○ 嵐山
○ 亀山公園(亀山?嵐山?小倉山?)
○ 裏道にはまる
○ 御髪神社
○ トロッコ嵐山駅
○ 長神の社
○ 清涼寺
○ 清滝
○ 愛宕神社の一の鳥居
○ 嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区・日本一のヒゲダルマ
1日目からの続きです。
○ 嵐山
京都2日目。
昨日の出発が遅かったため、今朝は早起きしようと思ったのに、なかなか起きられず、またもや出発が予定より遅くなってしまいました。
今日は嵐山を散策します。いつも早朝に出かけるところを1時間ほど遅くなったら、すでにかなりの人混みが出ていました。
人力車も仕事に繰り出して、威勢よくガイドをしています。
まずは渡月橋を渡って竹林を歩き、野宮神社へ至るという王道ルート。
野宮神社の拝殿奥にある苔芝がとても好き。
竹林の道を通るたびに毎回感動していたものだけれど、今回はそうでもなかったような。
もう慣れてしまったのかしら。人が多くてざわざわしていたから?
それでも大河内山荘のあたりはやはり素晴らしくて、胸がときめきました。
○ 亀山公園
竹林の道をガイドする何台もの観光タクシーの間をすりぬけて、今回初めて亀山公園に行ってみました。
けっこう急斜面に作られている公園で、丘陵のような坂をゆっくり登っていくと、すばらしい眺望が望めて感動しました。
保津峡が遙か下に見えます。向こう岸の山の中腹の千光寺から、時を告げる鐘の音が響いてきます。
両岸にそびえる嵐山の紅葉が美しく、いくら観ても飽きません。
絵のような光景を独り占めできました。
ああ、やっぱり京都に来て良かったわ。ワンパターンになってきた気もしていましたが、毎年訪れる場所でも自然は毎年違う光景を見せてくれるものですね。
そのままどんどん奥に歩いていくと、突然「嵐山公園はここまで」という立て看板がでてきました。
かといって、特に柵があるわけでもなく、その奥にも歩いて行けそうです。
ただ、地図も案内標識もないため、その先に何があるのかは、わかりません。
うーん、どうしよう?その場で足踏みしてしまいました。
○ 裏道にはまる
せっかくここまで歩いてきたので、入口まで戻りたくないなと思っていたら、右側の細い坂道を下からゆっくり上ってくる女性がいたので、話しかけてみました。
地元の人で、「普通の道は観光客でごったがえしているから、人の知らない裏道を通ってきた」とのこと。
公園の先にはなにがあるのかと聞いたら、「そのまま進むとどんどん山道になって、尾根伝いに清滝の方へでるそうよ」と教えてもらいましたが、道なき道をたった一人でトレッキングする根性はありま
せん。
「この下にはなにがあるのですか?」と聞くと、「二尊院の方への近道になるから、この裏道を下って行きなさい」と教えてもらったので、下っていくことにしました。
歩きだしてみると、その道は相当急な下り坂。しかも粘土状の土が昨日の雨で抜かるんだままなので、緊張がとけると、今にも滑って転んでしまいそう。
これは通ってきた小道を途中から見上げて撮った写真です。下に着くまでまだ半分以上あります。
(さっきの人は、よくこんな荒れた道を上ってこれたなあ、さすがはジモティ。でも上りの方が滑らないんだろうな)などと思いながら、かなり時間をかけて足場を探しながら、長い道を少しずつ降りていくと、そのうち下の方に神社が見えてきました。
(よかった、人の訪れる場所があるわ)とほっとしました。
京都は雅な古都なので、つい忘れがちですが、エレガントな京都の町から少しそれるだけで、問答無用の野性の自然がまだまだ広がっているんですよね。
時々はまって、大変な目に逢います。前に鞍馬山で遭難しかけたことは忘れられません。
○ 御髪神社
ようやく下まで降りると、そのお社は、日本で唯一髪の神様をお祀りする御髪神社でした。
前も参拝しましたが、安心させてもらったお礼を込めて、今回もお参りします。
そこに、ツアー旗を掲げたガイドさんがぞろぞろ団体連れでやってきたので(こんなマイナーな神社にも来るの?)と、とても驚きました。
ウケ狙いかしら?(なんの?)
名前が名前だけに、(えっこんなところを参拝するの?)(なんで連れてくるんだ)と、斜に構えた感じの足取りの重い参加者もいたようでしたが、たまたま参拝していた私を見て、(なあんだ、ハゲてなくてもお参りする場所なんだ)(アヤシイ、なんちゃって神社じゃないのか)と安心した様子。
「え~」と言う人がいなくなり、添乗員さんはほっとした様子でした。
うっかりサクラになってしまいしたが、まあとにかく髪の毛が普通にあって良かった(笑)。
そばの小倉池は相変わらず穏やかで、水鳥が羽を伸ばしていました。
○ トロッコ嵐山駅
トロッコ嵐山駅が開いているのを初めて見たので、中に入ってみました。
ちょうど1時間に1本のトロッコ電車が通り過ぎていくところで、超ラッキー。
さすがはハイシーズン、乗客はぱんぱんでした。
そのまま、人の流れに沿っててくてく歩いていきます。
静かな嵐山も、見渡す限り観光客でごった返しています。
常寂光院は人でぎゅうぎゅうだったのでスルー。二尊院もすさまじく混んでいて、スルー。
そういえばここは今年の「そうだ京都、行こう。」の場所。今年京都で一番話題の場所ですね。駐車場も満車で、車が道路にたまって渋滞を起こしていました。
○ 長神の社
誰もが寺社を巡ろうと、行列ルートができている中で、私は一人それて、長神の社に足を踏み入れてみました。
風致公園として整備している場所だとのこと。
小倉百人一首文芸苑として、歌が刻まれた石碑が箇所箇所においてありました。
遠くから、ゴミ回収車の音楽が聞こえてきて、現実に引き戻されます。
これも早朝には聞かないもので、興ざめですが、ゴミを片付けないと景観が損なわれますから、致し方ないのでしょう。
○ 清涼寺
ひと気のないのが持ち味(?)の厭離庵さえも混んでいました。いやはや、もう言葉になりません。
清涼寺へ向かうと、ここにも、いくつもの旅行社のツアー旗につづいていく団体観光客がたくさんいました。
集団で境内の小石を踏み歩いていく、ザクザクという音が大きく、いったい何が起こるの?デモですか?戦争ですか?といった感じでした。
この前のラジオ収録で、このお寺がお気に入りだと宣伝した私のおかげかな?(んなわけないでしょ)
それでもやっぱりこのお寺は自分に合う感じ。しばらく滞在しました。
○ 清滝
人の多さに息苦しくなってきたため、京都バス終点の清滝まで行ってみることにしました。
よく聞く名前ですが、ガイドブックにも載っていないし、まったく情報がありません。どんな滝なんでしょう?
清水寺のように、清水の流れる美しい滝かしら?
清滝行きのバスを待って乗り込むと、中はぎゅうぎゅうで驚きました。
嵐山辺りで乗客も降りてガラガラかと思いましたが、足の踏み場もないほどです。
みんなどこまで行くの?
トンネルをくぐっていったところが、終点の清滝でした。
そして、バス停の大地図をいくら見ても、清滝という滝はありませんでした。なんとその辺一帯の地名のことだったんです。
乗客はみんなトレッキングをしに、どんどん坂を下っていきましたが、装備のない私はきびすを返して、再びバスに乗りました。
全長500mのトンネルは1車線しかなく、とても細いのですが、すぐ横を人の影がどんどん通っていくので、バスからのぞいて肝を冷やします。
ここも京都で有名心霊スポットなんだとか。ひえ~。
○ 愛宕神社の一の鳥居
行きに、人が何人か降り、紅葉がきれいだった鳥居本で降りてみました。
嵐山高雄パークウェイという道路の橋の上から数名が写真を撮っています。
(歩行者OKなのね)と、私も後に続くと、そこからは古い宿場町が見えました。
(ここを歩きたいな)と、道を探して下へ降りていきます。
古い茅葺き屋根の家が立ち並ぶ通りを散策していくと、この前ドライブで通った朱鳥居を見かけました。
愛宕神社と書いてあり、参拝しようと先へ歩いていきましたが、しばらく行っても神社が見えないため、(あれ?)と不思議に思って引き返しました。
ここは愛宕神社の一の鳥居で、拝殿は簡単にはたどり着けない、ずっと奥の愛宕山の上のよう。
清滝から徒歩で往復4~5時間の距離だそうです。
観光気分では無理よー。早く言って~。(これって常識?)
以前は愛宕山鉄道のケーブルカーがあったのに、無くなってしまったんですね。
明智光秀が神託を得た愛宕神社には、いつか参拝してみたいものです。
○ 嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区・ヒゲダルマ
なんて長い名前!古い街並みが整備されている小路を、そぞろ歩きしました。
苔むした風情のある町並みを眺めていると、江戸時代にタイムスリップした気分になります。
道なりに進むと、町並み保存館や化野念仏寺があります。
道すがら、好きな「吾唯足知」のつくばいを見つけて、嬉しくなりました。
お店屋さんの軒下には、巨大な達磨さんがおり、目を引き寄せられました。
その名も「日本一の良縁ヒゲダルマ」!うわわ、すごい~!
ヒゲだけでなくマユゲもすごいです。もう視界がふさがっているようです。
さらに、目の下からも毛が生えている様子!
予想をはるかに超えるロン毛っぷりに、びっくりしました。良縁に効くのね…?
ウォーキング団体の人たちが大勢おり、その人たちはそのまま大覚寺まで歩いていくようでした。
私はまたバスに乗りました。
さすがにこのあたりは観光客もさほどおらず、最前列席に座れましたが、大覚寺のところでバスはみるみるうちに満員に。
大覚寺の塔頭、覚勝院で大根供養をしているのが、バスの窓から見えました。
京都の地名にも慣れてきて、もう「太秦」は「うずまさ」以外には読めなくなっています。
よしよし。でもまだ「愛宕」は「あたご」と呼んでしまいます。
愛宕神社は「あたご神社」なのに、同じ字を書く愛宕念仏寺は「おたぎ念仏寺」になるのです。
うーん、まぎらわしいわ。
そういうことをつらつら考えながらバスに揺られていきますが、それにしても時間がかかっています。
嵐山の中心はすでに人でいっぱい。バスの外にはおそろしいほど大勢の人がいて、怖くなります。
東京の人がみんな押し寄せた感じ。
渡月橋なんて人が多すぎて、先に進めず止まっています。
見ているだけで、圧迫圧死しそう。
この古い橋が重みで落ちたりしないのかしら。渡月橋イズフォーリンダウン、マイフェアレディ。
嵯峨鳥居本から乗ったバスが嵐山を脱出するまで、なんと1時間かかりました。
大渋滞におそれを成して、乗り換えずに終点まで行ったところ、三条京阪のバス停までさらに1時間。京都の中心部までバスに2時間揺られたことになります。
ぐったり。でも秋の嵐山は毎年こんな風に、大混雑です。
2日目その2へ続きます。