風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

花と湖、富士・箱根 1

2017-07-24 | 中部(甲信越)
● prologue

すっかり春になり、ぽかぽか陽気になりました。
友人のミライさんと、河口湖ドライブに出かけます。
去年の8月、箱根ドライブの際に、河口湖まで足を伸ばそうとしましたが、私が車酔いでダウンしてしまったため、山梨に入れずに途中で帰ることになりました。
(その時の旅日記→「ひさびさ箱根の黒玉子」
それがとても残念で申し訳なくて、改めて仕切り直ししたいと思っていたのです。
今回は車酔いしないように、強力な酔い止め薬をしっかり飲んで、臨みました。

● オレンジハーレー

早朝に待ち合わせたので、道は空いています。
前の日の夜更けまで大雨が降っていたので、天気を心配しましたが、からりと晴れ上がったドライブ日和です。

気候に誘われて、高速道路をバイク集団がたくさん走っています。
オレンジ色の車体で統一されたハーレーダビッドソンのグループも通っていって、豪壮。
ライダーは渋めのご年配の殿方たちでした。
若者が乗っていたら、違和感あるバイクですからね~。
呆気にとられて見とれてから、はっと気づいてカメラを探している間に彼らは行ってしまい、写真には撮れませんでした。



● すばしり道の駅

快調に車は進みます。
途中、SAに寄らずに、一気に「すばしり道の駅」まで。



みんなで屈伸をしている、ご年配の登山家グループたち。
これから富士山登山に挑むのでしょう。



ここは、8月に私がグロッキー状態となり、ひと休みした場所。
5時までの足湯に5時1分に到着したら、既にロープが張られていて入れなかったことを思い出します。
時間は大丈夫だから、今度こそ入れる!と思いましたが、この日はメンテナンスで足湯はお休みとのこと。
縁がないわ~。



バイクの人たちは、きっちり列を作ってツーリングしています。
停止している時も列を崩しません。渡り鳥みたい。

● 北口本宮冨士浅間神社

そうして北口本宮冨士浅間神社に着きました。
富士山本宮浅間大社を参拝したことはありますが、ここを訪れるのは初めて。
おや、信号機に、富士山が。



以前、両親はバスツアーに参加して、ここを訪れました。
人数が多いツアーでは、添乗員さんが希望者の御朱印帳をまとめて預かり、それに御朱印を書いてもらう仕組み。
参拝後にバスに戻った時に、添乗員さんから御朱印帳を返してもらい、着席して確認したら、父の分に御朱印が押されていなかったそうです。
つまり、墨で書かれているのみだったんです。
しかし、バスはもう発車していたため、神社に戻ることもできず、結局そのままになってしまいました。
それで「今後行く時には、御朱印を押してもらってきてちょうだい」と頼まれていました。

でも、父が他界した時に、父の御朱印帳も一緒に燃やしたため、それはもう残っていません。
遅かったわ~。まあこればかりは仕方がないことです。


参道には、立派な古めかしい杉並木がそびえています。



水がきれい。澄んでいます。



苔むした石灯篭が、いい感じ。



歩いていると、じきに立派な鳥居が見えてきました。



境内には、桜がきれいに咲いていました。



もう4月も下旬に差し掛かっていますが、この辺りは今が盛りなのかしら?



お日柄がいいのか、何組もの花嫁花婿が記念写真を撮影していました。



しめ縄がリボン結びで、ちょっとかわいい感じ。



本殿の両側に立つ大きな杉の木が、新郎新婦を見守っています。



さて、手を清めてお参りしましょう。



立派な彫刻の施された、朱色の拝殿にやってきました。



ここには天狗も祀られています。


天狗は山の守り神ですから、当然、山の中の山、富士山にもいるわけです。
富士山の南側を富士山太郎坊、北側を小御嶽正真坊という天狗が守っているそうです。

目下、同僚が弘前の桜を見に青森を旅行中。
いろいろと情報を教えてあげながら「東京と青森で、2回お花見できて、いいなあ」とうらやましがっていたところです。
この様子だと、関東甲信越でも、まだ見られるのかも。

● FUJIYAMA

参拝を済ませて車に戻り、先に進むと、ほどなくして大きなジェットコースターの線路が見えてきました。
これ、FUJIYAMAじゃないですか。ということは、富士急ハイランド!
わー、河口湖までもうすぐです。



● 河口湖へ

とうとう河口湖に着きました。
昭和な感じの看板に迎えられます。



おだやかな湖面。スワンボートが係留しています。
家族旅行や、高校の部活合宿、大学のサークル合宿など、何度もここを訪れていましたが、最近はずいぶん久しぶり。



記憶と違うのは、外国の人たちを大勢見かけること。
本当にたくさんおり、日本人より多いようにさえ思います。
前に、サウジアラビアの友人も訪れたと言っていました。
富士山が近くに見える場所として、すっかり有名になっている様子。
いつの間にやらインターナショナルになっちゃって、地元の人も驚いているでしょうね。



リニア見学センター行きのシャトルバスが通りかかりました。
そういえば、リニアモーターカーの研究所は都留にあるんでした。

● 河口湖町のマンホール


河口湖町のマンホールチェック。


● 桜と神社と桜とお寺

車を降りて、河口湖駅の方まで歩いて行ってみました。
近くの神社に寄ってみます。桜が満開で、まぶしいくらい。



隣のお寺も、またきれいでした。
う~ん、ジャパニーズ・ビューティ。
これは外国人が見過ごしませんね。



参道に三脚だけがあって(アレ?)と思ったら、花影でタイマー撮りをしているラテン系カップルがいました。
きっといい写真が撮れたはず!



● 忍者の天ぷら

天ぷら 忍者というお店がありました。
とても隠密行動などとれそうにない、空高い快晴の日に忍者って、なんだか合いませんね。
そのギャップがなんだか気になって、結局ここでランチにすることにしました。
店内には外国人親子。ニンジャ大好きですもんね!



天丼屋さんなので(どこが忍者なんだろう?天丼との繋がりは?)と考えながら注文。
やってきた天丼には、手裏剣の形をした海苔が乗ってきました。
だからー?(笑)



サクサクの揚げたてで、ほのかな甘みが口に広がり、美味しかったです。
天ぷらと忍者と河口湖は、日本人にはあんまりつながりを感じられませんが、どれも外国人に人気なところが共通点。
ひらめいた経営者は、才覚がありますね。



● 巨大な富士山

河口湖駅まで行くと、駅をバックに、ぬっと巨大な富士山が現れました。
大きすぎ~!
見慣れないサイズに驚いて、「うわ、うわ」としか言えません。



本当に、とってもいい天気。ぽかぽか日和で最高です。



その2に続きます。



東大・麻布・桜木町

2017-07-20 | 東京
 3月のある日の話です。大切な用事が3つ重なり、それぞれの場所に向かいました。
 最初は東大、それから麻布経由で六本木、最後に桜木町。
 どれも近場ながら、初めてづくしの楽しい一日になりました。

  ● prologue ● ユビキタス・カフェ ● アザブジュバーン
  ● 古刹と高層ビル ● 麻布十番商店街 ● 赤い靴の女の子
  ● 十番稲荷神社 ● ヴォーリズ設計 ● スヌーピーミュージアム
  ● ピーナッツとスヌーピー ● 大使館のみかん ● 東京タワーの台湾祭
  ● Pにノッポン ● 一路横浜へ ● 高校同期と再会

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● prologue

3月18日。九州から友人あかねちゃんが東京に来ることになり、友人うさこちゃんと3人で、スヌーピーミュージアムに行くことになりました。
その日の午前中には東大で、夜には横浜で用事があり、一日動いた日になりました。

● ユビキタス・カフェ

まずは東京大学 本郷キャンパスに向かいます。
春日門から入った辺りに、細長い杉の板を打ち付けた建物がありました。
スタバ太宰府店を思い出すような木の造り。
風が吹いたら、木片がカタカタと音を立てそうです。



これは情報学環教育研究棟「ダイワユビキタス学術研究館」。
大和ハウス工業(株)が寄贈した建物で、設計者は東大大学院教授の隈研吾氏。
入り口は和カフェ「厨菓子くろぎ」になっていました。

ちなみに「ユビキタス」って、聞いたことはあるけれど、よくわからない言葉ですよね。
コンピュータやネットワークが生活に溶け込んでいる状態のことだそうです。
 
ここでの用事を済ませて、東大前から南北線で、麻布十番駅へと移動しました。

● アザブジュバーン

さて「イカジュポーン、アザブジュバーン」の麻布十番です。
実はほとんど歩いたことがない町。
右も左もわかりませんが、駅の地図を見てみると、近くに大きなお寺があるようなので、行ってみることにしました。

● 古刹と高層ビル

善福寺は、平安時代に弘法大師によって開山されたお寺。
鎌倉時代の親鸞上人の訪門がきっかけで、真言宗から浄土真宗に変わりました。
都内では、浅草寺、深大寺に次ぐ古刹の一つだそうです。



都心にあるために、背後に高層ビルがそびえ立つ、なかなかシュールな光景。
元麻布ヒルズは、この角度から見ると、蜂の巣みたいだなあと思います。
かつてはこのビルの敷地も、このお寺の所有地だったそうです。

幕末には初代アメリカ公使館となったこのお寺。当時在留していたハリスの記念碑がありました。

ここには福澤諭吉のお墓があります。先生の命日、2月3日に雪池忌(ゆきちき)が行われるのは、このお寺なんですね。
私は、これまで何度も参列しようと思いながら、いつも寒さに負けてまだお参りできていません。(ダメダメ)

● 麻布十番商店街

お寺を出て、商店街の方へと向かいました。
オープンカフェが多く、まだ寒いというのに、外には軒並み外国人がくつろいでいます。
外国人が多く、ヨーロッパの街角のような雰囲気があるかと思えば、和な部分も多く、両方が共存している町。

豆源本店は大混雑。向かいのお店は麻布かりんと。
麻布ゆかりのお店が軒を並べています。



おもしろい名前のお店がありました。鰓呼吸ですって。エラコキュウ!
お店の上には、人魚の絵と鱗(ウロコ)の字が描かれていました。

● 赤い靴の女の子

通りの真ん中に「パティオ十番」という、浮島のような楕円形のスペースがありました。
フリーマーケットをやっていて、ヨーロッパの日曜マルシェみたい。



ここに「きみちゃんの像」という女の子の銅像があります。
彼女は、赤い靴の女の子のモデルです。



説明書きを読むと、きみちゃんは、異人さんとアメリカには行かなかったそう。結核にかかり、この麻布で息を引き取ったそうです。
かわいそうな小さな少女を思って、この像が立てられたのは、平成元年。



横浜の山下公園にある海を見つめる少女像は、小さな頃からよく見慣れていますが、同じ少女の像がここにもありました。
横浜の像の方が古いですが、横浜は歌を元に作られたもの、麻布は事実を元に作られたものなのでしょう。

● 十番稲荷神社

雰囲気のある麻布十番界隈を散策してから、大通りを渡って十番稲荷神社へ。
稲荷神の倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)と日本武尊、そして宗像三女神が御祭神です。
護国型狛犬がいました。



神社の向かいは各国の塩を集めた専門店。
かつてはこの近くに麻布十番温泉がありましたが、今は無くなってしまいました。
横浜の綱島温泉も目下消滅しているし、古くからの温泉が姿を消すのは切ないものです。

● ヴォーリズ設計

そのまま車道に沿ってまっすぐ進み、鳥居坂に着きました。
ここを登って六本木ヒルズ方面に向かいます。

鳥居坂という名前は、かつてこの辺りに大きな鳥居があったからかなと思っていましたが、そうではなく、大名の鳥居氏の屋敷があったからだそう。



坂を上ったところにある、東洋英和女学院。
どっしりした風格のある校舎はヴォーリズの設計です。
歴史を感じるわ~。
道路向かいにはZeppブルーシアター六本木があり、なにかステージがある日のようで、にぎやかに呼び込みをしていました。

● スヌーピーミュージアム

鳥居坂教会や区民センターの前を素通りして進み、ロア六本木ビル前であかねちゃん・うさちゃんと待ち合わせ。
それから一緒にスヌーピーミュージアムに向かいました。
入口で、さっそくスヌーピーがお出迎え。



わあ、三次元のスヌーピーを見たの、初めて。



ここは予約制を敷いており、その場でふらっと立ち寄ることはできません。
開館から1年ちょっと経ったところですが、それでもかなり混んでいました。
チケットはカートゥーン。一人一人違っていました。



外にはキャラクターのパネルがあり、撮影用スポットとなっています。



建物に入ってすぐの部屋は、壁にチャーリー・ブラウンとスヌーピーが描かれていました。



近くに寄って見ると、カートゥーンを並べて陰影をつけたものだと分かりました。
すごーい。



スヌーピーといったら、定番のポーズですね。
カラーで三次元になってるけど。



立体的なので、横からも見られます。
スヌーピーのイラストを、別の角度から見ているみたい。



● ピーナッツとスヌーピー

お土産コーナーも、すごい人でした。
そしてたくさんのグッズが売られていました。



ピーナッツのポスター。
なぜ彼らがピーナッツっていうのか、そういえばわからないまま今まで来てしまっています。
調べてみたら、もともと『Peanuts』というタイトルで、いつしか人気キャラの『スヌーピー』の名で知られるようになったとか。





もっと時間がかかるかなと思っていたら、思ったよりもあっさり出ました。



「時間があいちゃったね」
ふと顔を上げると、東京タワーが近くに見えます。
「今、東京タワーの下で何かイベントをやってるらしいから、行ってみよう」

● 大使館のみかん

そんなアバウトな感じで、3人でてくてく歩いていきました。
途中、外務省飯倉公館やロシア大使館というものものしく大きな建物の前を通ります。
大使館になっている夏みかんがたわわでおいしそう。冬だけど。



狸穴坂の前も通りました。
「たぬきあなざか」と読むものだと思っていましたが、「まみあなざか」なんですって。

飯倉交差点に差し掛かりました。
さっき待ち合わせたのはロアビルですが、ここに立つのはノアビル。
フリーメイソンのの東京本部がある辺りです。

● 東京タワーの台湾祭



20分ほど歩いて、東京タワーに着きました。
週末の3日間、台湾祭が開催中だとのこと。



すごい人出にびっくり!
みんな、台湾好きなのね~!
私も好きですが、ちょっとこの人混みの中に入って行く勇気はありません。



外国人ビジネスマンも、スーツ姿でエンジョイしています。



● Pにノッポン

人混みに後ずさりしているうちに、タワー駐車場に紛れ込みました。
なぜかここにいた、ゆるキャラのノッポンたちと記念写真。
みんなちゃんとポーズをとってくれました。
台湾祭にはジョインできなかったけど、まあいっか!



● 一路横浜へ

神谷町駅から日比谷線に乗り、中目黒駅で渋谷に向かう二人と別れ、私は東急Fライナーに初めて乗って横浜へ向かいます。
Fライナー、早いのはいいですが、これまた人がいっぱいで、もみくちゃになりました。

● 高校同期と再会

JRに乗り換え、桜木町コレットマーレのHUBにたどり着きました。
場所がわからず、ウロウロ探して、地下に発見。



ここで、高校の部活の同期の子たちと卒業ぶりに再会。
これまでずっと連絡が取れずにいましたが、ようやく全員とつながったのです。
久しぶりー!



HUBはキャッシュオンデリバリーなので、気楽。
なのでついつい飲みすぎちゃうんですが。



もうすでにみんなできあがっています。
とっても懐かしくて、感激を分かち合いたいのに、相手は酔っぱらっていてろれつが回らないというトホホな再会となりました。



まあ、それもこれも、気取りのない同期同士だからなんですけれどね(笑)。

● epilogue

3月のある休日の話です。
たまたま用事が3つ重なって、東京・横浜内を移動したので、順を追ってみました。
暮らす場所が遠い友人と、過去の思い出のままだった高校の同期たちと再会できた、とてもいい日。
近場とはいえ、初めてづくしだったので、新鮮に一日を過ごせました。

十年ぶりの友と会う index

2017-07-13 | 東京
[2017.3.23・25]

◆ 鎌倉 1-(1) ←旅行記へ
 ベルギーとポーランドから、友人親子がやってきました。
 10年ぶりの来日。変わらない母と、成長した息子。
 「驚かせて」というリクエストを受けて、二人を鎌倉に連れ出しました。
  ● prologue ● 十年ぶりの来日 ● 少年が青年に
  ● サプライズ・ミー! ● 静かだから眠れる ● かつお節はマスト
  ● 言い負かされる ● 日本料理店の思い出 ● BASF
  ● 鎌倉のティーンズ ● トンビの襲撃 ● ジャパニーズ・カップル
  ● 海老天そば ● ガラスのブタ



◆ 横浜 1-(2)
 友のリクエストで、アンティーク着物のお店を探します。
 2人とも大仏を見上げて驚いていたので、目的達成。
 横浜に移動し、夜は中華街に繰り出しました。
  ● 渋谷の呉服店 ● アンティーク着物 ● 一竹の辻が花
  ● ポーランドの鯉 ● サプライズ・ユー ● 大仏の中へ
  ● コスモクロック21 ● 花と緑のフェスティバル ● Shot Bar ZORBA
  ● Shot Bar ZORBA ● 青タンのわけ ● バーテンダーお勧め中華
  ● 路地で迷う ● 路地裏の北京 ● ユーリンチーとリン・チーリン
  ● 続投決定 ● 送り届ける



◆ 新宿 2-1
 ホテルのチェックアウト時間が原因で、朝から機嫌の悪いイゾルダ。
 ダニエルは別行動をとり、二人で猫カフェ初体験。
 かわいらしい猫たちに、すっかり癒されました。
  ● 不機嫌な朝 ● 前夜はパリピ ● 新宿のゴジラ
  ● 初めての猫カフェ ● 元気な猫たち ● やっぱりおやつ
  ● 猫とマーチ ● がぶがぶ ● 絶対いい夢



◆ 銀座 2-2
猫カフェで笑顔を取り戻したイゾルダと、歌舞伎町をうろうろ。
ロボットカフェは素通りして、メキシカンランチにしました。
母国へと帰って行った彼らは、東京に吹いた一陣の春風のようでした。
  ● 機嫌が戻る ● ベルへのお土産 ● 昼の歌舞伎町
  ● タコスランチ ● ダニエルとダミアン ● きっかけはナルト
  ● ウォッカがサケに ● 歌舞伎座前から ● See you again
  ● 桜アルマーニ ● ペコちゃんとキティちゃん ● epilogue




十年ぶりの友と会う 2-2

2017-07-13 | 東京
その1からの続きです。

● 機嫌が戻る

猫に囲まれてまったりと過ごしているうちに、気づけば1時間半たっていました。
「そろそろおなかすいてきたね」
「そうね、ダニエルはもうランチを済ませているだろうし、私たちも何か食べに行こう」
そうして、猫カフェをあとにしました。

「どの猫もすごくかわいかったわ!お行儀いい子たちがあんなにたくさんいるなんて!」
イゾルダは猫カフェがとても楽しかった様子。朝とはうって変わって、声も表情も生き生きとしています。
機嫌が直ってよかったわ。
ネコは人様のメイクの出来栄えには、全く頓着しませんからね。
私もネコ並みに気にしないし。

● ベルへのお土産

猫カフェを出たところで「そうそう、ベルへのお土産を忘れるところだったわ」とイゾルダ。
私もすっかり忘れていました。
「空港で見つかるかわからないし、自力では探せなさそう。
この辺りで買える場所はないかしら?」
「隣の隣の店にありそうよ」



角のドンキで、10袋入りパックを2つ買いました。
これでイゾルダもひと安心。ほっと肩をなでおろしていました。

● 昼の歌舞伎町

ではランチにしましょうか。
あとでダニエルが合流しやすいように、猫カフェの近くでお店を探すことにします。

といっても、この辺り一帯は歌舞伎町。
「夜はちょっと怖い、日本有数の繁華街なのよ」
去年の末にこの通りにある居酒屋で忘年会をしたら、会計時に「予約時と話が違う」と揉めて、幹事が店長にグーパンチで殴られてしまいました。
怖いですね~。そんなことがあったので、日中でもなんだか怖さを感じます。
イゾルダまで怖がらせるつもりはないので、そのお店の前を黙って通り過ぎました。



おおっと、突然派手で大きなロボットがいましたよ。
ここが、噂のロボットレストランね!
椅子になっていて、座ってポーズをとる人もいました。

ここは夜に賑わうネオン街なので、日中開いている店はあまりありません。
海老天が大好きな彼女。天ぷら屋さんはどうかなと思いましたが、「前日食べたから」とのこと。

● タコスランチ

「じゃあタコスにしよう」とメキシカンレストラン、カーサ・テキーラに入りました。
地下にあるため、開いていないことも考えながら、おそるおそる階段を下って行くと、ラッキーなことに営業中。



でも、とっても静か。
「人がいないね…おいしいのかな?」



なぜなら時間は4時。猫カフェで時間を忘れて過ごしていたら、もうランチも、ティータイムも過ぎている時間帯になっていました。
(ああ、浦島太郎ってこういう気分だったんだぁ)と思います。
彼も、竜宮城で楽しく過ごして、気がついたら長い年月が経っていたのでした。

お店も、ランチからディナーにメニューを変えるところでしたが、店長が「いいですよ」と言ってくれたため、遅いランチビュッフェにしました。
半端な時間なので、店内には私たち以外、誰もいません。2人で貸し切り状態です。



タコスやピンチョス、ブリトーにアボガドチーズコロッケにレモネード。
食べながら、サシで話をします。仕事や家族のことなど、悩みが尽きないようですが、持ち前の明るさとタフネスで、頑張っている様子がわかりました。

「日本はクリーンな国だけれど、まだ分煙が徹底されていないわね」
これでも前に比べて改善されてきたと思いますが、彼女は「日本にいると、どこからか煙のにおいがしてくる」と言います。
「ベルギーではもうそんなことはないわよ。完全にシャットアウトされているから」
まだまだ日本は、分煙途上国なんですね。

● ダニエルとダミアン

「そうだ、ダニエルに場所を移動したことを伝えなくちゃ」
話し込んでいたら、すっかり忘れていました。
今いる店のサイトを送ります。
店の場所がわからなかったら、聞いてくるだろうと思ったら「OK, もうちょっとしたら向かうね」との返事。
そして、本当にやってきました。

一見見つけづらい地下にあるのにやってこれるなんて、すごいわ!
と思ったら、友人に連れてきてもらったようです。
ポーランドから来日して半年になるというダミアンとご挨拶。
彼がいたので、日本語表記に困ることなく来られたようです。

食事を済ませて「貸し切り状態だから、お店を出る前にしっかりメイクアップしてくるわ」と化粧室に立った彼女。
そろそろ夕方なのに、まだメイクが気になっていたのね~。
いやいや、女性はこうあるべきか。うーむ。

● きっかけはナルト

彼女を待ちながら、「ランチには何を食べたの?」と彼ら二人に聞きました。
ラーメンだそう。来日した初日にも、ホテルのすぐそばの一風堂のラーメンに入った写真を見せてもらっています。
「ラーメン、好きなのね」
「うん、おいしいよね」
「ヨーロッパでも、今ラーメンが人気だって聞いてるよ」
「そうだね。そのきっかけになったのは『NARUTO』だよ」

そう聞いて、ビックリ。アニメがラーメンの火付け役になったとは!
(さすがに鳴門巻きのナルトじゃないだろうし)
「そうなんだ!すごい影響力」
「リカ、前にナルトグッズを僕にくれたことあったよね。日本で人気があるアニメだって言って」
そう、それははるか10年前のこと。来日の折、彼にナルトの手甲とヘアバンドをあげました。
「あの時はまだヨーロッパで放映してなかったけど、その後めちゃくちゃフィーバーしたんだよ」
「それはよかったわ」

ダミアンは、城西国際大学に留学中とのこと。
「知ってますか?」
「ええ、箱根駅伝に時々出ている学校ですよね」
と言いながら(あれ、あれは城西大学だから、国際があるのとないのは別の学校なのかな?)と考えました。
調べてみたら、どちらも同じところが運営している大学のようです。

ダミアンの専門はアジア情勢。2年間の企業奨学金を受けて来日し、あと1年半滞在するそうです。
「だからまだ日本語はそんなにうまくないんです」
いえ、相当上級のレベルでした。

● ウォッカがサケに

お店を出て、新宿駅でダミアンと別れ、3人で銀座のホテルに戻って、預けていたスーツケースにお土産をパッキング。
2日前にウォッカをいただいたので、お酒返しをしなくちゃと、金箔入りの祝い酒をプレゼント。
けっこう買い物をした彼らは「日本のサケ、持って帰りたいけど、重さは大丈夫かしら」と、スーツケースを計ります。
大丈夫でした!



ロビーで一緒に記念撮影。
2日前にプレゼントしてもらった彼女デザインの服を着てきました。

● 歌舞伎座前から

来た時は真夜中だったため、タクシーを使ったそうですが(Uber Taxiを勧められました)、帰りは空港への直行便があるメトロで。
歌舞伎座の横にある東銀座駅から乗ります。
夜に見ると、照明効果でさらに迫力の増す歌舞伎座。



真下に東銀座駅があることに気づきませんでした。
歌舞伎グッズがたくさん売られた、ちょっとした歌舞伎ワールドになっていました。
隈取パンって、発想がすごいわ。(笑)



● See you again

切符を渡して、別れのキス&ハグ。
「また来るわ。だからまたベルギーに来てね。」
「次はポーランドにも来て!」

空港まで一緒について行こうかとも思いましたが、見送った後、一人で空港を後にするトボトボ感に耐えられそうになかったので、改札でさようなら。
長旅になるけれど、気をつけて~!
空港でなくても、お別れするとやっぱりガックリします。



● 桜アルマーニ

銀座にそびえる、桜模様のジョルジョ・アルマーニビル。
アルマーニ好きのダニエル。今回も着こなしていました。



● ペコちゃんとキティちゃん

銀座のペコちゃんは、黄色ずきんちゃんになっていました。
いったいこれは何の格好?
瀬戸内檸檬パイのコスプレのようです。



いつもシックな装いのイゾルダ。かわいい系は好みじゃないと思っていましたが、「キティちゃんの夜会服を持っているわ」と言っていたなあと、思い出しました。
その時は、うっかりスルーしてしまいましたが、いつの間にかキティラ―になっていたのかしら。
キティちゃんのイブニングドレスって、どんな服なのか、気になりますね…。



● epilogue

なんとなくずっと縁がないままのポーランドでしたが、ダニエルをきっかけに、行く理由ができたようです。

久しぶりに対面して話をした彼ら。
日本人とは違う感性やものの考え方を持っている2人との交流に、今回も気づかされることが多々ありました。
鮮烈な春の嵐のような親子と久しぶりに接して、いろいろな刺激を受けました。
日本を離れて自分の国へと帰って行った2人。
私も極東で、がんばるわー!


十年ぶりの友と会う 2-1

2017-07-12 | 東京
1日目からの続きです。

● 不機嫌な朝

イゾルダ・ダニエルとの再会は、鎌倉デーから一日おいての土曜日となりました。
2人はこの日の夕方に帰国予定。この日はさっちゃんはおりません。
待ち合わせの11時半には少し早い時間でしたが、既に二人はロビーにいました。
「あれ、早いね?」
普段、おめかしに時間がかかるイゾルダがいることに、目を見張ります。
「11時半にチェックアウトしようとしたら、ホテルに駄目だって言われたのよ」

既定のチェックアウト時間は11時。30分の延長を申し出たようですが、聞き入れられなかったようです。
「私が確認してみる?」と言っても「もういいわ」とイゾルダ。
そう言いながらも、見るからに怒っています。
「ここのホテル、新しいし広いし立地もいいけれど、ホスピタリティ的にどうかと思うわ」
延長料金も払うと言ったそうですが、ホテルの都合もあるので、何とも言えません。

聞くと彼らは、昨晩渋谷のクラブに行って、夜明けの6時半まで踊っていたとのこと。
それからホテルに戻り、寝たのは3~4時間。
「おかげで大急ぎでパッキングすることになって、結局メイクアップができなかったのよ!」
つまりイゾルダの機嫌が悪いのは、メイクができていないからなのです。

さらにチェックアウト時間直後は、ロビー併設の化粧室は人でいっぱい。
とてもメイクで占領はできません。

● 前夜はパリピ

「まあいいわ、向かいのスタバに行きましょう。そこでメイクするから」
彼女の炎のような気性も健在。ダニエルももう心得ていて、「マムはすっぴんだから不機嫌なんだよ」とひそひそ話してきます。
燃え盛る彼女を刺激しないよう、お互い口をつぐんで、しずしずとスタバへ。



彼女のメイク中、ダニエルが夕べのクラブでの話をしてくれました。
「楽しくって、ずーっと踊っていられたよ」
パワフルでビックリ!私なら途中でパワー切れして、踊るみんなに踏まれながら寝ていたことでしょう。
クラブ割引券をもらいましたが、私は、暗くて狭いところより、明るく広いところで踊る方が好きだな~。
台湾の朝の公園の太極拳みたいな。
パリピからはほど遠い…。すでに踊りじゃないし…。老人みたい…。

メイクを済ませて戻ってきても、イゾルダの機嫌はまだ直っていません。
スタバの個室は小さかった上に、待っている人がいたから、満足がいく仕上がりではないようです。
ずっとサングラスをしているのに、そこまで気になるの~?
私なんて、いつまでたってもメイクが下手で、万年ほぼすっぴんだし、フルすっぴんでもまったく気になりません(つまり大いなる社会迷惑)。
女性としての意識の違いかしら~。私、いろいろがんばらないといけませんね。

● 新宿のゴジラ

この日に帰るため、ダニエルは留学生の友人とランチを食べるそう。
「私はリカとのんびり過ごすわ」とイゾルダ。
ということで、ダニエルとは別行動。
私たちはイゾルダのリクエストで、猫カフェに向かいました。

といっても、まだ猫カフェに行ったことがない私。
まったく勝手がわかりません。
こうなるとわかっていたら、場数を踏んでおいたんだけど~。
たくさんある猫カフェから、どこを選べばいいのかもわからないし。
困って、通訳ガイドの友人ノブさんにアドバイスを仰ぎ、お勧めのお店を教えてもらいました。

銀座から新宿までは丸ノ内線で一本。それでも案の定迷ってしまい、ダニエルに「こっちこっち」と正しい方へ連れて行ってもらいます。
ガイドできてない・・・。



新宿駅に着き、地表に上がり、なんとか東口側に出ます。
「ゴジラだ」と二人。「ほんとだ」と私。
いつのまにできていたのか、ちっとも気がつきませんでした。

● 初めての猫カフェ

ドンキのそばにある猫カフェ、きゃりこに行きました。
ここは日本最大級の猫カフェなんだそう。ノブさんご推薦のお店です。(ノブさん、ありがとう!)
ダニエルとはお店の前で別れ、彼は友人のもとへと向かいました。

まずは私がここのルールを真剣に聞き、それをイゾルダに伝えます。
手を洗ってから、中に入りました。
わあ、猫がたくさん。でもみんな寝てるー。





ここには35匹のネコがいるそうです。
ほとんど一クラス分ですね!





寝ている猫にはおさわり禁止なので、見てるだけ~。
安眠妨害されないからか、ずーっと眠ってぴくりとも起きない猫たち。
夜通しクラブに行っていた2人の方が、元気です。



● 元気な猫たち

別の階にも猫がいると知って、下に降りていくと、そちらの方が広いスペースで、元気に起きている猫ちゃんがたくさんいました。







2人で興奮します。イゾルダも、もうメイクのことは忘れて、猫に夢中。
「ベンガルがいるわ。私好きなのよ」
やっぱりヒョウ柄系が好きなんですね。





● やっぱりおやつ

おもちゃを持って遊ばせようとしますが、猫ちゃんたちはあんまりなびいてくれません。



それよりも、なにかを察知すると、サーッとそちらに駆けていきます。
集まった先にいるお客さんの手には、おやつが!
おやつ目当てに猫たちが集まり、手からもらって食べています。



「おやつがないときてくれないのね」
ということで、私たちもおやつをゲット。
猫たちが集まり放題、撫で放題です。
その中でもお気に入りの子猫を見つけて、イゾルダはかわいがっていました。













● 猫とマーチ

と、窓の外から何か軽快な音楽が聞こえてきます。
のぞいてみると、マーチングバンドが行進をしていました。



その様子を、猫も眺めていました。



● がぶがぶ

私たちの座ソファ前に、飲み残しのドリンクがありましたが、少し様子を見ても人が来る気配がないため、お客さんは帰ったものと思って私たちが座りました。
そこにやってきたネコちゃんの一匹が、カップに顔を突っ込んでドリンクをドリンク。



「わー、飲んでるー」と言っていたら、しばらくして、カップルがやってきました。
「あ、すみません。今どきます」といったら、「構いませんよ。飲み物を取りに来ただけだから」と言います。
彼氏は、カップの中身を一口飲み、別のところへと行きました。
そのカップ、さっきネコが顔を入れて飲んでた…とは言えず、ただ見送りました。。。

● 絶対いい夢



まちがいなく、幸せな夢を見ているような、すやすや顔の白猫。
バーマンというそうです。
パーマン(藤子不二雄)みたいだと思ったら、Birman、つまりビルマン、今ではミャンマーの猫という意味でした。

イゾルダが、このネコちゃんに興味津々。
ほかに愛情を注いでいたのは、ベンガル、シャム、サーベルなど。
アジア系のネコが好きのようです。

おじさんの膝と足元ですやすやと眠るネコ。
ネコ天国だわ~。ネコにはわかる、おじさんの魅力・・・。



たくさんのネコちゃんたちに、癒やされましたー。

その2に続きます。