風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

01. prologue

2010-11-30 | 近畿(京都・滋賀)

去年、京都一人旅を2回した時、京都好きの親に写真を見せるだけだったので、今年は両親をご招待して一緒に京都の秋を楽しむことにしました。

旅程を調べたり留守中の仕事を片づけたりしていたら、出発前の2日間は4時間睡眠が続いて、当日朝はフラフラ。
6時の新幹線に乗るため、4時半に起きました。
新横浜へ向かう電車の中で親と合流します。
まだ外は真っ暗。

泥のように眠くて、もそもそとホームで買ったお弁当を食べてから、道中寝て行きました。
途中、朝日が見えたり、富士山のところを通った時に、ちょこちょこ親に起こしてもらいながら。
きれいな朝日を見て、一日天気がよさそうだと期待感が高まります。



今回は、お寺の宿坊に泊まってみることにしました。
NHK教育の『とっておきの宿坊を楽しむ!』を観て、いっぺん泊まってみたいと思っていましたが、一人旅にはなかなか敷居が高かったのです。
京都ではホテル泊しかしたことがないという親も、楽しみにしているようです。
期間は、2010年11月30日~12月2日まで。私はそのまま残って、5日に帰宅する予定です。


02. 1st day- 東寺

2010-11-30 | 近畿(京都・滋賀)

8時に京都着。この日泊まる東寺の宿坊に荷物を預け、まずは参拝します。



朝の、人の少ない静かな時。
「立体曼陀羅」に一年ぶりに再会しました。やはり何度見ても素晴らしい。



朝日を受ける五重塔の前にも行きました。
内部には入れませんが、ちょうどプロカメラマンの撮影が行われていたようで、少しあいた扉のすきまから、金色の仏像(如来様?)が見えました。
邪鬼大好きの私は、さっそく五重塔の屋根の下にいる邪鬼を発見。



だいたいは、四天王にぐいぐい踏まれている邪鬼ですが、ここでは塔の屋根を支えています。
「邪鬼=天邪鬼=あまのじゃく、ということで、反発する力で屋根を支える」というシャレが入っているそうです。



すかしのように菊の文様が入っている、優美な勅使門。美しいです。
お寺のお堀にシラサギがいました。去年もいましたが、今年は悠々と翼を広げて空を飛んでいるのを見かけました。
あまりの美しさに、カメラを構えるのを忘れて見入りました。


03. 京都御所

2010-11-30 | 近畿(京都・滋賀)

それから京都御所へ向かいました。
京都御苑の中を通っていきます。雲ひとつない抜けるような青空には、飛行機雲が何筋も描かれていました。




木漏れ日を受けて輝く紅葉やイチョウがきれいで、父までもがもみじの妖精のように見えてしまいました(笑)。
それにしても、御所ってどうして、石砂利が敷き詰められているんでしょう。
ゆっくり歩くためでしょうか?乳母車を引いている人が大変そうでした。
私達も足を取られて、なかなか苦心しながら歩いて行きました。

11時からの見学に参加します。和装のカップルもいて、とても素敵。
やはり京都には、和服が似合いますね。



去年参加した時のガイドさんとは別人で、解説も少しずつ違ったりしたので、初めて見学をする両親に、こそこそ補足をしながら巡って行きました。
「紫宸殿」(ししんでん)の前庭にある、「左近の桜」が工事中の柵に囲まれていたのが残念。
天皇・皇后と皇太子とでは、入る門が違うというのがなんだかすごいです。親子なのに。
でも、私は天皇用の「建礼門」よりも皇太子用の「建春門」の方が好きでした。

途中で屋根の色が変わっているところがあり、「檜皮茸(ひわだぶき)の屋根をふく予算が、今年度分はあそこまでだったので、作業が停まっております」と説明をしてもらいました。
どこも、皇居でさえ、やはり予算のやりくりは大変なのねー。ふー。

かつては天皇一家が暮らしていた御所。日々の生活においてここからまず出ることが無いのだと聞いた見学者は、口々に「不便ねー」「飽きちゃいそうねー」と囁き合います。確かに息がつまりそう。
やっぱり、普通の生活が一番だわ。
1時間コースを終えて、御苑でお昼を取り、それから金戒光明寺へ向かいました。

 


04. バスの中で(根岸博士と父)

2010-11-30 | 近畿(京都・滋賀)

光明寺に向かうバスの中のことです。
座っている両親の反対側の席があいたので、そこに座ったら、私の後ろに座った初老の男性から「あの、すみません」と声をかけられました。

何だろうと思ったら、「ノーベル賞の方ですか?」と聞かました。
あまりに唐突だったので、意味が頭に届かず「ハ?」と、何回も聞き直してしまいました。
(わ、私が?どうしたの、この人、大丈夫かしら)と思いましたが、よくよく聞けば「今お話していた方は、先日ノーベル賞を受賞された方ではないですか?」という質問で、なぜにそんなことを聞かれたのかさっぱり分からないままに、「いいえ、違います」と答えました。

「変なことをお伺いして、すみません」とその人は礼儀正しくお詫びをして、バスを降りていきましたが、私が話をしていた相手は両親。一体父のことか母のことかもわかりません。
今年の受賞者は、2名とも男性だったから、やっぱり父のことかしら…。

あとでその話をしたら、母が「それなら、アメリカの大学教授の方が似ているのかもね」と言いました。
後で調べてみました。米パデュー大特別教授の根岸英一氏です。
確かに、言われてみれば、父と似ていなくもありません。
もうちょっと父が老けて、偉いオーラをまとったら、かなり近い感じになりそう。
まあ、身近すぎて全く気がつきませんでした。父もありがたい人に間違えられたものです。

肝心の父は、高尚な勘違いをされていた時に「おっさんに娘がナンパされてる!」とにらみつけていたそうなので、中身はぜーんぜん違いますけどね(笑)
画像は、御所・清所門前のセンダン。黄色い実が青空に映えていました。



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後でその話をしたら、父がその気になっちゃって「京都で哲学の道を歩いたからかな♪」とか言っていました。
お父さん・・・根岸博士は化学者で、哲学者じゃないのよ・・・(笑)。


05. 金戒光明寺

2010-11-30 | 近畿(京都・滋賀)

金戒光明寺は今年の「そうだ 京都、行こう」の場所。まだ行ったことが無いという母のリクエストです。
ここの山門はとても大きく、立派で見事です。








参拝客でごった返していましたが、紅葉はもう散りぎわで、紅葉の数もそれほどありませんでした。
どうもCMを見て、期待しすぎてしまっていたようで、みんなで「あれ?」と少しがっかりしました。
庭園の紅葉ももう終わりかもと思い、中には入らず、隣の真如堂へと行きました。
光明寺の墓地を抜けて行ったら、ここには、来年の大河ドラマの「お江」のお墓があるそうで、ツアー団体客が大勢訪れていました。
光明寺にも文殊塔という三重塔があることに、気がつきました。

○ YouTube「そうだ 京都、行こう 2010年秋 金戒光明寺」