風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2019秋の南紀・徳島・滋賀巡り 2-2

2020-02-21 | 近畿(京都・滋賀)

その1からの続きです。

● 竹生島上陸

遊覧船に乗り、1日かけて琵琶湖の島を巡っています。

お次は竹生島。前回乗った時には、私たちだけここで船を降り、長浜行きの定期船に乗り換えました。
長浜に行く旅程を組んでいたからです。
途中で下船したため、琵琶湖一周はしていません。

船にトランクを持ち込んだため「竹生島の入り口で荷物を預ってもらわなくては」とか「西国三十三観音の御朱印をいただきたい」など思っていた、せわしないフリータイムでしたが、今回はそんな悩みもなくて、とても気楽。

● 日本五弁天

都久夫須麻神社の本殿横に、招福弁財天が祀られていました。
カラフルで美しい弁天像です。


招福弁財天

この神社のご祭神は市杵島比売命ですが、こちらは仏教の弁天さま。
神道の市杵島比売命と仏教の弁財天は同じ神様とされており、竹生島は、神仏習合の聖地なので、一緒にお祀りしているのでしょう。

弁天様の横には、「日本五弁天」の立て札がかかっていました。


 ・ 安芸国(広島県宮島)   厳島大神 [厳島神社、大願寺]
 ・ 大和国(奈良県天川村)  天川大神 [天河大辨財天社(天河神社)]
 ・ 近江国(滋賀県竹生島)  竹生島大神 [宝厳寺、都久夫須麻神社]
 ・ 相模国(神奈川県江ノ島) 江島大神 [江島神社]
 ・ 陸前国(宮城県金華山)  黄金山大神 [黄金山神社]

日本三大弁天といったら、宮島・竹生島・江の島。
ただ諸説あるので、五つだと公平感があります。
ありがたいことに、五弁天、全てをお参りできた私。
ここ竹生島大神へのご挨拶が、一番最後でした。

紅葉が色づく島。向こう岸が見えます。
長浜の方面です。

● かわらけ投げ

母は前回、タイムオーバーでここでかわらけ投げができなったことを、ずっと残念がっていました。
今回は、ぜひやっていただきましょう!

小さな素焼きの皿の一枚に自分の名前を、もう一枚に願いごとを書いて、龍神拝所から湖に面した鳥居へ向けて思いっきり投げます。
見事下をくぐると、龍神様が願いを叶えて下さるのだそう。


そーれっ!

「1枚は入ったけど、1枚外しちゃったわ」
ちょうど一週間前、ここで「竹生島かわらけ投げ世界選手権」が行われたそうです。世界規模とは・・・。母よ、ひと足遅かったわね!

● 工事中 

目下、宝厳寺は6年かけての唐門・観音堂・舟廊下(渡廊)の修理保存中です。
前回訪れた時にも、お寺には足場が敷かれていました。
ヘルメット姿の人々がぞろぞろと見学する様子を、外からお坊さんが見守っていました。
来年の春には、すべて完成することでしょう。


宝厳寺観音堂

かわらけ投げの望みを叶えた母は、あとはゆっくり石段を降りて、時間まで桟橋で待つと言います。
そこで、さらに上にあるお寺の本堂を、一人でお参りすることにしました。
この島の石段は、急勾配で長いため、一番上りやすい階段はないかなあと思いましたが、ぬけ道はなさそう。
観念して登ります。

● 七本槍のもちの木
 
御本堂の弁天堂を参拝し、前回時間が足りなくなって寄れなかった、一番上部の場所にも上がります。


もちの木

1602年に植えられた、樹齢400年以上のもちの木がありました。
枝振りの美しさに見とれました。

豊臣秀頼の後見役、片桐且元(かたぎりかつもと)の手植えだそう。
「賎ヶ岳の七本槍」の一人じゃないですか!
 🎵ウィーアー・ウィーアー・七本槍!

● モチモチの木

ところで、モチの木といったらモチモチの木を思い出しますよね。
滝平二郎の切り絵の影響で、モチモチの木はこわいイメージがありますが、この木に怖さはまったくありません。
モチの木とモチモチの木は、同じもの?
調べてみたら、別ものでした。
モチの木はモチノキ、モチモチの木はトチノキだそうです。
まぎらわしい~!

● 帰り道

前回は、滑り落ちそうになりながら、大急ぎで石段を駆け下りて港に戻りましたが、時間に余裕がある今回は、ゆっくりと降りて行きます。
途中の「ぼけ封じ 諸病封じ 楽寿 観世音菩薩」 像に、しっかりお祈りしてきました。

今回は、長浜行の船に乗り換えることはせず、ふたたび遊覧船に戻ります。
竹生島が今回のクルーズの北端。ここからは、大津港への帰り道になります。

● 白髪神社を海参拝

2000年以上前に創建された白髪神社。
全国に300社以上ある白鬚神社の総本社。”近江の厳島”と呼ばれるということで、海に建つ鳥居は、本当に厳島神社のようです。
ここを海からお参りします。船に乗っているからこそできる体験。

船は少しずつ速度を落とし、ゆっくりと鳥居に近づいていきます。
SUP(サップ)に乗った人たちが、鳥居の下を通っていきました。

デッキに出て眺める私たち、ドキドキが高まります。
正面まであと少し…!

ぴったりと鳥居の正面で停まってくれました。
ここのご祭神は、旅と導きの神、猿田彦。
ここまでやってこれたことに、お祈りしました。

● 船内の乗客

船内に戻り、瀬田のしじみでアクセサリー作りをします。
のんびりした時間の中、一日同じ船内で過ごす乗客の方々を見回します。
相席のお上品な女性二人は、年が離れており、お互い敬語で会話をしているので、お嫁さんとお義母さんだろうと推測。

隣のテーブルは、おひとり様参加の男性が2名。会話はまったくありません。
勇気あるなあと思いますが、スゴイカメラがテーブルに乗っているので、写真の撮影が目的でしょう。

反対側の隣のテーブルには、まだ授乳期の小さな赤ちゃんを抱えた若夫婦。
この赤ちゃん、クルーズ中、一度も声を上げて泣き騒ぐことがなく、とても静かないい子だったで、最後には司会者の人にも褒められました。
船が大好きなのかも~。

帰りはずっとよし笛のコンサート。
ヒーリング~。

● 滋賀県の抱える問題

地元出身のガイド、今泉さんが琵琶湖について語ってくれました。
「これまで滋賀県民は、琵琶湖の上にあぐらをかいてここまできました」
滋賀県は、色々な問題が山積みだそうです。
琵琶湖の西側、彦根や近江八幡のある湖西エリアは平らな土地ですが、比叡山のある湖東エリアは山がちで、あまり栄えていないそう。
大津市役所は山の上にあって利用するのに不便だし、草津などでは、人の流出が続いているのだそう。

マック、ケンタ、ピザ屋は、琵琶湖大橋より上にはないそうです。
「中華屋やラーメン店しかありません」
本当に? 長浜は結構大きな町でしたが、それでもないのね!?

そもそも、滋賀県の特産がなくて、探している状態なのだとか。
(滋賀の名産ってなんだろう?)と考えます。
近江牛と鮒寿司?ほかにはあったかな?
有名なお菓子って、なんだったかしら?
・・・たしかに、あんまり思い出せないものですね。

交通網も不便で、すべての乗り入れラインがうまく接続していないのだそう。
ガイドさんは、モノレールでつなげる案を推したいそうです。
「問題が山積みの滋賀。コンサルにとって穴場です!」
たしかに、よくもわるくも琵琶湖なしには語れないのが滋賀県。
京都の隣なので、もっと観光客がいってもよさそうに思います。
朝ドラ効果も期待しましょう!

● 湖の駅浜大津

船はひたすら南に戻り、琵琶湖大橋港に着岸します。
朝に下をくぐったびわ湖大橋。遠くから見ても、絵になるわ。



湖の駅浜大津でお買い物をします。
道の駅ならぬ、湖の駅もあるんですね。でも、ほかにはないようです。
初めて入りました。貴重だわ!
「みずうみ」ではなく「うみのえき」と読むんだそう。読めない…。

信楽焼のコーナーには、目下放映中の朝ドラ『スカーレット』のチラシが貼られていました。

● ギガ団子

ギガ団子!? 文字も巨大ですが、中身もほんとうに巨大サイズでした。
直径が約7㎝、重さが300g だそうです。もはやこれ、団子じゃない…!
まんじゅう? 大福?
「近江米の新名物」だそうです。さっきのガイドさんの「名産がない」という話を思い出しました。

いろいろな野菜が売られている中で、和歌山みかんとキクラゲを買いました。
みかんは、旅行中のビタミン摂取のために。

わたくし、キクラゲに目がありません。天日乾燥の国産、いいですね~。
帰宅したら、さっそく食べようっと。

船に戻ると、となりに「うみのこ」号という船が停泊していました。
母「湖なのに海の子って」
私「うみのことツチノコって、似てるけど違うんだ」
こんな会話、船のオーナーはいやでしょうね。
県内の子どもたちを対象とした学習船だそうですが、廃船が決まっているそうです。

● 琵琶湖の残照

出航までの間、デッキに立って、空がピンク色からオレンジ色に変わり、輝きが少しずつ薄らいでくのを眺めていました。

船が動き出してからも、きれいな夕焼けは、しばらく湖上にとどまっていました。


● 下船

一日ゆったりと湖上を巡った琵琶湖クルーズも、大津港で解散。
ガイドの今泉さんと、船の運転士さんにご挨拶して船を降りた時には、辺りはもう暗くなっていました。

もと来た道を戻るので、楽です。
母に、関西では駅のホームと直角にベンチが置かれている話をします。
「自殺防止ですって」
帰りのJRは空いていましたが、京都駅でやっぱり大勢の人が乗り込んできて混雑しました。
外国人旅行客が圧倒的に多く、英語や中国語が飛び交う車両内は一気にインターナショナルになりました。

新大阪で電車を降ります。
土曜の夜はどこもお店が混んでいるため、ホテルで食べることにしました。


大阪城カラーマンホール

新大阪駅の構内は大きく、初心者にとって複雑な構造になっているので、ホテルのシャトルバス発着所への行き方に悩みます。
間違えてメトロの乗り場の方へ行ってしまい、御堂筋線の改札駅員さんに、教えてもらいました。

● ホテルのツリー

無事にホテルに戻ってきました。
クリスマスツリーのデコレーションが暖かく迎えてくれます。
シャンデリアもゴージャス!

ホテル内の和食料理店、和食堂 花綴へ。
この日のオススメ、高知産の取れたて魚介類を頼みましたが、お上品すぎる量でした。
確かにおいしかったんですが、もっと豪快にお願いしまーす!

下は母の御膳。一皿分けてもらいました。

食後、私がツリーを撮影していると、近くで待つ母のもとに、ホテルの人が近づいていきました。
「売店の人から飴をいただいたわ」
さすが大阪! 飴ちゃん文化!


飴ちゃん

● 大阪おこし

部屋に戻ってくつろぎます。
一日船に揺られていたので、そんなに歩いてないと思いましたが、2万歩越えしていました。
どうりで眠いはずです。
この日もいい一日でしたが、昼過ぎには充電がもう30%しか残っておらず、またヒヤヒヤしました。
こんなに早くなくなるのは、画像を撮るから?

この日のパンフレットを読み返します。
右上は、葦で作ったマスコット、右下は船上で作った瀬田のしじみのアクセサリー。

大阪の粟おこしや岩おこしって、浅草の雷おこしとどう違うんでしょうね?
食べ比べしようと、買ってみました。
ところでおこしって「粔籹」って書くそうですよ。読めなーい!
紀州みかんを食べて、眠りにつきました。

3日目に続きます。


2019秋の南紀・徳島・滋賀巡り 2-1

2020-02-20 | 近畿(京都・滋賀)

1日目からの続きです。

● 町なかの公園

2日目の朝。
早起きする必要はありませんが、母につられて6時に起床。
まだ寝ていたいのに~。

部屋の窓から外を眺めると、かわいい小さな公園が見えました。
上から眺めると真四角。周囲を木々が取り囲み、中央には赤いすべり台が見えます。
住宅が立ち並ぶ中で、ここだけポッと開けているので、ほっとします。
「宮原公園」というのだそう。


しかし、周囲には誰も歩いていません。
新大阪駅から徒歩10分ちょっとの場所なのに。
こんなに家があるのに人がいないなんて、不思議な光景。

● 京都行きのラッシュ

関西の朝といったらモーニング。新大阪駅のカフェでモーニングセットを食べるつもりでしたが、母は早く現地に行きたそう。
駅構内でサンドイッチとサラダを買って、JR京都線に乗りました。
平日の朝、車内は出勤者と観光客がごたまぜになって、すごく混んでいる息詰まるような車内。
京都で、大勢の人達と一緒に降りました。
紅葉のこの時期、京都は例年通りに大混雑でしょうね。

ここでJR琵琶湖線に乗り換えますが、快速と新快速とで乗る位置が少し違います。
「新」のあるなしの違いがわからず、どちらに立つべきか迷いました。
まあ、聞き慣れた京浜急行の快速特急も、よく分からない言葉ですけどね。

京都からはのんびり座っていけました。
大津駅で下車。去年、比叡山ホテルのシャトルバスに乗った駅と勘違いして、(記憶よりもずいぶん大きいなあ)と思ったら、去年降りたのは浜大津駅でした。
ビギナーは間違えそう~。

● カラーマンホール

駅を出てすぐの道で突然立ち止まった私。
カラーマンホールがあったからです。
慣れている母は驚かず、少し先で待ってくれています。


大津市制100周年記念デザイン

平成10年10月の市制100周年記念のマンホール鉄蓋。
花火、琵琶湖、琵琶湖大橋、ミシガン船、レガッタが盛り込まれている、 楽しくにぎやかなデザインです。


大津市制100周年記念マンホール リニューアル

こちらは上のデザインに、100周年記念キャラクターを取り込んだリニューアル版。
観覧車が「ホールまん蔵」、犬が「おおつ光ルくん」になっています。

● 逢坂の関

湖に向かっているつもりが、「逢坂」の表示が出て、立ち止まりました。
逢坂と言えば、坊主めくりでおなじみの蝉丸。

~これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関 (蝉丸)

山城国と近江国の境の逢坂の関は、まさにこの辺りにあったのでしょう。
わ~、越えてみたいわ。
いやいや、母に逢坂越えはさせられません。

なんだか変だと思い、そばの駐車場でバイクに乗ろうとしていたお兄さんに聞くと、「逆方向ですよ」と道を教えてもらいました。
港に行くはずなのに、あやうく坂越えをするところだったわ。
逢坂に背を向けて、緩やかな坂をずっと下っていきます。

● 道路を走る電車

道路の線路を見て「あれ、この辺り、市電が走っていたっけ?」と話していたら、私たちの横を、ガタゴトと京阪京津線が通っていきました。
そういえば石山寺に行った時に乗ったんだったわ。
車がすぐ横を通るので、驚いたんだっけ。江ノ電の腰越付近と一緒です。


京阪京津線

大津駅周辺には、古めかしい建物がまだ結構残っています。
滋賀で一番大きな都市のわりには、とても静かで落ち着いています。

● 琵琶湖

坂を下りきると、視界が開けて湖に出ました。

2年ぶりの大津港旅客ターミナルで入船手続きをとります。
この日、私たちが乗るのは、琵琶湖汽船の「ぐるっとびわ湖島めぐり」クルーズ。
不定期催行のため、早めに予約が埋まります。
去年、予約を入れようとした時には、すでに満席で取れませんでした。

● 信楽キャラ

待合室でサンドイッチを食べます。
目の前には、信楽焼のタヌキがたくさん。
そういえばここは滋賀。ご当地キャラクターなんですね。

来年のNHKの朝ドラ『スカーレット』は信楽が舞台。
滋賀に入ってから、あちこちでポスターを見かけています。

また別のご当地キャラクターもいました。
こちらは信楽町観光協会のマスコットキャラクター、ぽんぽこちゃん。
おなかに信楽の「楽」が見えます。
でも信楽は、琵琶湖よりもっと内地の、大津と伊賀の間あたりの町。
ここまでプロモーションしにやってきたんですね。

男の人が2ショットを撮ってもらっていたので、私も撮ってもらいました。
子供が少なかったこともあり、大人に大人気のぽんぽこちゃんでした。

● 遊覧船

大津港に停泊している船の中で、一番人目を引くのが、このミシガン号。
定員800人クラスの大きさで、美しい形をしています。
以前、ニューオーリンズで見かけた蒸気船そっくりです。


ミシガン号


乗ったのは、ミシガン号の横に泊まっていたmegumi号。
以前とは違う船で、定員200人。女性2人連れの方とテーブルをはさんで相席になりました。

司会は、前と同じ今森洋輔さん。
天気は快晴。上機嫌で出港。

● 琵琶湖大橋

琵琶湖大橋の下をくぐる時には、デッキに出て上を見上げます。
ベイブリッジやレインボーブリッジの下を通る時と同様、テンションが上がります。
しかもここは、道路が二本ありますからね。二度おいしい!

 

いい天気。湖岸には赤い紅葉もちらほら見えます。

● 浮見堂

前回、浮見堂をうまく撮影できなかったと残念がる母の気合が入っています。
あっ、浮見堂だわ。いいえ、これは違いました。

こちらが琵琶湖に突き出た満月寺の浮御堂。
絶景をまとめた近江八景「堅田の落雁」 で知られています。

● 沖島

このクルーズでは、びわ湖に浮かぶ4つの島のうち、上陸可能な「沖島」「多景島」「竹生島」を巡ります。うーん、楽しみ~!
出港してから20分ほどで、沖島が見えてきました。

大きい船になったため、以前の桟橋に入れなくなったそう。
少し遠くに接岸して歩く必要ができたため、島での自由時間が少なくなりました。
前はカフェでのんびりいお茶する時間もありましたが、今回はちょっと難しそう。

島に降り立ちます。
天気が良くて、湖の水面がキラキラと輝き、まぶしい~。

風のない、穏やかな日。たくさんの水鳥が水面に浮かんで、羽を休めていました。

道すがら、司会の今森さんとおしゃべりします。
「前も乗って、楽しかったので」「えび豆買います!」と話すと、喜んでくれました。
イラストレーターの彼は、今は絵本図鑑の「びわ湖の動物」シリーズ・パート4に取り組んでいるとのこと。
とても精密なイラストを描く方なので、制作には膨大な時間がかかることでしょう。

● えびえびえび豆

まずは漁協に行き、えび豆をゲット。
えび豆は滋賀で知られる食べ物ですが、この島のえび豆はすごいんです。

前回、今森さんに「普通のえび豆は"豆豆豆豆豆豆豆・・・えび"ですが、ここのえび豆は"えびえびえびえびえび・・・豆"ですよ」と勧めてもらったら、まさにその通りでした!


えびえびえびえびえび・・・豆!

すっかり沖島のエビ豆ファンとなった母と私。
今回は、4つ買いました!しばらくハッピー!

● とび太くん

滋賀県に来ると、道路のあちこちで見かける、飛び出し防止の少年パネル。
「とび太くん」と言われている飛び出し坊やだそうです。
車が走っていない沖島にも、飛び出し坊やがいます。
漁師の格好をしたレアバージョンで!


沖島の飛び出し坊や

● 島民にご挨拶

フリータイム中、ガイドさんは島の案内すると言いましたが、前回参加している私は、別のルートを取ることにしました。
母は、えび豆と一緒に漁協でお茶していると言うので、一人で散策に出かけます。
前の日は雨で今日は快晴なので、島の人たちは、洗濯物を大々的に干しています。

大量の洗濯ものがたなびく前で、3人のおばあちゃんが椅子を外に出してひなたぼっこをしていました。
見知らぬ顔が珍しいのか、おばあちゃまたちは3人とも、私の顔をじーっと見ています。
それに気づかない振りもできず、通りすがりに「こんにちは」と挨拶すると、ちゃんと返してくれました。

● 突然の現代アート


RYUBOKU HUT

時が停まったような沖島に、突然現代アートを発見!?
おどろいてそばに寄ってみました。
木でつくられたドームのような場所。ざっくりとした白い網で覆われて、中には気のベンチがあります。
あずま屋みたいな場所なのかしら?

ここは「RYUBOKU HUT(リュウボク・ハット)」という休憩施設。滋賀県立大学の学生たちが流木から作ったそうです。白い網は魚網だそう。
島の景観にマッチしていました。

● 落ち武者の島

ここのような人が暮らす湖上の島は、世界的にも珍しいのだそう。
沖島には124世帯・320人が暮らしています。
1156年・59年の「保元・平治の乱」の時の源氏の落ち武者7人がここに逃れて住み着いたのが始まりで、今でもその子孫たちがいます。名字でわかるそうです。

「落ち武者イコール平氏」のイメージですが、初めのうちは、源氏が平氏に負けていたんでしたね。

船が停泊したのは、沖島小学校の前。
ここの校章「笹りんどう」は、源氏関係者しか使うことを許されないもの。
歴史は今も息づいているんですね。

● 近江のお弁当

再び乗船したら、ランチタイム。

赤こんにゃく、近江牛すじ煮込み、近江米など現地の名産が入った、地元の名産づくしのお弁当です。
でも、えび豆は、豆の方が圧倒的に多く、沖島のものとは違いました。

● 沖の白石

船は沖の白石にさしかかりました。
大小4つの岩でなる大岩で、琵琶湖4番目の島とも言われますが、上陸はできません。

このクルーズは、この日が今年最後。
船内ではよし笛奏者によるリサイタルが行われました。
お抱え奏者の中でも一番上手な方だということで、前回と同じ方でした。

「里の秋」「小さい秋見つけた」「ふるさと」などがノスタルジックな音色で流れます。
おなかいっぱいのところに、うっとりとした気持ちになります。

琵琶湖がどれだけ大きいのか、ほとんどの人が実感はないと思いますが、日本最大のだけあって、ここは本当に巨大。
移動するのに、とにかく時間がかかります。

● 多景島

お次は多景島(たけじま)。
周囲約600mの小さな島で、 この島全体が日蓮宗の見塔寺の境内になっています。
前のツアーの時には寄らなかったので、初めて上陸することになります。

船から見えた大きな「題目岩」は、なんと去年の夏に自然崩落してしまい、「南無妙法蓮華経」の彫り文字が見られなくなっていました。
そんなことって、あるんですね~。


文字がない状態の題目岩

目下修復中とのことですが、10m以上の大きさなので、直すのには時間がかかりそう。
でも、文字がないのは、レアな状態ですね。よく見ておこう。

神聖な島に上陸しました! まずお参りします。

● 湖越しのお城


乗ってきた船

双眼鏡で湖の向こう岸をのぞいたら、彦根城が見えました!
わ~、天気のいい日でラッキー。
ここは彦根城の裏鬼門の役割を果たしているお寺です。

彦根城のすぐそばに、光秀ゆかりの佐和山城址も見えました。
来年の大河ドラマを見るのに、理解が深まりそう!


石造七重層塔

小高い場所には、高さ8メートルの巨大な石造七重層塔がありました。
彦根藩三代目藩主の井伊直澄が、父の供養のために建てたものです。


誓いの御柱

五角形の面に五箇条の御誓文が刻まれている、高さ20mの誓いの御柱。
大正13年の建立です。
五箇条の御誓文って、歴史の教科書で習った、明治政府の方針ですよね?
初めて文言を見ました。

● 巨大な題目岩

「題目岩に向かう道は大変なので、行くのはお勧めできません」と言われましたが、「行ってはダメ」ではなかったので、(もちろん)行ってみました。


横に建っているのは1.8mの日蓮上人像。
10.8mの岩がどれだけ巨大かわかります。
このお寺を開いた日靖が、かつて命綱にぶら下がって「南無妙法蓮華経」の文字を刻んだと言われる題目岩。
どうやって修復されるのか興味津々ですが、以前の題目文字のデジタルデータが残っているそうなので、おそらくテクノロジーを使って前と同じようなものが再現されるのでしょう。

島を離れる時には、お寺のおかみさんが手を振って見送ってくれました。
その様子は、まるで岸壁の母のようでした!

その2に続きます。


2019京都の初春 index

2019-05-30 | 近畿(京都・滋賀)
[2019.3.21-3.25]

◆ 京都 1-(1)(上賀茂、山科) ←旅行記へ
 3月下旬のまだ寒い雨がちの日、京都を訪れました。
 上賀茂神社参拝後、鴨川デルタでふたば豆餅。
 山科に向かい、山の奥の陰陽の巨岩にたどり着きました。
  ● prologue ● 寝過ごして終点へ ● 上賀茂神社へ
  ● 出町ふたば ● デルタ de 豆餅 ● 山科へ
  ● 岩屋神社 ● 奥の院へ ● 陰石
  ● 陽石 ● 川崎大師京都別院



◆ 京都 1-(2)(山科、御陵)
 中臣鎌足、坂上田村麻呂ゆかりの遺跡を訪ねて気分は飛鳥や平安時代。
 忠臣蔵ゆかりの地を訪ねて、気分は元禄時代。
 キンキラのお寺や京都最古の御陵も訪れた、ヒストリカルアワー。
  ● 中臣遺跡 ● 坂上田村麻呂墓 ● 折上稲荷神社
  ● 日本のシンデレラ ● 大石神社 ● ポニーの花子
  ● 男でござる ● メタボ解消祈願? ● 岩屋寺
  ● 山科神社 ● 清水焼団地 ● 山科駅へ
  ● 本圀寺へ ● まばゆい境内 ● 鎌倉から移った大本山
  ● 御陵参り ● こたつ和室



◆ 京都 2-(1)(修学院)
 2日目は比叡山麓の修学院離宮を見学。
 遠くの尾根から続く敷地の広大さに驚きます。
 ガイドさんがダイアナ妃と夏目雅子の思い出を語ってくれました。
  ● 前乗り後降り方式 ● 震える寒さ ● 修学院離宮
  ● 広大な敷地 ● 桂離宮との違い  ● かずかずの雑学 
  ● 美女の話 ● 龍が泳ぐ池 ● 鷺の森神社



◆ 京都 2-(2)(大原、山科、東山)
 午後は大原の自然の中を散策してリフレッシュ。
 前日同様、再び山科へと向かいます。
 とうらぶゆかりの地を訪ねてみました。
  ● 春を待つ大原へ ● のどかな山村風景 ● 再び山科へ
  ● 中臣神社を発見 ● 扇子・仏具団地 ● なるほどザ・ワールド鈴
  ● 粟田神社 ● 鍛冶神社 ● 最後の白川小学校
  ● 六孫王神社 ● 優しい京都の人



◆ 京都 3(京大、四条、錦市場)
 3日目は東山から京都大学まで歩いて行きました。
 日中は大学で過ごし、夜に四条に繰り出します。
 鴨川を行きつ戻りつ、土曜の夜カフェを楽しみました。
  ● 東山通を歩く ● 朝の消防訓練 ● 京都大学吉田寮
  ● 京都大学の時計台 ● カフェ・コレクション ● ポスターセッション
  ● モダンな大学寮 ● 繁華街で遭難 ● インパクトパフェ
  ● ナイトミュージアム ● ディナー難民 ● 玉さま公演
  ● おかるのうどん ● 夜カフェの巨大スコーン



◆ 京都 4-1(京大、吉田) ←旅行記へ
 この日も青空の下、寄り道しながら大学へ。
 吉田山に登りましたが、迷ってうろうろ。
 たどり着いた山荘カフェはとても居心地の良い場所でした。
  ● 東山通ウォーキングふたたび ● 吉田寮 ● 京都大学
  ● 吉田神社 ● 神前結婚式 ● 料理の神様
  ● 吉田山を散策 ● 茂庵でおあずけ ● お菓子の神様



◆ 京都 4-2(七条)
 あたたかい阿闍梨餅を本店でイートイン。
 任天堂の昔の本社にたどり着いたり、道端の大鐘を見つけたり。
 快晴日の締めくくりは、美しい夕焼けでした。
  ● 阿闍梨餅本店 ● 京阪で解散 ● 七条散策
  ● 旧任天堂本社 ● 道端のミステリー ● 豊臣神社の正面
  ● 大仏殿跡の公園 ● 智積院の夕日



◆ 京都 5-(1)(嵐山、東山)
 嵐山は、さまざまな国からやってきた観光客でにぎやか。
 今ではすっかりインターナショナルな人種のるつぼになっています。
 おりしも頃は春彼岸。お寺では著名人のお墓に案内してもらいました。
  ● 嵐山へ ● 外国人だらけ ● 御髪神社
  ● 落柿舎 ● 厭離庵 ● 嵯峨釈迦堂
  ●「ほぁんほぁん」 ● たこ焼きリベンジ ● 法然院
  ● お寺の墓地へ ● R.I.P. ● 九鬼周造
  ● 台風の爪痕 ● 新しい墓地 ● さんしゅうの花
  ● ハイパーぶぶ漬けモード



◆ 京都 5-(2)(北野、祇園)
 インクラインを端から端まで歩いてみました。
 天満宮で焼き筍を食べそこねたことが、この旅一番の後悔。
 定番からネタ系までのご当地スイーツを買いこんで、帰途につきました。
  ● 北野天満宮の縁日 ● 焼き筍の屋台 ● 本殿参拝
  ● 天満宮の梅 ● 魁の桜 ● 御百稲荷
  ● 八坂神社 ● 美御前社 ● 円山公園
  ● 東寺の五重塔 ● 京みやげ ● 衝撃のブラックサンダー
  ● 驚愕の鴨サブレー ● epilogue


2019京都の初春 5-2(北野、蹴上、祇園)[Last]

2019-05-30 | 近畿(京都・滋賀)
その1からの続きです。

● 北野天満宮の縁日



引退した市電を見ながら、バス通りに戻り、次に向かったのは北野天満宮。
バスの窓から見える人の多さにびっくり。



「今日は25日だから、縁日だね」と周りから聞こえてきます。
屋台が参道にびっしりと並び、普段はあちこちにある牛の石像も、その陰に隠れています。

ここにも、教えてもらったばかりのさんしゅうの花が咲いていました。
気がつくとわかるものですね。

● 焼き筍の屋台



焼き筍が売られていました。
屋台で筍が売られているのを見たのは初めて。さすが、竹林の多い季節です。
今が季節ですからね~。

かなり気になりましたが、人の流れにのって、そのまま通り過ぎちゃいました。
後で後悔!ああ、珍しいチャンスだったのに。
食べてみるんだったわ~!



縁日だからか、サル回しもやってきていました。
「皆さん、普通に見ていますが、サルは四つ足歩行。
後ろ脚だけで立っているのって、すごいことなんですよ」
確かに、そうでした!



● 本殿参拝

ようやく本殿の前まで来て、お参りします。
3月なので、最後の神頼みをする受験生たちの集団はもう見えません。
この神社にとってのシーズンオフ期間ですね。



四方からお参りできる牛天神さま。
受験期前の大混雑対策でしょうか。
合格祈願の絵馬がびっしりと下がっていました。



● 天満宮の梅

天満宮の梅はきれいでしたが、去年に比べるとあまり咲いていないような感じ。
人の多さの方が気になって、梅の方にあまり目がいきません。


ちょっとがっかりしながら、裏門から出て次には平野神社に向かいました。

● 魁の桜

ここは、京都で一番早い桜が咲く場所。
去年は咲いていなかったので、今年もまだかと思ったら、きれいに咲いていました。
「魁(さきがけ)」という桜です。
わあ、咲いているのね。ここまで来てよかったわ。
桜に引き寄せられた人たちが、周りに集まります。



ただ、去年まであったはずの拝殿がありません。
なんと、この台風で倒壊してしまったとのこと。
かつての写真が飾られていました。



平野神社も台風で大打撃を受けたそうで、今なお当時のひどい有様そのままが残っています。
義援金の箱に、募金してきました。

● 御百稲荷

次に向かったのは、蹴上にあるウエスティンホテル京都。
広いロビーには、東山三条の田中人形による端午の節句の京甲冑が展示されています。



上階から御百稲荷をお参りできるということで、フロントに確認してみましたが、
「申し訳ございません、目下立て直し中で見学を中止しております」とのこと。
再び見られる時期は未定で、そもそも今後一般公開をするのかも決まっていないそうです。

そこは、刀剣乱舞ゆかりの神社ですが、特に刀剣女子ではないため、あっさりあきらめました。
ファンの人が大勢やってきて、ホテルが対応しきれなくなったのかもしれませんね。

● インクラインの端から端まで

そこで、そばを通るインクライン(傾斜鉄道)を散歩することにしました。



ここは全長582mの世界最長の傾斜鉄道跡。
琵琶湖疏水を引いた、高低差約36メートルの急斜面の道です。
いつも決まった場所しか歩いていないため、端から端まで行ってみることにしました。



どんどん下っていきます。
途中には、台車に三十石船(江戸時代の定期船)を乗せて、往時の姿を再現していたりもします。
まだ桜は咲いていませんが、開花時はさぞきれいだろうなと思います。



着物姿の女性たちやカップル、友達同士など、めいめいに歩いています。
線路レールに座り込んで写真を撮ったり語っている人たちもいます。
ただ、下から登ってくる人は誰もいませんでした。

● 疏水の噴水

線路沿いに、道をどんどん下っていくと、最後に行きついたのは、噴水のある場所。
横にある琵琶湖疏水記念館はもう閉まっていました。



ごうごうと音を立てて、白い水が流れていきます。
すごい量。こんなに流れて、琵琶湖の水はなくならないのかしら?と気になりますが、海のように広大なあの湖は、これくらいでは全く動じないのでしょう。



この大きな噴水は、電気などの動力を使わず、琵琶湖疏水の高低差による水圧だけで噴き上がっているそうです。



この道、いいわあ。ゴロゴロ石なので歩きづらいけど。
お花見季節なので、十石舟も出ていました。



● 八坂神社

そろそろ夕方になってきました。



平安神宮の前を通って、次に向かったのは祇園。


桜のきれいな南楼門


八坂神社をお参りします。


四条通に面した西楼門


外国人観光客であふれかえっています。
人気のエリアの中心地ということもありますが、ちょうちんが飾られた境内の雰囲気がエキゾチックだからでしょう。


本殿と舞殿


● 美御前社

境内にある美御前社にもお参りします。
宗像三女神をお祀りしています。



悪王子社もありますが、女性はやっぱりこちらですよね。
美容水も湧き出ていました。



● 円山公園

京都の花見の場所として名高い円山公園にも行きましたが、桜はまだでした。
一本だけ咲いている桜の周りには、大勢の人が集まっていました。



ここも外国人でいっぱい。むしろ外国人がほとんど。
辺りに集う人々はエキゾチックで、パリのリュクサンブール公園ですかといった雰囲気です。

● 東寺の五重塔

それからねねの道を歩いて八坂の塔に行こうとしましたが、急に陽が落ちて暗くなってきたため、そろそろバスに乗ることにしました。
京都駅行きのバスは、観光客で身動きが取れないくらい混んでいるため、駅から来た202系統に乗り、逆方向にぐるりと京都の町を一周します。

八坂の塔の代わりに、東寺の五重塔をバスの中から見上げました。
ライトアップ中でした。



バスで大周りをして宿に戻り、預けていた荷物を持って夜の京都駅へ。
これで今回の京都の旅はおしまいです。

● 京みやげ

一大観光地、京都のお菓子は、定番のものから新しいものまでさまざま。
今回は気になるスイーツを買ってみました。
・聖護院八ッ橋総本店nikinikiの上用饅頭「バル」
・井筒八ッ橋本舗の「鴨サブレ―」
・有楽製菓の「京都ビッグサンダー抹茶味」
・鼓月の「千寿せんべい」
・小倉山荘のチョコあられ「春 想ひそめしMitsuiro」 

「nikiniki」は、聖護院八ッ橋総本店の女性社長が立ち上げた新ブランド。
ニッキだからニキニキね。
かわいらしい感じになっています。



八つ橋ではない、上用饅頭「バル」にしました。
6種類の味がでており、バニラ味と黒糖味をチョイス。
ひとくちサイズの、お上品な優しい味でした。

● 衝撃のブラックサンダー

去年11月に登場した京都版ブラックサンダーは話題になり、売出し直後は品切れ状態が続いていました。
宇治抹茶味という緑のフレーバーもなかなかですが、何よりコピーのインパクトが大きいです。

"応仁の乱以来の衝撃!"
パワーワードとはまさにこのことなり。



"雷神どすう" とさりげなく書いてあるのもツボです。
戦災を受けていない京都では「先の大戦」といえば応仁の乱を指すというので、それを踏まえてのコピーなのかも!?

● 驚愕の鴨サブレー

いや~、京都のことは好きですし、常に敬意を払っていますが、ちょっとこれには愕然としました。
だって奥さん、鴨サブレーですってよ。
鴨サブレー!!!
いくら片目をつぶってみても、いっそ両目をつぶってしまっても、鎌倉が誇る鳩サブレーのパクリ、いえ類似品であろうことは否定できませんよね…?

さらにこれを出しているのは、井筒八ッ橋本舗だという驚き。
由緒正しいお店ではありませんか~。なぜなぜどーして。
正直、ブラックサンダーをはるかにしのぐディープ・インパクトです。

神奈川県民としては黙っておられず、今回鴨さんを大量に買い込みました。
ここはきちんと、鴨サブレーと鳩サブレーを食べ比べて、公正な判断を下さねばなりません!



この食べ比べについては、今度別の場所で報告するつもり。
そうしたらここにもリンクを貼っておきまーす。

(追記)
日記ブログに、検証の結果を書いたので、ご紹介します。
『検証・鴨サブレと鳩サブレー』(2019.05.31 Friday)

● epilogue

もう何回訪れたのかわからない京都。
神秘的な古都の仕組みが、少しずつわかってきました。
はじめのうちは、夢のように美しい光景にひたすら憧れていたものです。

でも気がつけば、「アレ?」という面やトホホなところが目についてきたような気がします。
今回で言うと、たとえば「なるほどザ・ワールド!」の神社の鈴とか、道端に無造作に置かれたお寺の鐘とか…。
うむむ。でもこれが、等身大の京都を知るということなのでしょうね。

桜には少し早かったのですが、春が近づく様子を楽しんだ、今回の京都の旅でした。



2019京都の初春 5-1(嵐山、東山)

2019-05-29 | 近畿(京都・滋賀)
4日目からの続きです。

● 嵐山へ

京都最終日は一日フリー。
前日までのような快晴ではありませんが、天気はどうにもなりません。



まずは嵐山へ出かけます。
バスと並行して走る嵐電。乗客同士で握手できそうなほど、近いです。



去年9月の台風21号に、嵐山も甚大な被害を被りました。
渡月橋の欄干が倒れたと聞いて気になっていましたが、今では復活して、人も車も渡っていました。



桜にはまだ早く、山の景色はさびしげ。

● 外国人だらけ

それでも観光客はたくさんいます。
特に外国の方々が、観光バスに乗ってワンサカやってきます。
以前は個人で動く外国人がメインでしたが、今ではガイド付きツアーに参加した団体行動の人が多い気がします。



この画像に移っている人は、全員外国の方。



静けさの漂う、美しい竹林。
人力車が駆け抜けていく様子は、とても絵になります。



野々宮神社の苔芝の変わらぬ美しさを見るたびに、いつもほっとします。



でも今では、竹林の道は、とってもワールドワイド。
画像の見えない下の方には、世界の観光客が大勢ひしめいています。
いろいろな国の言葉や歓声が飛び交って、アメリカのディズニーランドに行ったような感じです。



そんなインターナショナルな空間を抜け出して小高い公園に上がり、見晴らし台から保津峡を見下ろしました。
ああいい眺め。喧騒から逃れて一息つきます。

● 御髪神社

大河内山荘前を通って、二尊院の方へと向かうと、御髪神社の横に長い階段ができていました。
数年前まではこの斜面には道がありませんでした。
左側に残っている溝のようなけもの道を、上からおっかなびっくり、滑り落ちないように気を付けて、足を踏ん張りながら降りたものですが、いつの間にか階段ができたんですね~。
毎年京都を訪れていると、少しずつマイナーチェンジしていることに気づきます。



御髪神社は、日本で唯一の髪の神社。
髪に悩む人々だけでなく、美容の道に進みたい人たちもお参りします。
私が行った時にも、髪は問題なさそうな外国人の若者2人が参拝しており、女性2人がお守りを選んでいました。



その前にある小倉池は、水がほとんどなく、底が見えるような状態でした。
こんな小倉池を見るのは初めて。
『池の水全部抜く』のように、かいぼり中でしょうか?

● 落柿舎



どんどん道を歩いて行きます。
二尊院の「紅葉の馬場」と呼ばれる長い参道を眺めます。
今は春なので、紅葉もなく静か。



細道を曲がると、落柿舎が見えます。
おや、前よりもよく見えるようになった気がします。
ここ、以前は畑だったはず。ならしたのかしら?



道の周りも木が伐採されて、全体的に見通しが良くなっています。
観光用にでしょうか?
嵐山の自然が少なくなるのはあまりよろしくないような気がしますが・・・。

● 厭離庵



秋の紅葉の時期にしか公開しない、小さな庵は今日も静か。
中から、人の声が聞こえました。来客訪問中でしょうか。
どの季節にカメラを向けても、ちゃんと絵になる、いつもきちんと手が入ったところです。

● 嵯峨釈迦堂

どんどん進んで、お気に入りのお寺、嵯峨釈迦堂こと清凉寺に着きました。
豊国神社前にある耳塚はかなりの迫力で、おびえてしまいますが、ここには豊臣秀頼の首塚があります。
昭和55年に大坂城跡地から出土された豊臣秀頼の首を、昭和58年にここに埋葬したのだそう。
つまり、本当にここに埋められています。

ここには大坂夏の陣で命を落とした人々の供養塔もあります。
手を合わさずにはいられません。



境内には、八角形の変わった建物もあります。聖徳太子殿だそう。
法隆寺夢殿になぞらえた建築のようですが、特に何の説明もなく、いつも不思議に思って眺めています。



境内の塔頭。きれいに手入れが行き届いた庭です。

●「ほぁんほぁん」

京都の動物園にパンダはいませんが、前に向日町の辺りを歩いていた時に、パンダの絵が描かれた中華料理店があったことを覚えています。
かなりのインパクトで(わあ、パンダ!)と思いましたが、店の名前を思い出せず、その後検索しても見つけられずにいました。
それを偶然、嵐山で発見!



その名も「ほぁんほぁん」。皿うどんのお店だそう。
顔を入れて食べているパンダちゃん。かなり夢中ですね。
お店は向日町と嵐山の2店舗のみだそうです。
旅先で両方見られてラッキ-!いつか入ってみたいなあ。

● たこ焼きリベンジ

嵐山はみんなを引き付ける場所。
時間がたつにつれて、どんどん観光客が増えてくるため、この辺りで嵐山を離れることにします。
バスに乗って、一路四条大宮へ。
降りるとまっすぐ、錦市場に向かいます。

向かったのは、2日前に、あと一歩のところで食べられなかったカリカリ博士のスタンド。
まだお昼時間なので、生地はなくなっておらず、今度はちゃんと食べられました~。
お客さんたちで身を寄せ合ってベンチに座り、焼き立てをはふはふと冷ましながらいただきます。


満足~!


錦市場には、たこ焼きリベンジのためだけに訪れたので、目的を達成した後はサクサク移動します。



なんとなく京都風ののれんがかかった、大丸百貨店の入り口。

● 法然院

バスに乗り、法然院に向かいました。
ここもとても好きなお寺。少しご無沙汰していたため、久しぶりにお墓詣でをしたくなりました。
川沿いの哲学の道は、桜の木が両技師に飢えられていますが、まだ咲いていません。
春になったらさぞきれいなことでしょう。



フランス人旅行者が、道端の標識を見ながら「キンカクジィ、ギンカクジィ」と一生懸命発音している横を通って、法然院坂を上り、山の中腹にあるお寺へ。



山門を入ると、両側に白い盛り砂の白砂壇(びゃくさだん) があります。
あまりの美しさに、目を奪われます。別世界に来たみたい。



水を表わす砂壇の間を通ることは、心身を清めて浄域に入ることを意味しています。
そばで見ると大迫力!



境内には、江戸初期の再興以来「善気水」がこんこんと湧き出ています。



いつ訪れても緑豊かな、みずみずしい雰囲気のお寺です。



● お寺の墓地へ

お参り後に墓地の敷地へと向かいました。
お彼岸期間のため、お花を持ってお墓参りに来ている方々の姿をちらほら見かけます。



文豪・谷崎潤一郎のお墓参りをし、さて次は九鬼周造のお墓にご挨拶しよう、と思いましたが、探せません。
ずいぶん前に来たきりなので、わからなくなってしまったようです。

そこで墓地の清掃をしていた墓守のおじさんに聞いてみました。
すると「こちらですよ」と先導してくれます。

● R.I.P.

墓守のおじさんはとても親切で、途中の道々「これは京大の〇〇先生のお墓」といろいろなお墓を教えてくれました。
例えばこんな方々。場所柄、京大の学者さんが多いそうです。

・三味線の人間国宝、竹本越路大夫四世

・中国人に愛された戦前の東洋学者、内藤湖南

・京都帝国大学教授、同大学の総長になった考古学者の浜田青陵(せいりょう)、1881年2月22日 - 1938年7月25日)

・ノーベル化学賞を受賞した福井謙一の墓

・経済学者で共産主義者の河上肇

・日本画家の福田平八郎

さらに「田宮二郎のお墓もあるよ」と教えてもらいました。
お墓にはもちろん本名が書かれてあり、コカ・コーラのペットボトルがお供えされていました。
 
墓地にはキリスト教のお墓もあります。
「えー?」とびっくり。ここはお寺なのに。
「住職さんが大阪外大の人だから、オープンなんです」と墓守さん。
それ、理由になるのかしら~?

「フランク・ミュラーにお嫁入した人のお墓もあるよ」
フランク・ミュラー!あの高級腕時計のブランドオーナーですね。
奥様は日本の人だったとは。

「だから、スイスから時々TVクルーがやってくるよ」
説明を聞いて、(まさかとは思うけれど...)となぜか少し緊張しながら墓石を見ると、杉山さんの名前が書かれていました。
フランク三浦に訴訟を起こし、敗北したフランク・ミュラー。
三浦さんじゃなくてよかった!

● 九鬼周造

探す九鬼周造のお墓の前まで連れてきてもらいました。
自分一人では探し出せなかったかもしれません。
墓石の揮毫は彼の同僚の西田幾多郎によるもので、側面には西田が翻訳を行ったゲーテの「さすらい人の夜の歌」。
(Wandrers Nachtlied)の一節が刻まれています。
「よ、読めませんね…」「ですよね」

案内していただき「九鬼周造さんの本に感銘を受けて、お墓参りしようと思って」と伝えます。
墓守さんは「そうですか。ちょうどお隣のお墓がよそに移って、今は空いとるので、どうですか?」と勧められました。
いえいえ、とてもじゃありませんが、その辺りは超おハイソなエリア。畏れ多いわ!

● 台風の爪痕

前よりも木が伐採されて、ずいぶん見通しが良くなりました。
「台風21号の影響で、この山の木がかなりなぎたおされてしまったんです」
「えっ、京都市内でもですか」
「大木が折れるくらいだから、卒塔婆はもうめちゃくちゃ。
墓石も倒れてその辺ゴロゴロ。歩けないくらいになりました」
「でも、ここは重機が入れない場所なので、ボランティア30人がかりでひと月かけて、ようやくなんとか人が入れるようなところまで直しました」
大変です。おそらく嵐山でも思った「木がかなり伐採された」というのは、台風の影響でやむを得ずというところだったんでしょう。



「秋に鞍馬山に行ってきましたが」
「ああ、あそこもひどく大変なことになってるでしょう」
「本堂は平気でしたか?」
「それが、奇跡的になんとか無事だったんですよ。安心しました」

山門も無事で、よかったです。
関東の方には、そこまで大変な状況とは伝わっていませんでした。

● 新しい墓地

墓守のおじさんに墓地内をいろいろ案内してもらい、説明もしてもらい、本当に親切にしてもらいました。
たくさん説明を聞いたので、もはや誰のことかもわからないくらいになりました。

もっと下の方にも、新しい墓地が広がっています。
「広いんですね」
「そう、かつて住友(?ちょっと曖昧)があったけれど、返してもらったから」

稲垣足穂のお墓参りまでできるなんて。
奥様と一緒に眠っておいででした。

● さんしゅうの花

「あと1週間たったら、桜がきれいなんだけどね」
そのセリフ、いろんな場所で聞いています。
「でも、あの隅っこのところに早咲きの桜が咲いているよ」



「あと、さんしゅうってわかる?」
「?いえ、わかりません」
「庭のさんしゅうの木って歌あるでしょ」
「ああ、なんか聞いたことある」
「その花が、今ちょうど咲いているから、見ていってね」

宮崎県の民謡で、『稗(ひえ)つき節』山茱萸(さんしゅゆ)
庭の山椒(さんしゅう)の木 鳴る鈴かけてヨーホイ?



黄色い花でした。梅のそばに咲いていました。
墓守のおじさん、親切にいろいろどうもありがとう。
別れ際に「じゃあ、サンショウを見て帰ります」と言ったら、いったん歩きかけたおじさんが振り向いて、「サンシュウ!」と叫びました。
たしかにサンショウだと違う木になっちゃいます。
墓守のおじさんは、木々や花々に詳しいので、聞き逃せなかったんでしょう。



● ハイパーぶぶ漬けモード

京都人は冷たくて、よそモンには「ハイパーぶぶ漬けモード」を発動すると聞いて(なにそれコワイ!)と内心おびえていましたが、こんな風に親切な人も多くて、ありがたいものです。
商売と関係ないところでは、きっとみんな優しいんでしょうね。

その2に続きます。