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算額(その1412)

2024年11月20日 | Julia

算額(その1412)

八二 熊谷市三ケ尻 竜泉寺 明治11年(1878)
埼玉県立図書館:埼玉県史料集 第二集『埼玉の算額』,昭和44年,誠美堂印刷所,埼玉県与野市.
キーワード:3次元,球3個,円錐
#Julia, #SymPy, #算額, #和算

楕円錐(底面が楕円)の中に上,中,下の 3 個の珠を容れる。上,中,下の珠の直径の和は 120 寸,各直径の差は 10 寸のとき,下珠の直径はいかほどか。

注:本問は 3 個の珠の直径の差が等差数列であることを前提にしている。算額(その1409)では四角錐に内接する球の直径は等比数列であるとした。球を内包する立体は,四角錘でなくて円錐でもよいわけである。もし円錐に等差数列に従う球を入れるとどうなるか。たとえば,図に示すような小球と中球が内接するような円錐では大球はグスグスである(赤い玉と円錐の側面に隙間がある)。しかし,円錐を垂直に立てれば,大球は上にある中球・小球の重さで横方向に押しのけられ,円錐の側面に一点で内接するのである。ということで,円錐と等差数列をなす 3 球ということに矛盾は生じないので,安心して問題を解く。なお,わざわざ楕円錐としたのは長径方向に投影したときに,投影された 3 珠の重心が一直線になるということくらいか?(円錐だとどちら方向に投影するか特定できないから)

蛇足:3つの珠の直径が 30, 40, 50 のとき,初項が 30,公比が 4/3 なので,3番めの珠の直径は 30*(4/3)^2 = 53.33333333333333 になるので,3 番目の珠の直径が 50 なら,グスグスなのである。

中学生レベル(?)の問題であるが,SymPy を使って解くと以下のようになる。
下珠,中珠,上珠の直径を 「上径」,「中径」,「下径」 とおく。直径の和を「径和」,直径の差を「各差」として以下の連立方程式を解く。

using SymPy
@syms 下径, 中径, 上径, 径和, 各差
eq1 = 下径 + 中径 + 上径 - 径和
eq2 = 下径 - 中径 - 各差
eq3 = 中径 - 上径 - 各差
res = solve([eq1, eq2, eq3], (下径, 中径, 上径))
(res[下径], res[中径], res[上径]) |> println

    (各差 + 径和/3, 径和/3, -各差 + 径和/3)

術は「上中下の 3 個の珠の直径の和に直径の差の 3 倍を加え 3 で割ることで下珠の直径を得る」ということで,小学生に説明するなら,このほうがよいかもしれない。でも,式の変形は小学校では扱わないか?

下径 + 中径 + 上径 = 径和
下径 + (下径 - 各差) + (下径 - 2×各差) = 径和
3×下径 - 3×各差 = 径和
3×下径 = 径和 + 3×各差
下径 = (径和 + 3×各差)÷3


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