
20センチ四方の小さなキルトは1万枚以上集まったそうで、
全部では86枚の大きなタペストリーになって、展示されていた。
昨日の新聞のコラムに「糸がたりない」とファッションデザイナー氏が書いていた。
綿、カシミヤ、ウールなど、糸が高騰しているという。
自然環境の変化と人為的な要因がからみあっていて、
結果的に生産労働者が減ってとれる原毛(糸)が少なくなったと。
ところが、今や、信じられないほどの衣類の安さは、「糸が足りない」と矛盾して
生産現場でも、小売りの現場でもかみ合わない歯車が回っていると。
「(物が)作られた背景に人の思いが及ばなくなると使う人は物を尊ばなくなる。
それではゴミが生まれるばかりだ。
もう一度、人の手と気持ちを込めて物を作る場と物を大切にする生活のサイクルを取り戻したい」
とあった。
私のような末端の布物の作り手でも、
去年から、布の値段がじわじわと値上がりしているような感覚が、
それとなく、どことなく、なんとなくしていて、何故?と思っていたので、
やはり、私の感じていた事は本当だったのだと合点がいった。
せめて、自分が作る物には気持ちを込めて作りたい、
そして、物を大切にする生活のサイクルをもっと考えてみよう、と思う
