風の生まれる場所

海藍のような言ノ葉の世界

空や雲や海や星や月や風との語らいを
言葉へ置き換えていけたら・・・

生きるとは・・・・・恩恵について

2007年08月25日 00時21分53秒 | エッセイ、随筆、小説








突然の連絡によって、私の今日の予定がひとつ増えてしまった。

イギリスからアート系の大学教授が来日しているので、

私の親友であるイギリス人女性と彼と友禅染師とカフェで

マンチェスターで行った染めのワークショップについて盛り上がった。






すると、籍を入れなかっただけで旦那同然の彼から連絡が入った。

1時間でいいから時間をつくって欲しい旨、急遽、帰宅時間をずらすことに。

ひとしきり彼が経営する会社の相談を受け、私は聞き役に徹した。

彼は病院の経営者であるため、

私はその一部始終をゼロから見てきた生き証人であるため、

彼が私の理解を求めたいことは重々承知し、話に耳を傾ける。

男が生きる辛さを吐き出したいのだろう。

5年同棲していた頃を懐かしく思い、

彼とは男女を超越した関係、今年で17年目を迎える。







本来、彼とは関係ないはずの娘の成長を常に気にかけてもらい、

娘に・・・と言って渡された大きな紙袋には

Samantha Thavasa という水色の文字。

おまけに・・・と言って私の分まで用意してくれていた。

誕生日でも特別な日でもないのに・・・と躊躇していると、

頑張れって意味だよ、と言われた。

娘は大学受験へ向け、私は闘病のため。









私は泣いた。

嬉しくて、有難くて、幸せに包まれ涙を流した。

彼は笑っていた。

モノでしか気持ちを表現できない馬鹿な男だけど・・・・と言って。

頭をかいて、無造作にハンカチをポケットから取り出して、

私の涙を汗臭いハンカチで拭ってくれた。









私ができる彼への恩返しは今の時点では不明だけど、

こうした恩恵が私を生かしてくれているのだと思ったら、

また泣けてきた。









今の私には話を聞くことくらいしかできないけど、

それでも友人である彼にとって明日への活力になり得るなら、

温かな眼差しで彼を見つめ、いくらでも優しさを振りまこうと思う。









バックをもらったことが嬉しいのではなく、

彼の思いが痛いほどに伝わってくるのだ。

ありがとう。

いつか私もあなたに恩返しができるような女に成長したい。

仕事でも、人間としても。

それをあなたにゼロから見届けて欲しい・・・・・・













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