里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

真鍋島の“トクサバモクマオウ”

2008年02月17日 | 野外講座

〔真鍋島の地図と回ったコース〕


今月のお目当ては“トクサバモクマオウ”。
熱帯原産の一見松に似た大木だが、どうやら昔、畑の防風林にしていたものが残っ
ているらしい。 真鍋島には嘗て岡山県農業試験場があったそうで、或いはその辺
りから入手したものかもしれない?
しかし、肝心なミカン畑や花畑、野菜畑は殆ど荒れてしまい、畑の一角に植えてお
いたのかスイセンだけが至る所で咲いていた。
トクサバモクマオウの防風林ミカン畑のあと

農業試験場跡地には、トクサバモクマオウの大木があった。
奇妙なのは松葉に見える部分だが、何とこれが若枝だと言うから驚きだ!
名前の由来は、若枝がトクサ(木賊)の姿に似ていて、葉のようにも見える事から
名付けられたらしいが、なるほど良く似ている。
トクサバモクマオウの大木若 枝

この若枝の先には退化した葉がつき、先端には雄花もつけるというが、私の目では
?であった。
雌 花

このモクマオウ、繁殖力が強いらしい。 全山がモクマオウで覆われてしまうので
はないかと、つい心配になってしまった。

トクサバモクマオウ(モクマオウ科 モクマオウ属)別名:トキワギョリュウ
東南アジアからオーストラリアの熱帯地域が原産の常緑高木。高さ20m程度。
沖縄では、海岸沿いで防風防潮林として良く見かける。
小枝は繊細で先端は下垂し、若枝はトクサの茎のように節がある。
小枝につく葉は退化し、小さな鱗片状になって7枚が輪生する。 
雌雄同株で、5月ごろ若枝につく葉の先に雄花が、若枝の根元に球形の雌花がつく。
3年目でようやく熟した実は、淡褐色で球状。 
 
真鍋島
笠岡港から19kmの海上にある周囲7.6kmの島。
昭和53年5月に古い漁村形態を今に伝える島として、全島が岡山県のふるさと村に
指定されたが、今や人口は400人にも満たない。
嘗ては、温暖な気候を利用して除虫菊や切花栽培が盛んに行われる“花の島”とし
て有名で、ミカンなどの栽培や漁業も行われたが、その後若者の数が減り、今では
寒菊や金盞花、マーガレットなどが僅かに栽培されているだけで、農地はスッカリ
荒れてしまっている。
しかし、島の観光開発(遊歩道の整備、全国真鍋会の設立など)で活路を見出そう
として奮闘している人達も居る。