カドガンホールは900席ほどの小さなホールであるが、今日はここにチェコフィルがやって来た。弦がドボコンで6-5-4-4-3、ドボ7で7-6-5-5-4とかなりぎゅうぎゅう。音も大きいが、奏者の体格が皆良いことも舞台を狭く感じさせる一因か?Royal Festival Hallのように大きくて音響がそれほど良くないホールでの音に慣れつつある今日、前述の通り、ホールの割りにオケが大きいため、オケの音がうるさいとは言わないが、相当大きく聴こえる。
ドボコンのソリスト、スティーブンは、第一楽章は情熱的、第二楽章は美しく歌い、第三楽章はのびのびと、素晴らしい演奏であった。第一楽章を聴いていて、ストラドなのかな、清楚な音だな、と思って楽章の間にこっそりプログラムを見ると、彼の使用楽器として2つのストラドの名前があった。そこで会場の人に尋ねてみると、今日はthe Royal Academy of Musicから貸与されている1726年製ストラドのMarquis de Corberonを使用したとのことであった(彼は日本音楽財団からも1730年製ストラドFeuermannを貸与されている-どちらか好みがあるのだろうか?あればもう一つを別の人に回してあげたらよいのに?)。とにかくオケが大音量だったので、正直、もう少し音量があればバランスが取れるのに、と思った。
帰ってWikiで調べてみると、彼は音量より音質をとってスチール弦を使用しない、とあった。なるほど、あの音量はガット弦によるものだったのだ。う~ん、それであれば、オケの規模をもう少し小さくは出来ないのか?
とても良い演奏に思えたので、スタンディングオベーション。スティーブンはお茶目にも、最後は楽器にもお辞儀をさせて去っていった。流石は英国紳士、礼儀正しい。