風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

初夏の九州・南に北に index

2019-09-27 | 九州

[2019.6.15-17]

◆ 宮崎 1-1 ←旅行記へ 

 瀬戸内旅行から2週間後、今度は宮崎へ飛びました。
 ふたたび「JALどこかにマイル」でのフライトです。
 一路南下し、青島に向かいました。
  ● prologue ● 行き先決定 ● SUNQパス
  ● 当日の空港にて ● 空港内を走る ● 積み荷問題
  ● 宮崎ブーゲンビリア空港 ● サンキューパス ● 2つのスタジアム
  ● 日本のチンタオ ● ボタニックガーデン ● 幸せの黄色いポスト 
  ● 鬼の洗濯岩 ● 青島神社 ● 荷台付きバス ● 堀切峠



◆ 宮崎 1-2

 青島から南下して、荒波打ち付ける鵜戸神宮を参拝。
 さらに南下して、飫肥の城下町を散策しました。
 森でハニワたちに遭い、夜のうちに宮崎から福岡へ。
  ● 鵜戸神宮へ ● 洞窟の中の本殿 ● 運玉投げ
  ● ウとウトウ ● 日南市のマンホール ● 九州の小京都、飫肥
  ● かつおめし ● 鯉と城下町 ● 木のバス停
  ● 二つの駅 ● 波乗りサーファー ● 平和台公園
  ● はにわの森 ● すみません、回送中です
  ● ボンベルタ ● フェニックス号

 

◆ 呼子・唐津 2-1

 福岡から始発バスで呼子に行き、朝市でイカ三昧。
 唐津の松原や町を散策し、お城に上ります。
 関東風ラーメンって、不思議な言葉ですね~。
  ● 朝の福岡バスターミナル ● 唐津で乗り換え ● 呼子の朝市
  ● イカさまざま ● 呼子のマンホール ● タコ派かイカ派か
  ● 夕子ならぬ二タ子 ● 関東風ラーメン ● 運転手の声掛け
  ● 唐津散策 ● 唐津城 ● 唐津のユーリ!
  ● 川にかかる橋々 ● 明和電機と辰野金吾 ● 博多へリターン


◆ 長崎 2-2

 博多から今度は長崎へ。美しい坂の街並みを散策します。
 情緒たっぷりな、アジサイ越しのめがね橋。
 夜に博多に戻り、夜中に鹿児島に入りました。
  ● バス越しの博多 ● 山の神行き ● 九州号
  ● 長崎市内観光 ● 旧香港上海銀行長崎支店 ● グラバー坂
  ● ボウリング発祥の地 ● 長崎バスは難しい ● ねこ雑貨店
  ● めがね橋とアジサイ ● 新地中華街 ● 本場のちゃんぽん
  ● いまの出島 ● 博多駅の電車と人々 ● ふたたび九州号
  ● NIVEAさん? ● ハブシティ福岡 ● 桜島号


 

 ◆ 鹿児島 3-1

 夜明けを待って桜島へ。海上には太陽の道が出ていました。
 緑深い知覧で見たのは、時が停まった武家屋敷。
 南の地で、ねぷたまつりが行われることを知りました。

  ● 乗り場はどこ? ● フェリーに乗り込む ● 夜明けの桜島
  ● 桜島に上陸 ● 天文館?海星館? ● ふたたびの観覧車
  ● おばあさんの差し入れ ● ステテコおじいさん ● 知覧武家屋敷
  ● 特攻隊の地 ● 南九州市のマンホール ● 知覧茶の里
  ● 薩摩わかあゆ ● 知覧ねぷた祭 ● お茶むらいさん

 ◆ 宮崎 3-2

 九州で、忘れてならないブラックモンブラン。
 鹿児島から宮崎まで、霧島経由で移動します。
 雲上のまんまる満月を眺めて帰途につきました。
  ● 八女抹茶モンブラン ● 鹿児島市のマンホール ● はまゆう号
  ● 大久保利道とライオン ● 鹿児島空港 ● 霧島SA
  ● 子供にヘルプ ● 宮崎のマンホール ● たまゆらの湯
  ● 空港にて ● ストロベリームーン ● お土産いろいろ ● epilogue

 

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初夏の九州・南に北に 3-2(宮崎)last

2019-09-27 | 九州

その1からの続きです。

● 八女抹茶モンブラン

知覧からバスに乗り、鹿児島中央駅に戻ります。
次のバスへの乗り換え時間は30分。
駅からバスセンターが少し離れていたので、地図を片手に急ぎ足で向かいます。

バスセンターで無事に座席券を入手できた後は、駅に戻ってお土産を選ぶほどの時間はありません。
そういえば、ブラックモンブランを食べていなかったなあと思い出しました。
佐賀のアイスなので、九州ならどこでも売っているはず。
コンビニに買いに行き、3種類ある中から、新発売の八女茶の抹茶モンブランにしてみました。


福岡県八女産の一番茶を使っているそうです。
八女もお茶の産地ですが、知覧茶は緑茶で、八女茶は玉露なんですよね。


中はくっきり抹茶色。着色料は使われていません。
ほのかに渋めの、ちょっと大人な味わいでした。

● 鹿児島市のマンホール


鹿児島市のマンホールは、薩摩切子の文様をモチーフとしたデザイン。
雨上がりには、切子のカッティングがキラキラ輝きそう。
去年から、鹿児島中央駅~鹿児島駅間の電車通り沿い歩道に設置されているとのこと。
見られるエリアは、割と限定的なんですね。

● はまゆう号

宮崎行きのはまゆう号に乗ります。
宮崎市と鹿児島市の約170kmを結ぶ高速バス。はまゆうは、宮崎県の県花です。
バスの運ちゃんは、ハキハキとした感じのいい人。
乗っている私たちも、爽やかな気持ちになれます。

これで、今回の旅で予約を必要としたバス5本に、すべて間に合いました。
鹿児島では、中央駅を拠点にしながら、町の中心をぜんぜん散策しなかったなあ。
天文館もバスの中から見ただけで、す通りしてしまったし。

● 大久保利道とライオン

鹿児島中心部には、立派な歴史的建造物がいろいろあります。
薩摩藩は幕末最強でしたから、納得です。


古いよさげな橋もありました。甲突川にかかる石橋です。


ライオンと一緒の立派な像は誰かと思ったら、大久保利道でした。
彼も、桜島で見たヤット(遠藤)選手も、薩摩男。


大久保利道は、西郷どんの親友ながら彼を裏切った男だと、地元であまり人気が高くないと聞いていましたが、そうは思えないほど堂々とした像でした。
この二つの銅像は別々のもので、ライオン像のそばに大久保像が立てられたのだそう。
ライオンが大久保さんに熱い視線を送っているように見えましたが、たまたまのようです。

● 鹿児島空港

駅から1時間ほどかけて鹿児島空港へ。あちこち経由していますが、結構距離がありますね。
この空港には、天然温泉の足湯があるんです。うらやましい~。


空港から乗ってくる人たちを運ちゃんが検札している間、足湯を窓越しに眺めていました。
ああ、ここで10分くらい休憩時間があったらなあ。
温泉付きの空港は、北海道と九州にいくつかあるのみ。
全部の空港に設置してほしいわ~。

● 霧島SA

途中、霧島SAで休憩。宮崎県と鹿児島県の県境までやってきたことになります。
霧島連山が目の前にくっきりと見えました。


SAの総合案内窓口に試食コーナーがあるのは、初めて。
エリア・コンシェルジュに「どうぞ食べてみて下さい」と勧めてもらい、いただきました。

宮崎のおみやげ、いもっコロ。サクサクでおいしかったです。


はまゆう号はえびの高原、都城など、気になりながらも行けなかった場所を通っていきます。
宮崎IC、宮交シティを過ぎ、大淀川を渡ったすぐの「たまゆらの湯」バス停で、下車しました。


バス停の名前になっているので、降りた目の前に温泉があると思いましたが、それらしい看板は見当たりません。
あれ?近くの交差点まで行って、信号待ちの人に聞きましたが、よくわからない様子。
「あの辺りだと思う」 と漠然と教えてもらった方面へと向かいます。
地元の人は行かないのかな?

● 子供にヘルプ

人に聞こうにも誰もいなくなったと思ったら、小学生らしき女の子2人が遊んでいたので、たまゆらの湯の場所を聞きました。
「うーん、聞いたことある気がする」と背の低い子。
「足湯があるんですって」と言ったら「あ、わかった!」と髪の長い子。
「あそこのセブンのとこを左に曲がって、それから右に曲がったとこにあるよ」と教えてもらいます。
「どうもありがとう!」

最近は物騒な世の中になって、知らない人に話しかけられたら子供は逃げるように言われているとか、男性が公園で休んでいただけなのにママさんに通報されたなどという話を聞きます。
通報はいやだなあ。
私は、旅先でも家のそばでも、よく道に迷います。
地図検索をしても、焦っているとうまく使いこなせず、読み間違えて逆方向に行ってしまうこともしばしば。

なので、自分を信じず土地の人に聞いちゃうタイプです。
地元の子供にも尋ねます。老いては子に従えです(ちょっと違う?)
これまではなんとか、怖がられずに教えてもらえているので、助かっています。
今さら美人になれなくてもいいから、これからも、相手にあやしまれない風貌でいたいものだわ!
旅先で道に迷って、困り果てている時の、かなり真剣な願いです。

皆さんは、悲惨な顔で道を聞く私が哀れに思えて、力を貸してくれるのかも。
キングコングのような顔じゃなかっただけでも、さしあたりは両親に感謝です。

● 宮崎市のマンホール


宮崎市のマンホール。

宮崎市市章を中心に4分割し、市の花のハナショウブと市の花木のツバキを対角に入れたデザイン。
「WELCOME TO MIYAZAKI」と書かれた、華やかな柄です。


● たまゆらの湯

女の子たちに場所を教えてもらい、なんとか目的地に着きました。
ここにある足湯に入りにきたのです。
宮崎リゾート温泉・たまゆらの湯の施設からは少し離れていますが、ここが源泉だそうです。


先客は誰もおらず、一人で入りました。うーん、お湯が熱い。
熱すぎるわけではないので、すぐ慣れますが、気温も暑いので、温まるというよりは熱くなる状態。
長居していると、のぼせそうです。


空を見上げると、飛行機が低高度を通っていきました。
宮崎空港は、市街地からかなり近い、便利な場所にあります。
その分、中心地の低空を飛行機が飛ぶわけですね。福岡もそうでしょう。


少しすると、高校生くらいのふくよかカップルが自転車でやってきました。
サンダル履きなので、地元の子のようです。
「あ、ここ、ここ」と近づいてきたので、「こんにちは」と挨拶します。
「前に来たときは、やってなかったんだ」とのこと。

少ししてから2人を残して先に上がり、先ほどのバス停へ向かいました。
10分近く歩いていると、外の暑さもあって、体内温度が上がった感じ。
でも脚はリフレッシュできて、元気になりました。

● 最後のサンキューパス

宮高シティ行きのバスに乗ります。
最寄りのJRは、南宮崎駅。みなみみやざき。
「み」が多い!読みにくくないのかしら?


南宮崎駅

喉が渇いたので、地元産のヨーグルッペと日向夏100%ジュースで水分補給。
それから空港行きのバスに乗りました。
これが、SUNQパスを使った最後のバス。
パスには3日間、すっかりお世話になりました!
使いまくって、おそらく定価の2.5倍くらいの運賃分を乗ったんじゃないかと思います。

● 空港にて

前回の瀬戸内旅行では、直島からのフェリーを逃して飛行機に乗り損ねそうになり、真っ青になった経緯があります。
そこで、今回は早めに空港入りしました。

宮崎の地元の味、鳥南蛮と冷汁を食べ損ねていたので、空港レストランで食べることにします。
ただ、冷汁はお土産に買ったし、鳥南蛮は先日食べたばかりなので、メニューを開いてもいまいち食指が動きません。
そこで、どちらでもない、宮崎黒豚のカツ丼にしました。


今日初めてのまともな食事でしたが、ボリューミーでなかなか食べ終えられず、時間をかけてようやく完食。
さすがは都城産ブランド豚「Mの国黒豚」、満腹でおなかパンパンです。


乗った飛行機は、ビデオプログラムどころか、機内放送も聴けないほどの小ささでした。
そういう機種もあるのね。


● ストロベリームーン

いつしか夕方が近づいてきており、まん丸のお月様が大きく空に見えました。

 

ストロベリームーンだったそうです。イチゴ色には見えませんでしたが…。

 

ストロベリー・ムーンと聞いて思い出すのは、レベッカのラズベリー・ドリーム。
ベリー・ベリー・ナイト。


美しい満月に、ただ心をうばわれて、ずっと眺めていました。

● お土産いろいろ

今回買ったものです。まず、佐賀は呼子のさきいかといか天。


宮崎の冷や汁は、暑い夏が来たら食べるつもり。


先ほど飲んだ九州ドリンクのヨーグルッペと日向なつジュースを、持ち帰りました。


瀬戸内同様、今回もどうも華がありません!
こうして見ると、自分の好みって、地味ね~。
「なんじゃこりゃ大福」も食べたかったのですが、空港で売っていませんでした。残念~。

● epilogue

九州をバスで南北に大きく移動した、今回の旅。
行きたかった場所に行けて、満足です。
予定通りのバスに全て乗れ、大きな問題もなくこなせました。
やはり日本の道路網は正確ですね。

季節がら、九州各地のアジサイの美しさも印象的でした。
6月の梅雨真っただ中、雨を覚悟しての旅でしたが、3日間とも晴天に恵まれ、さらにきれいな花々も楽しむことができました。
この季節、晴れ間の旅もまたいいものですね。

これでJALのマイレージは、たった7マイルとなりました。
ほぼ使いきったので、しばらくはおとなしく過ごそうと思いまーす!?

◆ 初夏の九州・南に北に index ◆

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初夏の九州・南に北に 3-1(鹿児島)

2019-09-25 | 九州

2日目からの続きです。

● 乗り場はどこ?

3日目朝、日の出時間の5時に起きてホテルをチェックアウト。
鹿児島港へと向かいます。


桜島行きという表示を見て、フェリー乗り場だと思って入った建物は、高速船の乗り場でした。
「フェリー乗り場はそこの十字路を曲がってまっすぐ」と教えてもらったものの、そこには屋久島か種子島行きのフェリーしか停まっていません。
この港からは、あちこちの島に渡る船が出ていて、乗り場もそれぞれ違うんですね。


犬の散歩のおばあさんとすれ違ったので聞いてみましたが、
「桜島ー?さて、どこかいネェ?」と分からない様子。
月曜早朝の波止場には人影はほとんどなく、聞ける人がいません。
ようやく波打ち際で、自転車をベンチにもたれかけて休憩中のおじさんを発見。
遠くから来た人なら分からないかもと思いながらもダメ元で聞いてみたところ、すくっと立って「あれだよ」と指さしてくれました。


少し離れた建物ですが、たしかにフェリーが見えます。
ああ、やっと正解を教えてもらえました!
分かりそうな人が分からず、分からなそうな人が分かる、人は見かけに寄りません。

● フェリーに乗り込む

乗り場までは歩いて7、8分。近くに見えてもそこそこ距離があります。
建物に向かっているところで、フェリーが出航していきました。
あー、行っちゃった。遠ざかる船を見送ります。
乗りたかった便でしたが、あちこちで迷っていたので、間に合いませんでした。


まあ、次の便は15分後に出るので、それほど気にしません。
フェリー乗り場に上がっていくと、係員はおらず、閑散としています。
「降りるときに検察するのでそのまま入船してください」との表示がありました。フリーな感じ。

6時台の月曜日、フェリーに観光客の姿は見えません。
代わりに、作業服のおじさんがたくさん乗っていました。
乗客のほぼ9割が、薄緑色のつなぎをきたおじさん、残り1割はスーツ姿の人たち。
島で何か工事をするのでしょう。


時間になり、滑るようにフェリーは動き出します。
海は、瀬戸内のように穏やかに凪いでいます。

 

● 夜明けの桜島

桜島の上に、朝日が昇っていくところ。
海には、太陽の道ができています。
山から見る御来光とはまた違う神々しさに、言葉を忘れました。


桜島桟橋の赤灯台と白灯台のところでは、釣りをしている人たちが見えました。
のんびりしていていい感じ。

 
厳島神社のような、水の中の鳥居が見えました。
 

● 桜島に上陸


15分の船旅を経て、桜島に到着しました。
城山展望台から全景を眺めたことはありますが、島に上陸したのはこれが初めて。
ゆっくりしたいところですが、時間的にあまり長居はできません。
島をぐるりと一周したかったのですが、かなわず。


乗り場には、サッカー日本代表の遠藤保仁選手のコーナーがありました。
ヤットさんは桜島出身なんですね。
こんな遠いところから日本代表に躍り出たなんて、すごいわ。

 
 
桜島で最も大きいという、月読神社がありました。
活火山島だけに、山の神のコノハナノサクヤヒメもあわせて祀られています。
あの女神さまが桜島」の名前の由来になっているそうです。

少し辺りを散策して、再びフェリーに乗ります。
こちらの方には検札員がいますが、鹿児島港の方にはいません。
チェックは一度きり。ゆるいです。

● 天文館?海星館?

フェリーを降り、シャトルバスに乗って中央駅へ。
途中、天文館を通ります。
名前がきれいなので「鹿児島の天文館」といったら、完全にプラネタリウムのイメージ。
「天文館で飲んだ」などと聞くたびに(ん?)と気になっていましたが、鹿児島の中心街なんですねー。

江戸時代にこの辺りに設立された天文観測所、明時館(別名・天文館)がその名の由来だそう。
薩摩藩主の島津さんは、研究施設を建てた場所が、400年後には一大繁華街になるなんて、予想もしていなかったことでしょう。

以前、大分の「海星館」という天文台に、友人に連れて行ってもらったことがあります。
天文館?海星館?ごっちゃになってもしかたがないレベルじゃないですか!?

● ふたたびの観覧車

鹿児島中央駅のアミュプラザ鹿児島には、大きな観覧車がありました。
あれ、この光景、前にもどこかで見たような。
前日に長崎のココウォークを見上げた時と、同じ感覚になりました。


九州に来て3日目になりますが、毎日どこかで赤髪の"ぺえ"風若者を見かけます。
赤だったりピンクだったり、濃さはまちまちですが、今のモードなんでしょうか?
東京の方ではさほど見かけないので、この辺り限定でブームになっているのかしら?

● おばあさんの差し入れ

駅で、知覧行きのバスに乗り換えました。
駅前を過ぎると、とたんに結構な田舎に入り、バスは快調に飛ばしていきます。

一番前の席に座っていると、途中のバス停でおばあさんが降りる時に、
「これ、職場のみんなでね」と言って、運ちゃんに袋を渡すのが見えました。
路線バスで初めて見た、差し入れの光景!

地方のお年寄りにとって、ローカルバスは大切な移動ツールなので、運ちゃんたちを大切にしているんでしょう。
公営バスではNGかもしれませんが、民間バスで田舎の顔なじみ同士なら問題ありません。
おばあちゃんの優しさ。そしてきちんとお礼を言って受け取る運ちゃん。
心がほっこりしました。

● ステテコおじいさん

1時間ほど揺られ、武家屋敷前でバスを降りました。
観光客らしき人たちは、みんなそのまま乗っていきました。
おそらく終点の特効観音前まで行くのでしょう。
ほかに降りたのは、二つ前の停留所から乗ってきた、ほぼステテコ姿の地元のおじいさん。

町に降り立った白いステテコおじいさんのことが気になります。
(あの格好でいったいどこへ…)となんとなく目で追っていると、まっすぐバス停前のお菓子屋さんの中に入っていきました。
甘党なのかしら。
目的が分かったところで気持ちを入れ替えて、私は武家屋敷の方に向かいました。



● 知覧武家屋敷

薩摩の小京都と呼ばれる知覧は、今なお美しい緑の町並みが残っている場所です。
きちんと手をかけて保存しているのがわかります。


西郷恵一郎氏邸門


ここではNHK大河ドラマ「西郷どん」のロケも行われたそうです。
雰囲気バッチリですからね。

 
いくつかある武家屋敷をゆっくり見学しながら。
二日前に訪れた宮崎の飫肥(おび)の武家屋敷とは、また違う趣があります。
 

知覧型二ツ家

 


庭園もきれいに整えられています。
平日なので人が少なく、どの道を曲がっても、ほぼ独り占め状態です。

 

石垣と生垣の美しさ。
この一帯は国の重要伝統的建造物群保存地区、そして庭園は国の名勝に選定されています。

 
 
誰も通らない通りに光と影が差し、ゆるい風が吹き抜けます。
辺りはひたすら静か。

 

今がいつなのか、ここがどこなのかわからない、曖昧な夢を見ているような気持ちになりました。


● 特攻隊の地

次は特効観音の方に行こうかどうしようかと考えながら道の終わりまで歩いていくと、映画「僕は君のためだけに死にに行く」の記念碑がありました。


ここ知覧は、特攻隊の出撃基地があった場所。
戦争と時代がそうさせたとはいえ、タイトルのあまりのつらさに、足が動かなくなります。
与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」の詩が思い出されました。

ああおとうとよ 君を泣く
君死にたもうことなかれ
末に生まれし君なれば
親のなさけはまさりしも
親は刃(やいば)をにぎらせて
人を殺せとおしえしや
人を殺して死ねよとて
二十四までをそだてしや

知覧の地にいるからか、一節一節が流れるように思い出されます。
出てきた涙を止めようと、ふたたび歩き始めようとしましたが、うまくいきませんでした。

 
この映画は“特攻の母”とされる鳥濱トメから聞いた、特攻隊員たちの実話だそう。
つらい戦争の中でも、若い命が散った特攻隊や集団自決の悲劇は、特にいたたまれないものがあります。
歴史の事実として学び知ることは必要だと思いますが、感情的にどうにも足が進まなくなり、特攻観音まではたどり着けませんでした。

● 南九州市のマンホール

 

 
南九州市のご当地マンホール。歯車に見えたので、戦時中の富国強兵・殖産興業的なデザインかと思いましたが、どうやら違うようです。
知覧町の武家屋敷、畜産、茶畑など、さまざまな細かい特徴を幾何学的にデフォルメしたデザインだそう。
見れば見るほど、複雑です。
 

● 知覧茶の里

知覧の茶畑。
緑茶の国内生産量の第1位は、都道府県別では静岡県がダントツですが、市町村別だとここ南九州市になるそうです。


『色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす』
「日本三銘茶」は静岡の静岡茶、京都の宇治茶、埼玉の狭山茶の3つを指しますが、
狭山茶ではなく鹿児島の知覧茶を加えることもあります。
深蒸し茶で、コクがありながらスッキリしているのが特徴ですね。


● 薩摩わかあゆ

ふたたび武家屋敷へ。今度は細道の方へと入ってみます。
保存地域のお屋敷ですが、今でも実際に人が住んでいます。
裏へ回ると、少し人が暮らしている生活感が見えました。
そのまま歩いていくと、知覧城跡にたどり着きそうでしたが、そろそろバスの時間が近づいてきたので、戻って車通りに出ました。

歩いていたら暑くなってきて、ソフトクリームが食べたくなりました。
先ほど、ステテコおじいさんが入っていった「お菓子の小田屋」に入ってみます。
江戸時代から続く老舗菓子店だそう。
ソフトもアイスもありませんでしたが、店員さんに「今日はちょうど、当店人気No.1のわかあゆが半額なんですよ」と勧められ、それをいただきました。
毎年恒例で6月中旬の3日間、「あゆまつりセール」が行われるんだそう。
それで、さっきのおじいさんは買いに来たんでしょうね。


薩摩わかあゆは、販売30年のベストセラー。
どら焼きのような生地に、牛皮のような餅菓子がくるまれたものです。
柔らかくて、もっちりモチモチとしたおいしさでした。

● 知覧ねぷた祭 

7月に開催される、知覧ねぷた祭のポスターを見かけました。



知覧でねぷた?なぜ?
前に熊本城内の広場でねぶたを見たことはありますが、あれは熊本地震の復興のため。
こちらでも?弘前と?

後で調べてみました。
鹿児島県南九州市と青森県平川市が姉妹都市ということで、毎年行われているそうです。

● お茶むらいさん



南九州市のマスコットは、お茶むらいさんというそう。
お侍さんの、お茶むらいさん。かわい~い!

その2に続きます。

◆ 初夏の九州・南に北に index ◆

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初夏の九州・南に北に 2-2(長崎)

2019-09-18 | 九州

その1からの続きです。

● バス越しの博多

博多に戻ってきましたが、今回、町には繰り出しません。バスの中から見るだけです。
中洲の辺りを通ります。


祇園関蕎麦の、東長寺の前も通りました。
九州一大きな大仏様がいるお寺で、前に訪れたことがあります。



博多バスターミナルでバスを降りました。
到着が少し遅れたため、長崎行きバスへの乗り換え時間は20分ほど。
駅前なのでビル全体が人でごった返しており、どこになにがあるのかわかりません。
館内地図を探して、せまいエスカレーターを上り下りし、1階と2階をうろうろ。
案内所を見つけて聞くと、3階が受付だとわかったので、上ります。

バスターミナルの受付はみどりの窓口のように大きく、行列ができていました。
すでに長崎行きバスの予約は取っていたものの、受付で座席券を出してもらわなくてはなりません。
初めての段取りなので、ちょっと緊張。
時間を気にしながら順番を待ちました。間に合ってひと安心。

● 山の神行き

ようやく落ち着いて、ほかの行き先を眺めていたら「山の神」行きがありました。
なにそれ、気になる地名ー!
箱根駅伝の選手しか思い出せません。

地図で探してみると、12キロほど離れた糟屋郡(かすやぐん)にある場所で、近くには古墳もあるようです。

● 九州号

福岡と長崎を結ぶ「九州号」というバスに乗車し、13時16分に出発。
中は空いています。席にコンセントが着いており、充電できます。
そういえば、九州のバスはJRのようにデザイン性に優れていると聞いたことがあります。
昨日・今日と乗ったバスは、確かにどれも外見も内装もひと味違っていたような気がします。


ココウォーク


道中はやっぱり寝ていき、到着時間近くなって目を覚ました時には、もう長崎市内に入っていした。
ビルの上で回る、みらい長崎ココウォークの観覧車を見上げます。


● 長崎市内観光

15時49分に到着後、まずは駅前の観光案内所に行きました。
駅前には、色とりどりのアジサイが正方形に並べられていました。
美しい、この季節の彩です。


長崎は市電が便利で、観光地には市電のアクセスが紹介されていますが、私が持っているのはバスのフリーパス。
マップにバスを使ったルートが書かれていないため、観光案内所でバスでの周り方を聞きます。
案内所の人は、バス停や系統番号をすらすら言いながら、地図に書き込んでくれますが、ちょっとややこしそう。

いろいろ教えてもらったものの、系統によって降りるバス停も違うため、とても全部は把握できません。
覚えられないなら実践あるのみ、と行ってみることにします。
やってきた30系統に乗ってみたものの、降りるバス停がわからず、過ぎ行く町の景色と地図を交互ににらめっこ。
そのうち「グラバー園入り口」のバス停のアナウンスがあったので、そこで下車します。
わかりやすいバス停で、助かりました。

● 旧香港上海銀行長崎支店

バス停近くに建っていた、国指定重要文化財の、旧香港上海銀行長崎支店。
香港上海銀行といっても、イギリスの銀行で、巨大な金融グループ、HSBCホールディングスの前身です。
建築家、下田菊太郎が設計した唯一現存する遺構で、明治37年(1904)に竣工し、第二次世界大戦前まで営業していました。


建物の前を、隣の消防署の消防士さんたちがダッシュ&ターンしていました。
ここから、両側にお土産屋さんが並ぶグラバー通りの坂を上っていきます。


● グラバー坂

坂の途中に大浦天主堂があります。
青空に映えて、絵葉書のような美しさでした。


さらに坂を上り、向かったグラバー邸には、花咲き乱れる9棟の洋館がありました。
帰り道は下りなので、楽々。
坂の途中にある、すてきな雰囲気の洋館は、祈りの丘 絵本美術館。


ちょうど一日前の6月15日に、開館20周年を迎えたそうです。
建物の外壁に見える「あすはきっと」の絵本を抱えた少年と子ぐまが語り合うブロンズ像のかわいらしさ。


坂を下った先には、まっすぐ海が見えます。
とってもロマンチックな坂ですね。
横浜だと紅葉坂になるでしょうか?うーん、ここより情緒が足りないなあ。。。


● ボウリング発祥の地

長崎に来たら、本場のちゃんぽんを食べたいものです。
オランダ坂まで足を延ばして、ちゃんぽん発祥の「四海樓」に向かいましたが、準備中の時間で開いておらず、断念。

グラバー通りの坂の途中と、四海樓の前には「日本ボウリング発祥の地」の碑がありました。
オランダ坂のオランダ人が持ち込んだのかしら?
幕末の文久元年5月15日(新暦1861年6月22日)に、長崎の大浦居留地に日本初のボウリング場がオープンしました。
それを記念して、6月22日は『ボウリングの日』になっているそうです。おお、あと6日後ね。


● 長崎バスは難しい

再びバスに乗りました。次はめがね橋に行きたいのですが、行き方がはっきりわかりません。
中央橋バス停で県営バスに乗り換えるとのことですが、今乗っているバスは県営じゃないの?
ラッピングバスが多いので、バスの見分け方のコツがわからず、目の前まで来てもおろおろ。

行き先が正しいのかわからないため、何本か見送りましたが、このままでは日が暮れてしまいます。
とにかく乗ってみることにして、バスの運転手に聞くと「めがね橋というバス停はなくて、どこで降りても遠いねえ。路面電車ならすぐだけど」とのこと。
ああ、やはりこの町は路面電車がメインなのね。
運ちゃんに教えてもらった市役所前のバス停で降りて、歩くことにします。
行き方を詳しく教えてくれた運ちゃん。とても助かりました。
市内の地図が頭の中に入っているんでしょうね。

● ねこ雑貨店



長崎の猫雑貨というお店を見かけました。
壁に「曲がったことが大好き。」と書かれています。
いいですね。私もよ!

店内はネコ雑貨だらけ。猫好きにはたまらないお店です。
幸運を呼ぶと言われる尾曲がりネコグッズがたくさんありました。
狙ったのかたまたまなのか、このお店のある辺りが「魚の町」という地名なのも、いいです。

さっき福岡で見つけたのは「山の神」、ここ長崎では「魚の町」。
地名に「の」が入るなんて、独特ですね。

● めがね橋とアジサイ

めがね橋はとても美しい橋でした。
すてき。絵になるわ~。


日本の石橋といったら、やっぱりこれですね!
橋好きとして、ここに来られて感無量です。
九州では、諫早の眼鏡橋と、熊本の通潤橋もいつか見に行きたいなあ。


長崎はアジサイが有名なのか、ずらりとアジサイが咲き誇っていて、さらにきれい。
いい橋をたくさん渡れて、今日はハッピーな日です。


さて、お次は中華街に行きたいところ。まだちゃんぽんを食べていません。
川に沿って歩いて行く途中で、中央橋のバス停を見つけて、バス停一つ分だけ乗りました。
フリーパスを持っていると、気軽にふらり乗車ができます。

● 新地中華街

新地中華街にやってきました。
北の玄武門の前では、中国人観光客団体がしきりに写真を撮っていました。
横浜中華街でも、数多く見かける中国人観光客。
彼らは異国の中華料理を食べて、どう思うのでしょうか。

前に、サンパウロのリトルトーキョーを訪れたことがあります。
日本っぽいけれど、完全に日本とは違う場所でした。
中国人観光客も、同じように感じているのでしょうか。


横浜中華街、南京町中華街とともに日本三大中華街の一つ、長崎新地中華街。
ただ横浜とは規模もにぎやかさも違って、なんだかちょっと寂しい感じもします。


● 本場のちゃんぽん

玄武門すぐのところの会楽園に入りました。創業91年の老舗です。
門構えが立派なので多少足が引けますが、横浜中華街になじんだ身として、後ずさってはなりません。
ちゃんぽんを食べるミッションを遂行すべく、いざ入らん!


入口を護るのは、兵馬俑を連想させる神馬たち

もちろん、ちゃんぽんをオーダーします。
あつあつの作り立てがやってきました。


旅行中は野菜分が不足するので、ここでチャージ。
本場のちゃんぽんを、おいしくいただきました。
コクがありながら、くどくない食べやすさ。ちくわも入っているのが独特ですね。

● いまの出島

さて、おなかも満たされたので、次は出島に行くことにします。
長崎といえば出島と歴史で習いました。
昔の地図の、ぴょっこり出っ張った扇形の人工島の絵を見るたびに(いつか行ってみたい)と思っていました。
でも、今はどうなっているんでしょうね?
とっくの昔に鎖国は解消されましたが、まだ残っているのでしょうか?

・・・

結論としては、ありました。
でも、もうかつての出島の形ではありませんでした。
それから埋め立てられて、ずいぶん内地に入り込んでおり、もはや島ですらありませんでした。
 
明治期に出島は埋め立てられて消滅したそうですが、今から60年ほど前に市がこのエリアを復元したそうです。
つまりここは、蘇った出島なんですね。
 
今では特別地区として16棟の建物が復元され、オランダ商館員の住居などが保存されています。
ただもう閉館時間を過ぎていたため、外から石塀越しに見学。
 

出島のメインゲート、水門
 
奥の建物は一番船船頭部屋で、オランダ船(一番船)船長や商館員の居宅として使用されていました。
 
ヘトル部屋

オランダ商館の商館長次席(ヘトル)の住居。
今は総合案内所やミュージアムショップになっています。
 
 

木造の旧出島神学校
 
明治11(1878)年築の、現存する日本最古のプロテスタント神学校、旧出島神学校。
現在は、出島史料館です。
 

水際ではなく、陸地に入り込んでいる場所ですが、かつては港の玄関口だったんですね。
明治以降もさらに埋め立てが進んだためでしょう。
今のウォーターフロントとなる海沿いには「出島ワーフ」という複合商業施設ができていました。

● 博多駅の電車と人々

出島からバスで長崎駅まで戻りました。
JR九州の電車は、デザイン性が高いんだっけと思い出して、駅に停車中の電車を眺めます。
長崎と博多を結ぶ特急「かもめ」が停まっていました(右側)。安定の水戸岡鋭治デザインです。


駅のコンコースではビアガーデンを開催中。
夕暮れ時、人々が集い、ジョッキを掲げて、にぎやかに乾杯していました。



● ふたたび九州号

バスセンターから福岡行きの九州号に乗ります。
行きは空いていましたが、夕方便は全て満席。
週末を長崎で過ごし、日曜夜に福岡に戻る人が多いんでしょうか。


いい天気だったので、夕方の空もキレイ。
丸い月が見えました。


またもやすぐに眠りに落ち、あっという間に天神へ。
朝と同じ場所に戻ってきました。日曜日の夕刻だからか、待合室は人でびっしりでした。

● NIVEAさん?

高速バスの座席券を出してもらう時に、親切に対応してくれた受付の方が「仁部屋」さんという人でした。
初めての名前です。これまで「仁」を使う苗字は「仁科」さんしか知りません。
九州の名前なのかしら。
にんべや?にべや?NIVEA?
・・・ワクワクしながら後で調べたら、正解は「にぶや」さんでした!
へえ~!

● ハブシティ福岡

ふたたびの到着となった福岡ですが、あくまで乗り継ぎが目的で、観光するどころか、一歩も町に繰り出していません。
これまでも割と訪れている町なので、今回はパス。
ハブシティとして、今日は活用させてもらいました。

● 桜島号

この日最後のバスは、19時発の鹿児島行き「桜島号」。
またもや寝ていきます。バスに乗ると、寝てばかりの私。
まあ、もう外は暗いので、起きていても景色を眺めることはできませんでしたが。
23時40分ごろに鹿児島中央駅に到着。
駅前ホテルにチェックインし、2日目が終わりました。

3日目に続きます。

◆ 初夏の九州・南に北に index ◆

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初夏の九州・南に北に 2-1(呼子・唐津)

2019-09-13 | 九州

1日目からの続きです。

● 朝の福岡バスターミナル

2日目の朝、早めに宿をチェックアウトすると、福岡駅周辺は少し雨が降っていました。
宮崎は降っていない様子。九州は広いですからね。

福岡(天神)駅の直上にある、西鉄天神高速バスターミナルは新しくてモダン。
7時12分発の唐津行き始発に乗ります。
バスが動き出したときには、雨はもう上がっていました。

福岡の中心部にユザワヤがあったので、ビックリ。
蒲田の手芸店を、吉祥寺で見かけた時にも驚いたのに、海を越えて九州にまで店舗を増やしていたなんて!


バスに乗ってみてわかりましたが、福岡駅って海沿いにあるんですね。
これまで福岡では電車ばかり使っていたからか、海のイメージはありませんでした。
高速道路から海のパノラマが開けます。

● 唐津で乗り換え

1時間ちょっとバスに乗り、「大手口」でバスを降ります。
道の向かいにあるのは、唐津バスセンター。

こちらも新しくてこぎれい。ここで呼子行きに乗り換えます。
乗ってきたバスの終点はお城の前。
時間が許すならそこまで乗っていきたかったのですが、まずは呼子の朝市を優先します。

● 呼子の朝市

30分ほど乗って、呼子港に到着。
朝市は始まっていますが、ちょうど到着した9時頃が一番にぎやかなのだそう。


朝市といっても、大きなマーケットが開いているのではなく、通りの両脇にパラソルを広げて、その下でおばあちゃんたちがこぢんまりと品物を広げている、昔ながらの風情。
こういう市を実際にみたのは初めてのような気がします。
輪島朝市、勝浦朝市と合わせて日本三大朝市といわれる呼子朝市ですが、メインルートはかなり細いです。


● イカさまざま

呼子といったら、もちろんイカ。
いろんな姿をしたイカがいました。


生きているイカさま

 


干されたイカさま

 


回るイカさま

 


止まったイカさま

 


揚げられたイカさま
 

もちろん、私もイカをお目当てにここまでやってきた一人。
揚げたてほかほかのイカシューマイを食べながら、市場を行きつ戻りつします。


外はカリカリ、中はジューシーなイカ。美味しいのがわかるでしょう。



イカだけではありません。蟹もいます。



サザエの壺焼きも。


ウニも売っています。この場で食べられるという、新鮮な味を楽しめます。



キョロキョロよそ見しかけましたが、やっぱりここはイカに絞ることに。
イカカツなるものや、イカのゲソ天を頼んでみると、目の前であげてくれました。
イカカツは、用事で支えるのが大変なほどの大きさと重さです。
すぐには食べられないほどあっつあつでした。


イカカツ


プレス焼きしたイカ煎餅のお店に、朝市一番の長蛇の列ができていました。
江ノ島のたこ煎餅のイカバージョンです。タコでもイカでも、大人気ですね。

ここでの時間は45分取っていましたが、買い食いしたあとお土産を選んでいたら、帰りのバスにギリギリになり、港の写真は撮れずじまい。
イカの加工品は案外あまり食べる機会がありませんが、おいしかったです。

● 呼子のマンホール

呼子のマンホールには、朝市通りの文字が入っています。



● タコ派かイカ派か

最近になって、世の中には「タコ派とイカ派」がいると知りました。
どうやら「犬派とネコ派」、「きのこの山派とたけのこの里派」のように、世間を二分する(?)大きな派閥のようです。

獲れるエリアが大きく影響するようで、東北の人はイカ、九州や関西の人はタコをより好むようですが、ここは九州だけどイカ・・・。
あまり関係ないかなと思いながらも、周囲に聞くと、やはり出身地方で好みが分かれるような気がします。

私はどちらが好きかといわれると、考えてしまいます。
だって、どちらも好きだからー。犬もネコも好きだしー。
こういうタイプが「日和見主義」と一番嫌われるパターンですね。
でも、たけのこの里よりきのこの山の方が好きですよ!

● 夕子ならぬ二タ子

「夕子」なら、京都の八つ橋ですが、「二タ子」と書いて「ふたご」と読むバス停を通りました。
漢数字とカタカナと漢字のミックス!

岩手県八幡平市にも、同じ地名があるそうです。


● 関東風ラーメン

道の途中に「関東風ラーメン 各種」と書かれた看板のお店がありました。
ビックリして、目が吸い寄せられました。
ざっくり一つにまとめられてる!


大きな意味で、しょうゆ味とかそういうことなんでしょうか?
九州の人からしたら、ひとくくりにできちゃうんでしょうね。
スティングの「Englishman in NY」を思い出します。
それからしばらく、あの歌が脳内を流れていました。

⇒日記blog『関東風ラーメン~九州の関東女』

● 運転手の声掛け

唐津に戻ってきました。唐津バスセンターでは、バスが到着すると、運ちゃんがわざわざ降りてきて「●●行きです」と声をかけてくれます。
なんてジェントルマンなんでしょう。
逆にバスが到着しても、運ちゃんの声がかかるまではバスには乗れないという、暗黙のルールができています。
関係者のだれもが、節度ある行動をとっています。

● 唐津散策

町の散策に繰り出します。
まずは唐津神社へ。唐津といえば「くんち」が有名ですが、あれはこの神社のお祭りです。


大きな白い鳥居が青空を背景に立っていて、見上げるとまぶしいほど。
由緒正しい立派な造りでした。


くんちで町中を練り歩く、各町の「曳山囃子(ひきやまばやし)」の絵が描かれた巨大な絵馬。
この赤い魚が可愛くてお気に入りです。
前に、土地の人に「あの金魚、いいね」といったら、「鯛だよ!!」とツッコミ入れられたことがありました。


「今日は過ごしやすくていい天気ね。昨日は大変だったけど」という声を、呼子でもここでも聞きます。
昨日の北九州地方は雨だったよう。
たしかにいい天気。日差しはまぶしいですが、そんなに暑くなく、動くのにちょうどいい気候です。



海の方に行ってみると、きれいな砂浜が広がっていました。
お城の方に歩いて行くと、松林がありました。


唐津のマンホールも、松がデザインされています。
さらにお城の向こう側には、日本三大松原の中でも一番広大な「虹の松原」が広がっています。
残りのふたつは、静岡県清水の「三保の松原」と、福井県敦賀市の「気比の松原」。

 

● 唐津城

ここから、お城に向かいます。
天守閣にはエレベーターもありますが、ここは石段を歩いて行きます。


● 唐津のユーリ!

私のかなり前方には、白いふわふわのワンピースと華奢なサンダル姿の女性が、石段を登っていきます。
かわいらしい格好ですが、お城に上がるにはちょっと大変そう。
途中の見晴らし台でその人に追いつきました。
カメラを構えた年配の男性が「じゃあここで写真を撮りましょう。ユーリファンはみんなこちらを向いたポーズを取りますよ」と言います。
彼女は、言われたとおりのポーズで、何枚も撮影してもらっていました。


見晴らし台からの光景


唐津神社に奉納された絵馬には、イラストが描かれたものが多かったので、近寄って見てみたら、「ユーリ!!! on ICE」のものばかり。
あの作品は唐津が舞台なのかな?と思っていたところです。(どうやらそのようですね)

私の友人にも、男性女性ともにユーリファンがいます。
男性は「これで女性の萌えを知った」と言っているし、女性は世界にどっぷり浸かっています。
私も観てみようかなあと思いながらも、なんだか勇気が出ず(?)この作品のことは知りません。
タイトルから外国人の話かと思っていましたが、日本が舞台なのかしらね?


近くには、「ユーリがこの石段で特訓をした」というパネルがかかっています。
お城をあげてのユーリ企画のよう。
それならファンは、よそ行きの服を着て記念撮影のためにがんばって登りますよね~。

 
白いワンピースの女性も聖地巡礼中のユーリファンで、おじさんは知り合いなのかガイドをかって出たのか、まあユーリ作品に詳しい人(?)なのでしょう。
双方の希望が一致したということなら、もちろん何も問題はありません。

● 川にかかる橋々

突然降ってわいたユーリのインパクトで、今どこにいるのか一瞬忘れかけましたが、お城の天守閣は美しい形をしていました。
海沿いなので、眼下に広がる景色がきれいです。

唐津城のそばには、早稲田大学系列の早稲田佐賀中学校・高等学校学校がありました。
ここは大隈重信の出身地なので、早稲田大学のOBが創設したそうです。


お城を降りて、川沿いに歩きます。
架かっている橋は、どれも雰囲気のいいものばかり。
この町は、観光と保存についてわかっていますね。


広島の錦帯橋のような、カーブを描いた橋を見つけて、そこまで行ってみました。
もちろん、歩いてみます。
やはり橋は見るだけでなく、通らないとね。


● 明和電機と辰野金吾

バスセンターに戻る途中で、重厚な旧唐津銀行銀行の建物を見かけました。
写真を撮っていると、中から出てきた係の人に「お時間合ったら、見学しませんか?」と言っていただきました。


この方にお誘いしていただきました


ところがバスの時間が近づいていたため、「残念ながら時間がないんです。すみません」とお断りします。
建物の前には二人の人物像があり、なにやら持っているものが、元吉本興業の電機メーカーパフォーマー、明和電機みたいだなあと思います。


明和電機

近寄ってみたら、東京駅の設計者、辰野金吾氏でした。
アート・ユニットじゃなくて日本近代建築の父だったんですね!


建築家・曽禰達蔵(左)と辰野金吾(右)

彼は唐津出身で、この旧唐津銀行の設計も行ったとのことです。
没後100年を記念して、今年の春に落成式が行われたばかりの、まだ新しい銅像だそうです。

● 博多へリターン

さて、バスに乗り、ふたたび博多に戻ります。
ただ、これから行きたいのは長崎なので、博多は逆方向。
唐津まで来たので、そこから伊万里や佐世保、もしくは佐賀や嬉野経由で長崎に行ければいいと思いましたが、調べてみてもちょうどいいバスがありません。
結局いったん福岡に戻り、そこから長崎に向かうことになりました。

またバスに揺られて眠っていきます。
博多駅前の大通りの街路樹も、フェニックス(パームツリー?違いが判らない~)でした。
博多には、ヤシの木が並んでいるイメージはなかったので、なんだか意外。
宮崎だけじゃなく福岡も南国なんですね。

その2に続きます。

◆ 初夏の九州・南に北に index ◆

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