2日目からの続きです。
● 早朝のお勤め
11月25日。この日も早朝に起き、寝ぼけ眼で外に出ました。
朝日はまだ建物の上を淡く照らすだけ。

朝日を浴びる不動堂で行われる、朝のお勤めに参加します。
広く立派なお堂の中に、私たち親子とお坊さんの3人きり。
贅沢な貸し切り状態は、夜が明けてもまた続きます。

不動堂には、お寺のご本尊、金色不動(秘仏)が鎮座しています。
「黄不動」で知られる三井寺とたもとを分かち、こちらは「金色不動」になったそうです。
ここは近畿三十六不動尊霊場の札所。由緒がありますね。
関東三十六不動尊を巡ったので、近畿の方も気になります。
でも今は、百観音の巡礼中なので、そちらに集中しますわ。

● 朝焼けの琵琶湖
読経を行い、朝のお勤めを終えて外に出たときには、湖の方から空が明るくなっていました。
日光を浴びて、石庭のコントラストが際立ちます。

この日もいい天気になりそうです。
琵琶湖クルーズをするため、船の時間に合わせて、少し早目の食事時間にしてもらいました。
てきぱきと朝食を済ませて、チェックアウト。

お坊さんには、最後までお世話になりました。
法衣姿だったり作務衣だったりダウンだったり、いろんな服になっているのを見ました。
ほかにもスタッフはいますが、僧侶の仕事は一人で何役もこなしてるようです。
● 疎水沿いに波止場へ

夕べ、ライトアップされた境内を拝観した三井寺の前を通りました。
フェリー乗り場まで、歩いて20分弱。
母も大丈夫そうということで、早めに出て疎水沿いにのんびり歩いていきます。
疎水には、川鳥がたくさん浮いていました。

● フェリーターミナル
湖畔の大津港フェリーターミナルに到着し、早めに琵琶湖汽船の受付を済ませました。
それでも行列ができていたので(いつもこんなに人気があるものなのかな?)と思います。
突然のモダンな構図。『去年マリエンバートで』の世界に入ったよう。

● 大きな蒸気船
大きな船が停泊していました。後部に大きなパドルがあるアメリカの蒸気船風で、ディズニーランドのマーク・トゥエイン号みたい。
これに乗るのかと思ったら、これは1時間半ほどの湾内周遊観光船ミシガン号でした。

蒸気船といったら、ニューオーリンズを連想しますが、滋賀県は「大きな湖を持つ」つながりでミシガン州と姉妹都市なので、船の名前はミシガン号なんだそうです。
定員800人。大きいですね。
● びわ湖の島めぐり
「ぐるっとびわ湖島めぐり」クルーズに参加する私達は、リオグランデ号に乗ります。
こちらは定員200名。
一日かけて湖を周るコースの方が、湾内観光船よりも小さいですが、こちらの方が馬力があるそうです。
待合室で入船のアナウンスを待って、乗り込みました。

パンフレットと葦で作ったキーホルダーをもらいました。
キーホルダーは、振るとカラカラという自然の音がします。
葦製というのが素朴で嬉しいです。
● 最後の運行
大勢の人と一緒に乗り込んだので(わー、大人気なのね)と思ったら、なんとこの日が、琵琶湖一周クルーズの定期運行最終日だとのこと。
そんな驚きのニュースを、乗ってから知りました。
知らなかったわ~。しかもこのコースは毎日ではなく、毎週土曜日のみの運行でした。
たまたま乗りたい日が土曜日だったので、なにも気づかずに申し込んでいましたが、乗船できたのはかなりラッキーだったわけです。
これまでの定期便を止めて、今後は、団体予約など一定数の申し込みがあったら、運行するそうです。
となると、今後は個人で乗るチャンスはかなり減ってしまうのね。
来週の旅行だったら、乗れないところでした。
よかったー。
船好きの母は、今回の旅行で、この琵琶湖クルーズを一番楽しみにしていたそう。
晴れ渡る空の下、無事に乗船できて、何よりです。
● 大盛況のクルーズ
最終運行便を惜しむ人たちで、船内は満員。
どこも席は埋まっており、にぎやかです。

9時半に出港しました。
スタッフが4人、桟橋に出て大きく手を振ってくれています。
「左からAさん、Bさん、Cさんですねー。一番右は男性だし、誰だったか名前覚えていませんねー」
とのアナウンスに、どっと笑いが起こります。
やっぱり西のトークレベルは高いわ。

案内役は、軽快な語りの今森洋輔さん。
琵琶湖の動植物を細密画で描く、高島市在住のイラストレーター。
写真家の今森光彦さんがお兄さんだと、母が知っていました。

湖に反射する日差しを受けて、窓側はぽかぽか。コートやカーディガンを脱いで、身軽になります。
湖に出ると、個人のボートがたくさん浮かんでいます。

みんなブラックバス釣りをしているそう。
ブラックバスは、国産魚の魚を食べて大量繁殖しているので、せっせと釣っちゃってください。
釣り好きの俳優さんも別荘を持っているそうですよ。ポイズン。
● 近江八景・浮見堂

母が見たがっていた浮見堂にさしかかりました。
ここも、近江八景の一つ「堅田の落雁」です。
この二日間で、近江八景のうち三景を見ることができました。
たまたま途中で見られて、ラッキー。
この辺りでは、特別な網の張り方で魚を追い込む、琵琶湖独特の「えり漁」という漁法が行われているそうです。
「えり」というのは小型定置網のことなんだとか。

● 琵琶湖アンダーザブリッジ
琵琶湖大橋は、上りと下りの2本ありました。
長さは約1400m。1キロ以上もあるんですね。
国道で、車が通ると音楽が鳴る、メロディーロードになっているそうです。
この橋を境に、北湖と南湖に分かれます。

下をくぐりました。わー、大迫力。
横浜ベイブリッジでも、お台場レインボーブリッジでも、橋の下を通る時には願いごとをします。
ここでも、メイク・ア・ウィッシュ!

● お水はタダじゃない
とにかく海のように広い琵琶湖。
行けども行けども、見渡す限りに湖面が続いています。
日本一とは聞いていましたが、想像をはるかに超える規模でした。
ところで滋賀は、琵琶湖の水を京都に供給している見返りとして、京都から毎年2億2千万のお金をもらっているそう。
驚きのお水代!タダじゃなかったのね。
「琵琶湖の水止めたろか~」という滋賀県民渾身の脅し文句を本当に実行したら、滋賀もお金をもらえなくなっちゃいます。
京都は水不足、滋賀はお金不足で共倒れになるので、やっぱりお水は流してあげましょう。
● 沖島に上陸
リオグランデ号は、琵琶湖に浮かんでいる沖島に近づき、錨を下ろしました。

リオグランデ号
沖島は、琵琶湖で人が住む唯一の島。湖に浮かぶ有人島は世界的にも珍しいそう。
といっても、湖には5つしか島がないそうです。住民は350人で、島に車がありません。
小さな島の中を、島民は自転車に乗って移動します。
細い路地がたくさんありました。
● 奥津島神社

「神社」と書かれた路地に従って路地を進んでいくと、山の斜面に面した急な階段に着きました。

ここを上がっていくと、奥津島(おきつしま)神社の拝殿がありました。

高台にある境内から、島を見渡せます。

水が凪いだ静かな湖面が、日光で輝いています。
平和だわ。全て世は事も無し。

● エビエビエビエビエビ・・・
路地を抜けて、桟橋に向かいます。
細道が続きますが、小さな島なので、迷う心配はありません。
沖島に着く時に、ガイドさんがこう言いました。
「定期便運行が終わると聞いて、うちの会社のスタッフが、ここの"えび豆"を買うためだけに、今日お客として乗船しています」
「えび豆って、ふつうは豆豆豆豆豆エビ豆・・・でしょう。でも沖島のは、エビエビエビエビエビ豆エビ・・・ですからね!」
周りの人たちは「あはは」とか「へえ~」と言い、話が通じているようですが、私達母子はぽかんとしています。
リオグランデ号の乗客のほとんどが、関西や近場の人たちのよう。
関東からの参加者は、もしかすると私たちだけかもしれません。
「エビ豆って、なんだろう?」
「なんだろうね?」
エビマヨならぬエビ豆という食べ物がどんなものなのかわからないものの、ガイドさんの熱い語りを聞いて(じゃあ、買ってみようかな)という気になっています。

そんなわけで、桟橋の漁業組合の売店で、母はエビ豆を大量購入。
ほかのみんなも買っており、行列ができていました。
ブラックバスのコロッケも売っていました。そういえばブラックバスって、食べたことないなあ。
● 魚屋の飛び出し坊や
消防センターの前には、漁師になった飛び出し坊やがいました。
腰蓑をつけた和装姿がかわいい!初めて見るレアバージョンです。
自動車がないこの島には、飛び出し注意の看板はいらないと思いますけどね(^^)

看板が持つかごは、ここの人達が下げた手作り品のようで、よく見ると「エビ●(エビをとるどうぐ)」と書かれています。
子供へ教えているんですね。
近江八幡から毎日船に乗って、この島の小学校に通ってくる子供もいるそうです。
船での通学、一ぺんしてみたかったなあ。

島の桟橋です。ロマンチック!
● 乗用車のない島
小さな島をぐるりと一周しても、本当に車はありません。
主流は三輪自転車。スピードを出す必要はないし、高齢の方が乗るから、安定感最優先なんでしょう。
こんなに三輪自転車ばかり見る機会は、まずないなあ。
どの自転車も、カゴにちょっと錆びた平たいカンを入れています。
雨が降ったらこれをサドルにかぶせて、雨よけにするんだとか。
のどか~。

自動車はありませんが、農耕用トラクターはあります。
機関車のような謎のメカ(画像左)を発見したので、「これはなんですか?」と、母が通りがかった島のおばあちゃんに尋ねました。
どうも発電機のようです。
聞いたおばあちゃんも、やっぱり三輪自転車に乗っていました(後姿の人)。

● 最長老のお見送り
出航時、この島最高齢という、80ウン歳のおじいちゃんが、大きな旗を振って船を見送ってくれました。
これが最後の定期便。島民も寂しい気持ちでしょう。
振り返ると、おじいちゃんは、いつまでもいつまでも、小さくなるまで旗を振り続けていてくれました。

おじいちゃん、達者でね~!
自分のおじいちゃんに見送られているようで、ちょっと切なくなりました。
その2に続きます。
● 早朝のお勤め
11月25日。この日も早朝に起き、寝ぼけ眼で外に出ました。
朝日はまだ建物の上を淡く照らすだけ。

朝日を浴びる不動堂で行われる、朝のお勤めに参加します。
広く立派なお堂の中に、私たち親子とお坊さんの3人きり。
贅沢な貸し切り状態は、夜が明けてもまた続きます。

不動堂には、お寺のご本尊、金色不動(秘仏)が鎮座しています。
「黄不動」で知られる三井寺とたもとを分かち、こちらは「金色不動」になったそうです。
ここは近畿三十六不動尊霊場の札所。由緒がありますね。
関東三十六不動尊を巡ったので、近畿の方も気になります。
でも今は、百観音の巡礼中なので、そちらに集中しますわ。

● 朝焼けの琵琶湖
読経を行い、朝のお勤めを終えて外に出たときには、湖の方から空が明るくなっていました。
日光を浴びて、石庭のコントラストが際立ちます。

この日もいい天気になりそうです。
琵琶湖クルーズをするため、船の時間に合わせて、少し早目の食事時間にしてもらいました。
てきぱきと朝食を済ませて、チェックアウト。

お坊さんには、最後までお世話になりました。
法衣姿だったり作務衣だったりダウンだったり、いろんな服になっているのを見ました。
ほかにもスタッフはいますが、僧侶の仕事は一人で何役もこなしてるようです。
● 疎水沿いに波止場へ

夕べ、ライトアップされた境内を拝観した三井寺の前を通りました。
フェリー乗り場まで、歩いて20分弱。
母も大丈夫そうということで、早めに出て疎水沿いにのんびり歩いていきます。
疎水には、川鳥がたくさん浮いていました。

● フェリーターミナル
湖畔の大津港フェリーターミナルに到着し、早めに琵琶湖汽船の受付を済ませました。
それでも行列ができていたので(いつもこんなに人気があるものなのかな?)と思います。
突然のモダンな構図。『去年マリエンバートで』の世界に入ったよう。

● 大きな蒸気船
大きな船が停泊していました。後部に大きなパドルがあるアメリカの蒸気船風で、ディズニーランドのマーク・トゥエイン号みたい。
これに乗るのかと思ったら、これは1時間半ほどの湾内周遊観光船ミシガン号でした。

蒸気船といったら、ニューオーリンズを連想しますが、滋賀県は「大きな湖を持つ」つながりでミシガン州と姉妹都市なので、船の名前はミシガン号なんだそうです。
定員800人。大きいですね。
● びわ湖の島めぐり
「ぐるっとびわ湖島めぐり」クルーズに参加する私達は、リオグランデ号に乗ります。
こちらは定員200名。
一日かけて湖を周るコースの方が、湾内観光船よりも小さいですが、こちらの方が馬力があるそうです。
待合室で入船のアナウンスを待って、乗り込みました。

パンフレットと葦で作ったキーホルダーをもらいました。
キーホルダーは、振るとカラカラという自然の音がします。
葦製というのが素朴で嬉しいです。
● 最後の運行
大勢の人と一緒に乗り込んだので(わー、大人気なのね)と思ったら、なんとこの日が、琵琶湖一周クルーズの定期運行最終日だとのこと。
そんな驚きのニュースを、乗ってから知りました。
知らなかったわ~。しかもこのコースは毎日ではなく、毎週土曜日のみの運行でした。
たまたま乗りたい日が土曜日だったので、なにも気づかずに申し込んでいましたが、乗船できたのはかなりラッキーだったわけです。
これまでの定期便を止めて、今後は、団体予約など一定数の申し込みがあったら、運行するそうです。
となると、今後は個人で乗るチャンスはかなり減ってしまうのね。
来週の旅行だったら、乗れないところでした。
よかったー。
船好きの母は、今回の旅行で、この琵琶湖クルーズを一番楽しみにしていたそう。
晴れ渡る空の下、無事に乗船できて、何よりです。
● 大盛況のクルーズ
最終運行便を惜しむ人たちで、船内は満員。
どこも席は埋まっており、にぎやかです。

9時半に出港しました。
スタッフが4人、桟橋に出て大きく手を振ってくれています。
「左からAさん、Bさん、Cさんですねー。一番右は男性だし、誰だったか名前覚えていませんねー」
とのアナウンスに、どっと笑いが起こります。
やっぱり西のトークレベルは高いわ。

案内役は、軽快な語りの今森洋輔さん。
琵琶湖の動植物を細密画で描く、高島市在住のイラストレーター。
写真家の今森光彦さんがお兄さんだと、母が知っていました。

湖に反射する日差しを受けて、窓側はぽかぽか。コートやカーディガンを脱いで、身軽になります。
湖に出ると、個人のボートがたくさん浮かんでいます。

みんなブラックバス釣りをしているそう。
ブラックバスは、国産魚の魚を食べて大量繁殖しているので、せっせと釣っちゃってください。
釣り好きの俳優さんも別荘を持っているそうですよ。ポイズン。
● 近江八景・浮見堂

母が見たがっていた浮見堂にさしかかりました。
ここも、近江八景の一つ「堅田の落雁」です。
この二日間で、近江八景のうち三景を見ることができました。
たまたま途中で見られて、ラッキー。
この辺りでは、特別な網の張り方で魚を追い込む、琵琶湖独特の「えり漁」という漁法が行われているそうです。
「えり」というのは小型定置網のことなんだとか。

● 琵琶湖アンダーザブリッジ
琵琶湖大橋は、上りと下りの2本ありました。
長さは約1400m。1キロ以上もあるんですね。
国道で、車が通ると音楽が鳴る、メロディーロードになっているそうです。
この橋を境に、北湖と南湖に分かれます。

下をくぐりました。わー、大迫力。
横浜ベイブリッジでも、お台場レインボーブリッジでも、橋の下を通る時には願いごとをします。
ここでも、メイク・ア・ウィッシュ!

● お水はタダじゃない
とにかく海のように広い琵琶湖。
行けども行けども、見渡す限りに湖面が続いています。
日本一とは聞いていましたが、想像をはるかに超える規模でした。
ところで滋賀は、琵琶湖の水を京都に供給している見返りとして、京都から毎年2億2千万のお金をもらっているそう。
驚きのお水代!タダじゃなかったのね。
「琵琶湖の水止めたろか~」という滋賀県民渾身の脅し文句を本当に実行したら、滋賀もお金をもらえなくなっちゃいます。
京都は水不足、滋賀はお金不足で共倒れになるので、やっぱりお水は流してあげましょう。
● 沖島に上陸
リオグランデ号は、琵琶湖に浮かんでいる沖島に近づき、錨を下ろしました。

リオグランデ号
沖島は、琵琶湖で人が住む唯一の島。湖に浮かぶ有人島は世界的にも珍しいそう。
といっても、湖には5つしか島がないそうです。住民は350人で、島に車がありません。
小さな島の中を、島民は自転車に乗って移動します。
細い路地がたくさんありました。
● 奥津島神社

「神社」と書かれた路地に従って路地を進んでいくと、山の斜面に面した急な階段に着きました。

ここを上がっていくと、奥津島(おきつしま)神社の拝殿がありました。

高台にある境内から、島を見渡せます。

水が凪いだ静かな湖面が、日光で輝いています。
平和だわ。全て世は事も無し。

● エビエビエビエビエビ・・・
路地を抜けて、桟橋に向かいます。
細道が続きますが、小さな島なので、迷う心配はありません。
沖島に着く時に、ガイドさんがこう言いました。
「定期便運行が終わると聞いて、うちの会社のスタッフが、ここの"えび豆"を買うためだけに、今日お客として乗船しています」
「えび豆って、ふつうは豆豆豆豆豆エビ豆・・・でしょう。でも沖島のは、エビエビエビエビエビ豆エビ・・・ですからね!」
周りの人たちは「あはは」とか「へえ~」と言い、話が通じているようですが、私達母子はぽかんとしています。
リオグランデ号の乗客のほとんどが、関西や近場の人たちのよう。
関東からの参加者は、もしかすると私たちだけかもしれません。
「エビ豆って、なんだろう?」
「なんだろうね?」
エビマヨならぬエビ豆という食べ物がどんなものなのかわからないものの、ガイドさんの熱い語りを聞いて(じゃあ、買ってみようかな)という気になっています。

そんなわけで、桟橋の漁業組合の売店で、母はエビ豆を大量購入。
ほかのみんなも買っており、行列ができていました。
ブラックバスのコロッケも売っていました。そういえばブラックバスって、食べたことないなあ。
● 魚屋の飛び出し坊や
消防センターの前には、漁師になった飛び出し坊やがいました。
腰蓑をつけた和装姿がかわいい!初めて見るレアバージョンです。
自動車がないこの島には、飛び出し注意の看板はいらないと思いますけどね(^^)

看板が持つかごは、ここの人達が下げた手作り品のようで、よく見ると「エビ●(エビをとるどうぐ)」と書かれています。
子供へ教えているんですね。
近江八幡から毎日船に乗って、この島の小学校に通ってくる子供もいるそうです。
船での通学、一ぺんしてみたかったなあ。

島の桟橋です。ロマンチック!
● 乗用車のない島
小さな島をぐるりと一周しても、本当に車はありません。
主流は三輪自転車。スピードを出す必要はないし、高齢の方が乗るから、安定感最優先なんでしょう。
こんなに三輪自転車ばかり見る機会は、まずないなあ。
どの自転車も、カゴにちょっと錆びた平たいカンを入れています。
雨が降ったらこれをサドルにかぶせて、雨よけにするんだとか。
のどか~。

自動車はありませんが、農耕用トラクターはあります。
機関車のような謎のメカ(画像左)を発見したので、「これはなんですか?」と、母が通りがかった島のおばあちゃんに尋ねました。
どうも発電機のようです。
聞いたおばあちゃんも、やっぱり三輪自転車に乗っていました(後姿の人)。

● 最長老のお見送り
出航時、この島最高齢という、80ウン歳のおじいちゃんが、大きな旗を振って船を見送ってくれました。
これが最後の定期便。島民も寂しい気持ちでしょう。
振り返ると、おじいちゃんは、いつまでもいつまでも、小さくなるまで旗を振り続けていてくれました。

おじいちゃん、達者でね~!
自分のおじいちゃんに見送られているようで、ちょっと切なくなりました。
その2に続きます。