風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

夏の終わりの房総の海 index

2019-12-15 | 千葉
[2019.8.24-25]

6月のびわ狩りののち、8月にも房総を訪れました。
この記録の2週間後に、大型台風が半島を襲いました。

被害地域の一日も早い復興を、祈っています。


◆ 南房総 1-1←旅行記へ

 びわ狩りに引き続き、夏にも房総を訪れました。
 毎夏恒例の、海の家に向かいます。
 ハイウェイオアシスでは、ランチにシイラを食べました。
  ● prologue ● 横浜―館山バス ● アクアライン
  ● ハイウェイオアシス ● シイラ定食 ● 2年前のレンさん
  ● 千葉のたべもの ● 巨大玉子巻き ● ヨーグルトトラップふたたび
  ● 岩井の宿へ ● スナックときん

 
 
 ◆ 南房総 1-2
 いつもの海の家へ。私たちがこの夏最後の訪問者。
 浜辺でダイヤモンド富士を待ちましたが…
 夜はお囃子の音を頼りに、地区のお祭りに行きました。
  ● 海の家はまじん ● 初めての1階 ● ダイヤモンド富士
  ● 金魚の洗い場 ● 24時間テレビ ● 鳴り続く笛太鼓
  ● お囃子の音の方へ ● 山車がずらり ● 海神への奉納
  ● 義手の野球少年 ● うたたね寝落ち

 

◆ 館山 2-1
 この夏最後の客として、宿の人に見送られて出発。
 リゾート感たっぷりのきれいな館山の町へ。
 さかなくんギャラリーを見学しました。
  ● そのまま朝 ● 朝ごはん ● チェックアウト
  ● 駅へ ● 内房線 ● きれいな館山の町
  ● マンホールとトイレ ● 砂だまり注意
  ● 渚の駅へ ● 海辺の読書


 館山にある日本一長い桟橋を通りました。
 厚さを避けて、元銀行のカフェでゆっくり。
 MMの夜景を眺めて帰途につきました。
  ● 館山夕日桟橋 ● 恋人スポット? ● フリーの釣り場
  ● 夏の日射し ● 館山城 ● 謎の町内無線メロディ
  ● 謎の解明 ● 海鮮ランチ ● 館山のふるカフェ
  ● 元銀行の2階 ● 静かなティータイム ● トマソン風階段
  ● かもめグリル ● イムマヌエル教会 ● フォーエバー・ラブ
  ● 帰りの高速バス ● 牽引車のブレーキランプ ● 日曜夕方の大渋滞
  ● 作戦失敗 ● 夜景ドライブ ● 横浜駅着 ● epilogue
 
 


夏の終わりの房総の海(館山)2-2

2019-12-15 | 千葉

その1からの続きです。

 ● 館山夕日桟橋

無事にフライトの予約を取れたベスがやってきました。
海の向こうまでまっすぐ伸びる、館山夕日桟橋を眺めます。

「歩いてみたいけど、今の時間は影がないから暑そう...どうする?」
「あとになって(あー、歩いておけばよかった)って後悔しそうだから」
ということで、歩いてみることにしました。


果てが見えない長さ

正式名は、館山港多目的観光桟橋というそうですが、なんとも味気ないので、夕日桟橋と呼ばれるようになったのでしょう。

岸から海に500m伸びている、日本最長の桟橋。
長い吊り橋なら追い求めてきましたが、これまで桟橋の長さに目を向けたことはなかったなあ。
これからはチェックしようかしら。
頑丈なコンクリ製なので、ぷかぷか浮かぶことはありませんが。

● 恋人スポット?

桟橋の一番先まで行ってみました。
どこまで行ってもカップルはいません。
恋人たちのスポットという甘いムードはなく、そこにいるのは釣竿を持った釣り人たちばかり。
女性もいますが、「海よ、おれの海よ~♪」という感じです。

 ● フリーの釣り場

みんなのバケツには、釣ったお魚がたくさん入っていました。
桟橋の片側は釣り禁止というルールを、皆さんきちんと遵守していました。

また岸に戻ろうと歩き始めますが、長い道なので、たどり着くのに時間がかかります。
自転車に釣竿とビクを積んでやってくる人が多いようです。


桟橋から陸を臨む

 横浜にも大黒埠頭や本牧埠頭で海釣りができますが、有料です。
ここは無料なので、気軽に夕飯のおかずを捕まえに来れていいかも。

予想に反して現実感の漂う場所でしたが、夕方になって夕日が見えたら、ロマンチックな光景になるのかもしれません。

 ● 夏の日射し

潮風は気持ちいいのですが、とにかく日差しが強く日射がまぶしい時間帯。
釣りを楽しんでいなければ、あまり長い間外にいられません。
再び桟橋を戻って、渚の駅に入ります。

「渚の駅」とは海バージョンの「道の駅」で、日本のあちこちにあるものだと思っていたら、どうやらここ館山にしかないようです。

● 館山城

近くの小高い丘の上に、お城が見えました。館山城だそうです。
『南総里見八犬伝』ゆかりの里見氏の居城だった場所。
今は八犬伝博物館にもなっているそうです。
天守閣から見える海の景色は、さぞかし壮観でしょうね。

● 謎の町内無線メロディ

12時になり、町内無線が流れました。
「このメロディ、なんか聴いたことあるー」
歌えそうなので、口ずさんでみました。

「Are you sleeping, are you sleeping, Brother John?~」
「まさかの英語!」とおどろくベス。
その名も『Are You Sleeping?』という歌です。

「でもこれ、眠っているジョン兄ちゃんを
Morning bells are ringing(朝の鐘が鳴ってるよ)といって、起こす弟の歌なんだけど。」
「昼の歌じゃないー!」
どうして12時に流れるのか、謎でした。

● 謎の解明

その後調べてみたところ、このメロディは
『静かな鐘の音』や『かねがなる』というタイトルでもあるとわかりました。
日本語の歌詞は、たしかに「鐘が鳴ってるよ」という内容。

え~、『Are You Sleeping?』は中学校の英語の教科書、ニュー・ホライズンに楽譜と一緒に載っていたのにー!

動揺しながらさらに調べると、『フレール・ジャック』(Frère Jacques)として知られるフランスの民謡だと判明。

日本では『フレール・ジャック』の題のほか、英語題の『Are You Sleeping?』、邦題の『かねがなる』『グーチョキパーでなにつくろう』などで知られているそうです。(Wikipedia「フレール・ジャック」より)

つまり、館山市では、私が知っている英語の歌詞の歌として選んだのではなかったということですね。
謎が解けました!

● 海鮮ランチ

まずはランチにしました。
ここには創作イタリアンのお店、館山なぎさ食堂が併設されています。

自社船で毎日獲ってきた魚を調理してくれるとのことで、大人気。
自分たちの番がくるまでけっこう待って、席に通してもらいました。

ランチは海鮮丼セット。ベスは海鮮たっぷりのボンゴレビアンコ。

 おなかいっぱいになりました。

● 館山のふるカフェ

食後に行く場所として、地下壕や沖ノ島公園をチェックしていましたが、相変わらず外はじりじりと焼けつくような強い日差し。
満腹のまま、あまり動きまわらずに、このままゆったり過ごしたいというまったりモードになっています。

「じゃあ、洋館カフェに行きましょう」
そこも食べる場所ではありますが、気になっているお店に向かいます。

ここはNHKドラマ『ふるカフェ系 はるさんの休日』に紹介されたばかりのお店。
築100年の登録有形文化財、TRAYCLE Market&Coffeeというカフェです。

 

カフェメニューにはフェアトレード・フードを取り扱っています。
数種類あったおからマフィンの中から「ドラゴンフルーツ&マンゴー」とアールグレイティーにしました。

 ● 元銀行の2階

2階に上がると、4,5組のお客さんたちがおり、ランダムに置かれたソファやテーブルにくつろいでいます。

かつては銀行だったこの建物。時が止まった空間みたい。

窓からは、房総の海が見えます。
江ノ電の鎌倉高校辺りの海の景色と、イメージが重なります。
この辺りは北条海岸。源頼朝ゆかりの場所ですし、房総と鎌倉は繋がるところがありますからね。

● 静かなティータイム

ここで腰を落ち着けてのんびり。
誰も急ぐ人はおらず、めいめいが静かに時間と空間を楽しんでいます。

ドリンクには紙のストロー。
マフィンにはちゃんと、マンゴーとドラゴンフルーツが入っていましたよ。

● トマソン風階段

帰りのバスの時間が近づいてきた頃に、腰を上げました。
先ほどまでいた渚の駅の前を通って、北条海岸沿いに進み、駅前通りを曲がります。

 帰りに、不思議な階段を発見。
「あ、トマソン!」と駆け寄りました。

トマソンとは、作家の赤瀬川源平が名付けた、「無用の長物」という意味。
いつもトマソンを探していますが、なかなかみつからないんですよね。

一見無意味な階段に思えましたが、その上に大きなタンクがありました。
利用意義のあるものなので、これもトマソンではありませんでした。
ちょっと残念。

● かもめグリル

注意深いベスが、駅前で足を留めました。
「かもめグリルですって」

見ると、つばめグリルをほうふつとさせるロゴの看板が。
関係あるのかしら~?

つばめグリルのように他店舗はなく、このお店だけのようです。

● イムマヌエル教会

駅構内には、美しいダイヤモンド富士の写真が飾られていました。
昨日見られなかったので、うらやましさと未練たっぷりに眺めます。
館山からもきれいに見られるのね。

バス乗り場の待合室に
「イムマヌエル教会」の看板がかかっていました。
先ほど電車の車窓から見たものです。

(それにしても言いづらいなあ。エマニュエルにはしないのね~)
と思う私の横で、ベスが「イムが"仏"って見える」と言い出しました。
「別の宗教になっちゃう!」

「その下に”なむや行き”バスに乗るって書いてて、”イムマヌエル”といい”なむや”といい、読みづらいですね」

”仏”発言を受けたあとなので、”なむや”が”南無や~”に思えてなりませんでした。

後で調べてみると、「なむや」とは「南無谷海岸」のことだそう。
やっぱり南無だったわ~!

 ● フォーエバー・ラブ

そうこうしているうちに17時になり、町内に防災無線放送が流れ始めました。
今度は何のメロディかな?カラスの子かな?
と思って耳を傾けていたら、

 ♬~フォーエバー・ラーブ~♬

まさかの XJapan!!
そういえば、YOSHIKIの故郷でしたね!

調べてみると、週末と祝日、そしてYOSHIKIの誕生日(11月20日)の午後5時に流れるそうです。

それが聴けるなんて、ジャストタイミーング!
Forever Love が流れる館山の町。なんだか新鮮だわ。 

● 帰りの高速バス

10分発の高速バスに乗り込みます。
昨日見られなかった夕日を、なんとか見たい私たち。
この時間に館山を出ると、ちょうど日没時間に海ほたるにさしかかる計算です。
6月に母とびわ狩りに訪れた「枇杷倶楽部」バス停からも、乗客が乗りました。

 

● 牽引車のブレーキランプ

館山の海では、大勢の人たちが水上バイクに乗って楽しんでいました。
みんな、自動車の後ろに水上バイクを牽引して、やってくるんですね。
その牽引車の方にも、カーナンバーがついているんですね。
初めて見ました。

さらに、引っ張っている車がブレーキをかけると、牽引車にもブレーキランプがつく仕組みになっていました。
え~、すごい!テクノロジー!
これも初めて見ました。

● 日曜夕方の大渋滞

快調にバスは進みましたが、木更津あたりから速度がスローになり始めました。 
道路が混んでいます。

(あっ、そういえば!)と思い出しました。
すっかり忘れていたけれど、日曜日の夕方には、房総から首都圏に帰る車で、海ほたるはいつも渋滞するんだったわ!

今は夏休み期間の8月なので、一層混んでいるようです。

この日も、夕暮れ時になると前日同様に雲が厚くなりました。
夕日は赤く広がっているものの、太陽の形ははっきりわかりません。
曖昧に雲に紛れたまま、日光はどんどん褪せていきました。

● 作戦失敗

渋滞により、予定時間に予定の場所にたどり着けません。
まだ海が見えない袖ヶ浦の辺りで日が落ち、あたりはどんどん暗くなっていきました。

木更津の観覧車のイルミネーションが輝き始めました。
ああ、"海ほたる de 夕日作戦"は失敗だったわ。

そのあともバスはゆっくりジリジリと進みます。
海ほたるで休憩する車がルートをそれて、道路が少し空き、その後も少しずつ渋滞が解けていきました。


正面が海ほたる。もう夕日の時間はすっかり過ぎていました

● 夜景ドライブ

海中トンネルを抜けて川崎に着く頃には、道路は空いており、乗っているバスも周りの車も、これまで抑えていたうっ憤を晴らすかのように、びゅんびゅん飛ばしていきます。

すっかり夜の景色となった横浜も、またオツなもの。
みなとみらいの夜景が美しく海に映えていました。


ベイブリッジ。近すぎてフレームインならず


遠くにランドマークとMM地区

● 横浜駅着

予定より1時間遅れて、8時過ぎに横浜に到着。
バスに3時間乗っていたことになりました。

ここからバスを乗り換えて羽田空港に向かうお客さんがいたようで、その人が無事にフライトに間に合ったのかが気になります。

ベスは「横浜に来たから」と駅のコンコースで崎陽軒のシウマイ弁当を購入。
在来線に乗り換えて、帰りました。

● epilogue

車がないと、なかなか行動しづらい房総半島。

一泊二日のささやかな旅ながら、回を重ねて少しずつ慣れてきています。
はじめはあちらこちらを見て回っていましたが、交通の便が悪い場所で、真夏に無理に動き周らないようになりました。
その分、シーサイドでゆったりとした時間を過ごすようにしています。

一番近い海の向こうの海外、房総。
今回も、癒しの時間を過ごすことができました。

◆ 夏の終わりの房総の海 index ◆

 


夏の終わりの房総の海(館山)2-1

2019-12-13 | 千葉

1日目からの続きです。

● そのまま朝

ハッと目覚めると、2日目の朝でした。
(あれ?)と思いましたが、夕べ、寝落ちしたことに気が付きます。

布団の中でもぞもぞ動いていると、7時のアラームが鳴ってベスが起きました。
「おはようございまーす。あれ、寝ちゃってた…」
「私も…」
夕べはおやすみを言わずじまいでした。

でも、部屋の明かりもTVも消えています。
「寝そうになりながらも気になっていたようで、消したらもうパッタリ」
ベスの方が理性的でした。

TVをつけると、夜見た時と変わらずマラソンが続いています。
24時間TVですからね。

この町では、7時の町内放送に「エーデルワイス」のメロディが流れますが、寝ぼけていたのか、気がつきませんでした。

● 朝ごはん

「おはようございまーす」と、ふすまの向こうからおかみさんの声。
「朝食、ここに置いておきますね」
朝食は7時半から。
挨拶をして、食事を部屋に運びます。

 

いただきまーす!
ヘルシーな食事をいただき、食後はチェックアウト時間までのんびり過ごします。

● チェックアウト

9時半にチェックアウト。おかみさんにご挨拶をします。

「夕べ、お祭りを見に行ってきました」と報告。
「お家の前に飾られている紙の花は何ですか?」と聞き、「お祭り運営の寄付をした家に配られるもの」だと教えてもらいました。なるほど~。

今回は、初めて私たち2人だけの一軒家宿泊となりました。
しかもこの夏最後の利用者だったので、普段よりもずっと、おかみさんとお話しすることができました。

夕べ、離れから犬の声が聞こえたと思ったら、新しく白い犬と黒い犬を飼い始めたそう。

前のワンちゃんが天に召されてから、寂しい期間が続いていたことを知っているので、よかったと安心します。

ワンちゃんたちに会いたかったのですが、ちょうどお散歩に出ているところ。
「お宿のブログを見ますね」と言って、お別れしました。

● 駅へ

もう、どの家にも、カラフルな花飾りはなくなっていました。
お祭りが終わったので、取り外したようです。かわいかったので、ちょっと残念。

「ときん」のお店は相変わらず変化なし。
潜水艦のような窓もしばらく見納めです。

● 内房線

ここを曲がると、岩井駅はすぐそこ。
10時前のJR内房線に乗って10分ちょっとの、終点の館山駅まで乗っていきました。

館山の辺りに来たことはありますが、車だったので館山駅を利用したのは初めて。

● きれいな館山の町

 

駅舎から眺める街並みは、絵のようなパームツリーの並木道。
ここはフロリダ? サンタモニカ? アメリカのリゾート地みたい。
館山って、こんなにきれいな町なんですね。

この駅舎は平成11年(1999)に完成し、「関東の駅百選」に選ばれているそう。
周りの建物は、白い壁にオレンジ色の地中海風屋根瓦で、すべて同じような外観です。

南欧風の街並み景観にするために、「屋根はオレンジ色、壁は白が基本、高い塀は造らず生垣にする、電柱は民有地内に入れる」という決まりを作って、海と空の青や木の緑とのコントラストを強調する、統一感のある街並みにつくりあげたそうです。徹底した駅前開発を行ったんですね。

 ● マンホールとトイレ

ふさふさとしたパームツリーの木々が葉を揺らし、いかにも南国ムードタップリですが、ここは千葉。
房総半島南部といっても関東です。
パームツリーの日本の北限ってどこなんでしょう?

まさにサマーリゾートという感じのマンホール

駅からまっすぐのびるメインストリートを通って海岸沿いへ。
海沿いに立つこじゃれた建物はなに? と思ったら、トイレでした!

男性と女性のマークは、フラメンコダンサー風。南欧っぽいから?
建物の上では、風見鶏ならぬ風見クジラがくるくる回っていました。

● 砂だまり注意

海岸通りを歩いていると、「砂だまり注意」というアラートがあちこちにありました。
初めて見る注意です。

風にあおられた砂浜の砂が、道路に吹き付けられてたまるんですね。
その上を車が通ると、バランスを崩しやすくなってしまいます。
砂、キケン!

● 渚の駅へ

少し歩いたところにある“渚の駅”たてやまへ行きました。

 

ここに併設された海の博物館には、館山ふるさと大使の"さかなクンギャラリー"があります。
ここの名誉駅長になっている本人の等身大パネルに出迎えてもらい、中に入ると彼が描いたたくさんの魚のイラストがありました。

 
イシガキフグのれいわちゃん

この日11時から年末のフライトチケットの予約受付が始まると、ベスが申し込みをしている間、私は展望台のベンチで潮風を受けながら、読書をしていました。


海に伸びる夕日桟橋

気持ちいい~。爽やか~。
贅沢な時間を満喫します。


お船が遠くかすんでる~♬

空を飛んでいるのは、2羽の鳥ではなく、すぐそばにある海上自衛隊航空基地の飛行機です。
 
その2に続きます。

◆ 夏の終わりの房総の海 index ◆

 


夏の終わりの房総の海(岩井)1-2

2019-12-12 | 千葉

 

その1からの続きです。

● 海の家はまじん

宿泊先は、岩井海岸のはまじん。
家の外には、やはり三色の紙のお花が飾られています。

宿泊できるのは一日2組のみ。毎回予約を取るのが大変ですが、今回も来ることができました。
ここではとても静かに、ゆったりとした時間を過ごせます。

 

ちょうど宿のおかみさんが玄関にいたので、「今年もよろしくお願いします」とご挨拶しました。

「この夏は、あなたたちが最後なんですよ」

そう、ここは海の家で、夏季期間限定の営業です。
もう一組はキャンセルになったとのことで、今回の宿泊は私たちだけのよう。

● 初めての1階

過去2度とも、小さなお子さん連れのファミリーと一緒で、その人たちが1階、私たちは2階に泊まりましたが、今回初めて1階を使わせてもらうことになりました。

古めかしくしっかりした造りの家。
壁は、昔ながらのキラキラ光る繊維が混ざり、触るとざらざらする綿壁(わたかべ)。
床の間も飾り棚もあり、祖母の家を思い出します。
一階は欄間(らんま)がある分、天井が高い~。

ここでの予定は、すべてが早め。
夕食は6時で、入浴は8時まで。
そのため、夕食前のまだ明るいうちに、離れのお風呂に入ります。

● ダイヤモンド富士

今回、夕食時間は30分遅らせてもらうことにしました。

「6時10分に、海岸でダイヤモンド富士が見られるらしいんです」と話すと、
「あら、この前うちの息子が撮影していたわ」とおかみさん。
海越しの富士山を見られるところに住んでいて、いいなあ! 

6時前にビーチサンダルに履き替え、2人で浜辺に向かいます。
菊池寛の歌碑がありました。


「遠あさの 海きよらかに 子等あまた 群れあそびゐる 岩井よろしも」

彼は昭和3年から昭和8年の間、岩井海岸に避暑に訪れていたそうです。

その歌の通り、遠くの方で泳いでいる子供たちグループと大人がいました。
でも、ビーチにはほかに人はいません。

 

そして、肝心の富士山は、全く見えません!!
「あれえ、富士山、どこ~?」

 

夕日は丸く見えますが、その下の厚い雲に隠れてしまっているのです。

しばらく海岸を散歩しながら、富士山が姿を現すのを待っていましたが、逆に雲の方が厚くなってきて、いつしか夕日も、見えなくなってしまいました。

 

「・・・宿に戻ろうか」

きれいな光景を見られずに、肩を落としましたが、それでも夕暮れ時のひとけのない浜辺の散策は、爽やかで心地いいものでした。

タオルドライしかしなかった髪の毛も、風ですぐに乾いたし。

宿のおかみさんに「見れましたか?」と尋ねられ、がっかり顔で「いいえ」とかぶりを振ります。
「それは残念。夕食どうぞ~」と言われて、サクッと気持ちが切り替わりました。(現金)


こういうのを見たかった…

● 金魚の洗い場

外の洗い場で足を洗っている時、タイル式の洗い場に、赤と黒の金魚の絵がついていることに気づきました。

「わあ、かわいい」

覗いていたら、左の隅に緑のバッタがいるのを発見。
こちらは本物。静かにとまっていました。

● 夕食

いつも、魚づくしの料理を食べさせてくれるこのお宿。
今回もおいしそうです。

 
三種のお造り、スズキ・金目鯛・ブダイ

どれもおいしい!
(今回の夕食に揚げ物は出ないかも)との推理で、お昼にしいらのフライをいただいたのですが、予想が当たりました。

● 24時間テレビ

おいしく食事をした後、TVをつけると、「24時間TV」をやっていました。
今日が放映日なのね。

オープニングに、東松島からの中継で、嵐の松潤が登場しましたが、私は彼ではなく、その背後に注目します。
東松島のどの場所なの~? 野蒜海岸? 去年行ったところの辺りかな?
暗かったので、結局よくわかりませんでした。

おなかが落ち着いてから、もう一度お風呂場でさっとシャワーを浴び、浜辺の汐を流します。

● 鳴り続く笛太鼓

宿に着いてからずっと、近くで笛や太鼓の音が響いています。

どうやらこの日は、町のお祭り日のよう。
岩井地区の全ての山車が集まる、岩井地区合同祭礼だそう。

たしか前の時も、ちょうどお祭り日に当たっていました。私たちは当たりがいいわ。
でもその時は暑さに負けて、外に行かずに部屋でお囃子の音色を聴いているだけでした。

今回は、前ほど暑くはありません。
そして夕方の海を見たため、なんとなく外に出やすい気分になっています。

 ● お囃子の音の方へ

そこで、音色を頼りに、出かけてみることにしました。

「お財布持ってく?」
「置いてく」
「わたあめ買えなくなっちゃうけど?」
「そう、買わないため」

もう日が沈み、暗くなっています。
電灯のない海への道は、少しの距離でも暗くて足がすくみます。
及び腰で、音が聴こえてくる方に向かいました。

海岸沿いに出ると、ほのかに明るくなります。
音のする方は、これまで行ったことがない道。

● 山車がずらり

歩いて行くと、暗闇の中にぼおっと浮かび上がってくるものがありました。

それは、山車のようでした。
全部で12基がずらりと並んでいます。

そのどれもに太鼓がついてあり、ハッピ姿の青年たちが、かわるがわる叩いています。
それでずっと音が聞こえ続けていたんですね。

大勢の人たちが周りを取り囲んで、彼らを見守っています。
浴衣姿の人も多く見かけます。

昔ながらの夏祭りの過ごし方といった感じ。
昭和期にタイムスリップしたような気分になりました。

● 海神への奉納

木製の山車には立派な彫刻が施されており、近くまで行ってしげしげと見入りました。
南房総地域で有名な彫刻師の一門・後藤流の作品だそうです。

青年会のメンバーの家族なのか、小さな子供たちも、一生懸命太鼓を叩いていました。将来有望です。

出店は5,6軒ありましたが、わたがし屋さんは来ておらず、代わりにお面屋さんがいました。

広い会場は、おそらく岩井海岸の駐車場。
すぐ目の前は海で、波が押し寄せる音も聞こえます。
海ぎわで行われるこのお祭りは、海神様への奉納演奏なのでしょう。

過ぎゆく夏を惜しむように海へ空へと上がっていく、笛と太鼓の音。
人々の熱いパッションを感じました。

● 義手の野球少年

(いいものを見たな~)と満足して、宿に戻ります。

それからは、涼しい部屋でのんびり。
お茶やお菓子をつまみながら、24時間テレビをみて、ゴロゴロ過ごします。

『両手でバットを振りたい 義手の野球少年 夏の挑戦』という企画で登場した、義手をはめて野球の試合に出る14歳の少年を見守ります。
筋電義手というものを初めて知りました。
脳から伝達された意思が電流に乗って手が動く仕組み。
自分の意志に沿って義手を動かせるなんて、すごいAIテクノロジーですね。

● うたたね寝落ち

祭礼が終わったのか、いつの間にか、太鼓の音も止んでいました。

歯も磨いて、布団も敷いて、あとは寝るばかりの体制になって、なおもゴロゴロ。
しだいに強い眠気が襲ってきました。

普段は真夜中過ぎまで元気ですが、この日はまだ10時前。
あれー、眠くなるの早すぎじゃないー?

でも気持ちがいいので、ちょっと目をつぶってみたら、その瞬間に眠りに落ちたようです。

一度目覚めて、「あれ、私寝ちゃってたの?」と言いましたが、もはやへろへろの寝ぼけ声。
ベスも隣の布団で横になっており、反応はいま一つ。

 (真夜中過ぎに『生さだ(=今夜も生でさだまさし)』を観ようと思っているのに…)
と思いながらも、身体を起こすことができず、そのまままた意識を手放しました。

そうして、知らぬ間に1日目が終わりました。

2日目に続きます。

◆ 夏の終わりの房総の海 index ◆

 


夏の終わりの房総の海(南房総) 1-1

2019-12-11 | 千葉

● prologue 

夏に房総の海の家を訪れるのが、いつの間にか、毎年の恒例旅行のようになっています。
今年はふだんより遅めの、8月下旬に行ってきました。

いつも一緒に向かうのは、同僚のベス。
1回目は金谷フェリーとJR内房線を使って、2回目は運行したての渋谷―木更津バスと内房線を使って行きました。
さて、3回目となる今回はどうやって行こうかな?

電車でも行けますが、東京経由で東京湾をぐるりと周り込むのは、あまり気が進みません。
車がないと不便な房総地域ですが、回を重ねるごとに、少しずつ慣れてきたことですし、暑い盛りなので、なるべく移動が楽な方がいいね~ということで、横浜からバスで行くことにしました。


目的地は★の辺り

6月に母とびわ狩りに行った時に乗った路線です。

 ● 横浜―館山バス

10時発の館山行バスに乗るべく、横浜駅西口のバス乗り場に集合します。
同じ乗り場のディズニーランド行のバスと、交互に出発。
TDLラインは満席でしたが、館山行きのバスも、結構混んでいました。

 
乗るたびに紅茶が飲みたくなる、日東交通

びわ狩りに行った日は嵐でしたが、今回は快晴。嬉しくなります。
山下公園の横を通った時に、ベスが
「3年前に、“山下公園って知ってます?”って聞いたことありましたね」と言いました。

そう。その時は、"は?"とびっくりして一瞬固まったものです。
当時、久留米から上京してきたばかりのベスにとっては、そういう質問もアリだったわけですが。

今でも「軽井沢って長野なんですね」など、関東人はまず言わないセリフを聞いては、新鮮な気持ちになります。

今回は「横浜公園って知ってます?あるらしいんですけど」と言われました。

まだ続きがあったか!!

「知ってますよー。横浜スタジアムのあるところですよー」

 話をしているうちに、バスはベイブリッジを通ってつばさ橋へ。

「ベイブリッジのまたの名がつばさ橋?」と聞かれたので、
「橋は陸と陸を繋ぐもの」「二つの橋の間には陸がある」「よって二つは別の橋」と説明しました。

間にある陸地は、大黒ふ頭です。
でもそこまで話すと、初めて聞く人には難しそうなので、止めておきました。

 ● アクアライン

じきに、アクアラインが近づいてきました。
アクアラインの海中トンネルを通っている間に、ベスはいつも寝てしまい、海ほたる―木更津間の、海上道路の光景を見たことがありません。

そのたびに残念がるので、今回は私が隣でひっきりなしに話しかけて、「寝させないぞ作戦」を実行。

寝させななかったので、今回は彼女も、海の中の道路を走っている光景を観ることができました。よかったよかった。

海ほたるに入った場所は、工場が立ち並ぶ京浜工業地帯の川崎でしたが、海を渡って千葉に行くと、ぐっと緑深い世界になって、対照的。

 ● ハイウェイオアシス

川崎からずっと東に進んでいたのが、木更津に着いてからは南に方向変換。
降りたのは、ハイウェイオアシス富楽里でした。

車だと高速道路から寄れて、徒歩だと一般道から入れる場所。
ここから宿まで歩いて行ける、一番便利なルートです。

 ● シイラ定食

着いた時にはちょうどお昼時間になっていたので、ここでランチにします。
いくつか食べるお店がある中から、食事処網納屋 (あみなや) に入りました。 

本日のフライ定食をチョイス。
「何のお魚ですか?」と聞くと「しいら」。

「わあ、しいら好き!」と喜んでいると、大将に「しいらが好きなんて、女性には珍しい」と言われました。
えっ本当に? 食べやすいあっさり味ですけれど。


シイラはハワイではマヒマヒといわれます

「シーラって女の子の名前みたい」という私と
「シーラカンスっぽい」というベス。なんかちょっと違う…。

サクサクのおいしさに舌鼓を打ちました。

● 2年前のレンさん

店内には、たくさんのサイン色紙が飾られています。
目の利くベスが「あ、漣さん」と言いました。


「あるがままに」というメッセージ

大杉漣のサインがありました。2年前の日付です。
まだ元気だったころでしょう。2人でしんみりしました。

● 千葉のたべもの

ゆっくり食事をしてから、下の生鮮売り場に行きました。
かぼちゃかぼちゃ。いろんなかぼちゃ。

色とりどりのカボチャバスケット。いろいろありすぎなくらい!

生キクラゲがたくさん並んでいました。
大好物です。もちろん買いますよ!

● 巨大玉子巻き

この辺りの名産でしょうか、巨大玉子巻きがドーンと1ロールで並んでいます。
持ってみると、ずっしりとした重さでした。いったい何人分なのかしら?
前回、一切れ分を食べてみたら、かなりのボリュームでした。

たくさん並べられていましたが、眺めている間に何人もの人がやってきては籠に入れていったので、作った分全部売れるのでしょう。
大人気商品のようです。

母に金目鯛、自分用に生きくらげを買いました。ほくほく。

● ヨーグルトトラップふたたび

二人で、牧場ヨーグルトも購入。
川場牧場というところのものです。

てっきり地元産と思いきや、よく見たら製造元は群馬でした。
うそー! 近くに近藤牧場とかあるのにー!
せっかく地場地産に協力しようとしているんだから、みんなも地元のものでがんばってー!

でもそういえば、前にもこのヨーグルトを飲んで、やっぱり「地元のじゃない!」と愕然としたんでした!
学習能力がないわ!!

● 岩井の宿へ

一番暑い時間帯に差し掛かりましたが、そろそろ宿に向かうことにします。

ハイウェイオアシス富楽里の周囲には広々とした水田が広がっており、両側の稲穂を眺めながら通っていきます。
前は初夏に来たので、ここまで穂は垂れていなかったなと思いながら。

台風が来ているわけでもないのに風がとても強い日で、日傘が負けてしまいそう。
稲穂も、ざあざあと風になびきます。金色のじゅうたんがはためいているようです。

暑さをこらえて駅前を通り過ぎ、さらに海沿いの宿に向かいます。
民家が増えてきましたが、どの家の前にも手作りの三色の紙の花が飾られています。
前にも見たことがありますが、これって何かしら?

途中でお茶やお菓子の買い出しをして、30分ほどかけて宿に着きました。

● スナックときん

カンカン照りの下、へばりそうになりながら歩いていたため、写真はほとんど撮っていません。
でも、毎回気になっている「居酒屋スナック ときん」は撮りました!

潜水艦風の窓がいい感じ。
私たちが初めて訪れた3年前から、ずっと閉店しており、今回もそのままの状態です。

その2に続きます。

◆ 夏の終わりの房総の海 index ◆