1-2からの続きです。
○ 恐竜博物館
白山神社の参拝後、勝山にある恐竜博物館にも連れて行っていただきました。
その道の人(?)には、絶大な人気がある、恐竜博物館。
遠景が、森に落ちた銀色の巨大な卵のようで、見るからに目を引きます。
建築設計は黒川紀章。え~、天下の黒川氏ですか!
勝山城といい、恐竜博物館といい、勝山にはビックリな建物が多いんですね。
越前和紙で造られたという恐竜がいました。
特殊加工をしているため、雨にぬれても平気なんだそうです。
山をどんどん登って、到着したのは広大な敷地。
恐竜の口の中に子供たちが入って遊んでいて、ギョッとします。
至るところ、恐竜のオブジェがあります。ファンにはたまらないでしょう。
建物の中も、とても近未来的。シンメトリーのモダンな建築デザインに、目を奪われます。
さすがは紀章デザイン。
「恐竜の肋骨なのでは?」と写真を見た人に言われました。なるほど!
中はまさに、ジュラシックパークのよう。ダイナミック・ダイナソー!
等身大の恐竜が「キェーッ!」と叫びながら、こちらに首を伸ばし、グワッと大口を開けて威嚇、いえ歓迎してくれ、心臓バクバク。
迫力ありすぎて、こわーい。子供だったら泣いちゃいそう。
でも、館内の子供たちはみんな、キャッキャッと嬉しそうにはしゃいでいました。
家族連れに大人気のスポットのようです。ホネホネロック~。
数え切れないくらいの恐竜の全身骨格が陳列されており、広い館内の天井にも届きそうなほど。
どれも、度肝を抜くほどビッグ。自分との大きさを直接比較して、(ああ、これは助からないな)と、ジュラ紀に生まれなかったことを感謝しました。
(人間はまだ出現していないけど)
生きているように動くディノが何頭もいます。それを上から眺めることもできます。
恐竜を見下ろすなんて、映像でも見たことがなくて、新鮮。
六本木ヒルズで、夏に恐竜展が行われた時、すごい人混みだったと聞いています。
ここは県立で入場料500円とは思えない充実度と満足感。
展示室は、国内最大級の4500㎡。ここに通い詰めたら、まちがいなく恐竜博士になれますね。
これは、アンモナイトが作った道の化石。芸術です。
「ここは職員希望者が多いでしょうね」と言ったら、「立ち上げ時に職員を募集したら、高倍率になりました」とのこと。
日本では、恐竜学という学問が確立していないため、アメリカの大学で単位を取った人が応募してくるそうです。
狭き門ですね。
ゾウやシカの祖先となる恐竜骨格には驚きましたが、巨大なカメの恐竜には度肝を抜かれました。
だって、ありえないほど大きいんですもの。「ありえないっっ!」と何度も叫んでしまいました。
これなら、浦島太郎だけでなく、浦島一族全員が乗れそうです。
勝山で発掘された恐竜の骨格と復元模型も、展示されていました。
フクイティタン、フクイサウルス、フクイラプトルなど。
世界的にフクイの名前が広がりますね。
恐竜はもちろんのこと、古代の化石や岩石まで標本陳列して、つぶさに解説されています。
実は『ジュラシックパーク』『ザ・ロストワールド』のあまりの恐さに、恐竜に恐怖心を抱くようになっていた私。
でも、ここはとてもおもしろかったし、興味をかき立てられました。
これは、恐竜ファンではなくても、近くにあったら何度でも通いたくなりますね。
福井は恐竜王国!横浜にもできればいいのに。(恐竜は発見された…?)
○ 北ノ庄城址(柴田神社)
夕方になり、日が陰り始めています。
福井に戻り、最後に北ノ庄城址に連れて行っていただきました。
ここは戦国武将柴田勝家の居城で、7層の安土城よりも多い、9層の、日本最大級の豪壮な天守閣だったそうです。
勝家は、越前一向一揆を殲滅した功で、織田信長からこの城を与えられました。
滅びた朝倉家の居城、山間の一乗谷よりも便のよい北ノ庄に城を築き、この城から福井の地名はかつて北ノ庄と言われたそうです。
勝家は信長の後継者として羽柴秀吉と対立し、賤ヶ岳の戦い(1583)に敗れて、妻お市の方と共に城に火を放って自害しました。
敷地内には、勝家、お市の方、浅井三姉妹の銅像があり、勝家を祀った柴田神社もあります。
照明が暗いですが、三姉妹の右には勝家、左にはお市の像が見えます。
勝家時代と推定される石垣の一部が保存されていました。
また、九十九橋の一部が保存されていました。
足羽川に架けられた九十九橋を、柴田勝家は半石半木にしたそうです。
敵が攻めてきたときに、木の方を壊して、渡らせないようにするためだとか。
今でもそうだとおもしろいのですが、さすがに現在の交通にはコンクリでないと耐えられないのでしょう。
福井駅前で、ワタナベさんと解散しました。
今回は、県の担当の方に休日返上で、つきっきりのマンツーマンガイドをして頂いた形になります。
聞けば何でも答えてもらえるというありがたい状況で、プロの方にいろいろと教えていただき、たった1日滞在とは思えないほど、福井について詳しくなった気がします。
ワタナベさん、ミタケさん、本当にどうもありがとうございました。
○ 毛谷黒龍神社、西光寺
一人になり、帰り時間までまだ間が合ったので、川の方を散策してみることにしました。
毛谷黒龍(けや くろたつ)神社が気になっていたので、向かってみます。
ここは平安時代、京を中心に、東に常陸鹿島大明神、西に安芸厳島大明神、南に紀伊熊野大明神、北に越前黒龍大明神を配して、国土の守護を祈念された、日本古来の四大明神の一社。
ほかの三社、鹿島、厳島、熊野は参拝済みのため、ぜひともここをお参りしたかったのです。
思ったよりもずいぶん小さな社でしたが、幽玄な雰囲気に包まれていました。
それから、柴田勝家の菩提寺である西光寺を訪ね、勝家のお墓をお参りしました。
○ 足羽川 幸橋、桜橋
福井市内を流れる足羽(あすわ)川沿いは、日本一の桜並木として知られるとのこと。
桜の季節ではない上、もう夜になっていましたが、橋はライトアップされて明るい界隈だったため、幸橋から桜橋まで散策しました。
ほかにもそぞろ歩きをしている人々がおり、市民の憩いの場となっているようです。
遊歩道を歩いている途中、かわいい黒猫が寄ってきました。
今では、川の守り神は、黒龍じゃなくて黒猫なのかしら。それとも龍が猫に姿を変えているのかしら。
あとから何匹も兄弟がやってきて、一緒にゆっくり川沿いを散歩しました。
○ AOSSA
帰り際に見た、ガラス張りの建物は、AOSSA(アオッサ=会おう)という商業施設です。
(青森の「アウガ=会うが」に似てるなあ)と思ったら、まさにアウガをモデルにしたものなんだとか。
中には大きなクリスマスツリーが飾られていました。
○ epilogue
今回は、自分でもびっくりの弾丸ツアーとなりましたが、十分実り多い一日でした。
考えてみれば、一乗谷朝倉遺跡、平泉寺白山神社、恐竜博物館、北ノ庄城址と、全て歴史の中に埋もれた場所ばかりを案内していただいたことになります。
「福井にあるものは、みんな埋まっていて、現存しているものが少なくて」とワタナベさんは言われましたが、その分まだ見ぬものを発掘するというロマンがあります。
歴史の浅い横浜人からすれば、たとえ敗北の歴史であっても、ゆかりの史跡があるのはうらやましいものです。
旅行前に、ミタケさんからいただいたメールに「せっかくのご来福なので」という表現がありました。
福井に来ることを「ご来福」というなんて、とっても雅だなあと、うっとりしました。
(福島もそうですね)
でも神奈川は「ご来神」とは言わないんですね。何のことか分からなくなりそうですもんね。
あっ、「ご来福」と「ご来神」って、なんだか縁起がいいですね。
そんなことまで考えてしまう、満足のいく歴史の旅でした。
さあ、蘭麝酒をいただきながら、思い出に浸ろうかな。
○ 恐竜博物館
○ 北ノ庄城址(柴田神社)
○ 毛谷黒龍神社と西光寺
○ 足羽川の幸橋・桜橋
○ AOSSA
○ epilogue
○ 北ノ庄城址(柴田神社)
○ 毛谷黒龍神社と西光寺
○ 足羽川の幸橋・桜橋
○ AOSSA
○ epilogue
○ 恐竜博物館
白山神社の参拝後、勝山にある恐竜博物館にも連れて行っていただきました。
その道の人(?)には、絶大な人気がある、恐竜博物館。
遠景が、森に落ちた銀色の巨大な卵のようで、見るからに目を引きます。
建築設計は黒川紀章。え~、天下の黒川氏ですか!
勝山城といい、恐竜博物館といい、勝山にはビックリな建物が多いんですね。
越前和紙で造られたという恐竜がいました。
特殊加工をしているため、雨にぬれても平気なんだそうです。
山をどんどん登って、到着したのは広大な敷地。
恐竜の口の中に子供たちが入って遊んでいて、ギョッとします。
至るところ、恐竜のオブジェがあります。ファンにはたまらないでしょう。
建物の中も、とても近未来的。シンメトリーのモダンな建築デザインに、目を奪われます。
さすがは紀章デザイン。
「恐竜の肋骨なのでは?」と写真を見た人に言われました。なるほど!
中はまさに、ジュラシックパークのよう。ダイナミック・ダイナソー!
等身大の恐竜が「キェーッ!」と叫びながら、こちらに首を伸ばし、グワッと大口を開けて威嚇、いえ歓迎してくれ、心臓バクバク。
迫力ありすぎて、こわーい。子供だったら泣いちゃいそう。
でも、館内の子供たちはみんな、キャッキャッと嬉しそうにはしゃいでいました。
家族連れに大人気のスポットのようです。ホネホネロック~。
数え切れないくらいの恐竜の全身骨格が陳列されており、広い館内の天井にも届きそうなほど。
どれも、度肝を抜くほどビッグ。自分との大きさを直接比較して、(ああ、これは助からないな)と、ジュラ紀に生まれなかったことを感謝しました。
(人間はまだ出現していないけど)
生きているように動くディノが何頭もいます。それを上から眺めることもできます。
恐竜を見下ろすなんて、映像でも見たことがなくて、新鮮。
六本木ヒルズで、夏に恐竜展が行われた時、すごい人混みだったと聞いています。
ここは県立で入場料500円とは思えない充実度と満足感。
展示室は、国内最大級の4500㎡。ここに通い詰めたら、まちがいなく恐竜博士になれますね。
これは、アンモナイトが作った道の化石。芸術です。
「ここは職員希望者が多いでしょうね」と言ったら、「立ち上げ時に職員を募集したら、高倍率になりました」とのこと。
日本では、恐竜学という学問が確立していないため、アメリカの大学で単位を取った人が応募してくるそうです。
狭き門ですね。
ゾウやシカの祖先となる恐竜骨格には驚きましたが、巨大なカメの恐竜には度肝を抜かれました。
だって、ありえないほど大きいんですもの。「ありえないっっ!」と何度も叫んでしまいました。
これなら、浦島太郎だけでなく、浦島一族全員が乗れそうです。
勝山で発掘された恐竜の骨格と復元模型も、展示されていました。
フクイティタン、フクイサウルス、フクイラプトルなど。
世界的にフクイの名前が広がりますね。
恐竜はもちろんのこと、古代の化石や岩石まで標本陳列して、つぶさに解説されています。
実は『ジュラシックパーク』『ザ・ロストワールド』のあまりの恐さに、恐竜に恐怖心を抱くようになっていた私。
でも、ここはとてもおもしろかったし、興味をかき立てられました。
これは、恐竜ファンではなくても、近くにあったら何度でも通いたくなりますね。
福井は恐竜王国!横浜にもできればいいのに。(恐竜は発見された…?)
○ 北ノ庄城址(柴田神社)
夕方になり、日が陰り始めています。
福井に戻り、最後に北ノ庄城址に連れて行っていただきました。
ここは戦国武将柴田勝家の居城で、7層の安土城よりも多い、9層の、日本最大級の豪壮な天守閣だったそうです。
勝家は、越前一向一揆を殲滅した功で、織田信長からこの城を与えられました。
滅びた朝倉家の居城、山間の一乗谷よりも便のよい北ノ庄に城を築き、この城から福井の地名はかつて北ノ庄と言われたそうです。
勝家は信長の後継者として羽柴秀吉と対立し、賤ヶ岳の戦い(1583)に敗れて、妻お市の方と共に城に火を放って自害しました。
敷地内には、勝家、お市の方、浅井三姉妹の銅像があり、勝家を祀った柴田神社もあります。
照明が暗いですが、三姉妹の右には勝家、左にはお市の像が見えます。
勝家時代と推定される石垣の一部が保存されていました。
また、九十九橋の一部が保存されていました。
足羽川に架けられた九十九橋を、柴田勝家は半石半木にしたそうです。
敵が攻めてきたときに、木の方を壊して、渡らせないようにするためだとか。
今でもそうだとおもしろいのですが、さすがに現在の交通にはコンクリでないと耐えられないのでしょう。
福井駅前で、ワタナベさんと解散しました。
今回は、県の担当の方に休日返上で、つきっきりのマンツーマンガイドをして頂いた形になります。
聞けば何でも答えてもらえるというありがたい状況で、プロの方にいろいろと教えていただき、たった1日滞在とは思えないほど、福井について詳しくなった気がします。
ワタナベさん、ミタケさん、本当にどうもありがとうございました。
○ 毛谷黒龍神社、西光寺
一人になり、帰り時間までまだ間が合ったので、川の方を散策してみることにしました。
毛谷黒龍(けや くろたつ)神社が気になっていたので、向かってみます。
ここは平安時代、京を中心に、東に常陸鹿島大明神、西に安芸厳島大明神、南に紀伊熊野大明神、北に越前黒龍大明神を配して、国土の守護を祈念された、日本古来の四大明神の一社。
ほかの三社、鹿島、厳島、熊野は参拝済みのため、ぜひともここをお参りしたかったのです。
思ったよりもずいぶん小さな社でしたが、幽玄な雰囲気に包まれていました。
それから、柴田勝家の菩提寺である西光寺を訪ね、勝家のお墓をお参りしました。
○ 足羽川 幸橋、桜橋
福井市内を流れる足羽(あすわ)川沿いは、日本一の桜並木として知られるとのこと。
桜の季節ではない上、もう夜になっていましたが、橋はライトアップされて明るい界隈だったため、幸橋から桜橋まで散策しました。
ほかにもそぞろ歩きをしている人々がおり、市民の憩いの場となっているようです。
遊歩道を歩いている途中、かわいい黒猫が寄ってきました。
今では、川の守り神は、黒龍じゃなくて黒猫なのかしら。それとも龍が猫に姿を変えているのかしら。
あとから何匹も兄弟がやってきて、一緒にゆっくり川沿いを散歩しました。
○ AOSSA
帰り際に見た、ガラス張りの建物は、AOSSA(アオッサ=会おう)という商業施設です。
(青森の「アウガ=会うが」に似てるなあ)と思ったら、まさにアウガをモデルにしたものなんだとか。
中には大きなクリスマスツリーが飾られていました。
○ epilogue
今回は、自分でもびっくりの弾丸ツアーとなりましたが、十分実り多い一日でした。
考えてみれば、一乗谷朝倉遺跡、平泉寺白山神社、恐竜博物館、北ノ庄城址と、全て歴史の中に埋もれた場所ばかりを案内していただいたことになります。
「福井にあるものは、みんな埋まっていて、現存しているものが少なくて」とワタナベさんは言われましたが、その分まだ見ぬものを発掘するというロマンがあります。
歴史の浅い横浜人からすれば、たとえ敗北の歴史であっても、ゆかりの史跡があるのはうらやましいものです。
旅行前に、ミタケさんからいただいたメールに「せっかくのご来福なので」という表現がありました。
福井に来ることを「ご来福」というなんて、とっても雅だなあと、うっとりしました。
(福島もそうですね)
でも神奈川は「ご来神」とは言わないんですね。何のことか分からなくなりそうですもんね。
あっ、「ご来福」と「ご来神」って、なんだか縁起がいいですね。
そんなことまで考えてしまう、満足のいく歴史の旅でした。
さあ、蘭麝酒をいただきながら、思い出に浸ろうかな。