Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

最近観た映画の感想

2008-01-29 00:05:07 | エイガ、DVD

「4分間のピアニスト」
冒頭から「あ、なにか美しくも壮絶な物語が始まるな」という予感をさせる映像。
ピアノの映画が好きなのです。だからなんでもピアノに関係する映画は見に行っちゃう。この「4分間のピアニスト」は、ドイツ映画。しかも刑務所の中のお話。主人公はその刑務所で服役中の天才ピアニスト。

主人公ジェニーの表情の変化がすごい。ピアノ弾いているときの優しい少女の表情と、キレた時の表情が、紙一重ではらはらする。それと、彼女の背中。演技してます。なにか人生で拭いきれないものを背負っている、という背中をしてます。全体的に静かな雰囲気、でもちょっと暗く、重い。なのに、ガラスのようにもろい、かと思うと荒波のように激しかったりする。

ピアノの映画って美しい音色で魅了するのかなと思ったけど、これは違ったな。もちろん、すばらしい演奏も聴けるけれど、最後のピアノの演奏、魂を削るような荒々しい音。なにかものすごい迫力でメッセージが突きつけられている感じで、観終わったらなんだかつかれてしまったよ…。

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「アース」
公開初日に観に行きました。
高校生のとき、作文に書いたことがあります。「地球に優しく」という表現がきらいだと。この表現は地球より人間が上位であるという前提にたっているようで嫌いだった。今回映画を観て久しぶりにそのことを思い出した。地球が私たちに優しかったのだよね。

大画面で見たら圧倒されるシーンばかり。自然の風景はもちろんのこと、野生動物たちにも感動しました。当たり前のように家族(あるいは仲間)がよりそう姿、生きるために苦しくても何千キロも移動する者たち、仲間がくじけたら励ます姿、誰に教わるでもなく一人立ちしてゆく姿、求愛行動、子育て、、、人間が勝手にそこにドラマを見出そうとしているだけなのかもしれないけれど、動物たちのふつうの営みに心打たれました。なんかね、最近さ、つくりものじゃない、ホンモノの自然なことにすごく感動するんだよね。

観終わった次の日、4人の人にこの映画のことを話したらみんなが「絶対観に行こう」と言ってくれました。話すこと、話題にすることがこの映画を観た人のミッションかなとも思います。地球温暖化なんてみんな知ってることだけれど、熱帯に住むあの美しい鳥のこと、あたたかい海の中で満ちあふれている生命の大合唱、知らないこと、見たことないものもたくさんあったよ。

劇場にこども達がたくさんいましたが、親子で対話をしながら観てほしい映画だなと思います。

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「いのちの食べかた」
これもドキュメンタリーです。私たちの食卓にならぶ、お肉や野菜、卵、魚がどのような生産過程を経ているか、きちんと見せてくれます。なんとなーく分かっていましたが、実際に牛や豚の加工現場をまざまざと見るのはショックです。1時間半、まったく解説なし。解説なくとも、映像がパワフル。ただ淡々と現実を描写します。
大量生産、人工生産、いかに効率よく、いかに機械的に殺すか、、、すべてを機械で行うわけではなく、やはり人の手が介在します。しかしそこで働く人々も、機械の1コマとなっています。牛や豚、鶏は、生き物ではなく、無造作に扱われるプロダクトです。いのちの食べかたなんていうけれど、いのちの尊厳も何もない。でも自分が毎日ふつうに食べているものです。なんだか言いようのない嫌悪感を覚えます。
ベルトコンベアで流れていくひよこ、雄叫びをあげる子豚、殺される気配を感じているのかいないのか脅える雄牛。

「アース」を見て、弱肉強食の食物連鎖は自然の摂理だと思ったけれど、人間こそなんでも食べてしまう異質な存在だよね。これからは食べ物に感謝をしていただこう、とかそういう気にもならない。繁殖行為も人工的、生まれてから死ぬまで狭いところに入れられて機械的に加工される牛や豚、私たち、そんなの食べてたんだ。
…考えさせられます。