアノは普通のスタインウェイ。この音楽祭のために借りてきたのだろうか。綺麗だ。ただ、ピアノの蓋が大きく開けられていて、ちょっと心配。
後半、カプソン&ティボーテ登場。フランクのヴァイオリンソナタ-期待に胸が膨らむ。
最初こそ安定しない部分もあったが、期待に違わない美しい音。カプソンは時々隣の弦を引っかいてしまうことが気になるのだが、今日はあまり気にならず。また音程のぶれも少なかった。Panetteの深く煌びやかな音が会場一杯に広がる。
今日気になってしまったのは、何と、息の音。カプソンは、それぞれのフレーズに入る前に息を吸うのだが(まるで管楽器のようだ)、その音がヴァイオリンの胴で共鳴するようだ。こればかりは如何ともし難いのだろうが、録音で聴いたら相当目立ちそうだ(ライブでこれだけ気になるのだから)。
第四楽章、今回の音楽祭、ティボーテはよく働いてはいるけれど、ちょっと最後は粗かったか(楽屋に電子ピアノが置いてあり、そこにこの曲の楽譜が置いてあった-最後まで練習していたのだろうか)。しかも蓋が大開になっているので、抑え気味に弾いてくれたら丁度良かったのだけれど。
今回の音楽祭で、今まで以上に演奏家たちと直接触れ合い、今後自分が音楽とどのようにかかわってゆくのか、考えてしまった。第四楽章の最後、そんなことに思いが至っていたからか、本当に泣きそうになってしまった。
満場の拍手、ブラボーが飛ぶ。
演奏終了後、楽屋へ。ティボーテは相変わらずやさしく、手の写真を撮らせてくれた。
カプソンとは初対面だったが、とても気さくで良い人だった。そしてこんな写真を撮らせてくれた。
これは売れそう?「良い演奏だった」と言ったら、「楽器が良いからね」と言う。いえいえ「弾き手が良くなければ、楽器が良くてもだめですよ」と言ったら、嬉しそうに微笑んだ。