風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

にこたま・立春・地下巡り index

2017-06-30 | 東京
[2017.2.4]



◆ 二子玉川 1 ←旅行記へ
 立春の日、友人と二子玉川(にこたま)に行きました。
 おめあてのふわふわオムライスを食べてから、旧暦の初詣でをすることに。
 古いお寺の地下霊場に、おそるおそる入っていきました。
  ● prologue ● 多摩川ウォーキング ● ビストロタマ
  ● 倶楽部活動中 ● 立春からの手帳 ● 旧暦の初詣で
  ● 古刹・玉川大師 ● いよいよアンダーグラウンドへ



◆ 二子玉川 2
 先の見えない真っ暗な地下霊場を、そろそろと歩き始めました。
 永遠に続くかと思われた長い道のりを経て、こわがりながら無事生還。
 おしゃれタウン二子玉川の、ディープゾーンを堪能できました。
  ● 暗く続く地下霊場 ● 地表生還 ● お茶タイム
  ● ありがたいお言葉 ● 山の中腹の神社 ● ガーデンアイランド
  ● 夕焼け富士山 ● epilogue




にこたま・立春・地下巡り 2

2017-06-30 | 東京
その1からの続きです。

● 暗く続く地下霊場

堂内を一巡して、心を固めて、いよいよ地下霊場へ向かいました。
一歩一歩階段を下っていくと、地下5mの場所に広がるのは暗黒世界。
真っ暗で、ダークサイドに堕ちた気分です。

これまで京都・清水寺や長野・善光寺で戒壇巡りをしていることだし、まあ大丈夫だろうと思っていましたが、そうした著名すぎる場所にはない、謎の恐怖感がひしひしと押し寄せます。
怖さの余り、キャーキャー言いたいのですが、暗闇の中に何が潜んでいるのかわからないため、息を殺して、壁伝いにそろそろと進んでいくしかありません。
壁に触れた手と床に触れた足の感触だけが頼り。見えないために触感に集中し、壁はコンクリート造りだとわかります。
でも通路は平坦ではなく、微妙に起伏があるため、不安定で身体がぐらつきます。

道はとっても細く、右手で壁をさぐりながら進んでいく時に、左手も反対側の壁に当たったりします。
大柄の人は、横歩きをしないと進めなさそう。
地下にいる間は巡礼中なので「南無大師遍照金剛」と唱え続けるべしと決められていますが、地下に降りた時点で、そんな冷静さは二人とも頭から飛んでしまいました。
もう、それどころではありません。
息詰まる緊張が少しほぐれてきた頃に、目も暗闇に慣れて、ぼんやりと辺りが見えてきました。


画像は二子玉川の地域ポータルサイト 二子玉くん「玉川大師玉眞院」より


両側にずらりと石仏が並んでいます。
壁画が施された壁に、涅槃仏や烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)、干支の守護仏といった、おびただしい数の仏像群。
全部で約300体ほどいるという石仏の前を、ひたひたと通っていきます。
道はくねくねと折れ曲がり、広い空間になると、四国八十八ヶ所霊場や西国三十三観音霊場の石仏が飾られています。

霊場内は聖域のため、撮影は禁止。明かりも禁止。
仏像がある場所にのみ、明かりが置かれています。
明るくなると、なんとなく空気が白く見えるのは、線香の煙でしょうか。
行けども行けども続く地下霊場。
以前、長く感じた善光寺の戒壇巡りは、全長45m。
ここ玉川大師は、善光寺の倍以上の100mあるそうです。

さらにここは、直線よりもカーブが多く、アップダウンもあるため、どうなっているのかさっぱりわかりません。
今どこにいるのか判らなくなり、自分も石仏になって、このまま永遠に地下から出られないのかと震えたりもします。

真っ暗闇の中、そろそろと歩みを進めるため、少しの距離にも長い時間がかかります。
わずかな光を見つけると、ありがた~く感じます。
お日様、ありがとう。



巨大な銅鑼(どら)を鳴らします。
ゴ~ン!地表へ帰らせて~。

● 地表生還

階段を上がってようやく地上の堂内に戻ってきた後は、帰ってこれたことに安心しながらも、呆然自失状態。
しばらくの間は頭も身体も動けませんでした。

ここを巡ることで四国の遍路と西国観音巡礼をしたのと同じご利益を得られるといいます。
アコリンは実際に四国の遍路をしたことがあり、私は西国観音の巡礼中。
2人ともに、達成感がありました。

本堂で護摩木を奉納するアコリン。
柱には、観音経の一字一字を小さな米粒に書き並べたものが飾られています。
お大師様のお寺に、ガネーシャ様がいました。もう怖いものなしって感じですね。



境内には5mもの巨大な修行大師の像がありました。
大きすぎて写真には入りきらず、撮影は断念。
白梅がちょうど見ごろでした。



● お茶タイム

呆然としたまま、お茶をして気持ちをなだめることにします。
まだビクビクしており、いただいたお寺のパンフレットの表紙もなんだか怖く見えてしまいます。



いいお顔の仏像なんですが。モノクロだから?
気を取り直して中を開いても、やっぱりこわいパンフ。
この古い感じが・・・。



アコリンが高層階のおしゃれオムライス屋さんを紹介してくれたあとで、私が連れて行ったのはアングラな地下霊場。
あまりに違いすぎます。高低差はどのくらいあったでしょうか。

でも彼女は、単なるオサレ女子ではありません。
彼女とは前に一緒に、田谷の洞窟に出かけたことがあります。→(「紫陽花の鎌倉散策 2-(1)」
ロウソクを持って入るその場所も、かなり勇気がいる場所だったので、もはやお互い、免疫のついた洞窟仲間。
彼女とだからいっしょに行けた感じです。

引越ししたての彼女は「新しい部屋は冬にあまり日光が入らないの」とこぼしていたものの「あそこまで暗闇の中にいると、かすかな光でもとてもありがたく思えるわ」と言うようになっていました。
前向きコメント!もぐった甲斐がありましたね。

● ありがたいお言葉

地下霊場の後は、山の上の神社を参拝。
お茶をして、いったん落ち着いてから、今度は坂を上っていきました。
途中の日蓮宗寺院の入り口に貼られていたお言葉。



ちなみに五尺とは約151,5cmです。ちょっと小柄ね。
いやいや、ありがたや~。

● 山の中腹の神社

次に訪れたのは、明治期に建てられた瀬田玉川神社。
伊勢神社系の太陽の神さまです。
さっき、地下でお日様のありがたみを噛みしめたところでした。



先ほどの地下とはうって変わって、とても見晴らしがいい小高い場所にやってきました。



拝殿前には大きな酉の絵馬が飾られていました。
狛犬が3対あり、2体は新しいものでしたが、拝殿に一番近い3体目が古かったので、喜びます。
甘えている子犬がかわいい~。



手水舎が蓋付きでした。このタイプは初めてです。
水が汚れずに済みますね。



● ガーデンアイランド

ふたたび先ほどの多摩川大師の前を通り、今度は玉川高島屋S.C ガーデンアイランドの前にやってきました。
「ちょっと入ってみていい?」とアコリン。
前に来たことがあるそうです。



「長いスノーブーツを探していて」と、アウトドアショップの好日山荘に入りました。
そういえば彼女は山ガール。
でもロングのものはありませんでした。
いったい、どんな雪山登山をするつもりだったんでしょうか。

新しい家に緑を増やしたい彼女と、最上階にある園芸コーナーにも行きました。
すてきなオープンデッキになっていましたが、庭の池には不気味な魚のモチーフが。
これいったい、誰の好み?



● 夕焼け富士山

そろそろ駅に戻ろうかと振り返ったとき、夕焼けがとてもきれいに見えました。
「ねえ、夕陽のそばに見えるのって、富士山?」
「ほんとだ!きれいだね~!」
さっそく撮影会。撮っている最中も、どんどん陽の色は変わっていきます。
冬の夕日ってきれいですね。いいタイミングで見られました。



それから玉川高島屋の専用シャトルバスに乗り、にぎやかな駅前に戻りました。
でもなんとなくまだ、非日常を体験した興奮冷めやらず状態が続いています。
そこで、自由が丘まで2人でのんびり歩いて帰ることにしました。

駅前の二子玉川公園にできた、丘の上のスタバ。
絵になるわ~。



● epilogue

いろいろな体験ができた、楽しい立春の日。
横浜駅周辺をうろうろした先週(←「市場とカフェと教会へ」)に引き続き、また冒険めいた散策ができました。
オハイソなおしゃれタウン・二子玉川に、こんなディープな場所が存在していたなんて、思いもよらないことでした。
またこんな近場再発見の休日を送りたいものです。




にこたま・立春・地下巡り 1

2017-06-29 | 東京
● prologue

2月4日は立春。陰の気が、陽の気に変わるスタート日です。
友人アコリンと会うことになり、「休日に会うのなら、久しぶりにレッツ・オムライス倶楽部しようよ」ということになりました。
2人で「レッツオムライス倶楽部」を立ち上げて、都内近隣のおいしいオムライス情報を聞いては、いそいそ食べに行っている私たち。
オムライスって、いろいろな作り方があって、それはもう奥が深いんですよ~。
今回、彼女がいいお店情報を仕入れたということで、二子玉川(ふたこたまがわ)にクラブ活動をしに、出かけました。

● 多摩川ウォーキング

東京を流れる多摩川沿いに、多摩川駅という駅があります。
空高く天気の良い冬の日。古墳の並ぶ多摩川台公園をぬけて、川沿いにテクテク歩いていきました。
電車だと多摩川駅から二子玉川駅まで、10分ちょっとで着きますが、徒歩ではちょうど1時間かかりました。



二子玉川駅前でアコリンと待ち合わせ。今年はじめて会う彼女に、ここまで歩いてきたと話すと、驚かれました。

● ビストロタマ

目指すお店は、ビストロタマ
行列必至の混んでいる人気店だと聞いていたので、開店と同時に入ります。

オムライスだけでも何種類もありました。どれにしようかな~♪♪



店内には、長~いバウムクーヘンが周っていました。
わあ、すごい。あんなの、とても食べきれないわ。
ちなみにお値段は7万円ナリだそうです。



窓の外には、多摩川と駅。
のんびりしていて、休日ですねえ。



まずはサラダ。野菜と一緒に、バウムクーヘンがお皿に載っています。
タマクーヘンという、100%玄米でできた、オリジナルのクーヘンだそうです。



● 倶楽部活動中

そして、メインのご登場。
フランスのモンサンミッシェルの前にあるお店の手法で作り上げたオムレツは、ふわっふわとろっとろ。
絵になるわ~。



頼んだのは、きのこのオムライス。
おいし~い!
もう、ふわっふわのはふはふですよ!



デザートにも、再びタマクーヘンが出てきました。
このお店のメインだそうです。



● 立春からの手帳

食後は、下の階にあるLOFTに行きました。
手帳コーナーに向かうアコリン。
私は前の年のうちに、新しい手帳は用意しておくタイプなので(え、これから買うの?)と不思議に思いますが、この日は旧暦上では1年のスタートとなる立春。
そのためか、大勢の人たちがいました。

● 旧暦の初詣で

「立春の日なら、気持ちも新たに寺社にお参りしよう」ということになりました。
近くにどんな寺社があるのか、探してみます。

玉川神社のそばに、玉眞院(ぎょくしんいん)というお寺があると知りました。
玉川大師と呼ばれているそうです。
川崎大師なら知っていますが、玉川にもお大師様ゆかりのお寺があったとは。

空海好きのアコリンに話すと、「行ったことないわ」と興味津々。
「そこに、地下霊場があるみたい」
「え、なにそれ?」
ネット検索すると「怖い」「恐怖」の声が続々と載っていました。

● 古刹・玉川大師

地下霊場って、いったいどんなところなんでしょう。
「怖いよ~」とおじけづくアコリンをなだめながらお寺へと向かいました。
オサレカフェでオムライスを食べたあと、なぜかアンダーグラウンドな地下霊場へと向かう私たち(笑)。



到着すると、思ったよりも参拝客は多く、お寺は混雑していました。
境内の駐車場がいっぱいで、入れない車もあります。
「この辺の人はおハイソだからか、いい車ばっかり~」
さすがは車好きのアコリンです。



自分が率先して彼女を連れてきましたが、実際来てみると、やっぱりこわいです。
地下霊場という言葉が恐怖。
「響きだけだと、地下のご令嬢みたい」「それはそれで、閉じ込められているようでこわいからよしてー」



靴を脱いで、お寺の中に上がりました。
かなりの古刹で、中はどこを見ても線香の煙ですすけています。



お寺自体、ものすごく雰囲気がありますが、参拝者が多いので、怖さはさほど感じません。
立春だから、大勢の人がお参りしに来くるのでしょうか?

● いよいよアンダーグラウンドへ

内陣にあるご本尊には紐がついており、人々はその紐のはしを握って、ご本尊の前で長いお祈りをしています。
一見、普通の古寺ですが、やっぱり地下霊場があることが、あちこちに書かれています。



本堂の仏像を全部拝観し終わり、いよいよ勇気を出す時がやってきました。
地下霊場への入口はここから。真っ暗で先がなんにも見えません。
覗き込むと、下から冷気が上がってきて、ひやりとします。
なんだか、埋葬されに、自分からお墓に入っていくような気分。
子供なら、恐怖のあまり、泣き出すレベルです。



地下に入る時には、ゴムスリッパを履きます。
なにかが起こったとしても、これじゃあ逃げられないわ~。
でも、お寺ではお寺のルールに従わなくてはいけません。
大きなスリッパが脱げないように気をつけながら、おそるおそる、階段を下りていきました。

その2に続きます。


神戸リンリンサイクルめぐり index

2017-06-27 | 近畿(兵庫・大阪)
[2017.1.30-1.31]

◆ 神戸 1-(1)
 神戸に出かけました。近江付近近江付近の本格的な雪景色を見てびっくり。
 ひと駅分でしたが、念願の新幹線さくらに乗って、大喜び。
 宿で自転車を借りて、市内観光に繰り出しました。
  ● prologue ● またもや富士山見えず ● 浜名湖と近江の雪
  ● 初めてのさくら ● 初めての新神戸 ● 開港150年記念
  ● シティレンタサイクル ● 生田神社 ● 大きな教会
  ● 湊川神社 ● 神戸駅・横浜駅 ● 東西キリン像



◆ 神戸 1-(2)
 神戸の港で出航を見送りました。ハーバーランドとメリケンパーク。
 南京街を通って、神戸大学に行き、三宮の夜カフェへ。
 夜は大阪まで出て、浪速の友人に会いました。
  ● ポートタワーとマリンタワー ● 神戸港中突堤 ● 春節の南京街
  ● セレブと庶民の神戸牛 ● ふたたび新神戸駅へ ● 中華風の公園
  ● 神戸大学とうり坊 ● 石の町神戸 ● 大阪に住む弘前の友
  ● TOOTH TOOTH ● ケーニヒスクローネホテル ● 阪急で大阪へ
  ● 浪花で津軽の思い出話 ● 六甲の伏流水



◆ 神戸 2-(1)
 2日目も自転車で神戸を散策。長田地区まで足を伸ばします。
 赤エイの絵馬が飾られる神社を訪れてから、等身大の鉄人28号のもとへ。
 アニメストリートを散策し、名物のぼっかけを食べました。
  ● 自転車で町巡り ● デゴイチ ● 長田神社
  ● 楠と赤エイ ● レトロな書店 ● 鉄人さがし
  ● 鉄人に会う ● 神戸アニメストリート ● 空飛ぶウルトラマン
  ● 横山光輝は神戸っ子 ● 三国志ギャラリー ● 三国志ガーデンあと
  ● ぼっかけコロッケ



◆ 神戸 2-(2)
 兵庫駅近くの清盛ゆかりの地を訪ねながら、城址散策。
 神戸に大仏様がいることにびっくり。ちゃんとわけがありました。
 丘の上の異人館をめぐって、帰途につきました。
  ● そろそろUターン ● 兵庫区の兵庫駅 ● お城を探して埋め立て地
  ● 清盛ゆかりの地 ● 今回の足代わり ● キャナルプロムナード
  ● 兵庫城址 ● 兵庫大仏 ● 神戸のマンホール
  ● 里程元標 ● 北野異人館街 ● ひかりレールスター
  ● ふたたび雪景色 ● 神戸のパンダ ● epilogue





神戸リンリンサイクルめぐり 2-(2) Last

2017-06-27 | 近畿(兵庫・大阪)
その1からの続きです。

● そろそろUターン

三宮から自転車に乗って、長田までやってきました。
走行距離はもう10kmになっています。
帰ったら往復20kmの道のりになるので、途中でバテないように、この辺りでUターンすることにします。

なんとなくたどり着いたので、最短ルートの帰り道はわかりませんが、まあ方角は合っているでしょう。
この日は天気はいいですが、海からやってくる風がとても冷たくて、自転車に乗っていると頬がすぐに冷えます。
うっかりマフラーを旅行バッグに入れてホテルに預けてしまったので、首元がスースー。
あまり海の方は通りたくない気持ちです。

● 兵庫区の兵庫駅

じきに、兵庫駅に到着しました。
神戸駅のほかに、兵庫駅もあるんですね。しかも割と近くに。
横浜も、横浜駅の近くに神奈川駅があります。
まあ、神奈川駅は、県というよりは神奈川区の方なんでしょう。
(兵庫は違うんでしょうね)と思いながら、念のため調べてみたら、兵庫県も兵庫区ってあると判明!

神奈川県横浜市神奈川区。
兵庫県神戸市兵庫区。
そこまで似てるなんてー!

● お城を探して埋め立て地

駅前地図を見ると、近くには兵庫城址と兵庫大仏があるようです。
兵庫にお城と大仏があるの?
気になるので、さっそく行ってみることにしました。

おしろ、おしろ~♪
でも城跡はなかなか見つからず、気がつけば海沿いの工場地区に入ってしまいました。
この辺りは近代になってからの埋め立て地でしょう。
埋め立て地には、お城はないですよねー。

工場の敷地内で、植木に水やりをしている女性がいたので、生垣越しに聞いてみましたが、わからないとのこと。
住んでいる方じゃないですしね。
ひとしきり辺りを回って探しましたが、まったく手がかりがつかめません。
兵庫城址は、心の美しい人にしか見えないのかしら...(がーん)

● 清盛ゆかりの地



あきらめて、清盛橋を渡りました。
源平合戦絵巻のシーンが欄干に飾られており、なかなか雅びでした。
そういえば、神戸は平清盛ゆかりの地でしたね。
橋を降りた目の前には、十三重の石塔がどーんとそびえたっていました。
1286年に作られた、高さ8.5mの清盛塚だそうです。



これまで全く感じませんでしたが、一気に辺りは清盛色になります。
自転車を停めて、併設された住吉神社もあわせてお参りしました。
巨大な石の琵琶塚もあり、その横には福々しいお顔の平清盛像がありました。

清盛塚前に地図があり、城址と大仏への行き方が書かれていました。
よかったー。
どうやら、ぜんぜん方向違いのあたりを探していたようでした。

● 今回の足代わり

地図の前に停めた旅の相棒。
今回、この自転車で神戸の町を2日間走りました。
町の中を動くには、このくらい小ぶりなのが小回りがきいて便利です。



● キャナルプロムナード

3連アーチ橋が美しい大輪田橋。大正13年の竣工です。
どっしりとしていますが、阪神淡路大震災の時には4隅にあった親柱の3本が倒壊してしまったそう。
親柱はモニュメントとして橋に置かれ、後世に被害の大きさを伝えているそうです。
渡っていた人は、さぞかし怖かったことでしょう。
今はとても静かな水面にかかり、そんな大変なことがあったとは思えないほどです。



ここキャナルプロムナードは、日本最大の運河、兵庫運河と新川運河を保存している場所。
新川運河の水際が遊歩道となっており、兵庫運河の歴史が紹介されたパネルが立っています。



カモメがたくさんいて、羽を休めていました。
たくさんいるなあ~。ビスケットでも持ってくるんだったなあと眺めながら移動していたら、運河の果てまで来てしまいました。



餌を探して水面近くを飛ぶカモメ。
とてもきれいです。



● 兵庫城址

先ほどの地図では、たしかこのあたりに城跡があったはず。
もう一度プロムナードを戻ってみました。
そうしたら、ありましたー!
石碑だけだったので、いったんは見落としてしまったようです。
最初の兵庫県庁は、兵庫城址に建てられたんですね。



運河沿いにいたデフォルメされた清盛像を、自転車の上から見て通り過ぎました。
『平家物語』の「祗王」のくだりにでてくる、清盛にあっさり捨てられた白拍子の祗王の物語は哀れ。
「ひどい男」のイメージがあるので、清盛はあまり好きではありません。
銅像を見ても、スイスイスルーです。
でも前に厳島神社に行った時には、清盛像を写真に収めていますよ。それで満足です。

● 兵庫大仏

運河からそう遠くない場所に、兵庫大仏も見つかりました。



突然現れた大きなブッダ。ほんとに大きいわー!
知らない大仏だったので、(そうはいっても鎌ヶ谷大仏みたいなタイニーサイズじゃないかしら)とちょっと疑っていましたが、とんでもない、遠くからも目立つ大きさでした。
座高11m、全高18m。さらに高い場所に鎮座しているため、完全に見守られています。



近くまで寄って、お顔を拝見。りりしい顔つきです。
まだ新しそう。明治24年建立の初代は、戦時中の金属回収令で失われ、平成3年に再建されたそうです。
奈良や鎌倉に比べて、ピチピチのヤング!



奈良の大仏、鎌倉の大仏とともに、日本三大大仏のひとつに数えられているとのことですが、日本中の大仏が手をあげて3つ目の座を狙っているので、実際には3つ目がどの大仏様なのかは、わかりませーん。

それにしてもハイカラな街神戸に、大仏のイメージってまったくありません。
そもそもきっかけは兵庫港の開港で、キリスト教信者が急激に増えたことに危機感を抱いた兵庫の豪商が大仏を建立したそうです。
なるほど、西洋的な街になったからこそ、大仏ができたんですね~。



大仏があるのは、天台宗の能福寺。
この寺で清盛は実際に剃髪したそうです。
2012年放映のNHK大河ドラマ「平清盛」の主演松山ケンイチ氏が訪れた時の写真がありました。
境内には清盛塚がありました。今見てきたばかりですが、近い場所に二つあるんですね。
ここでもお参りしました。

● 神戸のマンホール

神戸は、マンホールがたくさんありました。



港町っぽいデザインです。



バリエーションに富んでいて、嬉しい!



四角いバージョンも、デザインはいくつかありました。



黄色がバックなのも、絵が映えていい感じ。



特にこのデザインがお気に入り。細かく描きこまれています。



マンホールに関しては、地元横浜よりも神戸の方が断然クオリティが高いです。
似たもの同士の神戸と横浜ですが、それでも西洋菓子は、完全に神戸にかなわないと思っていました。
さらにマンホールもだったとは・・・くっ。

● 里程元標

寄り道が楽しかったので、満足して、あとはまっすぐホテルに向かいます。
神戸駅を抜け、元町駅を抜けて三ノ宮へ。



元町商店街6丁目のきらら広場の前に、兵庫県里程元標がありました。
(りていげんぴょう)と読むそうです。
かつて旅人の道しるべに使われたもので、当初は湊川神社正門前にあり、ここに移転したようです。

ホテルに着いて、自転車を戻し、荷物を受け取りました。
三ノ宮から、坂の上の異人館を散策しながら新神戸まで歩いて向かうことにしました。

● 北野異人館街



北野異人館のスタバ。明治40年の西洋館です。
中をのぞくと、お客さんでいっぱいでした。



今見てきたスタバと似ている外観ですね。時代が同じなのかも。
ここはパラスティン邸。定休日のようで、閉まっていました。



洋館長屋(仏蘭西館)はリボンつき。これが自宅の近所にあったらビックリ仰天ですが、異人館エリア内なので、全く驚きません。
神戸は洋館がたくさん保存されているんですね。
横浜にもありますが、かなりが関東大震災で大きなダメージを受けたため、そんなに数は残っていません。



ベンの家。建物内は入館料が掛かるところがほとんど。
横浜はどこも市営化されており、見学は無料です。

洋館の丘を越えて、別方向に降りて行けば、そこはもう新神戸駅。
布引ロープウェイ乗り場がありました。

● ひかりレールスター

帰りは、のぞみ一本にしました。
さくらに乗りたいのはやまやまですが、10数分で新大阪に着いて、のぞみに乗り換えたら、がっくりしてしまいそうなので。

向かい側のホームに、スタイリッシュな車体の電車が停まりました。
「ひかりレールスター」と書いてあります。



JR西日本が山陽新幹線の新大阪駅 - 博多駅間で運行する「ひかり」の一種なんだそう。
東京には来ないのねー。
さらに下りは、一日に1本しか走らないそう。とっても貴重なタイミングだったんだわ。
ひかりは目(ライト)を光らせて、反対方向に去っていきました。



● ふたたび雪景色

それからやってきた「のぞみ」。
ブレちゃいましたが、先頭部分のデザインが「ひかり」とは違いますね。
こちらに乗りました。



近江八幡の辺りにさしかかったら、再び雪景色になりました。
まだ昨日の雪が解けていないのかしら。そもそも根雪になっているのかしら。
この辺りって、風光明媚な辺りだと思っていましたが、実は隠れた豪雪地帯だったりして?



新神戸発16時台の便だったので、(帰りこそ、富士山を見られるかも!)と思いましたが、富士駅を過ぎた頃にはもう18時半をすぎ、外は真っ暗になって、またもや見えませんでした。
また今回の旅でも、新幹線から富士山を見られなかったわ~。

● 神戸のパンダ

ところで帰りの新幹線乗り場で、神戸のパンダサブレというお菓子を見かけました。



なぜ神戸でパンダ? 南京街があるから?
たしかに、横浜中華街の雑貨屋でもパンダグッズはたくさん売られています。

そういえば、南京街の入り口にこんなにかわいい自販機がありました。
コーラとパンダ。



● epilogue

あとで調べてみたところ、南京街があるからではありませんでした。
神戸の王子動物園には、ジャイアントパンダがいるそうなんです!
え~、本当に?

日本にいるパンダは、上野と南紀白浜の二カ所だけだと思っていましたが、神戸にもいるなんて、知らなかったわ~。
しかもこの王子動物園、パンダとの距離がとても近いんだそうです。
また神戸に行かなくっちゃ!!
いい理由ができました。

今回は、自転車で気ままに神戸散策をした、楽しい2日間でした。
それまで持っていた、ミレナリオ混雑による苦手意識がきれいに消えました。
一泊でも気軽にふらりと行ける距離なので、また遊びに行こうと思います。