その1からの続きです。
● バス越しの博多
博多に戻ってきましたが、今回、町には繰り出しません。バスの中から見るだけです。
中洲の辺りを通ります。
祇園関蕎麦の、東長寺の前も通りました。
九州一大きな大仏様がいるお寺で、前に訪れたことがあります。
博多バスターミナルでバスを降りました。
到着が少し遅れたため、長崎行きバスへの乗り換え時間は20分ほど。
駅前なのでビル全体が人でごった返しており、どこになにがあるのかわかりません。
館内地図を探して、せまいエスカレーターを上り下りし、1階と2階をうろうろ。
案内所を見つけて聞くと、3階が受付だとわかったので、上ります。
バスターミナルの受付はみどりの窓口のように大きく、行列ができていました。
すでに長崎行きバスの予約は取っていたものの、受付で座席券を出してもらわなくてはなりません。
初めての段取りなので、ちょっと緊張。
時間を気にしながら順番を待ちました。間に合ってひと安心。
● 山の神行き
ようやく落ち着いて、ほかの行き先を眺めていたら「山の神」行きがありました。
なにそれ、気になる地名ー!
箱根駅伝の選手しか思い出せません。
地図で探してみると、12キロほど離れた糟屋郡(かすやぐん)にある場所で、近くには古墳もあるようです。
● 九州号
福岡と長崎を結ぶ「九州号」というバスに乗車し、13時16分に出発。
中は空いています。席にコンセントが着いており、充電できます。
そういえば、九州のバスはJRのようにデザイン性に優れていると聞いたことがあります。
昨日・今日と乗ったバスは、確かにどれも外見も内装もひと味違っていたような気がします。
ココウォーク
道中はやっぱり寝ていき、到着時間近くなって目を覚ました時には、もう長崎市内に入っていした。
ビルの上で回る、みらい長崎ココウォークの観覧車を見上げます。
● 長崎市内観光
15時49分に到着後、まずは駅前の観光案内所に行きました。
駅前には、色とりどりのアジサイが正方形に並べられていました。
美しい、この季節の彩です。
長崎は市電が便利で、観光地には市電のアクセスが紹介されていますが、私が持っているのはバスのフリーパス。
マップにバスを使ったルートが書かれていないため、観光案内所でバスでの周り方を聞きます。
案内所の人は、バス停や系統番号をすらすら言いながら、地図に書き込んでくれますが、ちょっとややこしそう。
いろいろ教えてもらったものの、系統によって降りるバス停も違うため、とても全部は把握できません。
覚えられないなら実践あるのみ、と行ってみることにします。
やってきた30系統に乗ってみたものの、降りるバス停がわからず、過ぎ行く町の景色と地図を交互ににらめっこ。
そのうち「グラバー園入り口」のバス停のアナウンスがあったので、そこで下車します。
わかりやすいバス停で、助かりました。
● 旧香港上海銀行長崎支店
バス停近くに建っていた、国指定重要文化財の、旧香港上海銀行長崎支店。
香港上海銀行といっても、イギリスの銀行で、巨大な金融グループ、HSBCホールディングスの前身です。
建築家、下田菊太郎が設計した唯一現存する遺構で、明治37年(1904)に竣工し、第二次世界大戦前まで営業していました。
建物の前を、隣の消防署の消防士さんたちがダッシュ&ターンしていました。
ここから、両側にお土産屋さんが並ぶグラバー通りの坂を上っていきます。
● グラバー坂
坂の途中に大浦天主堂があります。
青空に映えて、絵葉書のような美しさでした。
さらに坂を上り、向かったグラバー邸には、花咲き乱れる9棟の洋館がありました。
帰り道は下りなので、楽々。
坂の途中にある、すてきな雰囲気の洋館は、祈りの丘 絵本美術館。
ちょうど一日前の6月15日に、開館20周年を迎えたそうです。
建物の外壁に見える「あすはきっと」の絵本を抱えた少年と子ぐまが語り合うブロンズ像のかわいらしさ。
坂を下った先には、まっすぐ海が見えます。
とってもロマンチックな坂ですね。
横浜だと紅葉坂になるでしょうか?うーん、ここより情緒が足りないなあ。。。
● ボウリング発祥の地
長崎に来たら、本場のちゃんぽんを食べたいものです。
オランダ坂まで足を延ばして、ちゃんぽん発祥の「四海樓」に向かいましたが、準備中の時間で開いておらず、断念。
グラバー通りの坂の途中と、四海樓の前には「日本ボウリング発祥の地」の碑がありました。
オランダ坂のオランダ人が持ち込んだのかしら?
幕末の文久元年5月15日(新暦1861年6月22日)に、長崎の大浦居留地に日本初のボウリング場がオープンしました。
それを記念して、6月22日は『ボウリングの日』になっているそうです。おお、あと6日後ね。
● 長崎バスは難しい
再びバスに乗りました。次はめがね橋に行きたいのですが、行き方がはっきりわかりません。
中央橋バス停で県営バスに乗り換えるとのことですが、今乗っているバスは県営じゃないの?
ラッピングバスが多いので、バスの見分け方のコツがわからず、目の前まで来てもおろおろ。
行き先が正しいのかわからないため、何本か見送りましたが、このままでは日が暮れてしまいます。
とにかく乗ってみることにして、バスの運転手に聞くと「めがね橋というバス停はなくて、どこで降りても遠いねえ。路面電車ならすぐだけど」とのこと。
ああ、やはりこの町は路面電車がメインなのね。
運ちゃんに教えてもらった市役所前のバス停で降りて、歩くことにします。
行き方を詳しく教えてくれた運ちゃん。とても助かりました。
市内の地図が頭の中に入っているんでしょうね。
● ねこ雑貨店
長崎の猫雑貨というお店を見かけました。
壁に「曲がったことが大好き。」と書かれています。
いいですね。私もよ!
店内はネコ雑貨だらけ。猫好きにはたまらないお店です。
幸運を呼ぶと言われる尾曲がりネコグッズがたくさんありました。
狙ったのかたまたまなのか、このお店のある辺りが「魚の町」という地名なのも、いいです。
さっき福岡で見つけたのは「山の神」、ここ長崎では「魚の町」。
地名に「の」が入るなんて、独特ですね。
● めがね橋とアジサイ
めがね橋はとても美しい橋でした。
すてき。絵になるわ~。
日本の石橋といったら、やっぱりこれですね!
橋好きとして、ここに来られて感無量です。
九州では、諫早の眼鏡橋と、熊本の通潤橋もいつか見に行きたいなあ。
長崎はアジサイが有名なのか、ずらりとアジサイが咲き誇っていて、さらにきれい。
いい橋をたくさん渡れて、今日はハッピーな日です。
さて、お次は中華街に行きたいところ。まだちゃんぽんを食べていません。
川に沿って歩いて行く途中で、中央橋のバス停を見つけて、バス停一つ分だけ乗りました。
フリーパスを持っていると、気軽にふらり乗車ができます。
● 新地中華街
新地中華街にやってきました。
北の玄武門の前では、中国人観光客団体がしきりに写真を撮っていました。
横浜中華街でも、数多く見かける中国人観光客。
彼らは異国の中華料理を食べて、どう思うのでしょうか。
前に、サンパウロのリトルトーキョーを訪れたことがあります。
日本っぽいけれど、完全に日本とは違う場所でした。
中国人観光客も、同じように感じているのでしょうか。
横浜中華街、南京町中華街とともに日本三大中華街の一つ、長崎新地中華街。
ただ横浜とは規模もにぎやかさも違って、なんだかちょっと寂しい感じもします。
● 本場のちゃんぽん
玄武門すぐのところの会楽園に入りました。創業91年の老舗です。
門構えが立派なので多少足が引けますが、横浜中華街になじんだ身として、後ずさってはなりません。
ちゃんぽんを食べるミッションを遂行すべく、いざ入らん!
入口を護るのは、兵馬俑を連想させる神馬たち
もちろん、ちゃんぽんをオーダーします。
あつあつの作り立てがやってきました。
旅行中は野菜分が不足するので、ここでチャージ。
本場のちゃんぽんを、おいしくいただきました。
コクがありながら、くどくない食べやすさ。ちくわも入っているのが独特ですね。
● いまの出島
さて、おなかも満たされたので、次は出島に行くことにします。
長崎といえば出島と歴史で習いました。
昔の地図の、ぴょっこり出っ張った扇形の人工島の絵を見るたびに(いつか行ってみたい)と思っていました。
でも、今はどうなっているんでしょうね?
とっくの昔に鎖国は解消されましたが、まだ残っているのでしょうか?
・・・
結論としては、ありました。
でも、もうかつての出島の形ではありませんでした。
それから埋め立てられて、ずいぶん内地に入り込んでおり、もはや島ですらありませんでした。
明治期に出島は埋め立てられて消滅したそうですが、今から60年ほど前に市がこのエリアを復元したそうです。
つまりここは、蘇った出島なんですね。
今では特別地区として16棟の建物が復元され、オランダ商館員の住居などが保存されています。
ただもう閉館時間を過ぎていたため、外から石塀越しに見学。
出島のメインゲート、水門
奥の建物は一番船船頭部屋で、オランダ船(一番船)船長や商館員の居宅として使用されていました。
ヘトル部屋
オランダ商館の商館長次席(ヘトル)の住居。
今は総合案内所やミュージアムショップになっています。
木造の旧出島神学校
明治11(1878)年築の、現存する日本最古のプロテスタント神学校、旧出島神学校。
現在は、出島史料館です。
水際ではなく、陸地に入り込んでいる場所ですが、かつては港の玄関口だったんですね。
明治以降もさらに埋め立てが進んだためでしょう。
今のウォーターフロントとなる海沿いには「出島ワーフ」という複合商業施設ができていました。
● 博多駅の電車と人々
出島からバスで長崎駅まで戻りました。
JR九州の電車は、デザイン性が高いんだっけと思い出して、駅に停車中の電車を眺めます。
長崎と博多を結ぶ特急「かもめ」が停まっていました(右側)。安定の水戸岡鋭治デザインです。
駅のコンコースではビアガーデンを開催中。
夕暮れ時、人々が集い、ジョッキを掲げて、にぎやかに乾杯していました。
● ふたたび九州号
バスセンターから福岡行きの九州号に乗ります。
行きは空いていましたが、夕方便は全て満席。
週末を長崎で過ごし、日曜夜に福岡に戻る人が多いんでしょうか。
いい天気だったので、夕方の空もキレイ。
丸い月が見えました。
またもやすぐに眠りに落ち、あっという間に天神へ。
朝と同じ場所に戻ってきました。日曜日の夕刻だからか、待合室は人でびっしりでした。
● NIVEAさん?
高速バスの座席券を出してもらう時に、親切に対応してくれた受付の方が「仁部屋」さんという人でした。
初めての名前です。これまで「仁」を使う苗字は「仁科」さんしか知りません。
九州の名前なのかしら。
にんべや?にべや?NIVEA?
・・・ワクワクしながら後で調べたら、正解は「にぶや」さんでした!
へえ~!
● ハブシティ福岡
ふたたびの到着となった福岡ですが、あくまで乗り継ぎが目的で、観光するどころか、一歩も町に繰り出していません。
これまでも割と訪れている町なので、今回はパス。
ハブシティとして、今日は活用させてもらいました。
● 桜島号
この日最後のバスは、19時発の鹿児島行き「桜島号」。
またもや寝ていきます。バスに乗ると、寝てばかりの私。
まあ、もう外は暗いので、起きていても景色を眺めることはできませんでしたが。
23時40分ごろに鹿児島中央駅に到着。
駅前ホテルにチェックインし、2日目が終わりました。
3日目に続きます。
◆ 初夏の九州・南に北に index ◆
<script type="text/javascript" src="chrome-extension://hhojmcideegachlhfgfdhailpfhgknjm/web_accessible_resources/index.js"></script>