その1からの続きです。
● ラクダが歩く
ラクダに乗るイベント会場では、ヒトコブラクダがスタンバイしていました。
うっかり乗馬と書きそうになりましたが、ラクダに乗る時は何というんでしょうね?
駱駝だから乗駱?上洛みたいになっちゃいますが・・・。
20名限定で、もう締め切られており、そばにいた男の子が「乗りたかったな~」としきりにボヤいていました。
見ていると、一番の少年が、満面の笑顔で乗り込みます。
カメラを構えたご両親が、乗り場から見守ります。
ポクポクとのんびり歩くラクダ。
みんなハッピー。
かつてモロッコで乗ったラクダが突然興奮して、私一人を乗せたまま、ラクダ使いやテントやいろいろなものをなぎ倒して暴走したことがあります。
必死にしがみつきながらも、死線がうっすら見えたことを思い出しました。
● オカピ
いよいよオカピに会える、オカピガーデンにやってきました。
どこのリゾートホテル?というような、すてきな場所になっています。
ズーラシアといったらオカピ。
上野動物園と横浜市立金沢動物園でも見られますが、日本で初めて飼育を始めたのが、ここズーラシアでした。
横浜って、日本で一番オカピが身近な場所なんですね。恵まれています!
20年前にオカピ見たさにズーラシアを訪れた時には、重そうなおなかで、もうすぐ赤ちゃんが生まれそうなメスのオカピがいました。
いまここにいるオカピは、そのお母さんの子供たち。
すくすく育ってよかったわ。
中にいる一頭は、モシャモシャとひたすら餌を食べていました。
外にも一頭います。眺めていると、こちらにまっすぐ寄ってきたので、ドキドキしました。
スペースの問題で、そこまで環境を整えられない動物園も多いでしょう。
やっぱりズーラシア、いいなあ。
● 園内の光景
何の変哲のない休憩所だと思ってはなりません。
よーくベンチを見て下さい。
あっ、脚がオカピ!
ベンチの形によって、下を向いたり上を見上げたりしている芸の細かさ!
さりげない演出は、ディズニーリゾートレベルです。
● おじさんみたいなクマ
アフリカの熱帯雨林から、アマゾンの密林エリアにやってきました。
ここにはメガネグマがいます。
南米に生息する唯一のクマだそうです。
「さて、ここに乗ろうかな」
「よっこらせっと」
顔以外は真っ黒です。
うろうろと辺りを動き回る様子は、人間そのもの。
ずんぐりしたおじさんが中に入っているようにしか見えませんでした。
● ニホンコウノトリ
国内では17の動物園におり、神奈川県内で見られるのはここだけです。
今年ヒナが生まれて、ファミリーは5羽に増えました。
いろいろな動物たちを見て回ります。
それぞれに特徴があるため、サン=サーンスの『動物の謝肉祭』のような気分になってきました。
今は、謝肉祭じゃなくてハロウィンですけれどね!
● 神秘のカビバラ
カビバラちゃん。
暖かい場所に、一頭、むちっと鎮座しておいででした。
ズーム!
ファン・エイク兄弟『ヘントの祭壇画「神秘の子羊」』(部分)
ここにはカビバラは一頭しかいないようです。ちょっと寂しいですね。
和歌山のアドベンチャーワールドでは、パンダが食べ残した笹を、カビバラが食べてくれている(→好き嫌いの激しいパンダがたくさん残した笹を、カビバラに食べさせている)と聞いて、一気にカビバラ寄りになりました。
南米の動物が、野生では決して見つけることのないアジアの植物を、黙って食べているなんて…偉い!
● ヤブイヌ
茂みがガサゴソと揺れたので、なにがいるのかな?と覗いたら、中からなにやら小さな動物がトコトコ出てきました。
タヌキ?
いいえ、しっぽが違います。
君は誰だい?
ヤブイヌでした。初めて見る動物でした。
日本では6つの動物園でしか見られないのだそう。
関東ではここと埼玉だけ。結構レアです。
ノソノソしていて、かわいかったです。
● 猿の村
南米アマゾンの密林地帯を離れて、日本の山里エリアに入りました。
上野動物園の猿山のテッペンには、ボス猿が陣取っていますが、ここは頂上がなく、猿の村といった感じです。
右側の岩の上をズームすると…
ひしっと母親にしがみつく子ザルが
ちいさな子ザルが、母猿にべったりくっついて離れません。
お母さんを追いかけて、ちょっと長めの距離を飛んだのが、ずいぶん怖かったようです。
しばらくしがみつかれるがままだった母猿は、だんだん飽きてきたのか、子ザルのシラミを探し始めていました。
● アナグマ
アナグマのコーナーに来ましたが、姿が見えません。
どこ?穴に隠れちゃってるの?
と思ったら、すぐそばの足元にモフモフが見えました。
あおむけになって、デーンとお昼寝していたのです。
鋭角過ぎたのとガラスの反射で、うまく撮影できませんでしたが。
おなかを見せて無防備すぎー!野生はどこにいったのー?
● 日本でここだけカンガルー
日本から、オセアニアの草原エリアに入りました。
しっぽの長い、観たことのない動物がいます。
セスジキノボリカンガルー(通称モアラ)というそう。
黄色と茶色。
栗とかお芋の色をして、モアラという名前もおいしそうです。
ニューギニア島の山林で樹上生活し、長い間絶滅したと思われていたそう。
日本では、ここズーラシアでしか見られないとのこと!
なんてレアなんでしょう!
なかなか愛嬌のある、ユーモアたっぷりの顔をしていました。
● おじさんみたいなカンガルー
こちらは、よく見るカンガルー。
どでーんと横たわっている姿が、おじさんみたい!
カンガルーの寝姿はおじさんみたいだと前から言われていましたが、確かに休日、家でゴロゴロしながらTVを見ているおじさんの後ろ姿そっくり!
笑っちゃいました。
● エミューの行進
だれているカンガルーをしり目に、エミューが3羽列になって、ゆっくりと目の前を横切っていきました。
カンガルーとエミュー、競争したらどちらが速いんだろう?
調べてみたら、カンガルーの方がちょっとだけ速いようです。
あんなのびた姿からは想像できませんが…。
● カモメとウミネコ
カモメとウミネコもいました。どちらもかなり似ていて、一見見分けがつかずに悩ましいんですよね。
違いは、くちばしの色。カモメのくちばしはほぼ黄一色ですが、ウミネコのくちばしは赤・黒・黄の3色です。
あと「ミャーミャー」って鳴くのがウミネコです。
私のイメージとしては、ウミネコの方がくちばしはカラフルだけど、目つきが怖い感じ。友達になるなら、静かなカモメかな~。
目が合うと、彼らは逃げるどころかこちらに飛んできます。
そして「餌をちょうだい!」と眼力で訴えてきますが、禁止されているためあげるわけにはいきません。
こちらも「ダメ!」と必死で目力に対抗しますが、檻がなければ勝てないところでした。
● キジ類
鳥好きとしては、動物園の鳥コーナーも見逃せません。
キジにはキンケイとギンケイがおり、こちらは後者。
美しい尾を持っています。
しばらく見つめ合い、さて離れようと動いたら、この鳥がバタバタと羽ばたいて地面に降り、トテトテと私を追いかけてきました。
なんてかわいいんでしょう。やることが玄人はだしです。
引き留めるなんて、愛いやつじゃ!
● レッサーパンダ
レッサー、寝ていました。
ひなたぼっこが気持ちいいのか、かわいい顔をして、すやすや熟睡中。
うわあ、幸せそう~!
これは寝てても大いに許す!!写真を撮りまくりました。
● オスライオン
先ほど見たのはアフリカライオン。こちらは少し小ぶりなインドライオン。
オスは黙って単体行動。こちらもまた、見事なたてがみでかっこいいですね。
● 袋がポスト
ズーラシアを一周して、出口を出たところにグッズショップがありました。
その前には、カンガルーのポストがありました。
カンガルー便は宅配ですが、こちらは郵便専用。
なるほど、投函された手紙をおなかのポケットにしまうんですね。
● オカピアイス
帰りの横浜行バスは、45分後。
歩き疲れているので、座って帰ろうと、順番待ちを始めます。
グッズショップの隣にサーティーワンアイスクリームがあり、閉園時間間近になり、一息つきたいみんなの長蛇の列ができています。
バスを待っている間に食べようと、行列に並びました。
はじめはダブルコーンを頼むつもりでしたが、周りの人たちの話を聞いて「ハッピードール」にすることに。
ズーラシアスペシャル版があると知り、せっかくなのでそれを頼んでみました。
これが注文したアイス。
右がオカピ、左がライオンです。
うーん?ポスターよりもいまいちわからない…。
頼んだフレーバーの色がイマイチでしたね。
紅茶とかチョコとか、もっと茶色っぽい色のアイスにすればよかったかな。
でもおいしくて、ペロリ。セブンティーンアイスにサーティーワンアイスと、アイスを食べまくりました。
45分後には、バスを待つ長蛇の列ができていました。
長々と待った甲斐あって一番目にバスに乗れ、座って帰りました。
● epilogue
20年ぶりに行ったズーラシア。
当時は開園したてで、まだ不便なところもありましたが、そういった点は改善されており、今ではとても周りやすい動物園になっていました。
なにより嬉しかったのは、どの動物も毛並みがつやつやとしており、見るからに健康そうなところ。
解放的な広い敷地内で過ごして、ストレスが少ないからだろうと思います。
そんなのびのびとした動物たちを見て、とても満ち足りたし、癒しになりました。
人は大勢訪れており、レストランやショップに入るとどこも混んでいますが、広大な敷地なので、動物を見る時にはほぼマンツーマン状態で向き合えます。
思い立ったら気軽に行ける野毛山動物園もいいけれど、サバンナやジャングルに実際にいる気分になれるズーラシアでは、日本を離れた非日常感を味わえます。
また近いうちに、元気な動物たちに会いに行こうと思います。