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『古事記』 天地創造

2023-04-06 22:01:45 | 日本神話・神道・古事記・日本史

世界創造の神話は世界各地に存在し、神が7日間で世界を創ったという、ユダヤ教、キリスト教の神話や、混沌(カオス)から神々が生れたというギリシア神話などがあります。 

また、別途紹介しますが、日本神話とギリシア神話は極めてよく似ており、アレキサンダー大王の東征で、東西文化が融合したヘレニズムの影響を大きく受けているものと思われます。すなわちギリシアの神話が伝えられていたということです。

また日本は、古代ユダヤとの共通点も多く、シルクロードを通って、ユダヤ人がユダヤやギリシアの話を伝承したものと思われます。 これに就いても、別途詳しく紹介します。

 

『古事記』における世界創造は、次のように記されています。 

世界の天と地は初めて別れたとき、天上界・高天原(たかあまのはら)に「天之御中主神(あめのみなかのぬしのかみ)」がまず降り立ち、続いて「高御産巣日神(たかみむすひのかみ)」、「神産巣日神(かみむすひのかみ)」が降り立ちました。

これら3柱を「造化三神(ぞうかのさんしん)」といいます。

 

できたばかりの国土は未熟で海月(くらげ)のように漂っていました。 そこに葦の芽のように生えてきたものから誕生したのが、「宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじのかみ)」でした。続いて「天之常立神(あめのとこたちのかみ)」が現れました。

ここまでの5柱の神々を特に貴い神々、「別天神(ことあまつかみ)」といいます。

 

さらに「国之常立神(くにのとこたちのかみ)」、「豊雲野神(とよくもののかみ)」が現れました。ここまでの神は、男女対偶の神に対して、単独の神の意である「独神(ひとりがみ)」と呼ばれます。

そのあとは、男女対偶の神々が4対現れ、ようやく日本の生みの親、「伊邪那岐命(いざなぎのみこと)」と「伊邪那美命(いざなみのみこと)」が誕生します。国之常立神から伊邪那美命までをあわせて「神代七代(かみよなな)」と呼びます。

 

これらの神々が現れたことで、先ほどの葦の芽のようなものから、世界が3つに分かれていきます。 1つは、神々の国・高天原(たかあまのはら)、1つはのちに人間の住む国・葦原中国(あしはらのなかつくに)、そして死者が行く国・黄泉の国(よみのくに)です。 こうして世界が出来上がりました。

この後、イザナギとイザナミによる国生みと神生みが行われ、日本が誕生します。

天皇はこの神々の子孫であり、人間の国を統治するために高天原から派遣されたという話が記されていきます。

 

 

『古事記』シリーズ

・『古事記』 いつ誰が何のためにつくった?
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/63163770c88394c3e87247bb83ca8bd8
・『古事記』のもとになった『帝紀』と『旧辞』
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0fca6d8a858f8a0b5fabb027c2064925
・『古事記』と『日本書紀』の違い
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/dca029e32e58761a110d75481ab848c4

 

  

(参考)

【永久保存版】超!簡単に全てが理解できる〝日本神話〟徹底解説!!
https://www.youtube.com/watch?v=6CbDAblDXHQ

 


世界大戦の主原因は石油 アラビアのベル嬢

2023-04-06 14:38:54 | 麻薬・阿片・石油

世界大戦の主原因は石油 カリブ海のバルカン化
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/07e8547405cea8d34d75dfbd54042377
からの続き

『1913年10月、重油を燃料とする最初の巡洋艦クイーン・エリザベスが進水したとき、私は祖国のため石油を供給する任務を課せられたことを知りました。最早、考古学などやっておれなくなったのです』

昔、アラビアのロレンスの告白です。ロレンスの学識、土着民に対する異常な親愛、その勇敢な行動と苦心、それはアラビアの砂漠の中から油田を探し出すためであったのです。

近東方面に於ける石油劇の立役者は、決してロレンス大佐のみではありませんでした。もう一人の英国人、それも婦人で考古学者であるガートルード・ベル嬢がいます。 オックスフォード大学で現代史を専攻して優等で卒業した後、カガートル-ド・ベルは近東地方各地を旅行し、東洋語を研究し始めました。

彼女はロレンス大佐と同じく、この語学研究に興味を覚え、困難なアラビア語を自由に操ることができるようになりました。 彼女のようにアラビア語を間違いなく書いたり話したりすることの出来る人は、恐らく世界中で彼女一人であったでしょう。 アラビア語の複数の形が36種類あるという一事を例にとってみても、ベルがいかに苦心したか想像に余ります。

彼女はアラビアを彷徨(ほうこう:さまよい歩く)し、住民の言語や風俗を研究したり、古代の神秘的で美しい廃墟を調査しました。 彼女はバビロンとかニネヴェとか旧約聖書の古都を発掘しました。

そして楔形文字の解読に成功した有名な考古学者ローリンスン大佐の偉大な事業に思いを馳せ、アラビアで知り合ったロレンスのような人が、何故もっと突っ込んだ研究をしないのかを不思議に思い、率直に祖点を質問しました。

その時、ロレンスの答えた言葉が、先に引用した一節です。 このロレンスの答えは、従来学究一点張りであったベルに強い印象を与えました。後に彼女の語学の才能を利用するため、アングロ・ペルシャン(英・イラン)石油会社の官史が協力を求めた時、彼女が快く受諾したのもこの強い印象のためだったのです。 

その後、彼女はロレンスと同じく、英国諜報部で働くことになりました。 彼女は数年間考古学や学究的探査を中止して、石油戦に全力を集中しました。この若い乙女は、冒険的なアラビア国内石油探索旅行に参加して考古学に対する以上の熱意を示しました。

彼女は、これまでに旅行した白人で生きて帰ったことのないような危険地帯にも入っていきました。 ガイドを伴い、飲料のソーダ水の瓶を6匹のラクダに積み、彼女は凶暴な土着民の住む禁断の地にまで入っていきました。

その頃、メソポタミアの石油争奪戦は激烈の頂点にありました。英国は以前から地方的には石油採掘権を持っていましたが、土着民の暴動のために安心して開発することができませんでした。

英国のバグダッド占領に任命された統治長官は、わずか数名のアラビア人酋長を手名付けていただけでした。 重要な砂漠の指導者たちには全然関係をつけず、勢力も何もなくて眼中に置く必要のない連中と親しくしていました。

その上、優れた通訳がいないために、こちらの気持ちや要求をうまく相手側に通じることが出来ません。そのために、大規模な暴動の危険にさらされ、一日も安心することが出来ませんでした。

ガートルード・ベル女史はこの難事を解決しました。 彼女はアラビア人酋長を招いて一大饗宴を開いたことがありますが、彼女は40人に余る黒いお客一人一人に、それぞれ違った言語で話しかけ、その地方の事情や意見を聞きました。

彼ら酋長たちは、未だかって、これほどの贅沢な料理を食べたことがありませんでした。そして優しい白人の婦人に自国の言葉で話しかけられたこともありませんでした。 彼らの眼には、この英国婦人が非常に偉い人のように映ったのです。

そして、彼らの気持ちを、英国と協力する方向へ導いていったのは当然です。 遂に彼らはこのガートルード・ベルの提案を受け容れ、ヒジャーズ王フッセンの子、フェイザルをイラク国王に戴くことに賛成しました。

ロレンスはフェイザルの才能を称賛していたし、かつ軍事顧問として常に王の作戦を指導しました。 この若き砂漠の王は、勇敢なベドウィン族を引き連れて戦い、トルコ軍を撃退したのです。

若き砂漠の王は、自国が英国の保護国となることを承認しました。 そして広大な地域にわたるd石油採掘権を認めました。英国が彼に対して積極的な援助を惜しまなかったのは、実にこの石油のためでしかなかった事実に、彼は思い至ったでしょうか。

フェイザルが不審死を遂げる前、彼は国際連盟に加入しました。 そしてイラクは東洋における大英帝国の重要な味方となったのです。 ベルやロレンスがフェイザルのために活躍したのは、アラビア人を愛する為でした。 その愛するアラビア人のためのアラビア建設が目的でした。

アラビアのロレンスは、それをフェイザルと約束しました。 しかし第一次世界大戦後の平和会議は、それを否定しました。 イランは英国の委任統治量となり、保護という好餌の下に手足を縛られていたのです。 

そして、その地下資源(石油)は惜しみなく、大英帝国に奪い去られます。アラビアのロレンスが、戦後の論功行賞によって、バス上級勲位をさずけられたとき、固辞して受け取らなかったのは、フェイザルに対しする騎士道的道義心と友情によるものでした。

 

次の投稿は、石油地帯の傀儡王です。

 

 

 

(参考 本件、石油の話、今までの投稿)

世界大戦の主原因は石油 カリブ海のバルカン化
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/07e8547405cea8d34d75dfbd54042377
世界大戦の主原因は石油 パナマの覇者
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/92992cfd4c62bd16260fdcd32ddb01f0
世界大戦の主原因は石油 英国監督油田会社の正体https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/11734cee89b686d7d8892f9c9a252ff5
世界大戦の主原因は石油 パナマ運河 英国 vs 米国
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/8944b6edcf8b2a686ac239dde56cedec
世界大戦の主原因は石油 南米の独裁者・ゴメス
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/a2d51c842f54df27279882241db668e0
世界大戦の主原因は石油 メキシコは燃えているか 血と金と女を求めるタンピコ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/c329485e6b29a1f4fdabaefaa8fbe253
世界大戦の主原因は石油 米国市場に侵入する石油業界のナポレオン、そして日本https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/43f77fe5447587a3dcb8e93115b8c3db
世界大戦の主原因は石油 サン・レモ協定、米国の危機
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/4c30b30442f48694cf4c907373148457
世界大戦の主原因は石油  英米 vs ソ連(ロシア)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/716c20c7e9b5f6da55384c38513cc0cd
第一次世界大戦の主原因は石油 死の商人ザハロフ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6b5f8da6b280295600c593cd8ed50141
第一次世界大戦 本当の主原因は石油
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d703a4b6c6cf41438a0dd8907308e261
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極東における血みどろの石油販売戦争
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『古事記』と『日本書紀』の違い

2023-04-06 11:20:45 | 日本神話・神道・古事記・日本史

『古事記』とほぼ同時期に成立した正式な日本最古の歴史書が『日本書紀』です

『日本書紀』とは何か? これは『古事記』と同様に、681年に天武天皇の命により編集が始まり、720年に舎人(とねり)親王によって元正(げんしょう)天皇(元明天皇の次の天皇)に献上された歴史書です。

ちなみに『古事記』は、712年に元明天皇に献上しました。

全30巻と系図1巻からなり、神代から持統(じとう)天皇まで漢文を用いて記録されています。 『日本書記』は神々よりも天皇の記録に重きを置いています。 全30巻の内28巻が天皇の記録であることから、編纂の目的がうかがえます。

ちなみに『古事記』は上中下の全3巻。

 

『古事記』が「天皇統治以前」を主にまとめたものとするなら、『日本書紀』は「天皇の世」をまとめたものといえます。 

そのため、『古事記』では荒々しく描かれる倭建命=日本武尊(やまとたけるのみこと)も、『日本書記』では天皇である父と良好な関係を築いた華々しい英雄として描かれるなど、天皇家の描かれ方が異なります。

文体も異なり、『古事記』は漢文を用いつつも漢字の音訓を使い分け、物語性を重視した表記がなされています。 対して『日本書紀』は、整然とした漢文を用いて、神話以外は淡々と記されています。

そのため、当時の人には読みづらく、『日本書紀』の講演会のようなものが行われていました。 『古事記』も『日本書紀』も『帝紀』『旧辞』をもとにつくられましたが、それぞれが異なる『帝紀』『旧辞』をもとにしたため、違いが生じたと考えられています。

実は『日本書紀』は本書の他に、「一書(あるふみ)によれば」という言葉を枕に所説を掲載しており、『日本書紀』だけを比べても多くの違いを見つけることが出来ます。

 

また、稗田阿礼(ひえだのあれ)については『日本書記』や『続日本記(しょくにほんぎ)』にも記録が残されておらず、『古事記』にしか登場しない人物です。そのため、どういった人物であったか未だに議論が交わされています。 舎人(とねり)という役職は一般的に男性が就くものでありますが、実は女性だったという説や、稗田阿礼=藤原不比等という説などがあります。

 

『古事記』シリーズ

・『古事記』 いつ誰が何のためにつくった?
  https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/63163770c88394c3e87247bb83ca8bd8
・『古事記』のもとになった『帝紀』と『旧辞』
  https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0fca6d8a858f8a0b5fabb027c2064925

 

 

(参考)

【永久保存版】超!簡単に全てが理解できる〝日本神話〟徹底解説!!
https://www.youtube.com/watch?v=6CbDAblDXHQ