○ プロローグ ○ 江ノ島駅 ○ bistro La Brise
○ 江ノ電ひと駅 ○ 満福寺のお昼寝ネコ ○ 江ノ島の3女神
○ 夕暮れの鳶 ○ Eggs'n Things ○ 夜更けの江ノ電
○ プロローグ
寒さが和らぎ、だんだん春めいてきた4月、2日続けて鎌倉方面に出かけてきました。
1日目と2日目では、連れも別。
1日目のサキとは、いつも会ってからのんびり行き先を考えます。
この日も、「高尾山にしようか」「航空公園は?」「狭山湖でもいいね」とひとしきり案を出して、江ノ島に決めました。
翌日の鎌倉行きが決まっている私のリクエストで、鎌倉は素通りして江ノ電へ。
フリーパスの、のりおりくん(600円)を買います。
「わ、増税値上がりしてる。数週間前に使った時には580円だったのに」とサキ。
その時は鎌倉プリンスホテルに泊まったんだとか。リッチ~!
ぽかぽかのいい天気。シューズも春色のものを新調しました。
足元からスキップ気分です。
この日、江ノ島にしたのは、せっかくの平日なので「休日、混んで行きづらい場所に行きたい」と思ったからです。
江ノ島は、いつ行っても観光客でいっぱい。
人に呑まれてすぐ疲れてしまい、なんだかあまり満喫できていない気がしたのです。
○ 江ノ島駅
普段は身体も動かせないほどぎゅうぎゅうの江ノ電が、座れちゃうくらい空いていました。
普段は人ごみの中改札へと向かう江ノ島駅のホームが、利用客が少ないのでよく見えます。
待合室に江ノ電があり、ホームには手作りの江ノ電ちょうちんが下がっていました。
駅前の車止めの小鳥の像には、手編みの帽子とマントが着せられていました。
どれもおそろいで、カワイイ~~!
ほっこりします。
江ノ電の江ノ島駅から、小田急の片瀬江ノ島駅に行きました。
ここも、人が少なくて、写真が撮りやすーい。
○ bistro La Brise
行き先を決めるまでゆるゆるしていたので、江ノ島についた頃にはもうお昼時。
サキが前から気になっていたという、フランス国旗のかかるbistro La Briseに入ってみました。
小さなお店で、私たちのほかの客はおひとりさまが2名。
フロアの女性はアンニュイといっていいほどもの静かで、店内は時が止まったかのようです。
5食限定の鶏のコンフィセットにしました。
スープがおいしくてうっとり。頼みやすいお値段で、味は本格的でした。
おなかがくちくなってから、海岸沿いを散歩します。
風がかなり強い日で、鳶があおられています。
えのすい(新江ノ島水族館)の道路向かいに、Red Robsterがありました。
「やっぱりみんな、水族館のエビとか魚とか見てたら、食べたくなっちゃうのかな?」
「たしかに高足ガニはおいしそうだもんね」
通り沿いにはEggs'n Thingsもありました。
長い長~い行列ができていました。
○ 江ノ電ひと駅
そういえば、江ノ電パスを持ってたんだっけ、と気づきます。
のんびり散歩をしていたら、往復だけで終わってしまいそう。
「じゃあ、どこに乗ってく?」「うーん、腰越まで!」
歩いてもいける隣駅ですが、パスを活用すべく一駅乗っていきました。
レトロな駅舎でポーズをとる男女が。
ウエディングフォトのようです。
どうやら、別のアジア圏の人のようで、そのままの姿で江ノ電に乗っていきました。
○ こゆるぎ神社のほっかむり狛犬
腰越で降ります。
「まずはブルーシール跡地を確かめないと」
ブルーシールをこよなく愛する私たちにとって、ここのショップが無くなったのはかなり残念なことでした。
今はしらすやという料理店になっています。江ノ島在住の友人お勧めの、おいしいお店のようです。
さらに歩いて、小動神社に行ってみました。
これで(こゆるぎ)と読むなんて、変わっていますね。
「ごゆるりとお楽しみ下さい」「こやなぎちゃん、元気かな?」と、共通の友人を思い出したりしました。
さて、狛犬チェックの時間です。
あれ、ん?
ここの狛犬は、ほっかむりをしていました。
・・・どじょうすくいですかい!
ほっかむり狛犬は初めてです。
「顔が見えないよう」とブーブー言ったら、「手ぬぐいとって見たら?」とサキ。
そうなんですが、バチが当たりそうだし(それはないか)、これはこれでおもしろい絵なので、そのまま写真に収めました。
境内は桜の花が残ってきれい。
海沿いの境内からは、江ノ島がよく見えました。
○ 満福寺のお昼寝ネコ
それから満福寺を目指します。
義経がかの有名な腰越状を書いた場所。
江ノ電の線路に面して、ぐっと急斜面を上った場所にありました。
ネコが目の前で気持ちよさそうにひなたぼっこをしていました。
しっぽにタッチすると、眠ったまま「やんやん」という感じにしっぽだけ動かして、かわいーい。
ここは弘法大師相模二十一ヶ所霊場の15番札所。
境内のトンネル向こうには、広い墓地がありました。
墓地の階段には、いす式階段昇降機や屋外エレベーターがあり、高齢者に優しい配慮がされていました。
○ 江ノ島の3女神
再び江ノ電に乗り、次は江ノ島に渡ります。
江ノ島は日本三大弁財天の一つ。でも神と仏が別々になった今では、弁天様のほかに3人姉妹の宗像三女神が祀られています。
これまで何度となく訪れている場所ですが、どういうわけか、まだ一人の女神様しかお詣りしていないような気が。
姉妹全員を公平にきちんと周らないと、家族紛争の火種となってしまいますね。
前にサキと江ノ島に来た時にも、江ノ島弁天だけしか参拝しませんでした。
人ごみに負けるし、石段に疲れてしまうから、早々にUターンしてしまっていたようです。
細い参道は、まっすぐ歩けたことがありません。
でもこの日は、スイスイ歩けます。
お店は、閉まっているところもちらほら。
いつも、長蛇の列ができていて、(すいているときに、焼きたてを食べてみたい!)とずっと思っていたタコせんべい屋さんは、開いていました。
学ラン姿のタカ&トシがロケをしていて激混みだったお店に、今回は並ばず食べられます。
この時を待っていたのよ!
でも、そのとき食べたかったのは、おせんべいではなく甘いスイーツだったので、食指が動かずそのまま通り過ぎました。
ああ、人生ってうまくいかないものね~。
石段を上って、まずは「辺津宮(へつみや)」の田寸津比賣命をお詣りします。
茅野輪がありました。いつもあったかしら?
ぐるぐる回ります。サキは「あれ、まちがえちゃった」と途中で外れて眺めています。
拝殿の隣に、弁天堂があり、弁天様はそちらに祀られています。
摂社には、今しがたお詣りしてきた小動神社との合同祭が行われる八坂神社がありました。
サムエル・コック苑のところには、きれいに咲いたチューリップの花壇がありました。
桜が咲いたと思ったら、もうチューリップの季節。
いったん春になると、次々に花が咲きますね。
それから「中津宮(なかつみや)」の市寸島比賣命へ。
いつも、海の景色を眺めながら外側の石段の道を歩いていたため、たどりつかなかったようです。
横には、「美しい恋したい。」という木の看板がありました。
ピンクのマークは中津宮独自のものなんだそうです。
なんだか今風~。
恋は、美しいとは限らないのよ・・・(フッ)←えらそうに・・・
さらにどんどん道を進みます。
途中で、真っ赤な仁王様がいました。
うわ!とおびえながらも、そばまで行ってみます。
江の島大師でした。赤不動が祀られているので、仁王像も赤いのかもしれません。
○ 夕暮れの鳶
どんどん道は細くなってきます。しかも石段や坂が多く、体力がいります。
島なので、ところどころで断崖絶壁が見られる場所があり、そこにトンビが集まって低空飛行を続けていました。
なんだろうと思ったら、どうやら男性が、えさを与えているようでした。
といっても、ハトやスズメのように、パラパラと餌をまいたら、チュンチュン、ポッポと地面をつつくわけではありません。
彼らの狩りは、いつでも上空から。
獲物を見つけたら、急降下して一瞬でつかまえます。
なので、餌付けどころではありません。
餌を持つおじさんも必死。
餌を置いて、ダッシュしてその場から離れます。
でないと、爪を立てて向かってくる鳶の餌にされてしまうかもしれないからです!
その迫力にあっけに取られて見入っていましたが、はたと気がついて、青ざめます。
「もしかして餌って、小動物系・・・?」
サキの「いや、おにぎりみたい」という声に安心しますが、サキは「前に鳶におにぎりをさらわれたことがあって、こわかった...」と、トラウマの扉を開けてしまったようで、しばし立ち尽くしていました。
行ったことがないほど奥まで行ってみると、「奥津宮(おくつみや)」がありました。
ここの多紀理比賣命にもお詣りします。
天井には、八方睨みの亀が睨んでいました。
これで、三人の女神様を全て参拝したことになります。
女性を味方につければ、人生怖いものなし!しかも女神様と弁天様のパワーですからね!
奥津宮の隣には、江ノ島を守る竜宮大神も祭られていました。
子どもの頃から家族で何度も訪れた江ノ島。
「なのに、奥のほうまで行ってないよね」とあとで親に聞いたところ「石段が多くて子どもの足では大変だから、いつもエスカーで上まで行って降りてきた」そうです。
それで、大きくなってからも、更に奥があることを考えずに、さらっと周るだけになっていたようです。
地図を見ないと、ダメね!
かなり島の奥の方まで入り込みました。
ここまできたのならばと、島の果ての岩屋まで行ってみることにします。
岩屋は修復中で閉まっていましたが、あたりはごつごつの岩肌に波が飛び散って、城ヶ島のような豪快な景色でした。
石段のアップダウンが多くて、会話が続かず、ハーハーになります。
道の果てまで行ってみました。工事中の札がかかっていますが、工事が動いている気配はありません。
今は足を滑らせたら海に落ちてしまうほど、自然と隣り合わせですが、そのう、遊歩道が整備されると、安全柵に囲まれることになるのかもしれません。
釣りをしている人がいました。
「あの人の隣で座っているのは、女の子かな?」とサキ。
「犬じゃない?」と私。
二人でしばし目を凝らした後に「荷物だね」ということで話が落ち着きました。
さらに石段を登り、視界が開けて海に出たところで、ちょうど富士山の隣に沈む、美しい夕日が見られました。
辺りの人々はみんな、声を失って見入っていました。
江ノ島は、思っていたよりも、もっとずっと美しい場所なのね。人が少なければ。(←ここ大事)
○ Eggs'n Things
江ノ島大橋を渡った時には、ちょうど夕日は沈んだところでした。
海を渡ってくる空気が冷えて寒々としてきます。
ちょっとおなかも空いてきました。
先ほどのEggs'n Thingsの前を通りかかると、なんとなんと、誰も待っていません。
(営業終了かな?)とお店を見たら、そういうわけでもなさそう。
「いつ入るの?」「今でしょう!」
ということで、さっそく入りました。
店内は明るい空気。お店の人たちは、アロハ風の服装です。
隣のテーブルの男の子二名が「うちの姉貴が半分でちょうどいいって言うからさ...」と、仲良くパンケーキをシェアしていたため、量が多いのかなと思い、私たちもシェアすることにしました。
甘いものが苦手なサキに合わせたので、ここのお店独特のもこもこ生クリーム載せではない、ソーセージパンケーキになります。
おいしかったですが、まあまあかな、というところ。
やっぱり、あの生クリームどーん!のパンケーキは、視覚的インパクトも強いのでしょう。
私たちがいる間に、3組のグループがバースディ記念だったため、3回拍手をしました。
「こんなに多いなんて、珍しいです」とお店の人は言っていました。
まあ、めでたいことは、いいことだ!
江ノ島を歩き倒した私たちは、二人でパンケーキをペロッと食べちゃいました。
追加注文をして、結局一食分頼んだことに。
席がすいてきたので、終電を気にしながら、じっくりおしゃべりしました。
○ 夜更けの江ノ電
いつも、割と早めに帰るため、夜11時台の江ノ電に乗るのは初めて。
鎌倉行きの車両には、最後には私たちしかいなくなりました。
ずっと向こうの車両まで無人です。
貸切状態なんて、初めて~!でもさびしい~。
JR鎌倉駅のホームも、普段とは雰囲気が違いました。
いつもはレジャーの格好をした人たちばかりですが、この日は仕事帰りのスーツの人が多かったです。
観光地とはいえ、住んでいる人もいるんですから、当然ですよね。
いい気候の中で散策をした、楽しい日でした。
惜しむらくは、生シラスを食べ損ねてしまったこと!
前回来た時にも、食べずじまいだったんです。
まあ、また次回に~。
2日目に続きます。