私のクライアントさんがPTNAの指導者検定初級に合格しました。
彼女は生徒さんやお母さまからの信頼も厚く、多くの生徒さんに恵まれているピアノの先生です。
さらに素晴らしいことには、大学での専攻は音楽ではなく「フランス語」なのです。
2008年。
最初のゴールは、「指導者としての自信を得たい」でした。
難しい生徒さんとのレッスンを工夫した結果、次々に変化が表れ始め、発表会でも大きな満足感を得ることができました。
一つの山を越えると、さらに次のゴールを目指したくなります。
それは、「もっとピアノが上手になりたい。その証として指導者検定合格を目指したい」。
指導者検定初級は、指導実技・演奏実技・筆記試験・レポートとわかれています。
指導実技・筆記試験・レポートは、次々にクリアするものの、演奏実技で苦労します。
1点足りなくて涙を飲んだこともありました。
本当に厳しい道のりでした。
あきらめず、チャレンジし続けた結果、3回目に合格!
石に齧るつくように、がむしゃらに練習する彼女を見て、
何が彼女をここまでがんばらせるのだろう・・・
と、私はいつも感心していました。
ピアノが好き。というのはもちろんだけど、そこには、遠くフランスに住む恩師の眼差しがありました。
今日は、合格の時の恩師とのメールのやりとりを御紹介させていただきます。
読ませていただいて、「よくぞここまで頑張った!」というクライアントさんに対する誇らしい気持ちと、
先生の珠玉のお言葉の数々に深く心打たれました。
こんなに素敵なお手紙を書かれる先生って、どんな先生だろう・・・
私も知りたくなりました。
このブログを読んでくださっているピアノ指導者の皆さまにもぜひとも読んでいただきたくなり、
この度、ご本人からメールの公開を先生にお願いしてもらいました。
心良くご了解いただいたカザボン田島美保子先生に感謝申し上げます。
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11月25日に受けてきた指導者検定の初級演奏実技の結果が送られてきました。
75.67で合格です。名古屋で初級を受けたのは私を含め5人、受かったのは私だけ。相変わらず厳しい試験です。採点票に書かれたコメントも耳の痛い言葉が並んでいます。まだまだ修行は続きます。
10月に先生が心血を注いでレッスンしてくださった後、しばらく悩みました。何度弾いても音楽的にならず落ち込みましたが、それでも自分はそれぞれの曲に感動したからこうして飽きずに弾いているのだと開き直ってからは曲の良さを聴いてもらおうと思えるようになり、それなりに向上してきました。でも今一つ足りないなと思っていた矢先、自分が本当に棒読みのようにバッハの旋律を歌っていたことに気がついたのです。試験の3日前のことでした。
以前から何度も何度も先生が私に伝えようとしていたことはこれだったんだ、言われて確かにそうだとは思ってましたが自分から気づくことができませんでした。遅ればせながらやっと自覚でき、それから音楽のことばかりを考えて練習したらイメージは自ずと湧いてきました。
迎えた試験当日、ちょっと荒い演奏になってしまいました。でも舞台の上で客席が全く気にならず、最後まで集中できたのは初めてです。緊張はしましたが、崩れは最小限だったと思います。ただ思い切り良すぎて雑になってしまったことは、今後改善しなければならない課題です。反省点は他にも多々ありますが、とりあえずこれでやっとスタートラインに立てたような気がします。1,2点アップするのにこんなにてこずった試験は生まれて初めてですが、手に入れた物の密度の濃さは今まで受けてきた試験とは比べ物にならないほど充実しています。
こんなに呑み込みの悪い生徒を見捨てず、いつも音楽への情熱や愛情を思い起こさせてくださることに感謝しています。また日本に来られたら、レッスンをお願いします。これからひと山もふた山も越えなければなりませんが、先生に「上達したね」と言われるのを目標にしてまたがんばります。
ありがとうございました! そしてこれからもよろしくお願いします。
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今回の演奏実技の合格、本当におめでとうございます!
そして素晴らしい御報告を有難うございました、私にとってもこんなに嬉しいニュースは久し振りなので、すっごく喜びを感じました!
荻野さんの「ピアノが好きだという心の証明」が出来たと思いますが、それは荻野さんのおっしゃるスタートラインに立ったばかりという表現と同じ事だと思います。
点数で言うと1.2点という事ですが、それはそれは大変な事なのです。
どういうことかと云うと、その1.2点で国境を越えられて新しい世界に入る事が出来るという感じです。
今度は又その世界をまっすぐ歩いていけば次のステップに上がれる訳ですが、いつもそのパスポートは「音楽」だと思いますよ。
例えば試験が近づいても絶対に最後まであきらめない事ですよね、自分の中の脱皮のようなチェンジの瞬間というのはいつやってくるか、判りませんから。
とにかく、私の言うそのプロセスを全部今回、荻野さんは経験されたようですね。
メールを読ませてもらっていて、全て正しい道を歩まれたな…と感動しました。
本当に教え甲斐があるとはこの事です。教えた、というのはおこがましいですが、何かしらプッシュする刺激とポイントになったのは嬉しいです!
10代までは誰もがある程度持っていますが、年を重ねていくと難しいのですよね。荻野さんは、それを失っていないのが素晴らしい、情熱年齢は青春と同じかも知れませんね? 私もそうありたいものです(^^♪
毎日の発見を楽しみに、ピアノの道に励んでくださいね!
では、最後にもう一度おめでとう!
C.田島三保子