風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

冬の鎌倉・江の島の海-2

2018-02-15 | 神奈川
その1からの続きです。

● 駅前のスズメたち

大勢の乗客たちと一緒に、江ノ電を江の島駅で降りました。
洋服を着たスズメさんのオブジェは、いつでも大人気。



みんな流れを作って、道なりにぞろぞろと江の島方面へと向かいます。
私たちは人の通らない裏道を通って、川沿いに出ました。



ここでもマンホールチェック。
松のデザインのものはすでにチェック済みですが、これは藤の花。
藤沢の市の花が藤で、市の木が松だからのようです。



海が近くなったので、冷たい潮風が吹いてきます。
夏のイメージの強い江の島だって、冬は寒いんです。



6人乗りボートが一艘、川を上っていきました。
船体には「SHONAN OUTRIGGER CANOE CLUB」と書いてありました。
アウトリガーカヌーというカヌーの種類のようです。
気持ちよさそうにパドリングしていました。



川沿いに歩くと、海岸に出ます。ここは片瀬西浜海水浴場。
陽の光を受けてキラキラと光る海。大橋の先に浮かぶ江の島。
冬の海もまたいいものですね。ましゃは「わあ~!」と声を上げて、感激しています。

● 江の島の海岸

「札幌に足りないもの」その2は、海岸。
「札幌って、意外と海から遠いんだよね」
「あれ、小樽は海沿いじゃない?」
「札幌と小樽って、すぐそばだと思ってるでしょ。小樽まで車で1時間かかるから、全然近くないよ」
「思ったより遠いんだ」
「しかも小樽の海はビーチっていうか…やっぱり違うよ」

鎌倉は、横浜よりも寒いところ。
さらにこの日は風が強い寒い日でしたが、海上にはサーファーが大勢浮かんでいました。
ボードを抱えて、はだしで海岸を歩いている人もいます。
ウェットスーツを着ているほかは、夏と変わらない光景。
SNS上では、同じ時に雪山でスキーをしている友人もいるから、日本って幅広いわ~。



一年中波乗りジョニーがいるこの辺りの光景は、たしかに北海道では見られないことでしょう。
「もっと、海に近づいてもいい?」
「どうぞどうぞ」
「もっと、海の中に入ってもいい?」
「どうぞどうぞ」
「止めてよ~」
「別に止めないよ~」



そうして、しばらく海岸の砂浜の上を歩きました。
ましゃとしては、時間の許す限りずっと歩いていたかったでしょうけれど、ひっきりなしに冷たい海風が吹きつけるため、じきに全身が冷え切りました。
ブルブル震えながら「と、とりあえずお茶しよう」とカフェを探します。

● 海沿いカフェ



エッグスンシングス(Eggs'n Things)のお店の前は、冬でも変わらず行列ができています。
「デニーズでもいいよ。北海道にないし」
というわけで、数軒隣のデニーズに入りました。



これも「札幌に足りないもの」その3に入れてもよさそうですが、ましゃ個人的には特に飢えていなさそうでした。
ここでお茶をして暖まります。

以前ましゃと、エッグスンシングスとこのデニーズで、パンケーキの食べ比べをしたことがあります。
パンケーキと格闘した江の島の思い出…あの時は食べたなあ(笑)。

ここでまたじっくりとお喋りをし、外に出るころにはもう海は夕焼けに染まっていました。



日が沈むと、見る見るうちに夜になり、江の島ではシーキャンドルの灯りがつきました。
外はずいぶん冷え込んでおり、海にも通りにも、もうサーファーの姿は見えません。
急ぎ足で、片瀬江ノ島駅に向かいました。

● 竜宮城イルミネーション

帰りは江ノ電ではなく、小田急江ノ島線に乗ります。
なんだか駅がキラキラしているなと思ったら、イルミネーション期間中だそうです。



この駅舎が、東京オリンピックに合わせて建て替えになると聞いて(竜宮城のような駅がなくなるなんて、いやー)と思いましたが、新たな駅の完成予想図を見たら、今以上に竜宮城っぽくなっていたので安心しました。
関係者の方々、乗客のニーズをわかっておいでですね。リニューアルが楽しみー。

● なんとかハーバー

「横浜でお菓子を買っていきたいんだけど、なんとかハーバーって知ってる?」
お土産リクエストを受けたそうです。
「ありあけのハーバーね」
浜っ子ならみんな知っている銘菓ですが、元江戸っ子のこの道民は知らないようなので、かく乱作戦に入ります。
「ハーバービューだったかな?それともハーバーライトかな?」

歌まで歌っちゃいます。
「ハーバーライトが 朝日に変わる~♪」
「ちょっと古くなーい?」

「ハーバービューでカッコつけて~♪」
「ボウリング場でしょ」

ツッコんでいるうちに、わからなくなったであろうましゃ。
頭をひねりながら、横浜そごうの受付嬢のところへ向かいます。
様子を見守っていると「横浜のお菓子のハーバーはどこですか?」と尋ねていました。
それなら通じるわ。
受付嬢を悩ませることなく、教えてもらいました。

● タカナシのソフト

ありあけのブースの隣は、タカナシミルクパーラーでした。
「横浜のタカナシ乳業、知ってる?そこの初めての直営店だって」
「じゃあ、ソフトクリーム食べていこう」

オープンしたての頃は、連日長蛇の列ができていましたが、冬の今だとすいすい買えます。
「いただきまーす。お味はどう?」



感想を聞くと「軽ーーい!」
そうか、本場の北海道ミルクソフトを食べ慣れている人だということを、すっかり忘れていたわ。
しかもこのソフト、濃厚さとは真逆の、さっぱりしたさわやかさが売り。
まあこれは、ハマのおいしさということで!

● epilogue

この日のフライトで帰るましゃと、横浜駅でお別れ。
京急で羽田空港まで行けるので、新千歳まですぐです。
お別れの時には、再会の時よりもずいぶんすっきりした表情になっていました。
どうやら、パスタとカツとビーチの補充はできたみたい。



また再会する時も、おそらく浜辺でのんびり過ごし、おいしいパスタかカツを食べることでしょう。
それより、私が濃厚ソフトクリーム目当てに、北海道を訪れる方が先かもしれませんが!



冬の鎌倉・江の島の海-1

2018-02-14 | 神奈川
● prologue

札幌に移住した都会っ子のましゃが、久しぶりに戻ってきました。
北海道に行ってはや3年。北国での暮らしが肌に合うらしく、日々を満喫していてなかなか帰ってきませんが、それでもほんの少しだけ「足りないもの」があって、それをたまの帰省の時に埋めています。
今回も、その補充をすることになりました。

● 快晴の鎌倉

休日なので、卵とミルクにたっぷりひたしたフレンチトーストを食べて、家を出ました。



横浜駅で待ち合わせてJRに乗り、鎌倉へ。
久しぶりなので、窓の外も見ずに夢中でお喋りしていたら、すぐに到着しました。
鎌倉に降りると、空は雲一つない、抜けるようないい天気です。



「あ、ちょっと待って」と停める私。
人が通らなくなるのを待って、マンホールをパシャリ。



駅舎とりんどうの、かわいいデザインです。
以前も撮ったような気がしますが、わからなくなっています。
コレクションはちゃんとまとめておかないと、だめですね。

● いつも混んでる小町通り

もともと混雑を嫌って、人の少ない北の大地に移り住んだましゃ。
小町通りの人の密集ぶりに、呆然としていました。
前から変わらないのに、人混みをもう忘れちゃったのね。



小町通りには、映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」ののぼりが下がっていました。
少し前は「海街diary」のポスターが貼られていたし、その前は「最後から二番目の恋」のドラマのロケ地になったし、鎌倉はいろいろな作品の舞台になる場所です。

● 立春の八幡宮

小町通りを超えると、鶴岡八幡宮。
札幌では、みんな北海道神宮に初詣に行くそうで、雪の中でも大混雑で、とにかく寒いとのこと。
この日も風は冷たいですが、気持ちのいい快晴。来慣れた自分も嬉しくなります。



2月になり、もう初詣の波は終わったはずですが、境内は思ったよりも混んでいました。
前の日は節分で、この日は立春。
つまり、旧暦の年の始まりです。



そのためか、大勢の参拝者や祈祷を受ける人々で賑わっていました。



● 凶でも前向き

お詣りのあと、ましゃがおみくじを引きました。
「なにかな~?」とのぞいてみると、なんと「凶」!
うわわ・・・。

ましゃは、すでに「大凶」も出したことがあるそうです。
「あと一つで、オールコンプリートになるよ!」
前向きィ~!
境内の紐にキュッと結んで、あとは神さまにお任せしました。



後で知ったのですが、この八幡様はけっこう凶が出ることが多く、「凶運おみくじ納め箱」があるんだそう。
凶運を強運に変えるんですって。さすが闘いの神さま!

● ランチのこだわり

お詣りを済ませて、そろそろランチにすることに。
ましゃの希望は、パスタかカツの二択。
そう、ましゃにとって「札幌に足りないもの」その1は「おいしいパスタ店とカツ屋がない」ということです。
移住後すぐに「ナイナイ」と言い始め、いまだに見つけられていないんだとか。

「アルデンテのもちっとした食感のパスタが、食べられないんだよ。
おいしいカツの店も、大勢の人に聞いてるけど、みんな決まって“和幸”って言うんだよねー。
和幸だっていいんだけどね...」

あまりに残念そうなので、そのうち食を理由に移住を切り上げて戻ってくるんじゃないかとさえ思います。
どなたか、札幌でここぞというパスタ店とカツ屋をご存知の方は、情報待ってまーす!

「ソニービルが解体中で、あの中にあったあるでん亭もなくなっちゃったね」
「あるでん亭自体、減ってるんだよね。美味しいのになんでだろう?」

食について熱く語りながらも、前日から東京入りしていたましゃは「そういえば、昨日の昼も夜もパスタだった!テヘ☆」と思い出していました。
「2食続けて?じゃあ、ランチはカツね」

● 鎌倉・勝烈庵

ということで、勝烈庵(かつれつあん)に行きました。
横浜馬車道が本店のこのお店が鎌倉にもあるのは知っていましたが、来たのは初めて。



それほど広くない店内は、定員いっぱいで入れません。
どんどん人がお店にやってきますが、満席と分かると諦めて立ち去ります。
鎌倉には、レストランは星の数ほどありますからね。
でも私たちは、ましゃのおいしいカツへの渇望を満たすべく、お店の外に並んで待ちました。

しばらく待って、カウンターに通してもらいました。
私が頼んだのは、かつれつ丼。
本店には丼ものはないので、初めてのオーダーです。



勝烈庵の特製ソースがたっぷりとかかったヒレかつが2枚、ご飯の上に載ってきました。
別皿のキャベツのお代わりができます。



一見、あっさりしているかな?と思いましたが、食べてみるとなかなかボリューミー。
カツ定食を頼んだましゃは「ああ・・・!」と感激して、カツと語り合うように自分の世界に入っています。(そっとしておきます)

「勝烈庵、札幌に出店してくれないかなあ~」
東京にだって出ていないからねえ。神奈川のみという地域密着型が地元民に愛されているお店ですからねえ。

「札幌の駅ビルのレストランのアンケートに、出店してほしいお店について、いつも細かく書いてるんだけどねえ」
がんばれー。まあ、食べたくなったらまたこっちに来ればいいじゃない。

鎌倉店のみの限定メニューかと思いきや、かつれつ丼は鶴屋町店でも出しているとのこと。
「でも鶴屋町店って知らないよね」「いつからできてるんだろう?」
今度、そちらにも行ってみなくちゃ。

● 江ノ電からの海

おなかいっぱいになり、満足してお店を出て、江ノ電へ。



いつもいつもぎゅうぎゅうに混んでいるイメージですが、予想外に空いていて、座れました。
休日の午後なのに、こんなこともあるんだわ~。
やっぱり2月のオフシーズンだからでしょう。



海が見える側に座っていたら、鎌倉高校前辺りに差し掛かり、一気に海が広がりました。
わあ、きれい。
観光客はみんな色めき立ちました。

その2に続きます。