ロスチャイルド財閥-375 アメリカの歴史-27 排撃されたアジア系移民
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ロスチャイルド財閥-382 アメリカの歴史-28 アメリカ歴史のダークサイド
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からの続き
移民問題 規制から制限へ
連邦による移民規制の始まり
一八七六年、連邦最高裁判所は、州による移民規制は対外通商を規制という連邦の権限を侵害するから違憲であると蟠結した。
これを受けて、一八八二年、最初の包括的な連邦移民規正法が制定されたが、これ以後、連邦政府による移民規制が本格化していく。
連邦政府は、罪人、売春婦、狂人、伝染病患者、精神薄弱者、非救済貧民、乞食、結核患者、一夫多妻者、さらにアナキストを排除対象とするようになり、船会社は入国を拒否された船客を故国に送り返すことが義務づけられた。
不法に上陸した外国人、または到着後一年以内に公的負担になった外国人は、追放の対象になった。
しかしこれらを除けば、自由で無差別な移民受け入れという基本政策からの逸脱は、東洋人排除だけに限られていた。
エリス島
急増する移民受け入れのために連邦政府は一八九一年、ニューヨーク港にエリス島を解説した。 これは大規模な施設で、一九〇七年には、一日に一万一千人以上の移民の手続きが」なさ れたこともあった。
審査は効率的で事務的で効率的だった。 防疫と税関の手続きの後、移民はアセンブリー・ライン方式で医師の検査を受けた。移民にとって最大の心配が、この健康診断だった。 各医師はそれぞれ一つの特定の病気を探し出すことが割り振られており、当時多かった眼のトラホーム病でも追い返された。
たとえば、一九一〇年には二万人以上が追い返されたという。それから移民は登録係官の面接を受けた。係官は姓名、アメリカにいる身内、入国の理由、アメリカの居住予定地、アメリカでの職の有無などを聞いた。
それから移民達は、通貨交換、鉄道切符、荷物の取り扱い、そして電報の手配のための部局へと向かった。
こうして、合計千六百万人の移民が通過したと通過したと言われるが、この施設は一九五四年に閉鎖され、一九六五年に移民博物館に作り変えられ、今では多くの観光客を集めている。
自分の祖父母が、ここを通ったという日に、思いを馳せているアメリカ人も多い。
識字テスト法
移民制限運動の高まりにも関わらず、それに対する反対もまた強かった。 なにより、アメリカは旧世界の苦しむ者達の避難所であるべきとの伝統的理念が強かった。 船会社も、移民コミュニティも、カトリック教会も移民制限に反対した。
しかし、最も有力な反対勢力は労働力を必要としている産業界だった。 だから移民制限は政治的に微妙な問題であり、なかなか実現しなかったのである。
一九一七年、連邦議会はウィルソン大統領の拒否権をおさえて、識字テスト法を通過させた。 識字テストをやれば、教育が十分に普及していない南・東ヨーロッパからの『新移民』の大部分を排除できるという考えである。
しかし。識字テスト法は移民制限にはあまり効果がなかった。読み書きできないことを理由に入国を拒否された者は、三年間に六千人余りにすぎなかった。
そこで、第一次大戦が終わって、膨大な移民流入が再開されると、本格的な移民制限を求める動きがまたしても復活した。
これには当時の思想状況が大きく影響していた。 というのは、大戦中に『一〇〇パーセント・アメリカニズム』と呼ばれる排外的愛国主義の爆発が見られ、特にドイツ系アメリカ人がその対象となった。 トランプ一族も例外ではない。
それにロシア革命の影響が加わり、アメリカでも共産党が結成され、激しいストライキの波が襲い、各地で爆弾騒ぎが起こった。
そして、これに対してヒステリックなまでの『赤狩り』が展開されたのである。
移民制限の実現
一九二一年、連邦議会は連邦議会はついに徹底した移民制限に踏み切った。 この年に制定された緊急移民割り当法は、南・東ヨーロッパからの移民を抑えるために、一九一〇年の国税調査を利用し、アメリカに居住する外国生まれの人口を出生国別に分類して、その出生国別人口の三%に相当する数を、年間移民入国許可枠として各国に割り当てるものだった。
しかし、一九二四年には、もっと徹底的な法律が成立した。この法律は、基準年を一九一〇年から一八九〇年へと変更し、割り当てを三%から二%へと減らした。
一八九〇年にはアメリカに住む南・東ヨーロッパ系移民の数は、まだほんのわずかだったから、その結果この地域からの移民枠は大幅に減少した。
そして入国許可総数は、十六万五千人に制限されたのである。
こうして『新移民』は、ほとんど禁止といってよいほどの制限を受けたのだった。 また、このニ四年移民法によって、合衆国に入国しようとするすべての外国人は出発に先立ってビザを獲得せねばならなくなった。
旅券だけでなくビザが必要という制度は、この法律から始まるのである。 ただ、合衆国市民の妻や子供は割り当ての枠外で入国が許されたし、また学問的職業の者なども枠外に置かれたから、実際に入国を認められる人間の数は制限法によって明記された制限割り当てよりも多くなった。
さらに注目すべきことは、西半球がこの割り当ての適用外に置かれたことである。一九六五年の新移民法が成立するまで、メキシコ、中南米、カナダからの移民に門戸は開かれていたのである。
二四年の移民制限法は、日本で『排日移民法』と呼ばれることがある。 この法律の中に「帰化不能外国人の入国を禁止する」との条項があり、これにより日系移民は一人も認められなくなったからである。
アメリカの植民地だったフィリピン人を除いて、アジア人の移民 としての入国が全面的に禁止されることになったのである。
このように、アメリカの移民制限は人種主義的性格を強く帯びたのである。 この法律は、アメリカ史における大転換だった。 しかし、これはアメリカ合衆国だけの現象ではなかった。 両大戦期の世界では、人の移動は国家の厳しい管理のもとに入ったのである。
一九二〇年代中頃、ソ連は出国禁止政策を採用した。三〇年代の大不況以後は、世界各地で外国人労働者は仮借なく追放されたし、また出国の自由が厳しく制限されることも多くなった。
軍国主義化の進んだナチス・ドイツやムッソリーニ支配下のイタリアは、兵力・労働力確保のために、出移民政策をとった。 各国とも国策で『勢力範囲』への移動は奨励されたが、自由な人口移動の時代は世界的にいったん終わったのである。
(アメリカの歴史シリーズ 関連資料)
・ロスチャイルド財閥ー354 アメリカの歴史ー13 イギリスからの移民
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・ロスチャイルド財閥ー355 アメリカの歴史ー14 ドイツ系移民
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・ロスチャイルド財閥-356 ドイツ第一、二、三帝国とは
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・ロスチャイルド財閥-357 アメリカの歴史-15 北欧系移民
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・ロスチャイルド財閥-358 アメリカの歴史ー16 アイルランド系移民
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・ロスチャイルド財閥ー347 アメリカ影の政府と言われるCFR(ロスチャイルドとロックフェラーが出資)の歴史概略
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・ロスチャイルド財閥-360 アメリカの歴史-17 南・東ヨーロッパからの新移民
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・ロスチャイルド財閥ー361 アメリカの歴史ー18 旧移民から新移民(南・東ヨーロッパ)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0cd379ea0d9a0d1f488986136381625e
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