Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

宝泉院

2007-11-13 23:50:04 | 京都
11月11日11時に友達と待ち合わせ。
スマート珈琲でランチを頂きました。(スマート珈琲については別レポートします!)
食べてる間もどこへ行くかはっきり決めてなかったのだけど、
ふと「宝泉院」というお寺にひかれ、大原行きが決定。
「あ、このお寺、お抹茶つきだって!」という一声が大きかったのかもだけど。笑。

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宝泉院、という寺院の名前をはじめて聞いたのはいつだったか。
たぶんJR東海の「そうだ京都、行こう」のCMで見たのが最初。

大原、といえば、三千院。
その三千院を少し過ぎたところに、宝泉院はひっそりと佇んでます。

なんでだろう、障子とお庭、ふつうの風景にドキリとする。
美しい。どこに目をやっても。ふっと、心がしいんとするのがわかるでしょう?


水も美しい。このチョロチョロとゆらゆらが。


宝泉院は、額縁庭園が有名。
柱と柱の間隔を額縁に見立てると、その向こうの庭園がまるで絵画のように見えます。
青々とまっすぐに伸びる竹林の垂直線が、ちょうど額縁の上辺でスパーンと切り取られています。
天まで伸びる竹林群をじかに見るより、その「まっすぐ」が額縁で水平にスッパリ切り取られているのをみるほうが、
竹の勢いというか、清々しさを感じるよね。人間の想像力も計算されている感じ。


庭園にしかけられた風流な楽器、水琴窟。
手水鉢から流れ落ちた水が地中に滴り落ちる時、地中につくった小洞窟の中を幻想的な音が反響します。
この竹筒が地中の空洞に通じていて、ここに耳をあてると聞こえる仕組み。
それはそれは、心清らかな音でした。

静かとは、こういうことか。
耳を澄ますとは、こういうことか、と実感。
普段、耳を澄ますこと、なかったわー。


お抹茶と和菓子がふるまわれます。
「額縁」の際まで寄って、ほっと一息。
宝泉院はこんなにずずずっと前に出てきてお庭を観賞するより、
ここより20歩ぐらい後ろに下がって、引き目で「額縁つき」で見るほうが断然美しい。

「仏のことば」
ことばだけ美しくて
実行の伴わないのは
色あって香りのない
花のようなものである

花の香りは
風に逆らっては流れない
しかし善い人の香りは
風に逆らって世に流れる
(宝泉院のしおりより)

この日は風景にも、言葉にも、
なんだか32歳の多感な心を刺激されたわ。笑。


なんでもいい、どこでもいいんだけど、
自分の気持ちやテンションを無条件に担保できる場所、
「あそこなら」って思える場所、
心の中にそんなリストがあってもいいな。

宝泉院はその1つになりました。