雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

防犯カメラ

2006-03-22 | 雑記
 昨日、DVDを観たあと近所のいきつけの温泉へ足を向けた。が、生憎そこは祝日でもかまわずキッチリ定休していたので、しょうがない、もう一つ先の温泉場に行こう、と考えたのだが
「いや、まて。せっかく時間もあることだし、たまにはもう少し足を伸ばして、まだ行った事のない湯殿を開拓してみよう」
 と、ヒマ人特有の思いつきによって、少々うろうろしてみることにした。
 ただ、全くアテが無かったわけではない。隣町に『○○温泉』と銘うっている所があるのは以前から聞き知っていた。しかし、場所などは皆目、見当ついてなかった。
 うろうろキョロキョロすること数十分、『○○温泉すぐソコ←』と書いてある看板をようやく見つけた。
 その看板は非常にイイ具合に年季が入っていたので私はワクワクしてきた。
 私はどうも鄙びた感じが好みなので、最近やたら目にする、大きくて小洒落ていて、風呂数も多く、レジャー施設や飲食スペースなどを設けてある大型銭湯は、どうも肌に合わないのだ。
 少々、汚くても、少々、狭くっても、いつもつまらなさそうに番台に座って小型のテレビを観ているオバチャンや、風呂上りに汗をかきかきビールを呑みながら将棋を指しているジィサンたち、いつまでも素っ裸で走り回り、しまいにクシャミなどをしている子供たち、そんな、たわいもない日常の中にある風情を楽しみ、湯に浸かって疲れた身体をほぐすのが、イイ、のである。
 しかし、いくら鄙びた風情が好きだからといっても湯船にジジィの垢などが浮かんでいるときは辟易としてしまう。
 さて、確かに『○○温泉』はすぐソコにあった。見るとどうやら旅館も併設されているようなのだが、わりとこじんまりとしていてイイ雰囲気である。私は意気揚々と中に入っていった。
 ところが、中に入ると案外小奇麗で今風の造りであった。番台などもなく、どちらかというと『受付』のようなところに座っている田舎っぽい娘さんに入り口の券売機で購入した大人370円の券を渡して男湯の暖簾をくぐる。
 外観の雰囲気からすると少々期待とは異なっていたが、とりあえず天然温泉元湯ということと、空いている、ということでヨシとしておこう。
 私の湯の浸かり方は、まず最初は腰まで浸かり五分、そのまま次は足だけ浸して十分、そしてまた腰まで浸かって五分。そんな感じでゆっくりと湯を満喫するのが常である。そのためあまり熱すぎる湯は好みではない。そのてんここは熱くもなくぬるくもなく、じつに丁度イイ湯加減で心地よかった。肌ざわりもツルツルである。風情や雰囲気はさて置き、何はともあれイイ湯であった。
 程よく汗をかいた体をチャッチャッと洗い、気持ちよく上がった。そして脱衣場で火照った体を丹念に拭いていた。そのときフト、天井に目をやると、なんとそこに『防犯カメラ』が設置されていた。私はしばし目を見張った。
 いくら最近物騒だとはいえ、この場所に防犯カメラは、アリなのか?やっぱ女湯にもあるのかな?たちまち妄想が膨らみ、危うくアソコも膨らみそうになった。
 しかしよく見ると、どうも稼働していないようにみえる、が、それが分かるようでは防犯の意味が無いし。やっぱ、撮られてるのかなぁ。
 丸出しで腰に手を当て、しばしカメラと睨めっこ。
 とにかく着るものを着て自販機のあるロビーに汗を拭き拭き出てきたのだが、せっかく気持ち良く汗を流したのだが、何だかあやふやでモヤモヤしたものがこみ上げてきて、私はどうしようもなく、とりあえず火照った体とアタマに、冷えたビールを勢いよく流し込んだ次第である。
コメント
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