列島をつぎつぎと寒気がおそうこの冬、
瀬戸内海の西の玄関口にあたる祝島でも、立春がすぎてなお冷えこみが続く。
そんなある日、波止ちかくの小屋のストーブで暖をとっていたら
「牡蠣をとっちゃろ」と、名人が道具を手に浜へむかった。
ついていくと、一面に天然の牡蠣。
もってきた道具でチョイチョイチョイと、いくつかの牡蠣をひらき
「食べんさい」というと、名人は小屋へ帰っていっ . . . 本文を読む
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