あの山を越えたら・・・
と、自分に言い聞かせ、いくつもの山を越えてきました。
生きるとはそうした山を越え続ける行為そのものなのでしょうが、山を越えるには体力が必要です。
わたしにはその体力がなく、すでに折れてしまっている杖を支えにするしかありません。
とはいえ、生きていると幸せなことに出会えます。
おしゃれをする、おいしいものを食べる、いい人に出会える・・・
だから、生きていても悪くない、そう思えるようになりました。
申し述べたいこと、がある。
伝えたいこと、がある。
耳を傾けてもらいたいこと、がある。
それゆえ、小説を書く。
作家、司馬遼太郎さんの著書、人間というものの余白に書かれていた言葉になります。
申し述べたいこと、伝えたいこと、耳を傾けてもらいたいこと、だから言葉を綴る。
それが天命なのでしょう。
無心の合掌はときにさまざまな無意識を引き出していく。
わたしが何者であるかということさえ。