上の家の男の子がお母さんに怒られている。
どうやら、お母さんがつくった昼食を「食べない」と言ったために、
猛烈に怒られ、ベランダに出されてしまったらしい。
ドンドンと窓をたたいている。
さっき、ちらりとお母さんが出て来て、
「人がつくったものを食べないって、どういうこと」と一言。
そして、ピシャリという、おそらく頬をひっぱたいた音が聞こえた。
それにしても、謝らないなあ。あの男の子。
私だったら、「ごめんなさい、もうしません。ご飯を食べさせてください」と
泣いて嘆願するのに。
要は、餓えていないということなのだろう。
親がいなかったら、確実に飢え死にする、という逼迫感がないのだろう。
これは、親がいなくなるかもしれない、という不安もなく、
そして餓えるかもしれない、という恐怖もないということだ。
そういった想像をする可能性すらないということ。
なんとまあ、平和な国なのか。
上の家だけが平和なのかもしれないけど、
ふと、ネパールで会った女の子を思い出した。
カトマンズ郊外を散歩していたら、
5歳くらいの農家の女の子が、同行していた日本人の男性に話しかけた。
「私のいいものを見る? 1ルピーでいいよ」と。
あの子の瞳には、飢えをしのぐための方法としての「性」というものが、
すでに暗く宿っていた。
確か当時、1ルピーは日本円で10円にも満たなかった。
一緒にいた男性は、一瞬何を言われたのか、理解ができなかった。
娼婦風の女性に声をかけられるならまだしも、
3歳くらいの弟をつれた幼い女の子に、そんな声をかけられるなんて。
その後、ずっと、その日本人男性は落ち込んでいた。
きっと、誰かにそれがお金になると教えられたんだろう、と。
日本は不況と言っても、まだまだ豊かで、平和だと思う。
どうやら、お母さんがつくった昼食を「食べない」と言ったために、
猛烈に怒られ、ベランダに出されてしまったらしい。
ドンドンと窓をたたいている。
さっき、ちらりとお母さんが出て来て、
「人がつくったものを食べないって、どういうこと」と一言。
そして、ピシャリという、おそらく頬をひっぱたいた音が聞こえた。
それにしても、謝らないなあ。あの男の子。
私だったら、「ごめんなさい、もうしません。ご飯を食べさせてください」と
泣いて嘆願するのに。
要は、餓えていないということなのだろう。
親がいなかったら、確実に飢え死にする、という逼迫感がないのだろう。
これは、親がいなくなるかもしれない、という不安もなく、
そして餓えるかもしれない、という恐怖もないということだ。
そういった想像をする可能性すらないということ。
なんとまあ、平和な国なのか。
上の家だけが平和なのかもしれないけど、
ふと、ネパールで会った女の子を思い出した。
カトマンズ郊外を散歩していたら、
5歳くらいの農家の女の子が、同行していた日本人の男性に話しかけた。
「私のいいものを見る? 1ルピーでいいよ」と。
あの子の瞳には、飢えをしのぐための方法としての「性」というものが、
すでに暗く宿っていた。
確か当時、1ルピーは日本円で10円にも満たなかった。
一緒にいた男性は、一瞬何を言われたのか、理解ができなかった。
娼婦風の女性に声をかけられるならまだしも、
3歳くらいの弟をつれた幼い女の子に、そんな声をかけられるなんて。
その後、ずっと、その日本人男性は落ち込んでいた。
きっと、誰かにそれがお金になると教えられたんだろう、と。
日本は不況と言っても、まだまだ豊かで、平和だと思う。