落書き日記のススメ

毎日、日記をつけるのもいいけど 簡単な絵を描き続けるのもいいですよ。絵のある生活(落書き)のすすめ。

最後の座敷わらし…

2012-09-23 23:45:50 | Weblog
(つづき)

街からだいぶ離れた 山間の小さな集落にある小さな駅に蒸気機関車を停めた。

残る座敷わらしは ひとりのみ、送り届けるのは 運転席にいる僕ら。

人気のない駅に機関車を停めたまま、座敷わらしを連れて暗い夜道を走った。

活気があるとはいえない、駅前の小さな商店街を抜けると、真っ直ぐに山へと続く急勾配な坂道がのびていた。

そこを全力で上がりきると、道はそこでとまっていたが、さらに山頂を目指すかのように階段状の棚田が続いていた。
よく見ると その先に一軒の古い家が見えた…

(つづく)


駅からは猫たちが送り役…

2012-09-20 23:53:20 | Weblog
(つづき)

座敷わらしたちを一人一人送り届けるため、いろんな町に向かった。

そこで座敷わらしと一緒に、数匹の猫が下車して 家の人の元へ送り届けることになっている。

一人また一人と座敷わらしを送り出し、付き添い役の猫たちもどんどん列車を降りていった。

座敷わらしたちは 家の人の元に帰れることに感激し、泣き出すものもいた…

(つづく)


すぐに発車…

2012-09-19 23:18:32 | Weblog
(つづき)

娘とトラ、クロが運転席に乗り込むと すぐに蒸気機関車を発車させた。

座敷わらしたちを明朝までに それぞれ家の人の元へと、送り届けるために急がねばならない。

蒸気機関車は最大出力で闇夜を突き進む。


(つづく)


駅に辿り着く…

2012-09-18 00:13:36 | Weblog
(つづき)
男が天狗となり飛び去ったあとも、蒸気機関車でひたすら先を急ぎ ようやく皆が待つ駅へとたどり着いた。

男から習った通りに操作し、みごと機関車はホームのぎりぎりで停車。

機関車が停まると同時に猫たちが走り寄ってきて、機関車のうしろに連結した山手線の車両へと乗り込んだ。猫たちに急かされてか 座敷わらしたちも急いで乗車する…

娘は うちの飼い猫であるクロ、トラとともに運転席であるこちらの方へと歩いてきた。

(つづく)


男は天狗となり…

2012-09-16 23:13:49 | Weblog
(つづき)
静かな夜の街を灰色の煙と大きな音を出しながら蒸気機関車は進む。

途中 上野駅を通過した際、山手線の車両を一両拝借し、機関車の後ろに連結させた。やはり男が口利きしていたおかげだ。

これで猫や座敷わらしたち全員を乗車させることができるはずだ…

男は僕に機関車の操作を教えていたが ある程度理解できたのを確認すると、突然 車窓から飛び出した。

その瞬間、男は大きな天狗に姿を変え 背中にはえた黒い羽を広げて「じゃあな」と一言言い残し、東京方面へと去っていった…

(つづく)