風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

初夏の瀬戸内・岡高エリア index

2019-08-29 | 中国(山陽)

[2019.6.1-3]

◆ 岡山 1-1←旅行記へ

 JALの「どこかにマイル」で岡山に行ってきました。
 ご当地キムラヤの高菜パンとたくあんパンに挑戦。
 フェリーで小豆島に初上陸し、世界一狭い海峡を渡りました。
  ● Prologue~どこでもマイル ● 出発 ● しまじろうジェット 
  ● ももたろう空港 ● 岡山駅にて ● キムラヤのパン 
  ● 高菜パン! ● 港行きのネコバス ● 小豆島行きフェリー 
  ● フェリーで足湯 ● 初めての小豆島 ● 土庄エリア散策
  ● 世界一狭い海峡 ● 西光寺の鐘



◆ 小豆島 1-2

 迷路のような島の道をたどっていくと、海辺に出ました。
 海から現れたエンジェルロードを通ります。
 瀬戸内海の夕日を眺めながら、高松に渡りました。
  ● 迷路のまち ● ようかい美術館 ● 天使のポスト館 
  ● エンジェルロード ● ワン・キャデラック ● オリーブの木 
  ● ミクジュー ● イルカ、イコカ ● 波止場センチメンタル 
  ● 高松行きフェリー ● キムラヤパン3種 ● 高松港、高松駅



◆ 高松 2-1

 朝からうどんの洗礼を受けて、ことでんに乗り込みます。
 せっせと石段を登ってこんぴらさん参拝。
 登山ハイになったのか、勢いあまって奥社まで向かいました。
  ● うどんバイキング ● みそしるうどん ● うどんとヤドン
  ● シュールなことちゃん ● 座席でジャンピング ● 線路と山 
  ● こんぴら参り ● 森の石松 ● 乘るも担ぐも駕籠はつらいよ 
  ● カッコイイ灯篭 ● 五人百姓 ● 白い神馬 
  ● 神椿カフェ ● 小鳥とおじさん ● 力士の手水舎 
  ● 旭社  ● 到着~! ● さらに奥社へ 
  ● 奥社到着 ● 下りも足にきます ● 裏参道 
  ● ザーザー降り ● 屋根付き橋

 

◆ さぬき 2-2

 ことでんを乗り換えて、源平合戦の屋島方面へ。
 香川ハマチの感動的な美味しさとの出会い。
 展望台から高松港の夜景を眺めて、一日が終わりました。
  ● こんぴらさんのマンホール ● 道の駅・源平の里むれ ● ハマチのづけ丼
  ● ヤシマ ● 琴電志度駅 ● さぬき弁 
  ● 栗林公園 ● 紫雲山ハイキングコース ● あぶないソロ登山
  ● ベンチに座布団 ● くるりの琴電ソング ● 日本最長アーケード 
  ● 那須与一マンホール ● 片原町と瓦町 ● 展望台からの夜景

 

◆ 直島 3-1

 本場の讃岐うどんのおいしさは底なしですね。
 高松からフェリーに乗って、現代アートの直島へ。
 赤いカボチャと黄色いカボチャに迎えられました。
  ● 朝からうどん ● レンタサイクル ● 瀬戸内の港
  ● 高速船とフェリー ● 船上にて ● 珍客あらわる
  ● 直島の赤いカボチャ ● 直島の黄色いカボチャ ● 埋もれた鳥居
  ● 港まで散歩 ● 直島のマンホール ● 時が停まった町

 

◆ 直島 3-2

 帰りの船を逃して青くなりましたが、なんとか復活。
 岡山ではフルーツよりも、地元パンの方を食べていたようです。
 ハプニングもまたスパイス。結果オーライの癒しの旅でした。
  ● 静かな本村地区 ● 直島八十八か所巡り ● タレルと忠雄
  ● ツバメと私 ● フェリー乗り場へ ● のがした・・・!
  ● バスに飛び乗る ● インフォメお兄さん ● I💛湯
  ● 高速船 ● 駅に猛ダッシュ ● 予定通りに
  ● 原因判明 ● JR乗り換え ● 岡山駅フリータイム 
  ● フルーツのお勧め ● キムラヤのパン ● メロン生ジュース 
  ● 空港バス ● 空港パンコーナー ● 岡山みやげ 
  ● 非常口座席 ● 到着ゲート ● epilogue


初夏の瀬戸内・岡高エリア 3-2(直島、岡山)last

2019-08-29 | 四国

その1からの続きです。

● 静かな本村地区


海沿いにある直島の本村地区。
のぞき込むと、透けるように美しい海です。



美しさに惹かれて、浜辺に出ました。
南の島に来たみたい。ここもまあ南ですけど。



ゆるやかな風が吹き、ゆっくりと波が打ち寄せるだけ。



町はとても静かです。どの道を曲がっても、人の気配がありません。
みんな、消えたわけじゃないわよね?



ちなみにこれが、地区一番のメインストリート、バス通りです。
役場があるこのエリアは、島の行政の中心地ですが、やっぱり人けはありません。


● 直島八十八か所巡り

小さい島ですが、神社やお寺が結構あり、島民の信心深さを感じます。


小豆島のように、直島にも八十八か所巡りができるようになっています。
ここがその第一札所。直島で1番大きなお寺、極楽寺です。



お堂の前で、こんなやさしいお顔をした羅漢さんが迎えてくれました。
お賽銭箱の場所にあるからか、コインがちょっと入っています。
でももともとは、火鉢だったんじゃないかなあと思います。



● タレルと忠雄

うねうね歩いていると、シンプルで大きな漆黒の木造建築館の前に着きました。
看板を見て、これは家プロジェクトの一つ「南寺」だとわかります。
内部にアメリカのアーティスト、ジェームズ・タレルのインスタレーション・アートを設け、それに合わせた寸法で安藤忠雄が建物を設計したとのこと。
つまり、安藤忠雄とジェームズ・タレルの合作なんですね!

現代美術はよくわかりませんが、「光の芸術家」と呼ばれるタレルの作品は好きです。
かつて新潟県十日町にある、彼デザインの「光の館」に泊まったこともあります。
うーん、この建物の中もどうなっているのか、知りたいわ~。
興味津々ですが、今は会期外なので、中は見られません。残念。


南寺


そのすぐ近くにあるはずの安藤忠雄ミュージアムを探しましたが、まったく気づかずに通り過ぎてばかり。
通りを何度か往復して、ようやく見つけました。


安藤忠雄ミュージアム


見るからに普通の家っぽいので、ほかの周りの家や景色にとけ込んでいて、気がつきませんでした。
ここも月曜休館。閉まってる~。

● ツバメと私


近くの軒下のツバメを見て(あ、生物がいた)と心を慰めます。
人間に全然会わないので、この世にいるのはこのツバメと私だけなんじゃないかという気にもなってきます。


板壁や扉にホワイトで縁取りや文字を描きこんで、POP感を出しています。
手作りアート感満載の島。


これは・・・ピカチュウはじめ、いろいろなものが草間彌生バージョンになっています。
赤カボチャと黄カボチャの、直島仕様ですね。
ドットを描きこむだけで草間彌生っぽくなるのが、彼女のすごさだわ~。

 

港の近くの、カフェ・コンニチワ
ありそうでない名前です。

● フェリー乗り場へ

さて、そろそろ桟橋でフェリーを待とうと、本村港に向かいました。
もくもくと巨大な泡が立っているような場所があります。あそこがフェリー乗り場?



今にも爆発しそうです。
中をのぞいてみました。でも誰もいません。


中から外をのぞいてみました


そろそろフェリーが来る時間なので、誰かしら待っていてもいいのに。
そんなに小さな乗り場なのかしら。

● のがした・・・!

貼られたフェリー時刻表を見ると、13時台の発着時間はなく、12時半と書かれています。
えっ、どうして?
驚いて腕時計を見ます。時間は12時40分。
出発は13時だと思いこんでいましたが・・・私のチェックミスのようです。
10分前に、フェリーは行ってしまいました。
海を見ても、もう影も形も見えません。

ああ、どうしよう。
落ち着いて考えようと思いますが、次のフェリーは17時。
東京行きのフライト時間よりも後になるため、これはありえません。
となると、来るときに下船した宮浦港に戻るしかありません。
宮浦港発の便で、間に合うものがあるかはわかりませんが、とにかくここにいても可能性はゼロ、事態は改善しません。
イチかバチかの可能性にかけなくては。

● バスに飛び乗る

とすると、宮浦港まではバスに乗らなくては!
バスもそうそう来るわけではありません。
バスの時刻表を見ると、12時43分に最寄りの本村港バス停前を通るとのこと。
今は42分!あと1分!!

脱兎のごとく、ダッシュします。
足がだるいなんて、言っていられません。
しかし、最寄りのバス停がどこにあるのか、よくわかりません。
バス通りに出てきょろきょろしていると、宮浦港行きバスがやってきました。
えー、どうしよう!バス停見えないよ!
あせっておろおろしているうちに、バスは無情にも私の前を通り過ぎました。
ああ、間に合わない、行っちゃう・・・。

悲しい気持ちでバスの後ろ姿を目で追っていると、25mほど先に行ったところで、バスが停まりました。
あ、あそこがバス停だったんだ。今停まってるのなら、もしかしたら乗れるかもしれない!
一縷の望みを持って、バスに向かって走り出します。
バスは、私が乗るまで待っていてくれました。
バス停でほかの人が待っていた様子はありません。行きの時は、誰かが降車ボタンを押さない限り、無人のバス停に停まることはなかったので、バスの運ちゃんは、私が乗りたがっていることを察知して、停まって待っていてくれたことになります。
私の必死の形相からメッセージを読み取ってくれたのかもしれません。
ありがとう!!助かりました!!!

そんなこんなで、ラッキーなことに、ちょうどやってきたバスに乗れたので、スムーズに宮浦港に戻ることができました。
ただ、宮浦港発のフェリーは、12時45分に行ったばっかり。次の便は13時25分です。

岡山駅で少し空き時間を設けてあるので、そこで遅れを調整できればいいのですが、問題は直島フェリーが着く岡山の宇野港から岡山駅までの電車の便。
1時間に1本ほどしか通らないのです。なので、1本遅れたら致命的。
港への島内バスは滑り込みセーフでしたが、岡山へのフェリー、港から岡山駅までの電車、そして岡山駅から空港までのリムジンと、自分のフライトに間に合うかどうかの息詰まる調整はまだまだ必要です。ああ、生きた心地がしません。

● インフォメお兄さん

自分で空港までの交通ルートを調べても、とにかく気が動転していて頭が周りません。
困って、フェリー乗り場にある観光案内所のブースに行き、ヘルプをしました。

係の人は「岡山駅に行くルートは、電車のほかにバスもあるので、調べてみますね」と言ってくれました。
その間が、とても長く感じました。
もし行けるルートがなかったらどうしよう。今回のフライトはJALの「どこかにマイル」で、変更がきかないものだったはず。ああ弱ったな。

昨日参拝してきたばかりの金比羅さんに、心の中で助けを求めます。
(さっそく?)(こんなことで?)とどこからか声が聞こえてきそうですが、私にとっては一大事です。
自分が青ざめているのがわかるし、蛇を絞めたような声しか出なくなっていますが、観光案内所の人はすこぶる落ち着いています。
これまでいろいろな旅人のアクシデントを目の当たりにし、修羅場を見ているので、あわてないのでしょう。

少しして、係の人が「港到着10分後に、岡山行きの特急直行バスが出ます。それだと大丈夫です」と教えてくれました。
ああ、よかった。係の人のおかげで、バスがあるとわかりました。
ネットが通じるとはいえ、頭の中が真っ白の時にはいいアイデアなんて浮かばないもの。
第三者のおちついたアドバイスが、本当に助かりました。

● I💛湯

次の出航時間まで少し間があるので、その間に平常心に戻ろうと、辺りを散策することにします。
港のすぐそばにある「I💛湯」という銭湯を見に行きました。


I💛湯


南国っぽい、なんとも独特な、遊び心いっぱいの場所。
内装も面白いらしいのですが、月曜日はお休みで、シーンとしていました。
この日はこればっかり…。

● 高速船

これ以上船に乗り損ねると、もうあとはないので、早めに乗り場に向かいます。
次に乗るのは、フェリーではなくぐっと小さな高速船。フェリーには車や自転車も詰めますが、高速船は人しか乗れません。
いの一番に乗船しましたが、客室内には入らず、出口の一番近くに座ります。


高速船


フェリーよりも速度を出せるのか、5分早く15分で岡山に着きます。
船旅は楽しいものですが、さきほどのショックから抜け出せません。
値千金の打開ルートを教えてもらえたものの、まだ緊張が解けない浅い息のまま海を越えて、岡山の宇野港に到着。

実は、もともと予定に入れていた宇野港駅発の電車が、13時41分に出ます。
高速船は宇野港に40分に到着予定。
さすがに1分は厳しすぎるだろうと思いましたが、高速船は予定より2分速い、38分に着きました。
電車の発車まで3分あります。もしかしたら、間に合うかもしれません。

● 駅に猛ダッシュ

乗り慣れた人たちが下りる手順にならって船を下り、そこからダッシュ。
駅に向かって、猛然と走り出します。
といっても、昨日こんぴらさん参拝をして弱った足で、おみやげで行きより重くなった全荷物をしょってのことなので、大した追い込みはかけられません。
それでも足は止められません。

初めての場所ですが、地図を見る必要もないほどわかりやすい道だったので、助かりました。
駅が見えてきたので、ラストスパートをかけます。改札でPasmoが使えるのも、追い風となりました。
電車はまだホームに停まっています。転がるように駆け込みました。

● 予定通りに

あー間に合ってよかった。ほっとして、空いている席に座ります。
すぐには息切れは収まらず、しばらく肩で息をしながらハーハー言っていましたが、落ち着いて辺りを見回すと、周りに座っているのは、かなりの確率で外国人観光客だとわかりました。

みんな、直島など瀬戸内の島からの帰りでしょう。
先ほどの高速船からダッシュしたのは私一人。おそらく、私が乗り損ねた本村港発のフェリーか、一本前の宮浦港発フェリーで宇野港に着いた人たちでしょう。

間に合って安心しました。これでプラン通りになりました。
こんぴらさん、どうもありがとうございます。

● 原因判明

今回、こんなハプニングに見舞われたのは、私が本村港発のフェリーの逃したのが原因です。
それは、出航時間を間違えたからだと思いましたが、そうではありませんでした。
私が持っていたパンフのフェリー時刻表には、13時発と書かれているのです。
ただ、実際は12時半発でした。

今は月初めなので、6月になったタイミングか、芸術祭がお休み期間になったタイミングで、フェリーの時間が変わったのではないかと思います。
旅行前に時刻表をプリントしていましたが、5月中のことで、古い情報だったのかもしれません。
電車やバスは、ネットで日時を指定したルート検索ができますが、フェリー用にそうした機能はないため、最新の時間をチェックするのは難しいものですね。
パンフには、時間が変更になる予定だとは書かれていませんでした。

もちろん、私が本村港に着いたときに、まずフェリー乗り場に行って時間を確認しなかったのが、一番いけなかったのですが。
まさか時間が変更になっているなんて思わなかったからで、そこに大きな落とし穴がありました。
ああ、恐ろしい思いをしました。今後フェリーに乗るときには、時間には要注意です。

● JR乗り換え

さて、ドタバタの果てにめでたくプラン通りになり、JRに乗りながら落ち着きを取り戻しているうちに、終点の茶屋町に着きました。
茶屋町って、大阪にありそうな駅名ですが、たぶん天下茶屋が頭にあるからでしょうね。
ここで電車を乗り換えます。これまた時間の組み合わせにより、スムーズに行かないときもあります。

乗り換えた瀬戸大橋線も1時間に2本。私の乗る電車の次は、快速マリンライナーがやってきます。
高松から瀬戸大橋を超えてくる電車です。
両方の駅を結ぶのは、これが一番速くて便利なルートですが、今回のようなゆったりを楽しむ旅の場合、便利さは味気ないですからね。
ゆっくりのフェリー旅を選びました。(今回のように1本逃したら大惨事ですが)

● 岡山駅フリータイム

あっという間の時間のようでしたが、それは私が気が動転していたからで、実際には50分ほど乗って、岡山駅に到着。


さて、本当なら、初日に食べ損ねたフルーツパフェを食べに行くところですが、ちょっと考えが変わりました。
空港バスの発車時間まで40分。その間に喫茶店へ行き、フルーツパフェを注文し、作ってもらい、食し、また駅に戻って、チケットを買って、バスに乗る。
これを40分でやるとなると、相当せわしなくなります。

時間に気を取られて肝心のパフェを味わえなさそうだし、無関係の人まで急がせることになったらご迷惑。
なので、パフェはやめることにしました。
でもせっかく果物王国に来たので、フルーツはあきらめたくありません。

● フルーツのお勧め

そこで、初日と同じ観光案内所に行きました。
2日前と同じおばさまが応対してくれました。ほかにもスタッフはいるのに、当たりがよすぎ・・・。
「30分間で岡山のフルーツを味わえる場所、近くにありませんか?」
すると「飲むのなら、そこの駅ビルを入ったところにフルーツジュース店があります」と教えてくれました。
私もチェックしている花いちご。
やっぱりここなのね。よし、ここにしましょう。

● キムラヤのパン

パフェをあきらめたことで少し時間が出来たため、キムラヤのパンも買うことにします。
空港にキムラヤパンコーナーがあると聞き、同僚へのおみやげパンはそこで買うつもりでしたが、ここで買ってもいいわけで。

同僚たちにはリクエストを受けたたくあんと高菜、自分には肝を冷やして血糖値が下がった気がするので、チョコクリームとアップルデニッシュを。
香川では毎日うどんを食べていましたが、岡山ではフルーツよりも毎日キムラヤパンを食べています。

● メロン生ジュース

さて、パンをゲットしたのちは、花いちごへ。
赤肉メロン、イチゴ2種、桃、ミックスジュースなどが並ぶ中で、メロンにしました。
初日に食べ損ねたフルーツパフェに大きなメロンが乗っていたからです。



甘くておいしーい🍈💛
今回の旅は、岡山空港発着なのに、気づけば香川メインの旅程になっていたので、これが貴重な岡山体験です。
フルーツ王国を味わうためには、ジューススタンド利用するのも気軽でいいかも。

● 空港バス

メロンジュースを片手に、空港バスの乗り場へ向かいます。
バスはすでに到着しており、一番に乗り込みました。
発車時間が来てもそれほど人はおらず、乗客5人で出発。


予定よりも一本速い便に乗りました。
最後の最後で空港に遅れるわけにはいきませんからね。
行きとは違うバス会社で、ICカード払いはできないものの、シャンデリア風ライトがある、贅沢感のある車内です。



岡山ではあまり写真を撮りませんでした。
車窓越しにすてきな景色が見えないかと、最前列でスマホを握りしめていましたが、特段何もないまま、空降に到着。

● 空港パンコーナー

早めに着いたので、気持ちに余裕があり、おみやげ屋さんをゆっくりチェックします。
キムラヤパンのコーナーをのぞいてみると、なんと残念なことに、主要ものは全て売り切れ。
バナナクリームも高菜もたくあんもありません。
変わりものお総菜系ながら、やはり人気があるのね・・・


画像をつけて、粛々と同僚たちにメール報告します。
「なぜだろう。地元の人が買っていくのかしら」とあやしむ同僚たち。
駅で買っておいて、よかった。ここをあてにしていたら、買えずに悔しい思いをするところでした。

● 岡山みやげ

岡山では、焼ままかりを買いました。

 

● 香川みやげ

香川では、朝食に出ておいしかったしょうゆ豆を買いました。
初めて食べた香川フードで、甘くない黒豆のような味です。

小豆島でそうめんが有名だと知らなかったので、それも買いました。
香川に来たら、讃岐うどんを買うのが王道でしょうけれど、横浜でもいろいろな種類が買えます。
でも小笠原そうめんは、あまり見る機会がありません。
それにこれから暑くなるので、うどんよりそうめんですね~。
ちなみに、ソーメン二郎さんと知り合いです。


よそさまには、お土産らしいものを選びましたが、今回自分用に買ったのは、このしょうゆ豆・小豆島のそうめん・そして焼ままかり。
なんだか地味~!キラキラ感ゼロ!
そこはかとなく漂う呑兵衛のチョイス!まあお酒のおつまみ、好きですけど。
どれも家に帰ってから食べるのが楽しみ~♬

● 非常口座席

搭乗手続きに入ります。いよいよ岡山からもさようなら。
小さい空港なので、JAL便とANA便が隣り合わせのゲートになっており、先に離陸するANAの人が、JAL便待ちのソファの方まで来て、「お間違えのないように~」と声がけしていました。

機内に入ると、私の座席の列にスチュワードさんがいました。
今回は、非常口座席を選んだので、簡単な説明を受けます。


座席の間がゆったり開いているため、足を伸ばせて楽チン。
この席はちょうどウイングのところにあり、緊急時には窓についているハンドルを動かして、外に出られる場所になっています。
そういった緊急事態が起こらないよう、祈りながら!

うとうとしているうちに、羽田が近づき、着陸態勢になりました。
窓の外に、海に伸びる長ーい道路が見えてきました。
海ほたるです。独特な形なので、地方出身の友人が「あれを見るたびに、何なのかすごく気になってた」と言っていました。
「でも、着陸モードだからFAさんに聞けず、空港に着いたらもう忘れているの繰り返しで、ずっとわからなかった」そう。


● 到着ゲート

非常口を開ける必要もなく、羽田に戻ってきました。
帰りも行きと同じ5Aゲートに到着したので(やはりここは、岡山便が出るところ?)と思い、後日福岡出身の人に聞いてみると「搭乗ゲートは、毎回変わるよ」とのこと。
福岡便は頻繁に出るため、おそらくひとつのゲートだけではたちゆかず、いろいろなゲートを使っているのだろうとのことです。

たしかに、行き先の都市によって、たくさん飛んでいるところとそうでないところとありますからね。
ということで「行き先によってゲートは決まっている」説は無効と判明!
乗客の便宜を図って、行き先によってよく使われるゲートはあると思いますが。
そのまま帰途につきました。

● epilogue

JALの「どこかにマイル」で、偶然岡山に行くことになった今回の旅。
瀬戸内の島や高松も訪れて、初夏の小旅行を楽しみました。
初日と3日目はフェリーで島、2日目は電車で山へ。
フェリーで島に渡るって、それだけで非日常。
静かな瀬戸内海に、荒波が立つこともなく、穏やかな島時間を過ごしました。
といいながら、のんびりしすぎて乗るフェリーを逃して青くなったけど!!
なんとかつじつまが合ったので、とりあえず結果オーライ!

普段は忘れていることですが、日本そのものが大きな島国で、私たち全員、島の民。
汐風や寄せる波に心安らぐのは、海の記憶がDNAに刻まれているのかもしれませんね。


初夏の瀬戸内・岡高エリア 3-1(高松、直島)

2019-08-28 | 四国

2日目からの続きです。


● 朝からうどん

3日目は朝からいい天気。海を渡って島に行く日なので、うれしくなります。
朝食をゆっくりいただきます。
ほかの宿泊客が「うどんバイキングなんて贅沢すぎるね」と話していました。



この日もうどんを2杯。ふつうのうどんと味噌汁うどんをセルフで作ります。
アメリカのホテルに滞在した時には、自分でワッフルを焼き、生クリームを載せてチョコレートソースをかけて、朝からこってりと食べていました。
同じセルフスタイルでも、ヘルシーさがかなり違います。


味噌汁うどん、気に入りました。
香川の若竹ご飯と並んで、うどんのつゆをご飯にかけた「うどんご飯」なるものもありました。
ごはんにうどんつゆをかけてみたり、味噌汁にうどんを入れてみたり、こちらの人のうどん愛の強さに窒息しそう!

● レンタサイクル

天気がいい日なので、食後ひと休みしてから、ホテルでレンタサイクルをして、辺りをひとっ走りしました。
自転車だと行動範囲も広がります。といっても、高松港は港の辺りに見どころが集中しているので、やっぱりウォーターフロントへ向かいました。


昨日乗った、ことでんの高松築港駅
天気がいいと、お城や石垣もよく映えます。

● 瀬戸内の港

フェリー乗り場に行きました。
カラフルな彫刻インスタレーションが立っています。これも瀬戸内アートでしょうか。
私にはトーテムポールかこけしのように見えますが、こけし慣れ(?)していない四国の人は、おそらくそうは思わないことでしょう。


「Liminal Air- core- 」大巻伸嗣


男木島・女木島行きフェリーが停まっています。
桃太郎が渡った鬼ヶ島だといわれるところです。
時間がもう少しあったら、このふたつの島も訪れたかったんですが、また次の機会に!


そういえば、桃太郎って家来にした動物たちと一緒に、鬼ヶ島へ向かったんですよね。
当時はフェリーなんてなかったわけですし、小舟で行ったと思われますが、だれが漕いだんでしょう?
動物たちが櫂を扱えるわけもないので、やっぱり桃太郎が自分で漕いでいったのかしら?


大きなフェリーも停泊中でした。
これから乗る直島行きのチケット売場の場所を確認して、人が行き来する港の景色をぼんやり眺めていたら、けっこう時間がたっていました。
急いでホテルに戻って自転車を返し、チェックアウトして、再び港へ向かいます。

JR高松駅前には、1両のみの車両が停まっていました。
ちんまりとして、かわいい!


● 高速船とフェリー

先ほどの直島行きチケット売り場に行きましたが、窓口が開いておらず、チケットを買うことができません。
でも、フェリーの時間はせまりつつあります。
(なぜ?どうして買えないの?)とあせり、一人でわたわたしましたが、ふと、これは高速船のチケット売場ではないかと思い至ります。
そこからフェリー乗り場までは5分ほど歩かなくてはいけないため、(フェリーのチケットはもっと乗り場の近くで売っているはず)と推理。

乗り場の方に行ってみると、果たしてすぐそばに、フェリーのチケット売り場がありました。
ああよかった。でもわかりにくくて、一瞬青ざめましたよ。
高速船とフェリーのチケット売り場はもっと近くても良さそうに思いますが、逆に混乱するのかな。


これに乗ります

乗り遅れるかと焦って、全荷物をしょって埠頭をダッシュしましたが、なんとか問題なく、時間前に乗船。
出航までまだ余裕があったので、フェリー内を探検します。

土曜日に乗った小豆島行きフェリーはそこそこ混んでいましたが、このフェリー内はガラガラ。
なぜだろう?と思ったら、今日は月曜日だからですね。

席に腰を下ろしてバッグをおろしたときに気がつきました。
ぐるりと開くファスナーポケットがほとんど開いていたことを。
そこにパスケースやiPhoneを入れていたので、息を呑みましたが、なにも落ちずにいたようです。
気をつけないといけません。

船の出航の時には「ボー!」と汽笛が鳴って、桟橋にいる人がワーワーと手を振りながら追いかけるイメージですが、実際には静かに黙って出るんですね。
気がついたら、船は水の上を滑り出していました。

● 船上にて

フェリーは高松港を出発します。ゆっくりと小さくなっていく港の景色。
海風を顔に受けながら、朝からセンチメンタルな気分になります。


さようなら~


夜に訪れた時には光が灯っていた、赤い灯台、通称「せとしるべ」。
世界初のガラスでできた灯台で、高松港名物なんだそうです。


瀬戸内地方では、気がつくと不思議なアートがそばにあります。
フェリーの中にも、モダンアート的ななにかがありました。
とけていくのか、形になっていくのか?


高松を離れた時にはセンチメンタルになりましたが、港を出て瀬戸内海に入ると、小さな島がポコポコ見えて、寂しくなくなります。
いったいこの海には、いくつの島があるのかしら。


海上保安庁の調査だと、外周が0.1Km以上の島の数は727あるそうです。
→ 
瀬戸内海には島がいくつあるかな (海上保安庁 海洋情報部)
多い!!

● 珍客あらわる

フェリーから海を眺めていると、ふいに目の前をなにか影が横切りました。
ひらひらと飛んでいくそれを目で追っていると、近くに留まりました。
それは、蛾でした。


右下にとまった茶色い影

君、なぜこんなところにいるの?
もうフェリーは陸から遠く離れ、今は海の真ん中です。
人間と同じように、港に停泊中に乗り込んできたのでしょうか。


アップ

小さくて華奢な蝶や蛾にしてみれば、ここは途方もない大海原。
羽を休める場所もないし、栄養をもらう花も咲いていません。
なぜここに来てしまったの…?
蛾はしばらく動きませんでしたが、私の熱烈な視線を感じたのか、やがてまたヒラヒラと飛んでいきました。

船が港に着くまで、休んでいけばいいのに・・・。
強い海風にあおられて、思わぬ場所に飛ばされてしまうこともあるでしょう。
近くを通るほかのフェリーに、またとまれればいいけれど。


普段、蝶や蛾はひらひらと優雅に飛んでいますが、海の上ともなると一気にハードボイルド感が増します。
かよわい羽根には大変すぎる場所ですが、陸に着くまでがんばって生き抜いてほしいなあ。
しばらく、蛾のことを考えていました。


● 直島の赤いカボチャ

ほどなくして直島の宮浦港に到着。周囲16km、人口約3,100人の小さな島ですが、最近では瀬戸内アートの拠点として有名です。
桟橋の先に草間弥生の赤いカボチャがあり、来島者を出迎えてくれます。
彼女のイメージもあいまって、お菓子の家の魔女の「よく来たね~、ククク」という声がどこからか聞こえてくるような気もします。


草間彌生 「赤かぼちゃ


絶大な人気がある彼女のアートは、とにかく強烈で鮮烈。
でも、意外なほどにしっくりと島の光景にとけ込んでいます。
中に入れるので入ってみました。


赤かぼちゃの中


黒い水玉部分はいくつかくりぬかれており、中に入れます。
雨が降ったら吹き込んでくるので、雨宿りには不向きですが、なかなか風通しがいいです。


赤かぼちゃから眺めた外の景色


かくれんぼをするにはよさそうですね。
ほかにも、巨大な氷の塊のようなオブジェがありました。
ステンレスメッシュで作られているそうです。


藤本壮介「直島パヴィリオン」

港から、ツツジ荘行きの村営バスに乗ります。
ほかの乗客はほとんど外国人。みんなアート好きなのかしら。
島内にはいくつもアートスポットがありますが、瀬戸内国際芸術祭の会期中ではない今は、地中海美術館しか開いていないとのこと。
ベネッセミュージアムもお休みだそうです。

さらに、ツツジ荘から地中海美術館へ行くシャトルバスもお休みとのこと。
急いで決めた旅だったので、ここまでアートプロジェクトがお休みとは思いませんでした。
でも、町の中にもアートオブジェはたくさんありますからね。

● 直島の黄色いカボチャ

終点のツツジ荘でバスを下りて、目の前の海岸を散策します。
この波止場には、草間彌生の黄色いカボチャがおいてあり、こちらも大人気。
色を合わせた黄色いTシャツ姿の女性が、時間をかけて何パターンも何パターンもポーズを取っています。
撮影仲間との会話から、韓国か中国の人のようです。
アジアの人は写真にこだわりますからね。


草間彌生『南瓜』

ゆっくりの島時間なので、イライラするつもりもなく、撮影が終わるまでゆっくり見守る姿勢をとりますが、周りに10人以上の人たちが待っていても、まったく気にせずポーズを取り続ける彼女たちはすごい強心臓。
結局、しびれを切らした日本人のティーンズ2人が、隙を見て切り込み部隊となり、流れを変えました。
そう、国際社会は競争だから、我が国もタフにがんばらないといけませんね。


これも、写真で見たときには(うわっ、どぎつい!邪悪!)と思いましたが(失礼)、実際には素朴な浜辺に、いい感じにマッチしています。
現代アートってすごいですね。
個性の特異性が強くて、なにかほかのものと合わせるのは難しそうなのに、案外うまくバランスがとれるところが。
その絶妙なマッチングがあちこちで見られるのが、ここ瀬戸内です。


別の角度から見ると、かぼちゃによりかかって海を眺めている人たちもいました。
みんなのんびり。いい場所です。

● 埋もれた鳥居

砂に埋もれた鳥居もありました。
これはアートなのか、宗教建築なのか、わかりませんが、アーティスト名がないため、実際の鳥居のようです。


鳥居の扁額には「恵美須神社」と書かれています。島民は島の漁業と海上守護の神様である恵美須を祀っているのでしょう。
災害危機管理の見方から、(鳥居が埋没したのは、火山の噴火による火山灰の体積かしら)と、周囲の自然環境が気になります。
ただ、これまでに直島で噴火が起こったことはなさそう。
とすると、浜辺に立つこの鳥居は、海流や風が運んできた砂浜の砂に埋もれていったと思われます。


今ではずいぶん低くなり、一般的女性サイズの私が、鳥居の上に手が届くほど。
次に訪れた時には、もっと沈んでいるかもしれないので、今のうちにと思ってくぐりました。
ちょっとリンボーダンス気分になりました。

鳥居には、願い石がたくさん置かれています。
普通の鳥居には、つま先立ちしてもジャンプしてもなかなかうまく置けないので、ここはいいチャンス。
私も一つ、置いてきました。


きれいな海に見とれます。普段見慣れた本州の海岸に比べて、島の浜辺は格段に美しいですね。
ここは海水浴場なので、まだ泳ぐシーズンには早いですが、すでに水着姿の外国人が泳いでいました。

● 港まで散歩

ここから本村港まで歩いて行くことにします。
先ほどバスで来る途中にあった村で、もう一つの港があるところ。
帰りは本村港からフェリーに乗ろうと思います。

沿道には花がたくさん咲いており、目を楽しませてくれます。
過疎化が進む一方でしたが、現代アートを取り入れたことで息を吹き返した直島。
観光客がたくさん訪れるため、村の人たちも「見られている」と意識するようになり、島は美化されたと聞いています。

自転車に乗った2人連れがやってきました。
2人ともはちきれそうに健康体の女性で、ふうふう音を上げながらペダルをこいでいます。
私を見て止まり、「ええと、島の人ですか?」と聞きました。
「いいえ」と答えると、「あ~」とがっかりした表情を浮かべます。
なにを知りたいかわかるので、「もうちょっと行って突き当りを右に曲がると、草間さんのカボチャがありますよ」と言いました。
「ありがとうございまーす!」
「がんばってくださーい!」

歩きながら考えます。世界的な意味で島の人かと聞かれたら、答えはイエス。
私は本州島、日本島の住民です。
ただここでは、直島の人かと聞かれたんだと、さすがにわかります。
これでイエスと答えたら、日本人全員島の人ということになりますからね。

● 直島のマンホール


マンホールを眺めていると、ちょうど農作業帰りのおばあさんが通りかかったので「このマンホールに描かれているお花は、なんでしょう?」と聞きました。
「うーん、なんだろう?」と言われたので「直島の花といったらなんですか?」と聞くと「つつじだねえ」と教えてくれました。
ということで、これはつつじですね。


直島の町の花はヤマツツジ

さらに歩いて行くと、気になる神社の入り口がありました。
そばまで行ってみましたが、ずーっと上まで続く階段が待っていたので、サックりあきらめました。
昨日の今日なので、まだ脚に疲れが残っている感覚。
長い階段を攻略するのはやめておきます~。


直島八幡神社

● 時が停まった町


さあ、海が見えてきました。暑いですが気持ちがいいです。
本村港が見えましたが、まだフェリーの時間まであるので、辺りの町を散策してみることに。
町を歩いていても、誰もいません。時が停まったような町。
町全体が、大きな眠れるアートなのかと思えるくらいです。

細道にさまよいこんでも、車通りに出ても、どこも閑散としています。
アートプロジェクト会期外に加えて月曜日なので休業というところも、けっこうあります。
どうやらいちばん静かな日に来てしまったみたい。
まあそれはそれで、非日常感たっぷりでいいですが。

その2に続きます。


初夏の瀬戸内・岡高エリア 2-2(さぬき、高松)

2019-08-23 | 四国

その1からの続きです。


● こんぴらさんのマンホール

こんぴらさんへの参道で見た琴平町のマンホール。
桜に囲まれて、石段参道を上る駕籠の人がデザインされています。
ただ、実際に見た駕籠の担ぎ屋さんは、かなり年配の方たちでした。
古都観光地にいる人力車の力夫は、青年が多いんですが。
こうした光景は、後継者問題でいつか見なくなる時がくるのかなあと、少し寂しく思ったりします。



● 道の駅・源平の里むれ

乘ったことでんは琴平線の高松築港駅行き。河原町駅で志度線に乗り換え、房前駅で下りました。
海沿いの小さな無人駅で、下りたのは私一人。

ホームには雑草が生い茂り、地図も何もありません。
道の駅が近くにあるはずですが、どこにあるのか全く分かりません。
車掌さんに切符を見せながら「道の駅はどこですか?」と聞いて、行き方を教えてもらいました。


道の駅



道の駅・源平の里むれ。「むれ」というのは、この辺りが牟礼町だから。
「源平の里」というのは、屋島合戦の古戦場に近い場所だから。
歴史のロマンをかき立てる名前です。


● ハマチのづけ丼

そこのお昼だけ開く海鮮食堂じゃこやで、ハマチのづけ丼を食べました。
うーん、おいし~い!!
間違いなく、私がこれまで食べたハマチのづけ丼のうちで最高の味わいです。


ハマチそのものがおいしいし、新鮮で脂がのってプリプリしています。
一切れ一切れが分厚くて贅沢な大きさです。
今まで食べたハマチのづけって、こんなに気持ちを揺り動かす味だったっけ?
お店の人の「ありがとうございます」という声が聞こえるたびに「私の方こそありがとうございます~!」と大声で叫びたくなりました。


香川は養殖はまちを最初に行ったところで、県の魚にもなっているのだとか。
ハマチの餌にオリーブの葉を加えたブランド魚「オリーブハマチもいるそうです。
香川といったらうどんしか出てきませんでしたが、これからはハマチも思い出すことにします。
本当においしかったなあ。ああ、すてきな出逢い。

● ヤシマ

隣接する高松市立公園から、瀬戸内海を見下ろします。
道の駅はけっこう賑わっていましたが、皆さん車で来ている人ばかりで、駅に戻るとまた一人ぼっちになりました。
目の前には、瀬戸内海が広がっています。
波の音だけが聞こえる、静かな時間です。



晴れていたら、古戦場の屋島にも行ってみたかったのですが。
屋島って、島だとばかり思っていましたが、山(丘?)なんですね。意外。
エヴァのヤシマ作戦を思い出しましたが、あれは日本の古称の「八州(ヤシマ)」が由来で、屋島のことではありませんでした。


房前駅


この辺りは、ことでんとJRが並走しています。
通常は、地方のローカル線よりもJRの方が乗客が多く、車両も多いイメージですが、通り去っていくJRは一両きりでした。
ことでんは2、3両あるのに。スタコラサッサと走っていきました。

● 琴電志度駅

2時55分のことでんに乗って、志度線終点の琴電志度駅へ。
ここにある志度寺をめざします。
平賀現内の故郷はここなんだそう。江戸っ子じゃなかったんですね。
彼の生家や記念館もありました。


平賀現内記念館


その向かい側にあるお屋敷も、古めかしくてすてきでした。


志度寺は四国八十八カ所の一つ。さすがは巡礼地、立派で堂々とした誇り高き古刹でした。



山門には、大きなわらじが奉納されています。
もはや、カヌーサイズですね。


山門からのぞく境内。まっすぐ道が続き、先は見えません。


大師堂を参拝。お大師様の絵が掲げられていました。


塔頭のお寺には、平賀現内のお墓がありました。
日本橋のウォーターフロントを散策した時に「エレキテル発祥の地」の碑を見たことがあります。
発明家の彼ですが、江戸に来てからあまりふるわない不遇の時もあったと聞いています。
なきがらは故郷に戻ったんでしょうか。


日本のダ・ヴィンチ、ここに眠る


志度線は海岸のそばを走っているため、参拝後は海際を散策しながら、お寺から駅まで戻りました。



マンホールの柄が変わります。
「しど」と書かれているので、かつて志度町だったころのものでしょう。
今では合併して、さぬき市になっています。


デザインは、志度町にある多和神社の秋大祭の太鼓台を描いたものです。

● さぬき弁

15:40発の電車に乗ります。始発駅からの乗客は私を含めてたった3人でしたが、駅にとまるたびに少しずつ増えてきました。
志度駅のホームには、讃岐弁が貼ってありました。
う~ん、わからない!
「おわえあいはいくもんな!」と言われても、「???」です。

詳細はこちらへ→「さぬき弁のマナー講座」(ことでん)

● 栗林公園駅

電車の中で(次はどこに行こうかな)と地図を見て(そうそう、栗林公園だった)と思い出します。
「くりばやし」ではありません。「りつりん」です。
ここには早朝にこようと思っていましたが、朝食前はことでんが動いていなかったので行けず、朝の涼しいうちに金比羅参りをすることにして、お昼しか営業していないお店でランチをすませるなど、ほかの用件を優先していたら、ずいぶん後回しになってしまいました。

駅に降り立った頃には、足もかなりくたびれていましたが、公園前に向かいます。
入り口からしてとても立派ですが、雨が降っているので、池の水鏡は見られなさそう。
時間はちょうど4時半を過ぎたところで、池に浮かべた船に乗り込むイベントが終わってしまいました。
そんなわけで、中にはいるのはやめにします。
ここは、私の祖父が好きな場所だったと聞いているので、天気のいい最高の日に改めて訪れたいものです。

 


● 紫雲山ハイキングコース

栗林公園の後ろにそびえるのは、紫雲山。
ハイキングコースがあると聞いたので、見晴らしがよさそうだと登ってみることにしました。
ただ、これが予想外に本格的な登山になりました。


中に入ると、かなり鬱蒼としていて暗く、コースルートを教えてくれる地図もありません。
時折、標識がある程度です。
熊が出そうな雰囲気。

 

● あぶないソロ登山

大丈夫かなと思いながらも、そのうち明るい見晴らし台に出るだろうと思い、うんうん言いながら登っていきます。
かなり勾配がきつく、こんぴらさんを参拝した後で登るんじゃなかったと後悔。


山に入ってから、誰にも会わないので、心細くなってきていたところ、ようやく犬をつれた一人の男性とすれ違いました。
挨拶をかわして、見晴らしのいい場所を聞いてみたら、もうすぐそごにあるとのこと。
ただ、最近は山中で変な輩を見かけるようになり、日中でも女性一人で歩くのは物騒になっているのだそう。
「くれぐれも気をつけて」と通りすがりの人に親切にも心配してもらったので、見晴らし場まで急いで行って、サクッとのぞき、急いで下山体制に入りました。
ちなみに山から栗林公園を見ることはできませんでした。以前よりも山の木々が延びたのでしょう。

危険な状態になった場合、普通だったら振り切って逃げられるところでも、こんぴら山を登ったあとなので、かなり体力を消耗しています。
旅の最中は、安全が大前提。特に一人旅の時には、気をつけなくてはいけません。
今回は、その判断がちょっと甘かったと反省しながら、ころがり降りるように大急ぎで山から出ました。
帰り道ではもう、先ほどの男性と犬の姿は見えなくなり、いい人にも悪い人にも会わずじまいでした。
さっきの男性は、山の神様で、注意をしに降りてきてくれたのかもしれませんね?
でも、紫雲山を登ったというのも観光っぽくなくていいかも。


公園に面した邸宅の屋根には、なぜかハトがたくさんおり、鳥の目でいっせいに見下ろされました。
数羽なら気にしませんが、ここまで多いと、いくら鳥でも多勢に無勢。
何が起きるかとドキドキしました。まさに二十四の瞳!?

● ベンチに座布団

ようやく再び琴電の栗林公園に戻ってきました。
ちょうどやって来た電車に飛び乗ったら、逆方向だったため、太田駅で降りて乗り換えます。
待っている間に周りを散策しましたが、特にこれといったものはない、普通の小さな駅でした。
この駅に限らず、ことでんの駅のベンチには、必ず座布団が置いてあります。



今度は「瓦町駅」で下りました。
どうも聞いたことがあると思ったら、京都の「河原町駅」と字だけ違うんですね。
ところで「香川」と「神奈川」は一字しか違わないのに、誰も指摘しませんね。

● くるりの琴電ソング

去年の3月から、瓦町駅の発車ベルにくるり作曲の『コトコト琴電』が使われているそうです。
くるりは『赤い電車』という京急ソングも歌っています。
赤い電車から黄色い電車に、心変わりしたのかしら?(がーん)


確か、鉄道好きのメンバーがいるんですよね。

● 日本最長アーケード

日本一長いアーケードだという高松中央商店街の場所を聞いて、行ってみます。
総延長2.7kmあるのだそう。

瓦町駅からすぐアーケードに入れますが、それは支線の常磐町商店街で、本線は少し行ったところから。
隣の片原町まで続いているそうですが、今日はもう脚がガクガクいいはじめているので、歩くのを止めておきました。


ところで「日本一長いアーケード」で検索すると、いろいろな場所が出てきます。
高松のばあいは「総延長」が日本一ですが、途切れていない場合や、連続的に連なったところだと、別の場所になるのだそう。
「長崎の三ヶ町・四ヶ町商店街、武蔵小山商店街パルム、天神橋筋商店街など、続々ヒットします。
いったいどこになるのー?

● 那須与一マンホール

高松のマンホールは、那須与一。
屋島の戦いの時に、平家が立てた扇の的に向けて弓を構えるカッコイイシーンです。
駅前の数カ所に、カラー版がありました。
よいっつぁん、好きなので嬉しいわ~。



● 片原町と瓦町

ところで、片原町(かたはらまち)と瓦町(かわらまち)って、響きが似てると思いませんか?
なのに、隣駅同士なんですよ。
寝ぼけていたら、聞き間違えて電車を降りてしまいそう。
よく聞き間違いをする私なので、不安でなりません。

ことでんは、いろいろなラッピングがされており、次にやってきた電車は、こんぴらさんバージョンでした。
しあわせさん、こんぴらさん。御利益ありそう。



金毘羅宮のマークは、正確には「金」を丸がこみした字じゃないんですよね。
上から「人」「長」「平」を組み合わせた造語で、「人が長く平和であるように」という願いが込められているのだそうです。


● 展望台からの夜景

陽が落ちた後に、高松築港に戻りました。
これでこの日のことでんの旅はおしまい。
港沿いのシンボルタワーに向かいます。
展望台に登って海を眺めようと思いましたが、行き方がわからず、人が周りにいないために聞くこともできません。
しばしうろうろしたあと、ようやくスタッフの人を見つけて教えてもらいました。
町の方はキラキラしていますが、海はもう真っ黒。
やはり、見慣れた横浜港とは様子が違います。


駅前のおみやげやさんに寄ってから、8時過ぎにホテルへ戻りました。
昨日は海で、今日は山。
天気はいまいちでしたが、涼しい中、こんぴらさん参拝に挑戦し、奥社までたどり着けたので、オールオッケーです。


3日目に続きます。


初夏の瀬戸内・岡高エリア 2-1(高松、金毘羅)

2019-08-22 | 四国

1日目からの続きです。


● うどんバイキング

2日目。朝5時半に起きて朝風呂に入り、6時半からの朝食へ。
さすがはうどん県、うどんがメニューの中心になっていまます。
「さか枝」という人気店のうどんだとのこと。
コシがあって、間違いなく讃岐うどん!



おいしい!でも1杯分の量は少なめです。
みんなこんなに少なくて、満足しているの?何杯もお替りするの?

● みそしるうどん


ご飯やパンもあるからかもしれませんが、私は2杯目をおかわりします。
すると「みそしるうどん」なるものがあると知りました。
だしではなく味噌汁を入れるだけのようですが、冬に食べたら身体が暖まりそうですね。



みそしるうどん、試してみました。具はうどんの時と一緒です。
うん、おいしい。考えたことなかったけれど、味噌汁と合いますね~。

ほかに「うどんごはん」というものもありました。
これは、ご飯にうどんの汁をかけて食べるものだとか。
とにもかくにも、うどんありきなんですね!

● うどんとヤドン

朝食後、おなかを落ち着かせてから8時に出発。
JR高松駅のそばにある、ことでん(琴平電鉄)の高松築港駅に向かいます。



ここで1日フリーパスを購入。
「2種類あります」と見せられたのは、マスコットのイルカのことちゃんと、ヤドンの2つ。
ヤドンって、ピンクのカバのようなポケモンですけど、でもどうして?
渡されたヤドンのフリーパスの大きさにびっくり~!
私のポーチに入らないサイズだったので、ことちゃんの方にしました。

さて、なぜヤドンが採用されているのか、お判りでしょうか?
ここはうどん県。うどん=ヤドンというわけですね。
ホテルの売店で「ヤドンのうどん」を見つけて(うどん県はヤドン県になっていくのね~)と思いました。
本当は何県といったか、忘れてしまいそう!


高松城跡の玉藻公園にて


電車がくる間、目の前の高松城を駅のホームから見学します。
うーん、立派な石垣。
最近では、天守閣よりも石垣の方が気になるようになってきた私です。

● シュールなことちゃん

ことちゃんはかわいらしいイルカですが、なかなかトンガっています。
「ごはんがなければうどんを食べればいいじゃない」といったシュールなLINEスタンプを出しています。
うどん県の民は、みんなそう思っているのかな。

ことちゃんが描かれて「イルカじゃなくても乗れるんです」というメッセージ付きの、ことでんポスターがありました。
(むしろイルカが乗り込んできたら一大事じゃない?)って思いますよね。
よく見たら、春からスイカやパスモといった交通系カードも使えるようになったことの通知でした。
そういえば、前の日フェリー乗り場でその話題になったんだっけ。
まぎらわしいんだから、もー!!

● 座席でジャンピング

8時半の琴電琴平駅行きに乗ります。乗り換えせずに終点まで乗っていけばいいので楽です。
しかし、電車はすごく揺れて、座席の上でみんなボンボンと跳ねています。
男の人まで、電車の揺れに合わせて身体が宙に浮いています。
文字なんて、読めも書けもしません。


もはや遊園地のアトラクション状態。こんなんでよくみんな悲鳴を上げないものです。
京浜急行で通学した頃から、乗客をブンブンと振り落とそうとしているかのような揺れに慣れている私。
それでも今まで、忘れられないほど激しい乗車だったのは、高崎 - 下仁田間をつなぐ群馬の上信電鉄。
すごかったですが、そこを思い出すほどのレベルなので、琴電もかなりハイパーだと思います!

まあそれでも、乗っている間じゅうずっと激しい走行というわけではありません。
単に揺れに慣れただけかもしれませんが、穏やかに走る場所もあります。
そうなると眠気が押し寄せて、再び揺れるまで寝入っていきました。

● 線路と山

線路がずっと向こうまで一直線。
単線というところが、旅情を誘います。

まっすぐ前方に、形の良い三角形の山が見えました。
飯野山、またの名を讃岐富士といいます。



気がついたら、見える山の形が変わっていました。
金毘羅山、目指す山です。


● こんぴら参り

朝から空には曇がたちこめていましたが、琴平駅に着いた時には、いよいよ降り出しそうな空の色。
サクサクと金刀比羅宮の参道に向かいます。
なかなか訪れる機会がありませんでしたが、とにかくきつくて大変だと聞いているため、ゆっくりと石段に近づきます。

記念すべきステップ一段目。よーし、無理をせずに、最後までがんばるぞー!

駕籠(かご)かつぎの人がいます。ご苦労様なことです。


それにしても参道にずらりと続く土産物屋の多さよ。
そしてどこまで続くともわからない石段。

でも結構みんな、レジャーとして来ているようで、子供もけっこう見かけます。
いえいえ、甘く見てはいけません。先が見えない行程なので、初めからとばしすぎずに、ペース配分を考えながら登っていきます。

● 森の石松

ふと、どこかで見たことがある人形が目に留まりました。
おや、あなたは「森の石松つぁん」では?
清水の次郎長の子分ですよね?てことは、静岡にいるはずでは?
なぜ四国にいるの?



彼は、次郎長親分に命じられて、金毘羅さん詣りに来たそうです。
ただ、途中の旭社を本宮と間違えて、そこで引き返しちゃったんだとか。
そんなおマヌケなところが、人気なんだそうです。

そんなエピソードがあるとは知りませんでした。
子供心に、片目で頬傷がある顔がちょっと怖かったんですが、案外おとぼけキャラだったんですね。

自分も周りも、体力を温存して、石段をゆっくり上がっていきます。
なので、周りからいろいろな会話が耳に入ってきます。



金比羅さんはとても大きくて、いろいろなお社があります。
どれがゴールなのか、わからないー。

● 乘るも担ぐも駕籠はつらいよ

鐘楼のところに、無人の駕籠がありました。
お客さんを乗せて、ここまで上がってきたんでしょうね。


以前、この籠に乗ったことがある私の伯母は、想像以上に左右にぶんぶん揺れるので、振り落とされないように必死に籠にしがみついていたそうです。
籠の外に放り出されたら、階段の下までゴロゴロ転がってしまうかもしれませんからね。
だから、籠に乗っても、すごーく大変だったと言っていました。

誰にとってもとにかく大変なのが、金毘羅さん詣りなんでしょうね。

● カッコイイ灯篭

金比羅さんで一番格好が整えられている灯籠。立派です。
これと同じ型のものが、山形の山寺と宮城の金華山黄金山神社にもあるんだそう。



おや、どちらも参拝していますよ。
ということは、私はこの灯篭に出逢うのは、ここで3カ所目になるわけですね。
気づいてませんでしたが。

「山寺、いつか行ってみたいのよね~」
「あそこも石段キツイっていうよ」と、こちらの方言で会話する声が聞こえてきます。
そう、あそこもキツイのよ・・・。
重い灯篭をここまで運び上げた人、大変だっただろうな。心からスゴイと思います。

● 五人百姓

五人百姓の辺りに差し掛かりました。
インパクトのある名前ですが、お百姓さんが五人いるわけではありません。
等間隔に開かれた傘の下で、5人の女性が黄金色の「加美代飴」を売っています。
かつて、金毘羅さんの境内での商売を許された5軒の飴屋さんだそう。
歴史を今なお引き継いでいるんですね。


ちなみに横浜に「三人百姓」という豆腐料理のお店がありました。
三人姉妹がやっていたそうで、(大人になったら行こう)と思っていたのに、大人になる前に閉店してしまいました。残念ー。

● 白い神馬

大門を過ぎた辺りに神馬がいたので、そばまで会いに行きました。
京都の上賀茂神社と同じ、白馬です。2頭いました。


今の神馬は、14歳になる道産子の月琴号。
隣の2頭目のサラブレッド、ルーチェ号も、人間でいうと40代だそう。
元競走馬で、G1グランプリで優勝したことがあるそうです。
なかなか白馬って見る機会がないものですが、2匹並んでいるのは迫力がありました。


どちらもうろうろ動きまわって、私たちに歯を見せたりお尻を見せたり。神馬なのに、惜しげなさすぎィ~!
食事の時間で、おなかが空いていたのかしら。

● 神椿カフェ

かなり上った辺りに、資生堂の神椿カフェがあって(エ~、こんなところに)と思います。
そばにいた5,6人の女子グループが
「疲れた人―!」「ハーイ!」
「一休みしたい人―!」「ハーイ!」
「甘いもの食べたい人―!」「ハーイ!」
とのやりとりを経て、中に入っていきました。楽しそうだなあ。

あ、神椿カフェと椿屋カフェって、かなり近い名前ですね。
似て非なるもの!

● 小鳥とおじさん

途中でひと休みしている人たちが大勢います。
その中で、一人のおじさんの手の上に、小鳥が飛んできていました。
まあすてき。
日本で、フレスコ画の「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」を見た気分です。



周りの人たちは、もうほとほとへばっています。
でもがんばるのが参拝。今日は曇りの肌寒い日で、助かりました。
前日のように暑い日だったら、もうそれだけで体力が消耗したことでしょう。

● 力士の手水舎

手水舎で手を浄めている時、ふと足元が気になったので、のぞいてみました。
すると、力士が支えていました。



4隅を支えています。いいですね~。
しゃがみこんで、みんなと違う角度で写真を撮っていた私は、怪しく見えたかもしれません。

● 旭社

やっと着いた――!!
と思ったら、そこは旭社でした。
あまりに立派なので、本宮以外には思えません。



これは、森の石松も間違えるわ~。あなたは悪くない!
要約の思いでここまで来たのに、違うと知って、がっくりと座り込む人多数。
でもここで帰ったら、石松状態になってしまうので、もうちょっとがんばりまーす。



最後、へとへとになった私たちをあざ笑うかのように、胸突き八丁の45℃くらいの長い階段がありました。
それをなんとか登り切ったところに、ようやく本宮がありました。

● 到着~!

もう感激の極み~!


本宮前では、結婚式のカップルが写真撮影をしていました。
ここまで登ってきたなんて、すごい~!
もうどんな苦労も二人で越えていけますね!



たくさんの船の写真が飾られていました。
船の絵馬っていうのかしら?


しっかり参拝をして、(さあでは苦労して登ってきた景色を眺めよう)と思ったら、下界は曇ってかすみがかかっていて、よく見えませんでした。
そういえば天気良くないんだった。

● さらに奥社へ

金刀比羅宮御本宮から、さらに583段の石段を登った所にある奥社。
ここの奥社には、天狗様がまつられているそうではありませんか。
江戸期に金毘羅大権現の別当、金光院主だった金剛坊宥盛大人[こんごうぼうゆうせいうし]を、厳魂彦命(イズタマヒコノミコト)として祀っています。
その人が天狗になって、この山を護っているそうです。

きつかったら本宮で戻るつもりでしたが、天狗由来の山と聞いて、がぜんハッスルする私。
もともと奥社好きなのです。
しかし、ここまでの行程でかなり脚力が落ちているし、奥社はさらに大変な場所にあります。
ここから先に向かう人たちは、
 ① とても信心深いか、
 ② 好奇心が強いか、
 ③ 山登りが好きか、
 ④ 天狗好きか、
 ⑤ あまり考えていないかのどれかでしょう。

私?私は④と⑤ですね!


亀が支える石碑。山の中で瓶の石碑に会うというのも、なんだか不思議な感じ。
本宮参道に比べてかなり数は減りましたが、それでもそこそこの人たちが奥社参道を登っていきます。
しかし今回もまた、行けども行けどもゴールは見えません。
うっそうとした木々に囲まれているため、先がどうなっているのかよくわかりませんが、人の話し声が予想外の高い場所から聞こえてくると、(あんな上まで登るんだ)と青ざめます。



崇徳天皇を祀る白峰神社もありました。
京都から勧請したのでしょうか。
そばには菅原道真が祀られている菅原神社もあります。
これで平将門もいると「三大怨霊」が揃うなあと、ちょっと寒くなりましたが、将門さんはいませんでした。

● 奥社到着

本宮からさらに30分歩いて、ようやくたどり着いたときには、足が棒のようになっていました。



ああ、たどり着けてよかった。ほっとして御朱印をいただきます。



いずれ足腰が弱ってしまう前に、お参りできてよかったです。
さらに高いところまで登りましたが、やっぱり見晴らしはいまいち。



● 下りも足にきます

さて、一息着いたら下り道。下りは行きに比べて遙かに楽です。
よろよろしながら上がってくる人たちの横を、颯爽と下りていきます。
ただ、調子に乗ってドンドン下りていくと、膝が笑ってしまうので、気をつけなくてはなりません。
ぽつぽつ雨が降ってきたので、気持ち急ぎます。

あっという間に本宮まで戻ってきました。
奥社まで行って戻ってくるまで小1時間ほど。
その間に、先ほどお宮の前で記念写真を撮っていたカップルが、神前結婚式を執り行っていました。


おめでとうございます~!親族の方々もみんな、ここまで登ったんですね。
おじいちゃんやおばあちゃんもいることでしょう。みんなタフだわ。
この辺の土地の人は、上り慣れているのかしら。
うちの親族が金毘羅さんの本宮で結婚式をやると言っても、来れる気力体力のある人はほとんどいなさそう~。

雨はどんどんもっと強くなってきたので、傘を取り出します。
傘を差している人たちが行き交う石段。
片手に傘、片手に杖を持って登っている人もいて、両手がふさがってるなあと気になりました。
すべってバランスを崩した時に危険ですね。気をつけないと。

沿道のおみやげやさんで杖を貸りている人たちもいました。

● 裏参道

そろそろ膝に来始めてるなと思っていたら、そばを歩いている女性が連れの男性に「裏参道ってあるんだってね。」と話すのが聞こえました。
「石段じゃなくて坂だから楽なんだって」
なぬ?そんな道があるのでしょうか?
その二人はそう言いながらも石段を下りていきましたが、私はすぐに道をそれます。
わき道に入ると、たしかに階段ではなくスロープ。
住んでいる人たちが使う道だから、もっと使いやすくなっているのでしょう。

でもその道がどこに行くのかよくわからず、ふらふらと迷いながら進みます。
金毘羅歌舞伎の芝居小屋を見つけたくて、探しながら行きました。
くねくね道が入り組んでおり、同じ道を行ったり来たりしながら、ようやくたどり着きました。
毎年春に歌舞伎が開催されるそうです。
がんばって参拝したあとは、開放感にひたれるし、温泉が出てゆっくりできる場所で歌舞伎を観られるのはいいですね。

● ザーザー降り

本格的に雨になりました。
石段を登るときに雨じゃなくてよかったと思います。
濡れた石は、滑りやすくなっています。

● 屋根付き橋

そのまま足元に注意しながら裏道を通り、川まで来ました。
気がつくと、少し向こうに屋根付きの橋があるではありませんか!
私の好きな屋根付きの橋!!ここで見つけられるなんて!
足の疲れも忘れて、そばに寄ってみます。



普段は渡れない、立派な作りの神橋でした。
金比羅さんのお祭りの時に使われるそうです。

しとしとと降る雨を傘に受けながら駅に戻ると、駅員さんが手前の道路まで出ていました。
「もうすぐ電車が発車します」というので、急いで乗り込みます。

12時13分に発車。またブンブン電車は上下に揺れながらすすみ、乗客はぽんぽん跳ね上げられます。
(おなかのエクササイズにいいかも)と思うくらい、すごいんですよ。

その2に続きます。