クリスマスメニューの間はレストランに行かない、というのが私の基本方針なのであるが(高い、選択の余地がない/少ない)、家人の都合が25日の夜しかつかず、クリスマスにロオジエ訪問。
とても良いお席を用意していただいたため、今回は写真撮影を控えた-ということで頂いたメニューの写真のみ。
選択の余地のないメニューだからか(家人がこの中からチョイスかと勘違いするほどの「フルコース」)、全体的に奇を衒わない、普遍的に美味しい料理であった。アミューズブーシュの鱒のリエットから最後のデザートまで、本当に美味しく頂くことができた。
「からすみとポワロー葱のクリーム キャビア添え」は上層がからすみのかすかな苦味のあるクリーム、下層はポワロー葱の緑が美しいクリーム。容れ物もちょっと不思議でかわいらしかった。
「鴨フォワグラのコンフィ 甘酸っぱい白ワインのジュレ ビーツと大根のサラダ」色合いがお正月を意識したような紅白。フォアグラは舌触りも極めて滑らかで美味しい。白ワインのジュレはビーツで赤く色づけされ、小さなドーム状に。その下の白い台が、大根だったのか梨だったのかで今も家人との論争が継続中。
「帆立貝のブルーテ 白子のロワイヤルと共に」貝をいただけない私は大好きな野菜のスープに。ブルーノさんのご好意で今年最後の白トリュフのスライスと共に。季節の移り変わりを名残惜しく思いながら。
「伊勢海老のポッシェ シャンパーニュ風味 冬野菜と海の幸のラヴィオル添え」ぷりぷりの伊勢海老とシャンパーニュのさわやかな酸味のあるキャビア入りソースの相性は抜群。ソースが気に入ってブルーノさんに尋ねると「とてもシンプルなソース」とのこと。Simple is the bestである。ラビオリには刻んだ栗などが入って少し甘めで、これも好み。
「ランド産シャポン 黒トリュフとマロンのファルシィ トリュフのコンフィチュール もみの木の香り」これは日本人には美味しい-超高級焼き鳥、といったところ。白身は引き締まり、赤身はフォアなども一緒につくね風。もみの木の香りをうつしたソースはまさに「甘ダレ」で、こんなにいろいろなものを頂いてきたのに完食。
「赤いフルーツとライチのコンポート ロゼシャンパーニュのジュレ シュルのシャーベット」とても美味しいのだが、アルコールがきつくて、味見のみにとどまる。何故アルコールがダメなのか、わが身を呪った一品。
「チョコレートのムース マンダリンオレンジのシャーベット ミルクのソース ノワゼット風味」ミルクのソースをかける感じが、比較してはいけないがUKでケーキにカスタードクリームをかける様を思い起こさせる。しかし確かにしっとり感が増して美味。私のお皿はマンダリンの代わりにバニラビーンズたっぷりの洋梨のような味のシャーベット。
プチフールはいつものシュークリームに加え、ゼリー、チョコレートタルト、マスカルポーネチーズのタルトを選択。マスカルポーネのタルトはシナモンの後味も美しく、大満足。アッサムティは上品な感じ。英国の紅茶に慣れた身としては、もう少ししっかり目でもよいのだけれど。
美味しい食事で心からの幸せを感じながら、サービスの皆さん、ブルーノさんと年末の挨拶を交わし、クリスマス用に赤や白の灯りで美しくデコレートされた木々の間を抜け帰路についた。ブルーノさん、ロオジエの皆さんの今年一年のご厚情に感謝しながら。