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クルド勢力、政府と闘争「停戦」宣言 対立40年 (日経2025.2.28)

2025-03-02 19:54:56 | 中東情勢・基礎知識・歴史・問題・真実


少数派クルド人の非合法組織「クルド労働者党(PKK)」の指導者、オジャラン氏の写真を掲げる支持者(27日)=AP

 

【イスタンブール=渡辺夏奈】

トルコからの分離独立を掲げて武装闘争を続けてきた少数派クルド人の非合法組織「クルド労働者党(PKK)」が1日、トルコ政府と「停戦する」と発表した。

指導者のオジャラン氏が獄中から声明を出し、PKKの非武装化と解散を求めていた。

 

トルコ政府との和解が成立すれば歴史的だが、過去にも和平交渉が失敗しており最終的な和平への道のりは遠い。

クルド系メディアがPKKの声明を公表した。2月27日に公表されたオジャラン氏の呼びかけに従い、1日からの停戦を宣言した。

 

オジャラン氏に「全面的に賛成する」と説明し「我々は攻撃されない限り、いかなる武力行動もしない」と主張した。

オジャラン氏はPKKの創設者で絶大な影響力を持つ。一方、終身刑を科されて長年獄中におり、今回の呼びかけにPKKが応じるのかが一つの焦点となっていた。

 

エルドアン大統領は1日、「我々は平和で平穏な生活を好んでいる」としつつ、必要であれば「進行中の作戦を続ける」とも述べた。

PKKは1980年代以降、40年にわたってトルコ政府と対立してきた。

 

トルコ南東部で武力闘争を繰り広げたほか、イスタンブールや首都アンカラなどの大都市でテロ攻撃を仕掛けた。政府も掃討作戦を続けた。これまでに4万人以上が死亡したとされている。

 

 

 

和解に向けた動きは水面下で進められてきた。

昨年10月、与党連合の「民族主義者行動党(MHP)」のバフチェリ党首がオジャラン氏に対し、釈放と引き換えにPKKの非武装化を表明するよう呼びかけた。

 

エルドアン氏も「歴史的なチャンスだ」と応じた。クルド系野党の「人民平等民主党(DEM)」の代表団がオジャラン氏と何度も面会し、調整を進めた。

トルコ政府にとって、シリアのアサド政権が崩壊したいまは長年の対立を解決する絶好の機会だ。

トルコ政府はシリアに拠点を持つクルド人勢力はPKKと同一で、シリアからトルコに越境攻撃を仕掛けているとみていた

 

。シリア暫定政権は親トルコで、アサド政権がコントロールできていなかったクルド人勢力も含めた統一政府をつくろうとしている。

エルドアン氏には次の選挙に向け、野党を取り込む狙いもありそうだ。多選を制限する憲法上の制約で次の大統領選には出馬できない。早期選挙か任期を定める憲法の改正が必要となる。

 

 

与党連合は改正に必要な議席数を満たしておらず、実現にはDEMなど野党の取り込みが必要となる。

和解が実現するかは見通せない。オジャラン氏が呼びかけるPKKの非武装化や解散には所属員による会議を経た決定が必要となる。2013年にもオジャラン氏が停戦を宣言したが、15年に再び武力衝突が激化して和平交渉は失敗した。

 

クルド人は主にトルコやシリア、イラク、イランに暮らす少数民族。トルコで「迫害を受けた」などとして不満を持つ人は少なくなく、PKKもそうした経緯で創設された。

 
 
 
 
 
日経記事2025.3.2より引用
 
 
 
 
 


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