風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2012-5 鶴見川の源流を訪ねて1

2012-05-13 | 神奈川
横浜を流れる鶴見川は、日常の中ですっかりおなじみの川です。
小学生の頃は、鶴見川の支流の矢上川沿いに住んでいました。
当時、多摩川サイクリングコース鶴見川サイクリングコース、全20km長を家族で走破したのは、いい思い出です。

昨年秋に、友人によるセーヌ川の源流から河口までのレクチャー・インスタレーションに参加し、(セーヌ川の源流は泉で、そこには女神像がある)と知りました。
とってもロマンチックだったのが印象的でした。

先月には、期せずして野川の源流を見ることができ、この日は鶴見川の源流祭りがあると知ったので、行ってみることにしました。
荒川や多摩川の源流は、かなりの山の中で、登山の心得のない人が行くには不向きですが、鶴見川の源流は、町田市内にあるのです。
意外に近くなんですね。
しかも、かなり近くまでバス停があり、そう苦労せずに行くことができます。

でも、それではつまらないですよね。
やっぱり川を見ながらどんどんその源へと近づいていくのでなければ、気持ちは高まりません!
ということで、メンバーは今回、小田急線の鶴川駅に集合しました。

「鶴川って行ったことがない」と、前の日に親に話したら、「あら、子供の頃、農園に行ってピーナツ狩りとお芋掘りをしたわよ」との返事が。
ピーナッツ狩りは覚えていますが、降りた駅は覚えていませーん。
駅前には、レモンイエローの服を着た人が大勢おり、(あっ、ジェフのサポーター。なぜここに?)と思ったら、FC町田ゼルビアとの試合観戦に行く方々でした。
ゼルビア!知らなかったですー。今年J2に昇格したそうで、それは町田が大盛り上がりでしょうね。



スタジアム行きのバスに乗り込む彼らを見送るように、私たちは歩き始めました。
巻き貝のような不思議な建物を発見しました。個人の邸宅のようです。
凝ってますね!ジブリの世界にでてきそう。



たどり着いた鶴見川は、よく見知ったものよりも、この時点でかなり小ぶりになっています。
すでに、支流の早淵川、河口付近サイズといったところでしょうか。(この表現でどれだけの人が分かってくれるものかしら?)
水はきれい。川底が透き通って見える透明度と浅さです。
亀が甲羅干しをしていました。



じつは、この一週間、カゼを引いて体調不良の私。
かなり収まりはしましたが、まだ本調子ではなく、体力も落ちています。
足を引っ張らないように、いつも以上にコンディションに気を配らなくてはなりません。
日差しは、そうきつくはありませんが、暑くなりそう。
水分補給を気にしながら歩き始めます。
いくつか橋を渡ると、すぐに緑深くなり、山が近くなったように感じますが、それでも民家はずっと続きます。
あまり田舎に来たという気はしません。



よく公園にいるようなパンダやゴリラが玄関でお出迎えをしてくれている家がありました。
郊外の家といったら、重厚な瓦ぶきで、母屋と離れがあって、真っ白な蔵もあって…といったイメージですが、辺りには、真新しい建て売り風の家々が目立ちます。
最近開発されている地域なのかもしれません。



遊歩道の隣に、畑を見かけました。
これは、もみの木畑・・・?クリスマス出荷用でしょうか?
それにしても、間隔が狭すぎやしませんか・・・?
クリスマスツリーは、自然破壊につながらないのかしらと、内心気になっていたため、それ用に栽培されたものだとわかって、ホッとしました。



水際で遊んでいる少年たちがいました。
陽水の「少年時代」だわー。でもここ東京・・・。



円錐形段々のおもしろい造りになっている場所がありました。魚の遡上のためのものだと教えてもらいました。
えっ、鮭でしょうか?北海道でもないのに?
「ほかの魚もですよ」
なんと、生まれた場所に戻って産卵するのは、鮭だけなのかと思っていました!
鶴見川では、アユが遡上するようです。へえ~。魚の生態に疎い私。



なおも歩きつづけます。時間は真昼、太陽が上からじりじりと照り付けます。
道は平坦ですが、アスファルトに反射される日光が暑いー。
川沿いの遊歩道がなくなり、自動車道に移動しました。うーん、車道はつまらないわー。
でも、巨大なポストがあるおうちを発見しました。
ここの住人はよっぽどもてもてで、毎日大量のラブレターが届くから、こんな大きなポストにしているんでしょうね。

ようやく、小山田緑地が近づいてきたので、川からそれて向かいます。
みはらしの丘で「鶴見川源流祭」が行われていました。
会場は、丘のてっぺんで、私たちはしばらくゼイゼイ。



ステージは賑やかで、みんなピースサインを振りながらコーラスしていました。
(この日、白井貴子さんも来たそうだけど)と思いましたが、あとになって写真を見たら、ご本人が映っていました!
息を切らしすぎて、よくわかっていなかったようです。



ここで源流コーヒーを飲むつもりでしたが、ホットしかなかったので、あきらめます。
太陽が頭の真上から照りつけ、もうすっかり汗だくになっています。
源流に生息する水生物なども展示されており、水中でうごめくヤゴやダイゴロウ(じゃなくてゲンゴロウ)を眺めてから、丘を降りました。



次に目指すは、吊り橋です!
この緑地内にあるうさぎ谷には、吊り橋がかかっています。
山道の中へ分け入り、少し歩くと、木々の中から吊り橋が現れました。
わあ、すてき!
今回は、山中なので、下は川ではありません。少したまり水っぽいものはありましたが。
なので、怖くはありませんでした。
人が歩くと、多少は揺れますが、縦揺ればかりで横揺れがないので、どうも私の好みには物足りないところ。
でも、きちんとしたフォルムで、ほどよい長さの橋でした。



満足したところで、次には大泉寺をお参りします。
桜の並木路の、立派な長い参道の先にある古刹。
曹洞宗ということで、禅宗らしい簡素な造りとなっていました。
平安時代から鎌倉時代まで、この地を治めていた小山田有重の居城跡に建てられたそうです。
お城の名残は、もうどこにもありませんでしたが。



杉の木々に囲まれた敷地内。木造の山門は、古めかしく迫力があります。
中には四天王が安置されていました。
仁王像ではなく四天王像というところで、「めずらしい!」とテンションが上がります。
ただ、足元に邪鬼はいませんでしたー。邪鬼マニアの私にとっては残念!





本堂はコンクリで、少々興がそがれますが、扉には時代を感じました。
おびただしい数の羅漢像は迫力がありました。
そしてこんなかわいらしい塔も。中から仏像が顔を出しています。
ほっこりした気持ちになって、手を合わせました。



時が止まったような静謐なお寺。緑深く、新鮮な空気に満ちていました。

話はその2へと続きます。

2012-5 三浦半島探検3~おまけの横浜タウン

2012-05-05 | 神奈川
三浦半島探検後のおまけ話です。
団長と堀の内で解散し、さてどこに行こうかと考えました。
まだ日は高く、せっかくここまできたのだから、もう少し散策したいところです。
でも、メジャーな観光地はどこも混んでいるし・・・
ということで、マイナースポットの母校見学をしました(笑)。



基本、いつも静かな母校ですが、なんだか普段以上に、ゴースト化している気がします。
まるでさっき探検したばかりの田浦ゴーストタウン。どうしたのでしょう?
グラウンドには、運動サークルがアップしており、無人というわけではありませんでしたが。



ざっと周ってみましたが、カフェテリアも事務室も閉まって、閑散としています。
おーーい、と呼んでも、誰も応えてくれなさそう。
それでも、元CO-OPがあった場所では、所属していたオーケストラサークルが音合わせをしており、(あっ後輩たち、がんばってる!)と思いました。



あまりに人けがなくて驚きました。図書館も閉館しており、ぜーんぶ休業状態です。
さすが我が母校、ゆるゆるのんびりだわ。
久しぶりに訪れましたが、ここに来ると、変わらないゆったりした時の流れに心が落ち着きます。
ほぼ無人状態も、なんだか構内を独り占めできたようで、いい感じでした。



それから、京急車庫の前を通りました。
いつも京急車両が列を連ねて停まっている状態を、当時毎日のように眺めており、すっかり見慣れていましたが、考えてみれば珍しい光景なんでしょうね。
団長からバトンタッチした(の)さんに、線路の幅の違いを説明してもらいながら、称名寺に行きました。



仁王門の仁王さまを眺めます。
運慶作ではないかと言われるだけあって、写実的で迫力に満ち満ちた、巨大な木像。
(すごいなあ~)と見とれていたら、(の)さんが「こっちの像は口を閉じてて、向こうのは口を開けてるんですねー」とのんびり言いました。
ええっ!?
あまりの驚きに、一呼吸おいてから向き直り、阿吽の呼吸や狛犬について、怒涛のように説明しました。
マニアックな知識の深い、博識の(の)さんなのに、あうんを知らなかったなんて、びっくりー!
向田邦子を読んでいないわね。(ちょっと違う)
まあ、偏りがあってこそ、マニアと呼ばれるのでしょうからね。



ここの朱塗りの太鼓橋も好きです。段になっていて、登りやすかったです。
こんなに静謐なお寺でも、夏には「伽藍Do!(ギャランドゥ)」なんてはじけたライトアップを行うんです。
すっかり隧道に敏感反応するようになった私たちは、トンネル向こうの金沢文庫をのぞいてから、海の公園に行きました。



海水がかなりひたひたに上まで上がってきており、水面への階段も海中に沈んでいます。
いつにない満潮具合に、びっくりしました。



道なりにシーパラダイスに入り込んだら、もう人だらけ!まっすぐ歩けません。
どのアトラクションにも長蛇の列ができていました。
ペデストリアンデッキにピクニックシートを敷いて場所取りをしている人たちがいると思ったら、夜に花火が上がるのだそうです。
まだまだ、何時間も先の話なのに。
今回の連休中に訪れたうちで、一番混んでいた場所でした。



ここの吊り橋もどきを渡りたーい、と思いましたが、なぜか辿りつけません。
これまでも、この橋は見るばかりで、実際に歩いたことがないような。
地図で調べたら、大型バス専用駐車場への橋のようでした。
うーん、今度は観光バスに乗って渡ろうかな…(そこまでして)!?
市大医学部はあいかわらずの威容でした。



おなかもすいてきたので、勝烈庵で夕食にしました。
ここも、席待ちの行列ができていて、ビックリ。
今まで待ったことなんてなかったのに、やはりGW、おそるべしです。
カツのおいしさはもちろんのこと、深みのあるソースとやわらかく細いキャベツの千切りが大好き。



隠れ家バーに行ってみましたが、門が施錠されており、連休中ずっとお休みとの紙が貼ってありました。
マスター、9連休なんて、優雅だわ~。



この日はスーパームーン。大きな大きな丸い月が見えていました。
なんだかドキドキします。みなとみらいとの夜景によくマッチしています。
満潮の海を見て「昨日まで雨が続いたから?」「そんなんで海のかさは上がるもの?」と話していましたが、考えてみたら、月が地球に接近しているから、潮が満ちていたんですね。
月に惹かれるように散策を続けます。



途中、新高島のベイサイド迎賓館で、挙式が行われていたらしく、建物から出てきた新郎新婦を、御友人や黒服さんたちが盛大にお祝いしていました。お幸せに!





歩いたのは、12キロちょっと。3万歩越えです。けっこう頑張りました。
足にマメができちゃいましたが、いい運動になって、その日の夜はぐっすり眠りました。

2012-5 三浦半島探検2~どきどきゴーストタウン

2012-05-05 | 神奈川
三浦半島を巡るニッチな探検、その(1)からの続きです。



団長に、いくつものトンネルの迷宮にいざなわれた後、田浦ゴーストタウンに導いていただきました。
日本のゴーストタウンといったら、千葉リーヒルズ…と思いながら歩いて行くと、ほたるの里という看板を発見。
ステキじゃないですか。
でも、細道に連なる家はどれも、廃墟だらけ。
明かりも少なく、夕方以降には静まり返って、怖くなってしまうでしょう。

こんな看板を見かけました。


!注意!
この付近一帯
マムシがでます
    気をつけてください!」




「この付近一帯に
マムシ 
がいます。注意して下さい。
今どんどん増えています
見たら殺して下さい」


ひえ~!!
注意だけならまだしも、「見たら殺して」って、ハードル高くないですか!?
助けてはくれないわけですねー。

マムシって、実際見たことがない気がします。
大蛇のようなもの?ツチノコ?
どんなものか知らないのなら、ばったり出くわしてもわからないうちに、飛びかかられてしまいそう~。

いやあ、これは蛍どころの話ではありませんね。

しかし団長はさすがタダモノではなかった!
"横須賀で捕れるマムシを 「海軍マムシ」 と命名 & ブランド化して、「カレーとマムシの街・よこすか」 をアピールしようか" と、テーマパーク「海軍マムシランド」のオープンなどについてさっそく考え始めたようです。
(詳しくは兄のブログ参照)
マムシでさえも特産品にしてしまうとは~!
海軍マムシのコンフィって、うっかりおいしそうなんですけどー(笑)
関西では鰻丼のことを「まむし」というそうですから、西の人たちがうっかり勘違いして食べちゃいそうです!



(私はどこまで来たのかしら~、確かここって、横浜の隣の市のはずだけど~)と、遠い目になりつつありましたが、更に驚いたのが、京急線路下。
1.5mの低い通路です。



ここから、走り去る京急が間近に見上げられるんですね。
ゴゴゴ・・・という列車が近づく音を聞いて、スタンバイして、あっという間に走り去る京急を眺める。
すっごい迫力!これはもう完全に、度胸試しです!



それから、小川のそばでおもむろに立ち止まった団長。
何だろうと思って、川をのぞいていたら、そこにはマンホールが。
川底にマンホール??
どういうことでしょう。謎すぎます。
あそこを開けて、中に入ってみたいものです。
あ、アクアンの住みかかも。あそこから消火栓を引っ張ってくると。なるほど!



駅から港へと続くトロッコ路線の跡が交差している箇所も見せてもらいました。
すでにマニアック度飽和状態でふうふうの私、ちょっと気を抜いていたら、線路跡に夢中の(の)さんに「ちゃんと見て下さいね」とすかさずゲキを飛ばされました。
ヒ~、ハードボイルドー。



線路は、茂みの向こうへと消えていきました。
少しずつ整備されて、線路の跡も消え行く運命にあるんだとのこと。
貴重な光景です。見られるうちに見ておかないとね。



ほかには、十三峠に向かう巨大な「のの字橋」も渡ってもらいます。
のの字橋って、よく高速のジャンクションにある、あれですね?
角度は悠々の540度だとか。これも写真ではなにがなんだか、さっぱりわかりません。
実際に通ってみないことにはね。
中は児童公園になっていました。

すごいなあ、奥が深いなあ、横須賀。
本当にこの辺りは起伏のある土地だということがわかります。
山を切り崩して大型マンションを建設していたり、急斜面を段々にして家を建てたり、なかなか思い切った土地開発に乗り出していることもわかりました。
見ているだけでも、結構危なっかしい家もちらほら。
三浦半島は、断層地帯ですし、大丈夫かしら。



個人的にとってもナゾだったのが、この物体でした。
駐車場に停められて(?)いたんです。
持ち手があるっていうことは、二人で遊ぶもの?
でもどうやって?ラブラブカップル仕様?
うーん、実際に乗って、試してみるんでした!団長、今度解明してきて下さい!





お昼は、浦賀のシーサイドのワンこぱんで。
お店の人ともお客さんとも顔なじみで談笑する団長。顔が広いです。
海日和のいい天気なので、たくさんのクルーザーが海に浮かんでいます。
隣がマリーナになっており、クルーザーが引き上げられて陸に上がる様子を、パンを食べながら見学しました。













ゆっくりと持ち上げられたクルーザーを、待ち構えていたクレーンが連結して、マリーナへと引っ張っていきます。
なるほど、こんな仕組みになっているんですね。
舟は、ナイト2000のように自力で海に飛び込んでくれませんからね。

車は観音埼の前を通りました。
観音埼はお気に入りの場所で、時々行ってリフレッシュしたくなります。
ただ、この日はすさまじい駐車場渋滞ができていました。
さらに、磯辺にはカラフルなテントが無数に張られており、見たことのない混雑ぶりにショック。
見るからに、人でごった返していました。GWですね。



そんな人の集まる場所は素通りし、私たちが周ったのは、人けのないところばかりでした。
今は廃墟化している元自衛隊官舎の奥にある、巨大な横穴も見学しました。
海軍が、かつて鉄砲練習をした穴だそうです。
あまりの巨大さに、驚きました。なにかが確実にひそんでいそうです。
・・・マムシの巣窟?(まだゴーストタウンの呪縛が解けていない)

団長と(の)さんが、相当ディーープだということが、よーーくわかりました。
(の)さんは、団長に刺激されるところがとっても多かったようです。
途中からは「谷戸、谷戸・・・」と、うわごとのようにつぶやいていました。



最後には、堀の内で車を下してもらい、解散です。
団長、どうもありがとうございました。とっても盛りだくさんでした!
横須賀にあんなに隧道があるなんて、全然知らなかったし、道を知っている人でなければ、とても案内してもらえない場所ばかり。
驚いてばかりでした。
山あり、海ありの、バランスバッチリのご案内で、すっかりリフレッシュできた気分です。

横須賀はもっと知っていると思っていましたが、それは表向きのメジャーなところばっかりだったんだなあと実感。
いやあ、ほんとうに奥深かったです。マニアックぶりが炸裂する二人が、蜃気楼の向こうの人影のように、いつになく遠く見えました。。。
ううむ、団長のあまりの町の達人ぶりに、妹分としてもなんとか頑張らなくちゃという気持ち。(でも、どうやって?)

さっそく後日、団長に御礼のメッセージを送ったところ、
「トンネル、ラウンダバウト、危ない家、管路隧道、ゴーストタウン、怖い京急、のの字橋、川底マンホールなどなど。
これからの(り)さんの人生にきっと役立つ物ばかりですので、これからも三浦半島をよろしくです。(笑)」
というありがた~いお言葉をいただきました。
そうですか、きっとこの日の体験が、血となり肉となって私を助けてくれるんですね!?

こういった散策は初めてで、おもしろかったし、日々充実して生き生きしている兄がとっても眩しく見えました。
尊敬します、兄様! サウイフモノニ、ワタシハナリタイ。
とりあえず、ラウンダバウトは近所に思い当たる候補があるので、写真を送ったら、鑑識してくださいねー♪

2012-5 三浦半島探検1~ゴーゴートンネルタウン

2012-05-05 | 神奈川
私には、兄と呼んで慕っている方がいます。
メールの誤送がきっかけで知り合い、同じ名字のよしみで仲良くしていただき、今では隠れ家バーで時々一緒に乾杯している、摩訶不思議な関係です。
そのジェイク兄は、三浦半島にとても詳しく、探偵団の団長としてパトロールをしているとのこと。
ブログもとてもマニアックで面白いです。→「三浦半島なんでも探偵団 ~B面~」
先日、(の)さんと私は、団員としてそのパトロールに御一緒させてもらいました。
これが、まさにタモリ倶楽部やブラタモリのような、ニッチでディープな道行きでした。

待ち合わせは追浜駅。おっぱまとは、渋いわ~。
いつもはバーの絞った照明の下で見ていたダンディな兄ですが、この日はスーツ姿ではなく、パトロール団長として晴天下仕様のラフな恰好だったので、まるでイメージが違って、待ち合わせの時には目をぱちぱちしました。



駅に貼られたポスターが目に留まります。
湘南ウーピーパイ?初耳です。
ゴールドバーグしか思い出せません。
イカスミみたいな、オレオみたいな生地のようだけれど、一体何かしら?
あとで調べてみたら、アメリカ東部のアーミッシュの伝統的なお菓子だそうです。

暑い一日でしたが、昨日の雨が嘘のように晴れ上がった散策日和でした。
今日は、徒歩と車での隧道巡り。
(の)さんが隧道好きなんです。私もトンネルは好きですが、まあたしなむ程度(?)でしょうか。
トンネルのことを隧道と呼ぶということも、つい最近知りました。

なんと、追浜にラウンダバウト発見!
Roundaboutといって思い出すのは、パリの凱旋門です。
それの何十倍か、何百倍縮小した、かわいらしい形のものがありました。
ただ、それでも大きくて、写真には収められませんでした。



マンホールがカラフルで、足を止めます。キャラクターが描かれていました。
水の妖精かと思ったら、横須賀市上下水道局のイメージキャラクターの「アクアン」だそうです。
赤青黄の色鮮やかな配色で、子供たちが喜びそう!

それから、隧道をいくつか通ります。
レンガの並びがクラシカルな向坂隧道。


歩行者専用の、白亜の美しい平六トンネル。上の竹林もすてきでした。


中はひんやりとしていて心地いいです。
(の)さんは、隧道内の照明がLEDだと、兄も気付いていなかった点を鋭く指摘していました。


どれも、閑静な住宅地の細道を歩いていると、不意に出現する意外さがあります。
横須賀って、つくづくトンネルが多い町なんですね。
市内で百いくつあるんだとか。
隣の横浜は、そんなにトンネルばかりというイメージは無いので、それだけ山がちだということなんでしょう。



なんといっても驚いたのが、筒井隧道。
細長ーい。優美さがあり、貴婦人を連想します。
なぜにこんなに長いのかしら?
サーフィンボードを立てて運ぶ車が通れるように?
サーカスで、馬に乗った人が逆立ちして走るため?
いくら考えても、わかりません。
なんとこのトンネル、拡張することが決まったものの、すでに上に家が建てられていたため、高さをつけるために、上に伸ばしたのではなく、道路を掘って下に伸ばしたんだそうです。
想定外だわー!
たしかに、近くには、かつて使われただろう石段が、半端な高さに残っていました。
トンネルはたいていが両方向通行で、「先に入った方が優先」というルールがあるそうです。
わかりづらいですね。よく事故が起こらないものです。

2つのトンネルが90度の角度にある場所では、奥只見湖シルバーラインの長いトンネルを思い出しました。


古めかしい深浦隧道のすぐ横から、上へと登れます。トンネルを横に見ながら歩いていくなんて、新鮮。


登った所には、道があり、更に短いながら、幅の広い隧道がありました。
もはやジャンクションのように入り組んでいます。隧道のラビリンスだわ。


横須賀一古いトンネルも通り、さらには、水道トンネル、盛福寺管路隧道にも案内してもらいました。
そばまで行くと、ひんやりした空気が漂います。
(の)さんはすっかり気に入ったらしく、「ここに住みたい!」と盛んに言っていました。
カウントできなくなるくらいたくさんのトンネルを案内してもらい、私の頭は情報過多ですっかりあっぷあっぷ。
二人のマニアックぶりについていけずに、目を白黒させるばかりでした。
(これが普通人の反応です、笑)



探検は、まだまだ終わりません。その(2)に続きます。