Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

マーラー交響曲第1番 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団&グスターボ・ドゥダメル

2015-06-11 22:00:00 | Gustavo Dudamel

昼の便でウィーンに到着、ホテルで仕事。仕事を終え夕方の便でベルリンに向かう。

乗降時間削減のため、機内持ち込み荷物だけ、着替えも最小限にする。
折角エコノミー最前列にしてもらったのに、TXLではバス移動。
バスがターミナルに到着するや小走りでタクシー乗り場へ向かう。
直接フィルハーモニーへ。
 
モーツアルトのポストホルンは最終コーナーで事故発生。
難しい楽器なのだろうな。
 
後半は待ちに待ったマーラー交響曲第1番。
ベルリンフィルを聴く度に思うことではあるけれど、
ポルシェのよう(イメージ:自動車運転免許持っていない)ーダントツの技術力。
こんなオーケストラが自分のオーケストラだったら、指揮者、気持ち良いだろうなあ。。。
 
先週のミュンヘンと同様、テーマはPastralなのか、
弱音を強調するというか、弱音部に特徴のある演奏と感じた。
また、Gustavoの「こうしたい」も何となくわかるような気がした。
ただ、まだ「それが完成したらすごいのだろうな」レベルに居る感じが否めない。
 
この感じを見ると、残念ながら今回GustavoのベルリンフィルChefdirigenten就任はないのだろう。
今の状態では、そうなってもあまり幸せになれないのではないか、と心配になる。 
昔のカラヤンやバーンスタイン、もっと昔ならフルトベングラーやトスカニーニ、
この人たちが指揮台に立つと、演奏者の態度が違ったんだろうな、残念ながら。
昔ロンドンに居た時の某オケ・フルート奏者のように、なんとなく、やる気なさそうに見える人がいる(演奏中に目のあった、君だよ、君!)。
指揮者に対する畏怖や尊敬の念が欠如していることの現れなのだろうけれど、
どうしたら、そういう気持ちを誰からも得られるようになるのかしら?
他人事ではないけれど。
 
今回はちょっと不完全燃焼。
GustavoがベルリンフィルのChefdirigentenになったら、ベルリンに移住したくなっちゃうし、
この次くらいで良いかな。

Gustavo in Munich 2 - City Noir

2015-06-06 21:00:00 | Gustavo Dudamel

Gustavo in Munich 2日目。プログラムは昨日と同じ。

 
外出先から一旦ホテルに帰って出掛けたところ、
ホテル前にタクシーがなく、到着が開演時間1分後。
昨日は5分以上遅れて始まったのに、今日はもうロビーに人が居ない。
ホールからチューニングの音が響いている。
チケット切りのお姉さん(このホールでは座席への各ドアのところでチケットを切る)は
何でもないかのように入れてくれたのだが、
なんとホールは既にチューニングも終わり、皆指揮者が入ってくるのを待っている状態。
ここで最前列の席まで階段を下りるのは勇気が要るがやむを得まい。
昨日と違ってど真ん中でないことが救い。
ど真ん中だったらそのまま振って、という感じ。ごめんなさい!
 
席に着くとほぼ同時にGustavoが入って来る。
拍手をして恥ずかしさを紛らわすも、走ったことと恥ずかしさで心拍数は100を超えている。
従って最初の数分のCity Noirに関する記憶はないけれど、
どうやら、ようやく自分の脳みそがCity Noirを認識し始めたらしい。
これまでごちゃごちゃとしか聞こえていなかった音楽が、
心地よく響いていることに気付く。
春祭みたい、と思ったり、バーンスタインみたい、と思ったり。
雨に煙る街が見える。とても絵画的な音楽に思えて来た。
 
やはりこういう曲は何度か聴かなくては私にはだめなのだろう。
聴いているうちに脳が曲を認識して来る、というか。
スーパーで流行りの曲を何度もリフレインされるうちに自然と覚えてしまうのと同じだわ。
馴染む、親しむことの大切さ(マーケティングの大切さ?)を感じる。
 
後半のベートーベン、
こちらは、昨日と同様、優しい7番。
特に第2楽章は、ため息のような、すすり泣きのような。
Vnが弓に入れる力を最小限にして、浮かすように弓を動かすにので、
そんな風に聞こえるのか(右腕しんどそう、と思うが、プロは平気なのか?)。
テンポ的には昨日ほど遅い訳でもなく、
第3、4楽章は元来のの突っ走り気味の速度。
最後、コントラバスのお姉さんは笑いながら弾いていた。
ああ、本当にGustavoの演奏会は聴いている人も、弾いている人も、
振っている人も、皆笑顔で嬉しくなってしまう。
 
でも、会場は意外とあっさり、帰途を急ぐ人が多かった。
雨が降りそうだったからかしら?(今外からは雷鳴が聞こえる)
そう言う自分も、今日はすぐにタクシーでホテルへ。
気に入らなかった訳では全くなく、お手紙でも書きたい気分だったので。

Gustavo in Munich

2015-06-05 22:00:00 | Gustavo Dudamel
Programは前半がAdamsのCity Noir、後半がベートーベンの交響曲第7番。
City Noirは前回のLA Phil in Suntory Hallよりは寝ずに聴けたように思う。
フィニッシュが華麗だった。
そして後半は待ちに待ったベートーベンの交響曲第7番。
いつも何か発見のあるGustavoの演奏会ではあるけれど、今日のは特別。
これまでに聴いたなかで、良く言えばsweetestな演奏。
あまりに7番らしくない7番でびっくり。
ヴァイオリンはまるで全ての音符にテヌートを付けたような弾き方で、
演奏する人は大変だったのではないかと推察する。

聴きながら、指揮者は演奏会において何をゴールにしているのだろう、と考える。
常任指揮者であることと、こうして客員として来ること、
1回1回の演奏会でのゴールというのは異なるのか、同じなのか。

それにしても7番に期待していたものとはあまりに違って、何とも不思議な感覚。
 

相変わらずのミーハーは最前列の真ん中の席、
7日も最前列の真ん中の群の舞台向かって左側、
今度のベルリンフィルも最前列真ん中
(なぜかこういう席が直前に出てくる)と、
音を聴くのにどうなの?と自分で自分にツッコミを入れるも、
理性は無力、どうしても誘惑に負け、言い訳を考える。
「学習効率は距離の二乗に反比例する」と
高校の物理の先生が仰っていたし、
指揮者と同じ位置で演奏を聴いているのだと思えば。。。

演奏会の後少し話ができたので、今日のベートーベンはSweetだった、
と話したところ、違ったの分かったでしょう?、ちょっとpastoralだったでしょう?と。
何で変えたの?と尋ねたら、人生も変わるように、音楽も変わるんだよ、
みたいなことを言うので思わず二人で大笑いしてしまったのでした。
あまりに断片的にしか知らない人を統合しようとすることに無理があるのは分かっているけれど、
こういう音楽を作るGustavoと、それ以外の部分の彼を統合しようとして失敗した感のある夜。
 
追記:Gustavoの次の来日は2017年SBSOVと、とのこと。