風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

春のうららの江ノ島・鎌倉-1

2014-04-11 | 神奈川

  ○ プロローグ ○ 江ノ島駅 ○ bistro La Brise
  ○ 江ノ電ひと駅 ○ 満福寺のお昼寝ネコ ○ 江ノ島の3女神
  ○ 夕暮れの鳶 ○ Eggs'n Things ○ 夜更けの江ノ電

○ プロローグ  

寒さが和らぎ、だんだん春めいてきた4月、2日続けて鎌倉方面に出かけてきました。
1日目と2日目では、連れも別。

1日目のサキとは、いつも会ってからのんびり行き先を考えます。
この日も、「高尾山にしようか」「航空公園は?」「狭山湖でもいいね」とひとしきり案を出して、江ノ島に決めました。
翌日の鎌倉行きが決まっている私のリクエストで、鎌倉は素通りして江ノ電へ。
フリーパスの、のりおりくん(600円)を買います。
「わ、増税値上がりしてる。数週間前に使った時には580円だったのに」とサキ。
その時は鎌倉プリンスホテルに泊まったんだとか。リッチ~!

ぽかぽかのいい天気。シューズも春色のものを新調しました。
足元からスキップ気分です。



この日、江ノ島にしたのは、せっかくの平日なので「休日、混んで行きづらい場所に行きたい」と思ったからです。
江ノ島は、いつ行っても観光客でいっぱい。
人に呑まれてすぐ疲れてしまい、なんだかあまり満喫できていない気がしたのです。

○ 江ノ島駅

普段は身体も動かせないほどぎゅうぎゅうの江ノ電が、座れちゃうくらい空いていました。
普段は人ごみの中改札へと向かう江ノ島駅のホームが、利用客が少ないのでよく見えます。
待合室に江ノ電があり、ホームには手作りの江ノ電ちょうちんが下がっていました。



駅前の車止めの小鳥の像には、手編みの帽子とマントが着せられていました。
どれもおそろいで、カワイイ~~!
ほっこりします。





江ノ電の江ノ島駅から、小田急の片瀬江ノ島駅に行きました。
ここも、人が少なくて、写真が撮りやすーい。

○ bistro La Brise

行き先を決めるまでゆるゆるしていたので、江ノ島についた頃にはもうお昼時。
サキが前から気になっていたという、フランス国旗のかかるbistro La Briseに入ってみました。



小さなお店で、私たちのほかの客はおひとりさまが2名。
フロアの女性はアンニュイといっていいほどもの静かで、店内は時が止まったかのようです。



5食限定の鶏のコンフィセットにしました。
スープがおいしくてうっとり。頼みやすいお値段で、味は本格的でした。



おなかがくちくなってから、海岸沿いを散歩します。
風がかなり強い日で、鳶があおられています。
えのすい(新江ノ島水族館)の道路向かいに、Red Robsterがありました。
「やっぱりみんな、水族館のエビとか魚とか見てたら、食べたくなっちゃうのかな?」
「たしかに高足ガニはおいしそうだもんね」

通り沿いにはEggs'n Thingsもありました。
長い長~い行列ができていました。

○ 江ノ電ひと駅

そういえば、江ノ電パスを持ってたんだっけ、と気づきます。
のんびり散歩をしていたら、往復だけで終わってしまいそう。
「じゃあ、どこに乗ってく?」「うーん、腰越まで!」
歩いてもいける隣駅ですが、パスを活用すべく一駅乗っていきました。



レトロな駅舎でポーズをとる男女が。
ウエディングフォトのようです。
どうやら、別のアジア圏の人のようで、そのままの姿で江ノ電に乗っていきました。

○ こゆるぎ神社のほっかむり狛犬

腰越で降ります。
「まずはブルーシール跡地を確かめないと」
ブルーシールをこよなく愛する私たちにとって、ここのショップが無くなったのはかなり残念なことでした。
今はしらすやという料理店になっています。江ノ島在住の友人お勧めの、おいしいお店のようです。

さらに歩いて、小動神社に行ってみました。
これで(こゆるぎ)と読むなんて、変わっていますね。
「ごゆるりとお楽しみ下さい」「こやなぎちゃん、元気かな?」と、共通の友人を思い出したりしました。



さて、狛犬チェックの時間です。
あれ、ん?
ここの狛犬は、ほっかむりをしていました。
・・・どじょうすくいですかい!



ほっかむり狛犬は初めてです。
「顔が見えないよう」とブーブー言ったら、「手ぬぐいとって見たら?」とサキ。
そうなんですが、バチが当たりそうだし(それはないか)、これはこれでおもしろい絵なので、そのまま写真に収めました。



境内は桜の花が残ってきれい。
海沿いの境内からは、江ノ島がよく見えました。

○ 満福寺のお昼寝ネコ

それから満福寺を目指します。
義経がかの有名な腰越状を書いた場所。
江ノ電の線路に面して、ぐっと急斜面を上った場所にありました。



ネコが目の前で気持ちよさそうにひなたぼっこをしていました。
しっぽにタッチすると、眠ったまま「やんやん」という感じにしっぽだけ動かして、かわいーい。





ここは弘法大師相模二十一ヶ所霊場の15番札所。
境内のトンネル向こうには、広い墓地がありました。
墓地の階段には、いす式階段昇降機や屋外エレベーターがあり、高齢者に優しい配慮がされていました。



○ 江ノ島の3女神

再び江ノ電に乗り、次は江ノ島に渡ります。
江ノ島は日本三大弁財天の一つ。でも神と仏が別々になった今では、弁天様のほかに3人姉妹の宗像三女神が祀られています。
これまで何度となく訪れている場所ですが、どういうわけか、まだ一人の女神様しかお詣りしていないような気が。
姉妹全員を公平にきちんと周らないと、家族紛争の火種となってしまいますね。

前にサキと江ノ島に来た時にも、江ノ島弁天だけしか参拝しませんでした。
人ごみに負けるし、石段に疲れてしまうから、早々にUターンしてしまっていたようです。
細い参道は、まっすぐ歩けたことがありません。
でもこの日は、スイスイ歩けます。
お店は、閉まっているところもちらほら。
いつも、長蛇の列ができていて、(すいているときに、焼きたてを食べてみたい!)とずっと思っていたタコせんべい屋さんは、開いていました。
学ラン姿のタカ&トシがロケをしていて激混みだったお店に、今回は並ばず食べられます。
この時を待っていたのよ!
でも、そのとき食べたかったのは、おせんべいではなく甘いスイーツだったので、食指が動かずそのまま通り過ぎました。
ああ、人生ってうまくいかないものね~。



石段を上って、まずは「辺津宮(へつみや)」の田寸津比賣命をお詣りします。
茅野輪がありました。いつもあったかしら?
ぐるぐる回ります。サキは「あれ、まちがえちゃった」と途中で外れて眺めています。
拝殿の隣に、弁天堂があり、弁天様はそちらに祀られています。
摂社には、今しがたお詣りしてきた小動神社との合同祭が行われる八坂神社がありました。



サムエル・コック苑のところには、きれいに咲いたチューリップの花壇がありました。
桜が咲いたと思ったら、もうチューリップの季節。
いったん春になると、次々に花が咲きますね。



それから「中津宮(なかつみや)」の市寸島比賣命へ。
いつも、海の景色を眺めながら外側の石段の道を歩いていたため、たどりつかなかったようです。



横には、「美しい恋したい。」という木の看板がありました。
ピンクのマークは中津宮独自のものなんだそうです。
なんだか今風~。
恋は、美しいとは限らないのよ・・・(フッ)←えらそうに・・・



さらにどんどん道を進みます。
途中で、真っ赤な仁王様がいました。
うわ!とおびえながらも、そばまで行ってみます。
江の島大師でした。赤不動が祀られているので、仁王像も赤いのかもしれません。



○ 夕暮れの鳶

どんどん道は細くなってきます。しかも石段や坂が多く、体力がいります。
島なので、ところどころで断崖絶壁が見られる場所があり、そこにトンビが集まって低空飛行を続けていました。
なんだろうと思ったら、どうやら男性が、えさを与えているようでした。



といっても、ハトやスズメのように、パラパラと餌をまいたら、チュンチュン、ポッポと地面をつつくわけではありません。
彼らの狩りは、いつでも上空から。
獲物を見つけたら、急降下して一瞬でつかまえます。

なので、餌付けどころではありません。
餌を持つおじさんも必死。
餌を置いて、ダッシュしてその場から離れます。
でないと、爪を立てて向かってくる鳶の餌にされてしまうかもしれないからです!



その迫力にあっけに取られて見入っていましたが、はたと気がついて、青ざめます。
「もしかして餌って、小動物系・・・?」
サキの「いや、おにぎりみたい」という声に安心しますが、サキは「前に鳶におにぎりをさらわれたことがあって、こわかった...」と、トラウマの扉を開けてしまったようで、しばし立ち尽くしていました。



行ったことがないほど奥まで行ってみると、「奥津宮(おくつみや)」がありました。
ここの多紀理比賣命にもお詣りします。
天井には、八方睨みの亀が睨んでいました。
これで、三人の女神様を全て参拝したことになります。
女性を味方につければ、人生怖いものなし!しかも女神様と弁天様のパワーですからね!
奥津宮の隣には、江ノ島を守る竜宮大神も祭られていました。



子どもの頃から家族で何度も訪れた江ノ島。
「なのに、奥のほうまで行ってないよね」とあとで親に聞いたところ「石段が多くて子どもの足では大変だから、いつもエスカーで上まで行って降りてきた」そうです。
それで、大きくなってからも、更に奥があることを考えずに、さらっと周るだけになっていたようです。
地図を見ないと、ダメね!



かなり島の奥の方まで入り込みました。
ここまできたのならばと、島の果ての岩屋まで行ってみることにします。
岩屋は修復中で閉まっていましたが、あたりはごつごつの岩肌に波が飛び散って、城ヶ島のような豪快な景色でした。





石段のアップダウンが多くて、会話が続かず、ハーハーになります。
道の果てまで行ってみました。工事中の札がかかっていますが、工事が動いている気配はありません。
今は足を滑らせたら海に落ちてしまうほど、自然と隣り合わせですが、そのう、遊歩道が整備されると、安全柵に囲まれることになるのかもしれません。



釣りをしている人がいました。
「あの人の隣で座っているのは、女の子かな?」とサキ。
「犬じゃない?」と私。
二人でしばし目を凝らした後に「荷物だね」ということで話が落ち着きました。



さらに石段を登り、視界が開けて海に出たところで、ちょうど富士山の隣に沈む、美しい夕日が見られました。
辺りの人々はみんな、声を失って見入っていました。
江ノ島は、思っていたよりも、もっとずっと美しい場所なのね。人が少なければ。(←ここ大事)

○ Eggs'n Things



江ノ島大橋を渡った時には、ちょうど夕日は沈んだところでした。
海を渡ってくる空気が冷えて寒々としてきます。
ちょっとおなかも空いてきました。
先ほどのEggs'n Thingsの前を通りかかると、なんとなんと、誰も待っていません。
(営業終了かな?)とお店を見たら、そういうわけでもなさそう。
「いつ入るの?」「今でしょう!」
ということで、さっそく入りました。



店内は明るい空気。お店の人たちは、アロハ風の服装です。
隣のテーブルの男の子二名が「うちの姉貴が半分でちょうどいいって言うからさ...」と、仲良くパンケーキをシェアしていたため、量が多いのかなと思い、私たちもシェアすることにしました。
甘いものが苦手なサキに合わせたので、ここのお店独特のもこもこ生クリーム載せではない、ソーセージパンケーキになります。
おいしかったですが、まあまあかな、というところ。
やっぱり、あの生クリームどーん!のパンケーキは、視覚的インパクトも強いのでしょう。





私たちがいる間に、3組のグループがバースディ記念だったため、3回拍手をしました。
「こんなに多いなんて、珍しいです」とお店の人は言っていました。
まあ、めでたいことは、いいことだ!

江ノ島を歩き倒した私たちは、二人でパンケーキをペロッと食べちゃいました。
追加注文をして、結局一食分頼んだことに。
席がすいてきたので、終電を気にしながら、じっくりおしゃべりしました。

○ 夜更けの江ノ電

いつも、割と早めに帰るため、夜11時台の江ノ電に乗るのは初めて。
鎌倉行きの車両には、最後には私たちしかいなくなりました。
ずっと向こうの車両まで無人です。
貸切状態なんて、初めて~!でもさびしい~。



JR鎌倉駅のホームも、普段とは雰囲気が違いました。
いつもはレジャーの格好をした人たちばかりですが、この日は仕事帰りのスーツの人が多かったです。
観光地とはいえ、住んでいる人もいるんですから、当然ですよね。

いい気候の中で散策をした、楽しい日でした。
惜しむらくは、生シラスを食べ損ねてしまったこと!
前回来た時にも、食べずじまいだったんです。
まあ、また次回に~。

2日目に続きます。

これぞ日本!の春を探しに index

2014-04-06 | 中部(東海)
◆ 富士山と桜 Part1
富士山と桜の光景は、見慣れているようで、まだ見たことがありません。
今年の桜が散る前にと、車を飛ばして静岡に向かいました。
変わりやすい天気の中、まずは富士山の女神様を参拝しました。
 ○ プロローグ ○ スタバのドライブスルー ○ 変な天候
 ○ 高速の橋 ○ 吉方位 ○ 富士山本宮浅間大社
 ○ 湧玉池 ○ 春雷とヒョウ ○ 富士宮市から富士市へ
 ◯ いい病院




◆ 富士山と桜 Part2 ←日記へ
突然ヒョウが降る変な天気でしたが、目的地に着いたときには晴れ上がっていました。
雨上がりのまばゆさの中で見た、富士山と桜。
ただもう(きれいだ)という思いでいっぱいでした。
 ○ 桜と富士山 ○ アマチュアカメラマン ○ 水管橋
 ○ 水神社 ○ 石のすべり台 ○ さよなら大きな富士山
 ○ 夜明けの像 ○ 雨上がりの虹 ○ 箱根のメロンパン
 ◯ エピローグ




これぞ日本!の春を探しに-2

2014-04-06 | 中部(東海)
その1からの続きです。

○ 桜と富士山

食事を終えてまたドライブを再開すると、雨はやんで空はきれいに晴れ渡っていました。
嵐の後なので、ひときわあたりがまばゆく見えます。
潤井川沿いにあるはずですが、写真で見たあたりの正確な住所がわからないため、おおよその見当をつけて向かいました。
桜がきれいに咲いている土手に近づいていきます。
この辺りかしら?



外に出てみると、桜並木の奥に、富士山が大きく見えました。
きっとここだわ。



桜のそばには菜の花畑もあって、やさしい色のコントラストに心が和みます。
どの花も、雨露を残してキラキラ輝いていました。



向こう岸への橋の上からの光景が、写真で見た構図そのものでした。
うわあ、きれい。澄んだ青空の下、心がどこまでも広がっていけそうです。



青空に映える富士山と川沿いの桜並木、そして菜の花畑。
春らしさいっぱいの、感動的な光景です。
日本らしい美しさに、言葉を忘れて見とれました。



「富士には、月見草がよく似合ふ」とかつてダザイは語りましたが、富士山にはどんな花も似合いますね。
和の花なら、なおさら。

風の強いこの日は、桜並木のそばを歩くと散り際の花びらがはらはら散って、身体じゅうに降りかかりました。
かすかに甘い花の香りも漂っています。
夢のようなひと時でした。



○ アマチュアカメラマン

下では、5,6人のアマチュアカメラマンが、めいめいに三脚を立てています。
立派なカメラのファインダーを時折のぞきながら、腕組みをして仁王立ちしています。
みんな、雲が晴れて富士山がきれいに見える瞬間を待っているんでしょう。



でもこの日は天気が変わりやすくて、頂上付近にかかる雲はなかなか吹き飛んでくれません。
私はこれでも、充分満足!動きがあっておもしろいし。
完璧な写真は、彼らにまかせます。

三脚を川の中に据えているカメラマンもいました。
みんな、いいショットを取ろうと夢中なんですね。
防水ズボンをはいている人もいました。
流されないでね~。流れた先は駿河湾です。



カメラマンのいる川っぷちまでおりてみました。
♪春の小川はさらさらいくよ~♪
口ずさんでみましたが、小川というには大きいし、さらさらというよりゴウゴウと流れていたので、ワンフレーズでやめました。
水かさが多いのは、雪解け水でしょう。日光を浴びて生命が動き出す、春ですね。



近くの浮島には、ガチョウがくつろいでいましたが、カメラマンは富士山にばかり目を向けて、まったく彼らを気にしてはいませんでした。

○ 水管橋

桜並木の土手を歩いて「そこの橋を渡って、戻ろう」と向かった橋は、ちょっと不思議でした。
大きな水道管の上に手すりがついて、歩けるようになっています。



そこに至る階段は、とても細くて段差の大きなものでした。
もしかしたら、関係者用の通路かも?
でも、禁止表示もなにもなかったので、歩いてみました。



メッシュフェンスのような通路で、歩くと心なしかたわみを感じます。
百橋練磨の私ですが(ハッタリ)、ちょっとこわかったです。あっこさんも冷や冷やしたそう。
でも「水管橋係の人は、私たちよりきっと体重は重いだろうし!」と思って、渡りきりました。
スタンド・バイ・ミー気分になれました。



○ 水神社

水神社の駐車場を見かけたので「潤井川の神様ね」とお参りすることにしました。
近くにあるはずなんですが、表示もなくて探せません。
うろうろと人家の細道を歩いていたら、ようやく社号碑を見つけました。
見つけたわ!



でもそこは公民館。
この中にあるということかしら・・・。
自治会が公民館などで管理をしている神社は時々あり、建物の中に入っているものもたまに見られます。



少し遠くにいってから、公民館の建物の後ろに、本殿の屋根があるのが見えました。
やっぱりくっついているようでした。
外からは参拝できないのね。

○ 石のすべり台

公民館は無人で入れませんでしたが、敷地内にあるすべり台に目が行きました。
石でできていたんです。
めずらしい~!



テンションが上がって、上にのぼってみました。
よっぽどつるつるに磨きこまれていたらすべりそうですが、使い込まれた形跡はなく、見るからに途中でつかえそう。
お尻がはまったら大変だと思って、そのまま駆け下りました。
子どもたちは、ちゃんとこれで遊んでいるのかしら?
(自分たちが)すべらないと、(石がツルツルにならないから)すべらないわよ~。

○ さよなら大きな富士山

すばらしい日本の自然を満喫して、帰途につくことにします。
まだあちこち巡りたい気持ちはありますが、今回は予定を詰め込まず、無理をしないスケジューリング。



大きな富士山を目に焼き付けていきます。
母なる山というようなどっしりとした存在。
日本人の、心のよすがです。
この辺に住んでいる人は、富士山を間近に眺められて、いいですね。

○ 夜明けの像

この辺りは製紙工場がたくさん。
水が豊かな土地だからでしょう。
王子特殊製紙の入口には、洋紙製造発祥の地を記念して建てられた「夜明けの像」がありました。
後姿から、シルクハットをかぶったフレッド・アステアみたいなおじさんかと思ったら、少年でした。



近くには、曽我兄弟が眠る曽我寺もありました。
曽我兄弟も大きな富士山を見て育ったんでしょうね。



○ 雨上がりの虹

おしゃべりしながらドライブをしていたら、大きな虹が出ていました。
「わあ、虹よ、虹!」
ちょうど渋滞が始まって、徐行運転に入っていたところなので、じりじりと減速してついに車が止まったところで、シャッターを押します。
渋滞がラッキーに思えるなんて、こんな時くらいですね。
アッコさんの一眼レフなら、もっと鮮明に撮れたことでしょう。



この日一日、大雨が降ったりやんだりの変な天気でしたが、最後にこんなすてきなプレゼントがありました。

○ 箱根のメロンパン

帰りは、海老名PAに寄りました。
SAの取材をしたことがあるというアッコさんに、SA・PA情報をいろいろ教えてもらいます。
ここでしか売られていないメロンパンが有名なんだとか。



箱根ベーカリーの箱根スペシャルメロンパンを半分こしました。
メロンが生地に織り込まれています。
なかなかうまくちぎれないほど、しっかりした生地。食感もいいです。



中はオレンジ色のメロンクリームが入っていました。
子どもの頃から(メロンパンっていうのに形だけでメロン味じゃないなんて、名折れだわ!)と思ってきた私には嬉しい味。
人気のほどがわかるおいしさでした。

○ エピローグ

東京に着いた時には、もう暗くなっていました。
出発前と後とでは、気持ちの重さがぜんぜん違っていました。
朝はまだ仕事モードをずっしりと引きずっていましたが、都会を飛び出して普段と違う場所へ行き、歴史ある一ノ宮を参拝して、霊峰富士山を仰ぎ、富士の湧き水を飲んで花びらの中でお花見をしたら、すっかりリフレッシュできました。
なぞめいた水神社も、おもしろかったし。
ああ、春がやってきたんだなあと、実感します。
たしかに吉方位だったんでしょう。これからは、物事がいい方向に流れていきそう。

富士山と桜の画像を見た時には「きれい~、見てみたい~」と思うだけでしたが、実際の場所まで行ってみると、臨場感に大きな感動が押し寄せました。
絵葉書の美しい景色の中に入ったかのような、夢見心地の気分。

桜と富士山を両方一緒に見られるなんて、とっても贅沢な気分です。
どんな大金持ちよりも、リッチで満ち足りた気持ちになれたみたい。
日本に生まれてよかった~!!と、心から思いました。
行きも帰りもドライバーをしてくれたアッコさん、どうもありがとう!
また桜の咲く頃に、訪れたいなあと思います。

これぞ日本!の春を探しに-1

2014-04-06 | 中部(東海)
○ プロローグ

美しい日本の自然といったら、富士山と桜。
富士山と桜といったら、美しい日本の自然です。

この二つを一緒に見ることって、そうそうありません。
それでも思い出せるのは、千円札の裏に描かれているからでしょう。



見ていないのに見慣れた光景になっている富士山と桜なので、自分たちでは、わざわざ観にいこうとは思いつかなかったかもしれません。
今回は、サウジアラビアの友人兄弟(愛称:ブラザー)が、日本の桜を観に来日すると聞いて、アッコさんと「どこか日本らしくて桜がきれいな場所に連れて行ってあげたいね」と話をしたのがきっかけでした。

アッコさんが探してくれた中に、富士山と桜が写ったきれいな写真があり、「ここに行きたいね!」と盛り上がります。
でも肝心のブラザーは、関西から少しずつ北上する途中、白川郷に寄ることにしたため、上京は遅くなるとのこと。
そろそろ桜も散り際なので、「ブラザーはいなくても、私たちだけで行こう!」ということになりました。

○ スタバのドライブスルー

朝は割とゆっくり目に、10時過ぎの出発。
車に乗って早々に、コーヒー好きのアッコさんは「ちょっと寄っていい?」とスタバに車を入れました。
車を停めて買ってくるのかな?と思ったら、そこはドライブスルー。
わー、スタバにもドライブスルーがあるなんて!初めて体験です。



○ 変な天候

東京インターから高速を飛ばしていきます。
この日は、大気が不安定で変な天気だという予報なので、着る服に迷いました。



時々暗い雲が出てきますが、まだ雨は大丈夫のドライブ日和。
快調に車を走らていくと、パラシュートに乗っている人が見えました。

○ 高速の橋



高速道路で出会う橋が好きです。
つり橋が好みですが、モダンなこの形も好き。
普通の道では見られないデザインです。



Super-RC構造というのでしょうか?
同じ形の橋がいくつも重なって見える場所がありました。

○ 吉方位

それぞれせわしなかった今年の春。
アッコさんは体調を崩し、私はバタバタが続き、お互いにふだんの調子ではありませんでした。
「今日の目的地はね、私たちにとってすごくいい方角みたい」とアッコさん。
方位学的にラッキーな場所なんだそうです。
ちょっと疲れがたまって、本調子ではない時なので、期待できそう。

○ 富士山本宮浅間大社



ちょうど正午に、富士山本宮浅間大社に着きました。
ここは駿河国の一ノ宮。初めての参拝です。





風格がある長い参道の両側には、桜が咲いていて、きれいです。
5月に流鏑馬が行われる、桜の馬場なんだそうです。
狛犬もビッグでした。
すでに参拝している両親に頼まれて、預かった御朱印帳に御朱印を頂きます。





境内で、なにもしていないのに突然シャッターが「カシャカシャ」と連続写真を撮影しました。
(わわ、なに?)と驚く私に、「神様パワーじゃない?」とアッコさん。
超自然現象ね!



拝殿上には色つきの狛犬がいます。上から見下ろしているため、脚の肉球が見えましてん。
なぜ足の裏だけ、真っ白なの?見えやすいからいいけど。
初めて眺めた狛犬の肉球に、テンションが上がりました!



○ 湧玉池

富士山の麓近辺には、山からの湧き水がたくさん流れています。
この神社にも、雪解け水がこんこんと湧き出ていました。
底まで見える、澄んだ池。
かつての富士山登山者は、この池で禊ぎをしてから山に入ったそうです。





特別天然記念物に指定されている霊水ですが、飲んでいいとのこと。
もちろん、いただいてきました。
江戸時代の頃に富士山に降り、ゆっくり地中を通る間にミネラルを存分に含んだ水です。
まろやかでくせのない、自然のおいしさでした。

池のそばの桜の横で、写真撮影をしている晴れ着の女性がいました。
「成人式かな?」「この時期に?」
「じゃあお見合い写真かな?」「外で?」
わかりませんでしたが、桜も着物もきれいで、(やっぱり日本のものどうし、絵になるわ~)とうっとりしました。



○ 春雷とヒョウ

車に戻ると、ゴロゴロと雷の音が聞こえてきました。
おや、と思っているうちに、パラパラと音を立てて雨が降ってきました。
私はここの絵馬を求めに、ふたたび参道を通って本殿へと向かいます。
富士山が描かれた日本らしいもので、家に持ち帰りたくなったのです。



社務所へ着いたときには、雨というよりヒョウが降っていました。
さっき野点が行われていた場所は、あっという間に片付けられており、巫女さんが拝殿の軒下で立ち尽くしていました。
参拝客も、みんな雨宿りをしていましたが、私は絵馬を抱えて車へと走りました。



境内を出るときに、それまで雲に隠れて見えなかった富士山が、姿を現しました。
大きくてびっくり。普段見ているものとはぜんぜん違う、臨場感たっぷりのワイドサイズ。
この神社は、山の女神コノハナノサクヤヒメをお祀りしているので、参拝をした私たちに姿を見せてくれたのかもしれません。
女性の守り神、女神様~!ちょっと元気がない私たちにパワーをくださーい!

○ 富士宮市から富士市へ

「このあたりではシラス丼も食べれるんだよ」とアッコさん。
シラス丼?意外です。
富士山麓(オーム鳴く)のイメージなので、山菜ものならわかりますが、シラスというのはちょっとびっくり。
でも、駿河湾に近いので、山の幸と海の幸が楽しめる場所なのでしょう。

雨が降って空気も冷えてきたし、温かいものがいいな、と思います。
「ここまで来たら、本場B級グルメの富士宮焼きそばかな」

でも、ぜんぜん富士宮焼きそば屋を見かけません。
本当に土地の食べ物なの?
ナイナイと言いながら、おなかをすかせて次の目的地へと向かって行ったら、いつしか富士宮市を抜けており、もはや食べ物屋さえ見かけなくなりました。

新富士駅近くにならあるかな?と、新幹線駅をぐるりと一周してみますが、見当たりません。
「この辺の人は、みんな外食するとき、どうしてるんだろう?」と二人で呆然とします。
そのうち、巨大なイオンモールを発見。
「もうここに入っちゃおう。食べるところもあるし」と車を停めました。



地方のイオンはメガサイズですよね。町中の人が集合しているんじゃないかと思うくらい、中はにぎやか。
和食店に入り、「春野菜と二色寿司セット」を食べました。
春らしくって満足~。

大盛況のイオンは、遠くの駐車場しか空いていませんでしたが、戻る途中できれいな桜(かな?)を見かけました。
食事の間に雨も上がり、雨のしずくをたたえた花びらがきれいでした。

その2に続きます。