風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

多摩川流域探訪レディースツアー 2-1

2016-06-30 | 東京
1日目からの続きです。

○ 朝から快晴

2日目の朝は、アラームで目覚めました。
まだまだ寝ていたい気分ですが、それでも起きて朝風呂に向かいます。
温泉につかったら、目がシャキーンと覚めました。
雨の天気予報でしたが、外はいい天気です。よかったわ~。

○ 雨女疑惑

実は先月、モコちゃんと別々に、金沢旅行をしていました。
滞在日が一日重なったものの、彼女は飛行機、私は新幹線だったので、会えずじまい。

モコちゃんに「ずっと天気だったのに、最後の日になって雨が降ってきたのよ。ちょうどリカさんが来たころだから、実は雨女なんじゃないの?」と疑われます。
「私も、金沢に着いたら雨だったよ。でも、雨女じゃないから」
身に覚えがないので否定しましたが、
「あれ、前の広島旅行の時も雨だったよね」と彼女。
その時には、広島出身の彼女にいろいろと情報をもらっていたので、大雨になった話もしていたのです。
「うっ、そうだった・・・」

「なんかさ、前の北海道旅行では、すさまじい吹雪になって交通機関がすべてストップして、帰れなくなりかけたことあったよね?」
モコちゃんの恐ろしい記憶力に脱帽です。
「その通りよ…」
「ほらー、やっぱり雨女で雪女じゃない」

前の夜にそう言われていたので、この日が雨だったら、間違いなく責められるところだったわ!
真夏の太陽の下で生まれたから、雨女のはずないんだけどな~。
まあでも、天気がいいのでこの話はおしまい。平和的解決できてよかったわ。

○ 朝の食事

朝食の時に、モモブタさんと一緒のテーブルになりました。
基本は洋食ですが、リクエストがあれば和食も出してくれます。



素材ひとつひとつにしっかりと味があります。
栄養がたっぷりありそうで、まさに朝の食事という感じ。



モモブタさんの相部屋の人は、大阪から参加したナニワさん。
「いらっしゃい~」「そんなに遠くから?」「今回の参加者の中で一番遠いんじゃない?」
びっくりして、口々にしゃべります。
「奥多摩の方って全然知らないから、いい機会かと思って」とナニワさん。
「それはこっちに住んでいても、同じよー」と私たち3人。

奥多摩をハイキングしたことはありますが、途中下車した記憶はありません。
だから地理もよくわかっていないのです。
東京の西の方は、意外と知らないものですね。



モモブタさんもナニワさんも、おいしいおいしいと言いながらパンをおかわりし、さらに和食のプレートも頼んでいました。
気持ちのいい食べっぷりを見ているだけで、元気が出てきます。
私たちは昨夜たくさん食べたので、特におなかは空いていませんが、それでもおいしくいただきました。

〇 反対方向に出発

9時半にホテルを出発。居心地のいい時間を過ごせた、また訪れたい場所だわ。
気がつくと、バスは目的地とは反対方向の、奥多摩の方へと向かっていました。
おや?なぜだろう?と思いながらもあまり気にせずにいたら、そのうちに奥多摩駅前を通りました。
バスは氷川キャンプ場の横を通りすぎます。
わあ、ここ、前に歩いたことがある道だわ。

この日最初の行先は、あきる野市にあるお寺。
あきる野ってこっちだったかな?と思いながらも、お喋りをしているとすぐに忘れてしまいます。
そうしたら、バスはふたたび、はとのす荘の前を通りました。
あれれ?どういうこと?
どうやら青梅街道が細すぎて、大型バスがUターンできなかったため、奥多摩まで大回りしたようです。
はからずも、奥多摩の方までドライブできました。
ああ、また奥多摩湖までハイキングしたいなー。

○ ターミナル・武蔵五日駅

うとうとしながらバスに揺られて行き、ふと目を開けると武蔵五日市駅の前でした。



ここまで来たことがないため、見るのも初めての駅です。
五日市線自体、乗ったことなさそう。
ここが終点駅で、ここから先にはもう電車はありません。
その分、辺りはすばらしい自然環境でした。

○ どこかで春が

のどかな里でバスは止まりました。
ずいぶん下を川が流れていますが、きれいな水面だとわかります。





素晴らしい見晴らし。
鳥のさえずり声が聞こえてきます。
ああ、落ち着くわー。



「この辺に実家があったらいいよね」と話し合います。
モコちゃんの実家は広島で遠すぎ、私の実家はうちの隣駅で近すぎ。
がんばれば日帰りできるくらいの距離っていいですね。



山あいの里に春がやってきたという感じで、いい雰囲気です。
それはまさに「どこかで春が」の歌詞の世界。

   どこかで春が 生まれてる
   どこかで水が 流れ出す

   どこかでひばりが 鳴いている
   どこかで芽の出る 音がする

   山の三月 東風吹いて
   どこかで春が 生まれてる



ここまで来ると、東京とは思えないほど豊かな自然がいっぱい。
すっかりリフレッシュできました。



〇 語り部の里

少し歩いて、龍珠院というお寺に向かいました。
鎌倉のお寺、建長寺の流れをくむところ。
離れた場所にもその流れを引くお寺があるんですねー。



ここの本堂で、地元の語り部による昔話を聞きます。
以前奥日光で、平家落人の里の語り部の昔話を聞いたことがあるモコちゃんと私。
「前の、ああいう感じなのかな?」
「この辺には、平家の落人はやってきてないんじゃない?」



女優さんのようにきれいな人が登場しました。語り部会の代表、平野啓子氏でした。
この人の雪女の話は、とても迫真に満ちていて、ぐいぐい引き込まれました。
シーンやセリフごとに、ライトの当たり方も変える、凝った演出。
今どきの語り部は、視覚的にもインパクト効果を考えたパフォーマンスをするんですね。



雪女は、日本の雪国のどこにでもいるのかと思っていましたが、この辺りの言い伝えなんだそうです。
冷たく美しい雪女の伝説には、幻想性があっていいですね。

一人の語り部だけかと思ったら、続けて7つも語りがありました。
ここ多摩地区では、語り会の保存に力を入れているそうです。
御岳のお狗様の話や井の頭公園の宇賀神の話などが披露されました。
伝承の物語っておもしろいですね。興味深く聴きました。

〇 のらぼう菜



語りを聴いて、本堂を出た後は、お寺の縁側で無人販売している野菜のところへ。
ずいきや切り干し大根などが並んでいます。
いもぼう(京料理)なら知っているけど、のらぼう?初めてみる野菜です。

じっと見ていたら、隣にいた参加者の一人が「うちの近くでも採れるから、よく食べるけど、おいしくてほうれんそうより好き」と言ったので、家で食べてみることにしました。
私が硬貨をチャリンと容器に入れる様子を、縁側から地元CATVのカメラがじーっと撮影していたので、のらぼうひとつもらうのに、やけに緊張しました。



のらぼう菜と、この地方の語り部話をまとめた冊子。
風土記のような語り伝えの物語って好きなので、あとでしっかり読もうっと。



近くには、古民家を改築したような、雰囲気のいい喫茶店がありました。
前に何かの撮影で使われたらしく、はとバスのバスガイドさんも、ここに来るたびに気になっているそうです。



「お焼き」ののれんがかかった山小屋。あそこで食べさせてくれるのかな。
リスやキツネが焼いていてくれそうなメルヘンっぽさがありました。



○ あきるのマンホール

マンホールタイム~。
あゆが一匹、清流の中で泳いでいる図です。
はー、動物のデザインってナチュラルでいいですねー。



あゆがたくさんいる絵もありました。
「メダカの学校」みたいですね。
あきるのは鮎が特産なんだなと、マンホールから知りました。



一応、レディース集団の一人なので(走り屋みたい)、みんなに「なに撮ってるの?」と引かれないよう、こっそりすばやく撮りましたよ。
女子高では目立たないようにしないとね!

再びバスに乗り、車道の横を流れる秋川渓谷を眺めながら、川に沿って移動していきました。

その2に続きます。

多摩川流域探訪レディースツアー 1-2

2016-06-30 | 東京
その1からの続きです。

○ はとのす荘

多摩川カヌー大会を観戦した後は、この日の宿へ。
今いるのは昭島市。朝立川を出発してから多摩川の上流の青梅に行き、そこから流れに沿って下ってきて、立川の隣の市まで戻ってきているので、もう一度上流へと向かいます。
福生、羽村、青梅と通り過ぎて、奥多摩へと向かいました。

「はとのす荘」という宿の名前を聞いて(鳩ノ巣・・・渓谷の断崖絶壁の中にあるのかな?)と思いました。
つまり、ウミツバメの巣を連想していました。
燕じゃなくて鳩じゃん!
さらに民宿を想像していたら、しっかりしたすてきなホテル。
鳩ノ巣というのは地名で、別に鳩の巣っぽい宿というわけではありませんでした。(どんな宿?)



さほど大きくはないホテルで、この日はぜいたくにも私たちツアーが貸切りとなっています。
部屋は広々としており、モダンでシックな色合いのインテリアがしっくりと落ち着きます。



部屋にはテーブルセットの置かれたバルコニーもついています。
そこからは鳩ノ巣渓谷がまっすぐ見下ろせました。吸い込まれそうな景色です。



○ 渓谷散策

部屋でお茶をわかして一息入れても、まだ4時ごろ。
夕食時間までフリータイムなので、外の散策に出てみることにします。
鳩ノ巣渓谷の上に立っている宿なので、ダイナミックな冒険が楽しめそう。

鳩ノ巣小橋を渡って向こう岸へ。わーい、吊り橋だ~。



橋のたもとには、こんなアラートが。
頃はまだ冬の寒さの中の3月初旬。
増水すると歩道が水没するって…ヒエッ。



橋の上から見た下流側の景色。渓谷のほとりに突き出た建物があります。
カフェでした。お茶をしながら眼下の絶景を楽しめそうです。



こちらは上流側の景色。気のせいか岩石率が高い気がします。
お仲間の参加者が岩の上にいるのがわかるでしょうか。ちらほら見えます。
普段なら(こんな場所に女性一人?)と心配するところですが、今回は(あ、参加者ね)と気になりません。



アップにしてみました。ここにもお仲間の姿が見えます。
水はとてもきれい。透明な多摩川の水がここにはあります。



○ 巨岩の断崖

ヒールつきの靴ではとても歩けない、巨岩だらけでごつごつの細道を進みます。
この辺りの多摩川は、本当にくねくねと蛇行しています。
私の知っている多摩川とは違うわ。



渓谷の向こう岸から見上げた、はとのす荘。私たちの部屋も見えます。
こんな石の上に立っているなんて、すごい。
よっぽどしっかりした岩盤なんですね。
ルパンの『奇巌城』みたいだなと思いました。



○ 見知らぬ多摩川

橋の上から見下ろした水辺まで降りてみました。
見知った多摩川とはあまりにも違う、ワイルドでダイナミックな景色。
自然の静けさと荒々しさをまのあたりにして、圧倒されます。



そこから吊り橋を見上げました。
橋の上には、また別のお仲間の姿が見えます。
一晩貸切りの女性だけのホテル。都心から来たばかりの参加者たち。
何か事件が起こりそうなシチュエーションですね!(起こりませんけどね!)



再び吊り橋を戻って、川ぞいを少し散策してみます。
長い階段の横に滝がありました。水が落ちる音しか聞こえない、静かで絵になる光景。



○ 地名の由来

水神社への道標を見つけて、岩山を登ってみました。
すると、一番上に小さな祠がありました。
この神社にかつて鳩が巣を作ったのが、鳩ノ巣という地名の由来となっているそうです。



祠のある大きな一枚岩の上からおそるおそる下を覗き込むと、またお仲間女子の姿が見えました。
一人で河原に座り込んで、川面を見つめて動きません。(下の黒い点)
「大丈夫かなあ?」「ひたってるんでしょう」
まあ、参加者に思いつめた風の人はいなかったしね。。。
そんな、乙女をおセンチにさせる、ムードたっぷりの場所です。



私たちはセンチメンタル・ジャーニーではなく、アドベンチャー路線でトレイル探索中。
「川口浩探検隊気分だね!」
わー、往年の探検家のことを、すっかり忘れていました。 

○ 吊り橋ハンター



吊り橋好きなので、遠くから見つけて、うねうねと細い道を上ったり下ったりしてなんとかたどりついた雲仙橋。
ギリギリの幅で車も通ります。
ここからの景色もまた絶景でした。



あれあれ、さらに白い吊り橋が見えますね。
手作りっぽさムンムンですごく気になったのですが、そこまで行くには相当降りて行かなくてはならず、さらにその分また上らなくてはなりません。
結構歩いて足もくたびれていたため、上から眺めるだけにしておきました。



駅がすぐそばにありましたが、全く駅前の賑わいはありません。
駅前にも、周辺一帯にも、コンビニどころかスーパーさえもありません。
昔ながらのよろずや個人商店が、菓子パンを売っているくらいでした。
わー、ここには昭和がまだ残ってるのね~。

駅のそばに、こんな崩れかけた吊り橋がありました!
わあ、このひなびた感が相当好み。(みんな、引かないで~)
でも劣化しすぎて、もはや通行不可になっているのが残念だわー。



○ 夕食前の温泉

そろそろ暗くなってきたので、ワイルドな自然散策に満足して宿へと戻ります。
温泉から上がったばかりの参加者たちと、一緒のエレベーターになりました。
みんな上気した顔で、手に缶ビールを持っています。両手に2本持ってる人も!
私たちが思わず「あっ、ビール」と言うと、その人たちは「えへへ、食事前にちょっと一杯♪」と舌を出していました。

ホテルにチェックインしてから夕食の時間までの3時間半ほど、フリータイムだったので、一眠りしたり、私たちのように散策をしたり、温泉に入ったり、みんなそれぞれに過ごしたのでしょう。
それにしても、食事前に待ちきれなくて飲みはじめるなんて、ツワモノだわ~。
よーし、私たちも温泉よー!

まだ夕食まで時間があったので、私たちも大浴場へと向かいました。
お湯はアルカリ性。美肌の湯と言われていますが、さらっとしています。
涼みながら2時間くらいゆっくりと入りました。

○ 地場野菜イタリアン

ほかほかになって、浴衣姿でレストランへ。
この宿では、数種類の中から好みの浴衣を選べるのも嬉しいところ。
なんとなく和食かしらと思っていたら、創作イタリアンのコースでした。


(アミューズ)
あべ鶏もも肉のローズマリーの香り、狩人風



(アンティパスト)
イタリア産生ハムとスモークチーズの取り合わせ
タコとウドの赤ワインマリネ、タイム風味
チキンロールスモーク、ふきのとうソース
サーモンと青菜のテリーヌ、牧野さん家の奥多摩ヤマメの燻製



(ズッパ)
アサリのトマト入りクリーミーなスープソース
黒トリュフとリコッタチーズのラビオリと共に
パン(カンパーニュ・玄米ファイン)焼き立てで温かくフワフワ



(セコンド・ピアット)
牛肉のオレガノ風味焼きフンギポルチーニソースに
春の温野菜、奥多摩産山葵オイルを添えて



(ドルチェ)
カスタードバニラケーキ、イチゴのパンナコッタ
林檎アイスをフルーツと共に


女性の心わしづかみという、見るからにきれいな料理がどんどん出てきました。
素材の味を生かした薄めの味で、どれも食べやすかったです。
特にズッパが絶品で、ため息が出るほどでした。

このCena(メニュー)を考案したのは、料理長のJ.koba。
名前が気に入って「J.kobaすごいね」と二人でほめそやしていたら、それが聞こえたのか、あるいは私たちが最後の客になったためか、帰る時に本人が厨房から出てきて、にこやかに挨拶してくれました。
物腰の優しげなお上品な雰囲気のナイスミドルでした。



○ 食後も温泉

とてもおいしい夕食を楽しめて、大満足~。
少し部屋で休んでから、また温泉へ向かいました。

夜の時間はたっぷりあります。
ここのところせわしない日常を送っていただけに、この何にもしない、自分を甘やかす時間をとてもありがたく感じます。
はー、心身の疲れが抜けていくわー。

露天風呂で一緒になった女性たちは、仲良しグループで誘い合って8名で参加したとのこと。
ダンスサークルつながりだそうで、たしかにシンクロナイズドスイミングの選手のようなシュッとしてスラッとした華やかな人たちばかりでした。

今回のツアー参加者は女性50人。みんなが一度に温泉に殺到しないよう、食事の時間をバスごとにずらし、さらに今回は男湯も開放してくれました。
旅行会社スタッフの男性数名は、部屋つき風呂を使ってもらうことに(すみません~)。
男湯も女湯も両方入れるということで、両方ののれんをくぐって、スリッパの数を数えて少ない方に入りました。

○ のぼせて休憩

ここでもまたしばらく長風呂をしたので、あがったあとでモコちゃんが「のぼせちゃった~」と、しばらくベッドに沈みこみました。
確かに入りすぎましたね。お風呂の中で話し込んじゃったし。
私もベッドにのびて休みます。



○ お喋りして眠くなって

モコちゃんがちょっと復活したので、起き上ってサングリアで乾杯しました。
長い夜を満喫しようと、お菓子やおつまみをいろいろ買い込んできましたが、イタリアンコースでおなかがいっぱいで、なにも食べられません。

二人でなおもいろいろとお喋りをしていましたが、そのうちに眠くなってきました。
おなかもいっぱいだし、温泉にも入ったし、そもそも土曜日の朝に早起きをして寝不足だし、もうあとは幸せな睡眠だけですよね~。
奥多摩の夜はとても静か。
私たちも、静かに眠りにつきました。

2日目に続きます。

多摩川流域探訪レディースツアー 1-1

2016-06-29 | 東京
○ prologue (3/5-6)

まだ風の冷たい3月、多摩川流域を訪れるツアーに、モコちゃんと参加しました。
多摩川駅伝カヌー大会の観戦がメインの、東京都主催のイベントです。
毎日渡っている多摩川。下流の辺りは知っていても、山に近い上流の方はよくわかりません。
以前、鶴見川の源流を訪ねて行ったことはありますが、多摩川はそこまで詳しくないので、これはいい機会。
知らない場所の多摩川に出かけましょう。

○ 立川スタート

ゆっくり寝ていたい土曜日ですが、早起きして出発します。
集合場所は立川駅。行くまでが時間がかかるのです~。
モコちゃんとも現地集合。お互いに眠い顔をしています。
2人とも、立川は知らない場所。
集合場所は駅から少し歩いたところで、地図を見ながら向かいますが、寝ぼけた頭ではよくわかりませんでした。
女性が集まっている黄色いはとバスを発見。これだわ。



今回は、女性のみのツアー。年の近い女性50人が集まって、はとバス2台に乗っていきます。
不思議な環境だわ~。女子高体験が一度もない私は、女だらけの世界に慣れていません。なんだかドキドキします。

JTBの添乗員さんやはとバスのバスガイドさんがいろいろと説明をしてくれますが、全体的にバスの中は静か。
女性だけなら、もっとワーキャー、ぺちゃくちゃ、騒がしいのかと思いましたが、そんなことはありません。
大人な方々が集まったのかも。というか、朝早いからみんなまだ半分寝ているんでしょう。
モコちゃんと私も半分うとうとしながら、バスに揺られていきます。

○ 青梅市・釜の淵公園

この日のイベントは、「多摩川カヌー駅伝大会」の観戦。
まず行ったのが、青梅の釜の淵公園。
かんぽの宿もあり、かなり奥地にまで来たような気になりましたが、地図で見ると青梅駅のすぐそば。



10時からの開会式に参列します。
そんなに参列者が多くないなあと思ったら、今回から始まる大会なんだそう。
始めが肝心。盛り上げていかなくちゃね!

○ 市長が選手?

まずは浜中青梅市長が開会のあいさつを行いました。
市長はなんと第1区のカヌー選手ということで、挨拶をしたら準備のためにさっと姿を消しました。
市長が選手?一人二役のような活躍ぶりですね。スーパーマンとかスパイダーマンとかバットマンみたい。ヒーローってみんな忙しいんだわ。


壇上から下りた青梅市長を見送る市長たち


続いて、並木羽村市長、加藤福生市長、澤井あきる野市長が挨拶に立ちます。
みんな多摩川流域つながりということで、結束が固いようです。



ぼーっとしていたら、ゆるキャラがぽくぽくと歩いてやってきました。
キャー、かわいい!続々に登場してきます。
全部で6体もいるので、一気にテンションが上がります。

○ 知人とばったり

スーツ姿の、いかにも偉いさん的な人たちが何人もいます。
その中に金髪の男性の姿が見えました。

「ダニエル・カールさんもいるのね」と、隣にいた人が話しかけてきました。
「ああ、あの人が」と言いながら隣の人を見て、おやと思った私。
「あの、前にお会いしませんでしたっけ?」
「あれ、どこで?」
このままだとあやしいナンパになってしまいます。勇気を出して、踏み込んでみました。

「モモブタさんじゃありませんか・・・?」
「やだー、どうして~?」
わ~、よかった、本人でした。
「リカです。前に日光でお会いした」
「あ、リカさんーー!すぐ気づかずにごめんね、この前札幌のブログ上げてたね」
なんと、参加者女性の中に、知り合いがいたのです。

彼女は、以前日光で雨宿りに入った茶店で相席になり、一緒にあんみつを食べた人でした。
ものの10分くらいしか喋らなかったし、大雨に降られてお互い服も髪もぬれねずみ状態だったため、すぐに気が付かないのも当然。
逆に自分がどうしてわかったのか、不思議ー。

○ カールさんと

開会式の後で、ダニエル・カールさんと一緒に写真を撮ってもらいました。



今回の企画担当の美しい多摩川フォーラムの副会長だそう。
山形にいる人だと思っていましたが、もっと活動範囲は広いようです。
「この前クラゲの水族館(加茂)に行きました」と話すと、「ああ、あそこのクラゲすごいよね」と返してもらいました。
やっぱり強い山形弁のイントネーションでした。

多摩川のクイズに答えると、大会用の瓦せんべいをもらえました。
瓦せんべい、おいしいですよね。



おせんべいにカラーの印刷がされているものを、初めて見ました。
モコちゃんは、前に仕事の取引先からもらったことあるそうです。
はやりなのかしら?

○ 優勝予想

全17キロの行程を1チーム4人でつなぐリレー。駅伝というのが珍しいです。
参加する17チームの優勝予想をすることになりました。
モコちゃんは「やっぱり有利だよね」と地元チームを選びましたが、私は横浜から参加したチーム、「ヨコハマボーイズ」にしました。
遠いところお疲れさま。ここまでやってくるハマの応援者はほとんどいなさそうなので、私が応援しましょう。

私たちは水際で応援しようと、河岸に出ました。
「わあ、水がきれい」と声が上がります。
この辺りの多摩川は、とても澄んでいて、魚も住みやすそう。
私の知っている(ガス橋あたりの)多摩川とは違います。



○ カヌーに立つ人

午前10時半にレース開始の号砲がし、カヌーにのった選手たちが上流からやってきました。
先ほどの青梅市長はどこにいるのかな?もうスーツじゃないので、わかりません。



あれれ?なんだか立っている人がいますよ。
落ちないの?初めて見たので、ビックリ。



スタンドアップパドルボーディング(SUP)というそうです。
チーム名にHALAUという言葉がついているのが、サップのチームだそう。
戦国BASARAの武田信玄を思い出しました。(二頭の馬の背に立って乗るキャラ)



吊り橋の上から応援している人もいました。
橋から観戦したモモブタさんは、遠くのスタート地点の様子が見えたとのこと。
カヌーに乗ってスタンバイして「よーい、ドン!」ではなかったそうです。
スタート時、選手は陸にいて、そこから水際にダッシュして、カヌーに乗り込んだそうです。

○ バスに元オリンピック選手

スタート地点で選手たちを見送った後、別の地点に先回りして応援するために、バスに戻ります。
新たに一人の女性が乗り込みました。
バルセロナとアトランタオリンピックに出場したカヌースラローム選手、小林弘子さん(現・笹本)。

「みなさん、どのチームに優勝予想を建てましたか?私は、1番の青梅レジェンドにしました」とのこと。
(青梅市長のチームだから、盛り上げてさしあげたのね)と思ったら、「違うんじゃない。プロの目で見て、ほかのチームの状態もわかってるんだよ」とモコちゃん。
どっちかしらー。

○ 羽村取水堰 



2番目の応援地点、羽村取水堰でバスを降り、選手たちを待ちかまえます。
この辺りは、川底が透けており、見るからに浅くて、カヌーが浮かびそうにありません。
モコちゃんとモモブタさんと「どうやるんだろうね」と怪しみます。

選手たちがやってきました。
見守っていると、よっこいせとカヌーをかついで陸に上がり、走り始めました。
ええ~、降りちゃうの?運んじゃうの? ほんとですか~?
目の前の光景に驚いて、目が点になりました。
でも、そうするしかない浅瀬ですからねー。



エッサ、ホイサ。
やはりここは乗れない場所。仲間が登場してカヌーを運ぶのを手伝うチームもありました。

深さのある場所まで歩いて移動し、そこから再びカヌーに乗ります。
「ヨコハマボーイズ」が来ないうちに時間となり、またバスに戻ります。

○ 玉川ブロスの像

玉川兄弟の像があったので「わー!」と近寄っていきました。
羽村って玉川上水の起点になるんですね。
もともと、羽村取水堰は、1654(承応3)年に玉川上水ができた時に設置された出発点。
前に、玉川上水に行きたいなと、玉川上水駅まで行ってみたことがありました。
太宰が入水したのは三鷹の辺りで、そこは散策済みでしたが、上水があるのはもっとずっと上流の方だと、その時に知りました。
つまりその時は収穫なしだったんですが、私が来たかったのは、ここだったんだわ~。

玉川ブラザーズ、後ろが兄で前が弟。
この人たちはたった8カ月で、43キロの水路を作り上げ、その後は多摩川の水を江戸に引き入れられることになったたんだそう。
すごいですねー。
私が知っているすごい水路造りの人は、このブラザーズと京都のインクライン、あとは御茶ノ水の伊達堀を作った政宗です。

でも、ほかの人たちはみんなスルーしていきます。
反応していたのは私くらい?
モコちゃんに撮ってもらって「撮る?」と聞いたら「いや、私はいいわ。知らない人たちだし」あ、そうですか・・・。



『逆転裁判』っぽいポーズになりました。。。

○ 福生市・多摩川堤防

第3区地点の福生にやってきました。どことなくアメリカンな店構えが続きます。
地図を見ると福生駅から歩いてこれる場所です。
全くわからなかったこのあたりの土地位置が、少しずつわかってきた感じ。
先ほどはずいぶん距離がありましたが、ここは水際で応援できたので、手を伸ばしたらタッチできるくらいすぐそばを、選手たちが漕いで行きました。



とつぜん私たちの背後から、「太郎、がんばれえぇ~!」の大声が響き渡ります。
振り向くと、それは笹村さんでした。
お友達なんですね。

それを聞いて、私たちもいっせいに「タローさーん!」「ファイトー!」と声援を送ります。
太郎さんは「はーい!」と元気よく返事をして、大きくオールをこいでいきました。



おお、接戦ですね。ピンとした空気が張り詰めています。
応援する側も力が入ります。
どっちもがんばれー!



あっという間に目の前を通り過ぎます。
後ろから見ると、臨場感がさらにたっぷり。
背中にも声援を送ります。



向こう岸には、私たちのキャーキャーという応援はどこ吹く風といった様子で、黒い兄弟犬たちのリードを解いてのんびり遊ばせている人がいました。

○ 昭島市・くじら運動公園

カヌー大会のゴールはクジラ運動公園。
え、川じゃなくて運動場?
どうやってカヌーで陸にゴールするの?



疑問でモヤモヤしながらゴール地点に向かうと、ちょうど一目散に人が走ってきました。
カヌー選手でした。最後にはカヌーから下りて、バトン代わりのオール片手に土手を駆け上がり、走ってゴールするそう。
カヌーは上半身の筋力で決まると思っていましたが、最後の最後には脚力も使うんですね。
もはやトライアスロン状態。全身運動なんですねー。



ゴォール!おめでとーう!
ゴールの横にはゆるきゃらもそろってお祝いしてくれます。
みんなもスタート地点から先回りして、ここまでやってきたのね。



もつれこむようにゴールし、待ち構えていた監督に肩をかかえられ、健闘を祝われる選手。
いい光景ですね。



(ちょうどいいタイミングだったわ!)と思いましたが、彼女チームが優勝ではありませんでした。
私たちが着くよりも早く、すでに1位はゴールした後だったんです。
バスより速かったのね~。
一位のチームは、なんと青梅市長、浜中啓一さんのいる「青梅レジェンド」!
市長はゴールのそばにいて、ニコニコしていました。

○ 燃えつきた選手

ふと、屋台の奥に目をやると、そこにはゴールしたての選手が一人うずくまっていました。
落ち込んでるの?悲しんでるの?感動してるの?
四つん這いになって、ひそかに呼吸を整えていました。
わざわざ人ごみから離れた場所にいるので、一人の時間が欲しいのだろうと、私たちも声をかけずに遠くからそっと見守ります。



あっ、立ちあがった。復活したようです。
呼吸が戻ったようで、普通に歩いて人々の方へと戻っていきました。
ヒーローは、弱音を吐かないものですね。



○ 地元B級グルメ



表彰式を待つ間、特設屋台の地元のB級グルメをいただきました。
私たちが選んだのは、モツ丼。
(モツって固くて、なかなか飲みこめなさそう)と思っていましたが、とってもソフトで固さを感じずに、おいしく食べられました。



13時半。まだゴールしていないチームもありますが、表彰式が始まりました。
そして上位3位の表彰式。
優勝した「青梅レジェンド」。市長は満面の笑みで金メダルを受けます。おめでとう!

さっきみんなでエールを送った太郎さんも、このチームのメンバーで、安藤太郎さんという、やはりオリンピックに出たすごい人でした。
それにカヌー協会の藤野強さん、そして北京オリンピックで第4位だった竹下百合子さん。
皆さん、国の代表レベルのプロ集団だったんじゃないですか!


2位は「Team POSI」。三島三兄弟という、カヌー業界では名の知られたジュニア代表3人がいるそうですが、その2人がいたとのこと。 
3位は「Team OME Jr」。

十代の参加者もいますが「東京オールディーズ」のメンバーは60ー70代。
年齢関係なく楽しめるのがカヌーの魅力だそうです。

表彰式の真っ最中に、ようやくゴールした選手が。
なんと、私が推していた「ヨコハマボーイズ」じゃないですか。
まあ、間の悪いときに。
横浜出身者は私のほかにいないかもしれないので、同郷のよしみとしてゴールに駆け寄ってねぎらおうと思っていましたが、式の最中だったのでできませんでした。



成績は、参加17チームのうち、後ろから3位くらい。
土地勘がない場所で早朝にコンディションを合わせなくてはならない不利な状況の中、途中棄権せずに最後まで戦ったのがすばらしい!
お疲れ様でした。またがんばりましょう!



さっきは名前がわからなかったゆるキャラも、わかってきました。
茶色い2匹は、あきる野市のキャラクターの兄弟キャラ「森っこサンちゃん」だそうです。
モデルはなんだろうと思ったら、秋川渓谷のトウキョウサンショウウオがモチーフなんだとか。
思いつかなかったー!
正直、サンショウウオとシーラカンスの区別があんまりついていない私。

「昭島の水はおいしいですよ」といただきました。
地下水なのだそう。都内で地下水が飲めるなんていいですね。
ゆるキャラはカッパの「ちかっぱ」。
「ち、ってなんだろう?カッパのチカちゃん?」と言ったら「地下水じゃない?」とモコちゃん。
そうだね!冴えてるゥ~。ていうより私の頭、まだ寝てるゥ~。

○ ゆるキャラほったらかし 

スタート地点で会った時には、私たちみんなでキャーキャー彼らを取り囲んでいましたが、もはや見慣れてしまったため、ここでは割と放置されています。
マスコミも、表彰式の方ばかり注目して、全くカメラは向けられていません。
それでもちゃんとおとなしくしている、空気を読めるゆるキャラたちでした。



そんな彼らに興味津々なのが、犬と子ども。
これはこれで、いい絵でした。



○ 東京の市とカヌー

開会式にも閉会式にも、多摩川流域の市長たちが勢ぞろい。
北川昭島市長の閉会挨拶で幕を閉じました。

実は23区外の東京の市って、よくわかっていない私。
正直、23区だって全部そらで言えるか自信がありませんもの。
市は全部でいくつあるのかさえわかっていないし、地理もさっぱり。

そこで、地図でこの日観戦した場所をチェックしてみました。
開会式地点の青梅が一番都心から離れていて、そこから、羽村、福生、昭島と、少しずつ朝の集合場所の立川に戻ってきたんですね。

地図だけ見ると「あれれ?」ですが、カヌーは多摩川の流れに乗っていくスポーツ。
まずは遠い上流へ行き、それから少しずつ下流へと戻っていったというわけです。

カヌーには乗ったことがないし、正直(おもしろいのかな)と不安でしたが、すごく楽しかったです。
見ているだけでもワクワクしました。
自分も今度やってみたいわ~。
モコちゃんは、シーカヤック体験をしたことがあるそう。
カヌーとカヤックの違いって何かしら?大きさかな?

○ クジラゆかり

クジラ運動公園ではマンホールもクジラでした。その写真を見た友人が「何故クジラ?」と疑問に思って、調べてくれました。
昭和36年に、クジラの化石がこの辺りの多摩川から発見されたため、クジラが市のシンボルになっているんだそう。
今では海から遠く離れている場所なのに、大昔には、この辺りにクジラがいたなんて、ロマンですね。



ゴーッというごう音と主に、ものすごく近くを飛行機が通っていきました。
福生飛行場に降りるのでしょうか。
あまりに接近していたので、驚いて見上げていたら、写真に撮り損ねました。

その2に続きます。

仲良し友との近場の休日 index

2016-06-12 | 神奈川
[2016.2.27・28]


◆ 横浜 1-(1) ←旅行記へ

 仲良しルナちゃんのバースデイを、サプライズでお祝いしました。
 横浜で待ち合わせて、和服に着替えて港内クルージングへ。
 晴れ渡った空が、頼もしい味方です。
  ○ prologue ○ シルクセンターへ ○ 横濱きものステーション
  ○ サプライズは袴 ○ 山下公園へ ○ マリンルージュ号で
  ○ 湾内クルージング ○ 船内ランチ ○ 海賊かタイタニックか



◆ 横浜 1-(2)
 中華街の足つぼマッサージで軽くなった脚で、大さん橋と赤レンガ倉庫へ。
 ロックマンに会ったり、謎の喫茶店に入ったり、元町パンケーキ店の変貌に気付いたり。
 友人をおもてなししながら、自分も楽しんだ一日でした。
  ○ シーガーディアンをスルー ○ チャイナタウンの中国茶店 ○ 痛い足つぼのはずが
  ○ 脳が弱っています ○ 大さん橋フェスタ ○ ロックマンに会う ○ ナイス・クルーズ 
  ○ 鍋フェスタ ○ カフェさがし ○ 喫茶・絹 ○ はいからさん終了 
  ○ 元町モトヤへ ○ つるつるのパンケーキ ○ 見知らぬ店名 ○ 元町・中華街駅



◆ 三浦 2-(1)
 2日目は、友人と三浦半島へ繰り出しました。
 電車とバスを使っての神社巡り。
 渡し船で渡って東西の神社を参拝する、女性に人気のロマンチックな場所でした。
  〇 ばたばた電車待ち合わせ ○ ルート地図 ○ 水雷と河童の神さま
  ○ インラインスケートで行列 ○ 観音崎をスルー ○ 走水神社から叶神社へ
  ○ 南附中ってどこの附属? ○ 女性に人気 ○ ペリーの歯医者さん
  ○ 西叶神社 ○ 待ち伏せ仔狛犬 ○ 戻ってきた浦賀の渡し



◆ 三浦 2-(2)
 両方の叶神社を無事参拝。裏山登山もしました。
 海ぞいのランチを取って、浦賀から三崎口へ。
 満開の河津桜と港のまぐろを楽しむ人で大賑わいでした。

  ○ 東叶神社 ○ 黒塗りの神輿 ○ 裏山登山
  ○ 勝海舟と吉田松陰 ○ 吾只足るを知る ○ 海沿いのイタリアン
  ○ 自家製プリンとレモネード ○ 三浦の早咲き桜 ○ かまの歓迎
  ○ 三浦の断層 ○ 海南神社 ○ スナック イタコ 
  ○ どぶ板うろうろ ○ 横須賀グルメのお店 ○ 京急横浜の桜ポスター ○ epilogue




仲良し友との近場の休日(三浦 2-2)

2016-06-12 | 神奈川
その1からの続きです。

○ 東叶神社

浦賀の渡しで対岸に渡り、次には東叶神社を参拝します。
ここもまた海のそば。波打ち際といってもよいくらいの近さです。





境内には見たこともないような枝ぶりのすごいソテツがありました。
源頼朝公が手ずから植えたものだそうです。
海のそばだし、境内の砂は砂浜っぽく見えるし、ソテツも生えているし、南国風だわー。



子育て中の狛犬。背中によじ登っているやんちゃ坊主です。
お母さん(お父さん?)の尻尾は子供が乗っても形が崩れません。



○ 黒塗りの神輿

拝殿の横の倉には、ピカピカに磨かれた神輿が保管されていました。
ガラス越しで反射してうまく撮れませんでしたが、とても立派で華やか。
細部まできちんと作りこまれていて、惚れ惚れします。



修復時の神輿職人の親方からのコメントをまとめたレポートが掲示されていました。
宮司さんの角印まで押されていて、愛情を感じるわ。



平成23年に完了した神社神輿修復事業については、神社のサイトにも乗っていました。

○ 裏山登山

やけに犬を連れて参拝する人が多いなあ、ペットOKかしらと思っていたら、みんな参拝はそこそこに、拝殿の横の道へと向かいます。
裏には長い石段があり、そこを登って行きました。
どうやらお散歩コースになっているようです。



石段は終わったと思ったら90度曲がってまだまだ伸びています。
どこまで続くのー?
途中でめげそうになりますが、「ここまできた以上はもう登るしかない」「後ろは振り返らないのだ」と、かっこいいことを言いながら(口先だけ)、ヒーコラようやく一番上まで登りました。

そこには、勝海舟が断食をした場所がありました。
咸臨丸に乗船するにあたり、身を清める意味で行ったそうです。

○ 勝海舟と吉田松陰

あれ、軍艦に密航しようとして捕まったのは誰だっけ?
それは吉田松陰でした。幕末の人たちは、すぐごっちゃになってしまいます。
勝海舟と吉田松陰って、7歳しか違わない、まさに同時代の人なんですね。



山を下りた本殿横には、勝海舟が断食修行の前に身を清めた井戸がありました。

緑に覆われた岩窟の中には、弁天様が祀られていました。
海の神様ですからね。小さい洞窟で、しゃがんでお参りしました。



○ 吾只足るを知る

そばにあったつくばいを見つけて「わ~!」と喜んで近寄る私。
いつも探しているもので、ひとりで小躍りします。
私の知足つくばい写真コレクションが、また一つ増えたわ~♪

浮かれる私の横で「これ、なんだろう?」とさっちゃん。
「銭形の真ん中の四角を"口"に見立てて、口を使った漢字として上から時計回りに読んでいくの。」
「吾・只・足・知」
「そう、"吾只足るを知る"って読むのよ」
「へえ~」



こういうちょっとマニアックな話に、まったく興味を持たない人は結構います。
だから、聞かなければ喋りません。
その点、さっちゃんは興味のアンテナがたくさん立っている、好奇心いっぱいの人。振り幅広い友人です。

神社のすぐ隣には、洋風の洒落た家が建っています。
まさに和と洋。お隣さん同士が際立って見えました。



○ 海沿いのイタリアン

三浦半島を結構移動しているため、お昼にはもうおなかがペコペコです。
ふたつの叶神社を参拝したところで、ランチにしました。
向かったのは、イタリアンのラ・ペントラ(la Pentola)。
イタリア語で「鍋」という意味だそうです。



車道から細道に入った静かな場所にありました。
店内には、やはり参拝帰りの女性たちが3人でランチ中。
ワインをボトルで開けて、にぎやかに乾杯していました。

お店の外は浦賀港という素敵なロケーション。
海面がキラキラ輝いています。対岸は、先ほど参拝した西叶神社がある方です。



二人とも、パスタ・デザートセットを選びました。
海を見ていたら、魚介類を食べたくなった私は、熊本産の大きなアサリときのこのパスタにしました。
十三湖の大しじみに目がないので、大アサリも楽しみー。

さっちゃんはローマ風カルボナーラをチョイス。
「うん、ローマっぽい味だわ」「えっ、ほんとに?」
「う、そんな気が…」追い詰めてはいけませんね。

○ 自家製プリンとレモネード



美味しくいただいた後、デザートはカスタードプリンにしました。
自家製レモネードがあると聞いて、迷わず頼みます。
甘酸っぱいさわやかさで、一口飲むごとに夏が近づいてくる感じ。(まだ2月だけど)
プリンも本格的で、満ち足りました。



お店の人と少しお話しました。
今日、市場に熊本産の大アサリが入ったので、このメニューにしたとのこと。
私「彼女が熊本に住んでいるんです(とさっちゃんをさす)」
お店の人「まあ、わざわざここまで?」
さっちゃん「横浜出身なので、帰省を兼ねて足を伸ばしてみました」

「今回は神社巡りが目的ですか?」と聞かれて、少し考えます。
うーん、それもそうですが、それだけではないような。
恋愛祈願のために二つの神社を訪れる女性たちとは、ちょっと違う気がして、
「渡し船に乗ってみたかったんです」と言いました。
言ってみたら、たしかにそれが一番の目的のような気がしてきて
「ポンポン船が近くにあるって、いいですね」と重ねて言いました。
ただ、お店の方は「今月に入ってから運賃が100円値上げして、近所では不評なんですよ。
バスより高くなっちゃったから」と言いました。
うーん、観光客向けになりつつあるんでしょうか。普段使っている人にとっては、ゆゆしき問題ですね。

○ 三浦の早咲き桜

お店を出て、バスで浦賀駅に戻りました。
そこから京急に乗って、堀の内で乗り換え、三崎口に向かいます。

窓から海を眺めていたら、突然桜並木が目に飛び込んできました。
「えっ、桜?なぜ?」
まだお花見のシーズンではないので、桜のことなどまったく頭の中になく、景色を見てめんくらいました。
「これ、河津桜だね」
きれいに咲いているので、野生ではなくきちんと育てているようです。

駅を降りると、普段よりも人が大勢いました。
ホーム沿いにも、きれいな河津桜が咲いています。
これを見にやって来た人たちが、たくさんいるのです。



ちょうど満開の時でした。みんな、いいタイミングがわかっているんですね~。
まったく知らなかった私たちは、駅の大賑わいっぷりに面食らいましたが、狙わずして今年お初の桜を観られて、ラッキー。
一足早いお花見ができました。



ニャ~。桜と猫。お昼寝中みたい。



ここからバスで三崎港に向かいますが、停留所前にはバス待ちの長蛇の列ができていました。
三崎口まで桜を見に来たから、ちょっと足を伸ばして、港でおいしいまぐろを食べて帰ろう、とみんな思っているのかしら。
まあ、それはわかります。私だってそう考えますから。

バスの中はギュウギュウの大混雑。30分ほど揺られて、終点で降りました。

○ かまの歓迎

下りたところに大きなカマが、デデーンと置かれていました。
さすが、三崎口らしいお出迎えです。



三崎港の辺りには、まぐろ専門店がいくつもあります。
バスから降りた人々は、それぞれお目当てのお店に散っていきますが、私たちはそうした人々に背中を向けて、内地に向かう道を歩いていきました。

○ 三浦の断層

「あっ、断層だ!」「わあ、きれい!」
お喋りを突如中断して、二人で無言で撮影し始めます。



だって私たちは、高校で地学を選択した者同士。
当時は校外学習として、地学の先生の引率の元、一緒にこの辺りの断層のスケッチをしていました。
その教えを受けた私たちにとって、三浦といったらまず断層なんです~。
いやあ、久しぶりにいいラインが見られました。

○ 海南神社

いい断層を間近で見られてテンションが上がった私たち、足取り軽やかに次に訪れたのは、海南神社でした。



三崎港の守護神となっているこの神社。朱色の拝殿は、竜宮城のような華やかさです。



瘤が下がっているようなイチョウは、周りと比べると、かなり巨木だということがお分かり頂けるでしょう。
その下には、備前焼の狛犬がいました。
関東ではあまり見かけないので、嬉しくなります。
見どころの多い神社でした。



○ スナック イタコ

参拝を終わって神社からの直線道を歩いていると、突然目に飛び込んできたのが、このお店。
「スナック イタコ」という看板が出ています。
・・・ええっ!?
びっくりして立ち止まりました。
「イ、イタコ??」
「どうしてこの名前なんだろう?」
「神社のそばなのに・・・」
「そしてなぜステンドグラス調?キリスト教風じゃない・・・」

周りには誰もいないのに、ついひそひそ声で話をする私たち。

何度見ても、見間違いではありません。
とっても気になったのですが、休日だからか時間が早いのか、まだお店はやっておらず、謎は謎のままでした。

この看板を見た瞬間、「恐山のイタコ」のことを連想していましたが、後になって考えてみると、もしかすると「潮来」の方かもしれませんね。でもカタカナですから、やっぱり青森かな。
どなたか、「イタコ」の店名の由来を知っている方がいらしたら、教えて下さーい。



満足して再びバス停に戻ってきたら、先ほどよりも人がびっしり。
そうかあ、行きが混んでいたから、同じ数の人が駅に戻る帰りだって激込みになりますね。
行列はバス停のある小さな公園の周りに長く伸びていきます。
その囲みを抜けて、夕暮れ時の港をパチリ。
無人に見えますが、人の列は私の背後にとぐろを巻いていました。



やってきたバスになんとか乗り込みました。車内は混み混みで、足の置き場もないほどですが、夕暮れ時の帰りの車が増えて道路が混み、バスはしょっちゅう止まります。
大幅に時間がずれてようやく駅に到着した時には、日はほとんど沈んでいました。
本当は、この後葉山方面にある神社に行って、そこからの夕日を眺めたかったのですが、お花見というイレギュラーなイベントによる大混雑により、タイムアウト。
ちょうど逢魔時(おうまがとき)です。無理はやめておきましょう。

○ どぶ板うろうろ

では夕食にしましょう。
「どこで食べる?」
パスの範囲内なら、どこにでも移動できます。
「横須賀にしようか」
「OK!じゃあなに食べよう?」
ネット検索したら、横須賀にも勝烈庵があるとわかったので、さいか屋に行ってみました。
お店がないなあと調べ直したら、売店のみで食堂はないと判明。

「じゃあ、横須賀カレーか横須賀バーガーにしよう」
両方食べられるお店に向かいますが、すぐに見つけられず、どぶ板横丁をぐるぐる回ります。
すっかり夜になり、ネオンが輝き始めている頃。
ここはアメリカ色が強い地域なので、危なくないかなとちょっと気になりましたが、家族連れの子供も歩いているのを見て(思ったより安全みたい)と、緊張を解きました。



それでもやっぱり迫力があります。
一人で歩くのは勇気がいる感じ。



○ 横須賀グルメのお店

探していた店、Shellは、上のお店の向かいにありました。
居酒屋というので、それっぽい外観を探して、前を素通りしていたのです。
全く居酒屋っぽくない、英語ベースのオシャレな店構えでした。



軍港がそばにあるからか、マリン関係のものがたくさん展示されていました。
そこに「Tシャツ 空母信濃オリジナル ☆アメリカサイズ☆S・M・L」
という手書きの紙が貼ってありました。



マニアにはたまら~ん!なのでしょうね。
空母信濃Tシャツって、どういう柄なのか気になります。
信濃の国は海なし県なのに、名前のついた空母艦があるとはねえ・・・。
 


横須賀カレーと横須賀ハンバーグ、どちらもメニューにありました。
私はハンバーグ、さっちゃんはカレー。本格ビーフがおいしいハンバーグでした。



○ 京急横浜の桜ポスター

食後は京急の上りに乗って、一路横浜まで。
途中でさっちゃんとバイバイしました。

行きには気がつきませんでしたが、帰りの京急横浜駅には、びっしりと桜のポスターが貼られていました。
混んでいたのは、これだったのね~!



○ epilogue

たっぷり移動して、三浦半島を満喫した一日。
初めての神社ばかり巡ることができて、どこも新鮮でした。
身近だけれと少し遠い三浦半島には、まだまだ知らない場所は多そう。
便利な1日パスがあるので、また気軽に訪れたいです。