1日目からの続きです。
● うどんバイキング
2日目。朝5時半に起きて朝風呂に入り、6時半からの朝食へ。
さすがはうどん県、うどんがメニューの中心になっていまます。
「さか枝」という人気店のうどんだとのこと。
コシがあって、間違いなく讃岐うどん!
おいしい!でも1杯分の量は少なめです。
みんなこんなに少なくて、満足しているの?何杯もお替りするの?
● みそしるうどん
ご飯やパンもあるからかもしれませんが、私は2杯目をおかわりします。
すると「みそしるうどん」なるものがあると知りました。
だしではなく味噌汁を入れるだけのようですが、冬に食べたら身体が暖まりそうですね。
みそしるうどん、試してみました。具はうどんの時と一緒です。
うん、おいしい。考えたことなかったけれど、味噌汁と合いますね~。
ほかに「うどんごはん」というものもありました。
これは、ご飯にうどんの汁をかけて食べるものだとか。
とにもかくにも、うどんありきなんですね!
● うどんとヤドン
朝食後、おなかを落ち着かせてから8時に出発。
JR高松駅のそばにある、ことでん(琴平電鉄)の高松築港駅に向かいます。
ここで1日フリーパスを購入。
「2種類あります」と見せられたのは、マスコットのイルカのことちゃんと、ヤドンの2つ。
ヤドンって、ピンクのカバのようなポケモンですけど、でもどうして?
渡されたヤドンのフリーパスの大きさにびっくり~!
私のポーチに入らないサイズだったので、ことちゃんの方にしました。
さて、なぜヤドンが採用されているのか、お判りでしょうか?
ここはうどん県。うどん=ヤドンというわけですね。
ホテルの売店で「ヤドンのうどん」を見つけて(うどん県はヤドン県になっていくのね~)と思いました。
本当は何県といったか、忘れてしまいそう!
高松城跡の玉藻公園にて
電車がくる間、目の前の高松城跡を駅のホームから見学します。
うーん、立派な石垣。
最近では、天守閣よりも石垣の方が気になるようになってきた私です。
● シュールなことちゃん
ことちゃんはかわいらしいイルカですが、なかなかトンガっています。
「ごはんがなければうどんを食べればいいじゃない」といったシュールなLINEスタンプを出しています。
うどん県の民は、みんなそう思っているのかな。
ことちゃんが描かれて「イルカじゃなくても乗れるんです」というメッセージ付きの、ことでんポスターがありました。
(むしろイルカが乗り込んできたら一大事じゃない?)って思いますよね。
よく見たら、春からスイカやパスモといった交通系カードも使えるようになったことの通知でした。
そういえば、前の日フェリー乗り場でその話題になったんだっけ。
まぎらわしいんだから、もー!!
● 座席でジャンピング
8時半の琴電琴平駅行きに乗ります。乗り換えせずに終点まで乗っていけばいいので楽です。
しかし、電車はすごく揺れて、座席の上でみんなボンボンと跳ねています。
男の人まで、電車の揺れに合わせて身体が宙に浮いています。
文字なんて、読めも書けもしません。
もはや遊園地のアトラクション状態。こんなんでよくみんな悲鳴を上げないものです。
京浜急行で通学した頃から、乗客をブンブンと振り落とそうとしているかのような揺れに慣れている私。
それでも今まで、忘れられないほど激しい乗車だったのは、高崎 - 下仁田間をつなぐ群馬の上信電鉄。
すごかったですが、そこを思い出すほどのレベルなので、琴電もかなりハイパーだと思います!
まあそれでも、乗っている間じゅうずっと激しい走行というわけではありません。
単に揺れに慣れただけかもしれませんが、穏やかに走る場所もあります。
そうなると眠気が押し寄せて、再び揺れるまで寝入っていきました。
● 線路と山
線路がずっと向こうまで一直線。
単線というところが、旅情を誘います。
まっすぐ前方に、形の良い三角形の山が見えました。
飯野山、またの名を讃岐富士といいます。
気がついたら、見える山の形が変わっていました。
金毘羅山、目指す山です。
● こんぴら参り
朝から空には曇がたちこめていましたが、琴平駅に着いた時には、いよいよ降り出しそうな空の色。
サクサクと金刀比羅宮の参道に向かいます。
なかなか訪れる機会がありませんでしたが、とにかくきつくて大変だと聞いているため、ゆっくりと石段に近づきます。
記念すべきステップ一段目。よーし、無理をせずに、最後までがんばるぞー!
駕籠(かご)かつぎの人がいます。ご苦労様なことです。
それにしても参道にずらりと続く土産物屋の多さよ。
そしてどこまで続くともわからない石段。
でも結構みんな、レジャーとして来ているようで、子供もけっこう見かけます。
いえいえ、甘く見てはいけません。先が見えない行程なので、初めからとばしすぎずに、ペース配分を考えながら登っていきます。
● 森の石松
ふと、どこかで見たことがある人形が目に留まりました。
おや、あなたは「森の石松つぁん」では?
清水の次郎長の子分ですよね?てことは、静岡にいるはずでは?
なぜ四国にいるの?
彼は、次郎長親分に命じられて、金毘羅さん詣りに来たそうです。
ただ、途中の旭社を本宮と間違えて、そこで引き返しちゃったんだとか。
そんなおマヌケなところが、人気なんだそうです。
そんなエピソードがあるとは知りませんでした。
子供心に、片目で頬傷がある顔がちょっと怖かったんですが、案外おとぼけキャラだったんですね。
自分も周りも、体力を温存して、石段をゆっくり上がっていきます。
なので、周りからいろいろな会話が耳に入ってきます。
金比羅さんはとても大きくて、いろいろなお社があります。
どれがゴールなのか、わからないー。
● 乘るも担ぐも駕籠はつらいよ
鐘楼のところに、無人の駕籠がありました。
お客さんを乗せて、ここまで上がってきたんでしょうね。
以前、この籠に乗ったことがある私の伯母は、想像以上に左右にぶんぶん揺れるので、振り落とされないように必死に籠にしがみついていたそうです。
籠の外に放り出されたら、階段の下までゴロゴロ転がってしまうかもしれませんからね。
だから、籠に乗っても、すごーく大変だったと言っていました。
誰にとってもとにかく大変なのが、金毘羅さん詣りなんでしょうね。
● カッコイイ灯篭
金比羅さんで一番格好が整えられている灯籠。立派です。
これと同じ型のものが、山形の山寺と宮城の金華山黄金山神社にもあるんだそう。
おや、どちらも参拝していますよ。
ということは、私はこの灯篭に出逢うのは、ここで3カ所目になるわけですね。
気づいてませんでしたが。
「山寺、いつか行ってみたいのよね~」
「あそこも石段キツイっていうよ」と、こちらの方言で会話する声が聞こえてきます。
そう、あそこもキツイのよ・・・。
重い灯篭をここまで運び上げた人、大変だっただろうな。心からスゴイと思います。
● 五人百姓
五人百姓の辺りに差し掛かりました。
インパクトのある名前ですが、お百姓さんが五人いるわけではありません。
等間隔に開かれた傘の下で、5人の女性が黄金色の「加美代飴」を売っています。
かつて、金毘羅さんの境内での商売を許された5軒の飴屋さんだそう。
歴史を今なお引き継いでいるんですね。
ちなみに横浜に「三人百姓」という豆腐料理のお店がありました。
三人姉妹がやっていたそうで、(大人になったら行こう)と思っていたのに、大人になる前に閉店してしまいました。残念ー。
● 白い神馬
大門を過ぎた辺りに神馬がいたので、そばまで会いに行きました。
京都の上賀茂神社と同じ、白馬です。2頭いました。
今の神馬は、14歳になる道産子の月琴号。
隣の2頭目のサラブレッド、ルーチェ号も、人間でいうと40代だそう。
元競走馬で、G1グランプリで優勝したことがあるそうです。
なかなか白馬って見る機会がないものですが、2匹並んでいるのは迫力がありました。
どちらもうろうろ動きまわって、私たちに歯を見せたりお尻を見せたり。神馬なのに、惜しげなさすぎィ~!
食事の時間で、おなかが空いていたのかしら。
● 神椿カフェ
かなり上った辺りに、資生堂の神椿カフェがあって(エ~、こんなところに)と思います。
そばにいた5,6人の女子グループが
「疲れた人―!」「ハーイ!」
「一休みしたい人―!」「ハーイ!」
「甘いもの食べたい人―!」「ハーイ!」
とのやりとりを経て、中に入っていきました。楽しそうだなあ。
あ、神椿カフェと椿屋カフェって、かなり近い名前ですね。
似て非なるもの!
● 小鳥とおじさん
途中でひと休みしている人たちが大勢います。
その中で、一人のおじさんの手の上に、小鳥が飛んできていました。
まあすてき。
日本で、フレスコ画の「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」を見た気分です。
周りの人たちは、もうほとほとへばっています。
でもがんばるのが参拝。今日は曇りの肌寒い日で、助かりました。
前日のように暑い日だったら、もうそれだけで体力が消耗したことでしょう。
● 力士の手水舎
手水舎で手を浄めている時、ふと足元が気になったので、のぞいてみました。
すると、力士が支えていました。
4隅を支えています。いいですね~。
しゃがみこんで、みんなと違う角度で写真を撮っていた私は、怪しく見えたかもしれません。
● 旭社
やっと着いた――!!
と思ったら、そこは旭社でした。
あまりに立派なので、本宮以外には思えません。
これは、森の石松も間違えるわ~。あなたは悪くない!
要約の思いでここまで来たのに、違うと知って、がっくりと座り込む人多数。
でもここで帰ったら、石松状態になってしまうので、もうちょっとがんばりまーす。
最後、へとへとになった私たちをあざ笑うかのように、胸突き八丁の45℃くらいの長い階段がありました。
それをなんとか登り切ったところに、ようやく本宮がありました。
● 到着~!
もう感激の極み~!
本宮前では、結婚式のカップルが写真撮影をしていました。
ここまで登ってきたなんて、すごい~!
もうどんな苦労も二人で越えていけますね!
たくさんの船の写真が飾られていました。
船の絵馬っていうのかしら?
しっかり参拝をして、(さあでは苦労して登ってきた景色を眺めよう)と思ったら、下界は曇ってかすみがかかっていて、よく見えませんでした。
そういえば天気良くないんだった。
● さらに奥社へ
金刀比羅宮御本宮から、さらに583段の石段を登った所にある奥社。
ここの奥社には、天狗様がまつられているそうではありませんか。
江戸期に金毘羅大権現の別当、金光院主だった金剛坊宥盛大人[こんごうぼうゆうせいうし]を、厳魂彦命(イズタマヒコノミコト)として祀っています。
その人が天狗になって、この山を護っているそうです。
きつかったら本宮で戻るつもりでしたが、天狗由来の山と聞いて、がぜんハッスルする私。
もともと奥社好きなのです。
しかし、ここまでの行程でかなり脚力が落ちているし、奥社はさらに大変な場所にあります。
ここから先に向かう人たちは、
① とても信心深いか、
② 好奇心が強いか、
③ 山登りが好きか、
④ 天狗好きか、
⑤ あまり考えていないかのどれかでしょう。
私?私は④と⑤ですね!
亀が支える石碑。山の中で瓶の石碑に会うというのも、なんだか不思議な感じ。
本宮参道に比べてかなり数は減りましたが、それでもそこそこの人たちが奥社参道を登っていきます。
しかし今回もまた、行けども行けどもゴールは見えません。
うっそうとした木々に囲まれているため、先がどうなっているのかよくわかりませんが、人の話し声が予想外の高い場所から聞こえてくると、(あんな上まで登るんだ)と青ざめます。
崇徳天皇を祀る白峰神社もありました。
京都から勧請したのでしょうか。
そばには菅原道真が祀られている菅原神社もあります。
これで平将門もいると「三大怨霊」が揃うなあと、ちょっと寒くなりましたが、将門さんはいませんでした。
● 奥社到着
本宮からさらに30分歩いて、ようやくたどり着いたときには、足が棒のようになっていました。
ああ、たどり着けてよかった。ほっとして御朱印をいただきます。
いずれ足腰が弱ってしまう前に、お参りできてよかったです。
さらに高いところまで登りましたが、やっぱり見晴らしはいまいち。
● 下りも足にきます
さて、一息着いたら下り道。下りは行きに比べて遙かに楽です。
よろよろしながら上がってくる人たちの横を、颯爽と下りていきます。
ただ、調子に乗ってドンドン下りていくと、膝が笑ってしまうので、気をつけなくてはなりません。
ぽつぽつ雨が降ってきたので、気持ち急ぎます。
あっという間に本宮まで戻ってきました。
奥社まで行って戻ってくるまで小1時間ほど。
その間に、先ほどお宮の前で記念写真を撮っていたカップルが、神前結婚式を執り行っていました。
おめでとうございます~!親族の方々もみんな、ここまで登ったんですね。
おじいちゃんやおばあちゃんもいることでしょう。みんなタフだわ。
この辺の土地の人は、上り慣れているのかしら。
うちの親族が金毘羅さんの本宮で結婚式をやると言っても、来れる気力体力のある人はほとんどいなさそう~。
雨はどんどんもっと強くなってきたので、傘を取り出します。
傘を差している人たちが行き交う石段。
片手に傘、片手に杖を持って登っている人もいて、両手がふさがってるなあと気になりました。
すべってバランスを崩した時に危険ですね。気をつけないと。
沿道のおみやげやさんで杖を貸りている人たちもいました。
● 裏参道
そろそろ膝に来始めてるなと思っていたら、そばを歩いている女性が連れの男性に「裏参道ってあるんだってね。」と話すのが聞こえました。
「石段じゃなくて坂だから楽なんだって」
なぬ?そんな道があるのでしょうか?
その二人はそう言いながらも石段を下りていきましたが、私はすぐに道をそれます。
わき道に入ると、たしかに階段ではなくスロープ。
住んでいる人たちが使う道だから、もっと使いやすくなっているのでしょう。
でもその道がどこに行くのかよくわからず、ふらふらと迷いながら進みます。
金毘羅歌舞伎の芝居小屋を見つけたくて、探しながら行きました。
くねくね道が入り組んでおり、同じ道を行ったり来たりしながら、ようやくたどり着きました。
毎年春に歌舞伎が開催されるそうです。
がんばって参拝したあとは、開放感にひたれるし、温泉が出てゆっくりできる場所で歌舞伎を観られるのはいいですね。
● ザーザー降り
本格的に雨になりました。
石段を登るときに雨じゃなくてよかったと思います。
濡れた石は、滑りやすくなっています。
● 屋根付き橋
そのまま足元に注意しながら裏道を通り、川まで来ました。
気がつくと、少し向こうに屋根付きの橋があるではありませんか!
私の好きな屋根付きの橋!!ここで見つけられるなんて!
足の疲れも忘れて、そばに寄ってみます。
普段は渡れない、立派な作りの神橋でした。
金比羅さんのお祭りの時に使われるそうです。
しとしとと降る雨を傘に受けながら駅に戻ると、駅員さんが手前の道路まで出ていました。
「もうすぐ電車が発車します」というので、急いで乗り込みます。
12時13分に発車。またブンブン電車は上下に揺れながらすすみ、乗客はぽんぽん跳ね上げられます。
(おなかのエクササイズにいいかも)と思うくらい、すごいんですよ。
その2に続きます。