友人に会いに家を出る…

新聞を読み終え、朝食も平らげた。
次にテレビでも観ようかとリモコンを手にしたトコロで ケータイが鳴った。


電話は学生時代の友人から。
「今から会わないか？」という。
急な誘いだが 特に用もないので ふたつ返事でＯＫした。

服を着替え、家を出る。
眩しい光が頭上から降り注ぐが、いまいち 目が覚めず、あくびばかり出る。駅前の喫茶で珈琲でも飲もうかと思う……

（つづく）

序章…

休日の朝だが いつもの時間に起き出し、いつものように朝食をとりながら新聞に目を通す。

一面は衆議院の解散に絡む 政治の話、農水省の不祥事、医療費が過去最高に…という記事が続く。

次の面を開くとデカデカと奇妙な事件についての記事が載っていた。

「全国的にシーサー消える」

なんでも今月の始めに 北海道札幌市に住む比嘉さん宅に飾ってあった“シーサー”がこつぜんと姿を消したらしく、この事件を皮切りに同様の事件が頻発していて 青森、秋田、岩手さらに山形、宮城と 事件が少しずつ南下しているため 警察はシーサーを狙った窃盗団が存在しているとみて、操作を始めているらしい…

変な事件だな。
その時は それくらいにしか思わなかったが それが全ての始まりだった……

（つづく）