この夏、10年ぶりでアメリカに行ってきました。
アメリカはエリー湖の南クリーブランドに1ヶ月。
滞在中は余裕もなかったので、これから少しずつ、
その間に見たこと・聞いたこと・感じたことを書いていきます。
*****
オバマがクリーブランドに来るというニュースを聞き、出かけて行った。
オバマもみたかったけど、
彼がどんなふうに米国市民から迎えられるのかを見たかったから。
今回の彼の来訪は、ヘルスケア・システム改革キャンペーンの一環。
クリーブランドクリニックにも来るというので、
私が向かった先は同クリニック。
心臓手術の技術が全米随一で、世界中から来院すると、
クリーブランド出身の友達が話していた。
非営利だけど年間来院者は約330万人、
従業員数は約5万人(約3万という説も)という大病院。
ここを閉鎖するのは難しいはず。
だから、施設から締め出される可能性は比較的低い、
つまりオバマに出会える可能性が比較的高いかも? と思った次第。
クリーブランドクリニックに勤める友達によると、
オバマの来訪予定の詳細は職員にも知らされていない。
もちろん報道もされない。
そこで、報道されている行動予定や交通規制予定などから、
オバマの同クリニック来訪時間帯を推定して向かった。
(写真の右手手前、陽光を浴びたビル群がクリーブランド・クリニック関連施設。
奥に見えるのはエリー湖)
着いてみると、そこは想像よりはるかに大きな病院。
インターコンチネンタルホテルまで併設されている。
いや「併設」というより、病院と一体化している感じ。
ちょっとした町のよう。いくつものビル群が、
「スカイウェイ」と呼ばれる長い渡り廊下でつながっている。
この巨大な病院内でオバマの来訪を察知し、
生オバマを目撃するなんて、ほぼ不可能じゃないか?
気弱にも、着いた早々わたしはそう思い、オバマに遭遇する期待はすて、
心のうちで「クリーブランド・クリニック・ツアー!」に目的を変更。
まずは、院内マップを手に、
J棟にあるメイン玄関のインフォメーションセンターを目指す。
複数のインフオメーションデスクでも行き方を尋ね、歩くこと約15分。
たどり着いたのは、吹き抜け天井の、ひろびろと明るいメイン玄関。
せっかくだから、同クリニックの各種インフオメーションを入手してみる。
なんと入院患者や見舞い客のためのヨガレッスンが、
毎朝毎夕ひらかれているらしい。
午後には瞑想レッスンやマッサージサービスの時間もある。
やはり、私の予想をはるかに超える規模と内実の病院みたい…。
ますます気弱になり、せめてもと、
同クリニックのギフトショップを目指す。
ロゴマーク入りのトレーナ、重装備の筆記用具セット、
マグカップ、水筒、カードケースなど。同クリニックの絵葉書もある。
お見舞い用の各種花束や雑誌、エッセンシャルオイルを使った
ハンドクリームやシャンプーも。どれも値段が高いので、
とりえあず絵葉書を買ってギフトショップを出た。
午前10時に病院の駐車場についたのに、気がつくともう11時半。
混む前にランチを食べてしまおうと、病院のカフェテリアへ。
マクドナルドもスターバックスもある。
野菜不足気味なので、山盛りのサラダとベイクドポテトをトレーにとった。
レジのお姉さんがサラダの重量計量を大目に見てくれて、
値段はコーヒーもつけて約4ドル。
いつの間にか窓の外は大雨になっていた。時刻は正午。
午後は別の予定があり、そろそろタイムリミットだ。
駐車場へ戻る途中、スカイウェイに人だかりができていた。
「ひょっとしてこの人々はオバマを待っているんじゃ???」
そう思い、人々の視線をたどって窓の外をみる。
そこにあるのは階下の路上に張られた大きな白テント。
大通りから白テントへつながる道は閉鎖され、
脇道にはパトカーが停まっている。
テントの近くには数台のワゴン車も。
どうやらこのテントで、車から乗り降りするオバマの姿が
遠方から見えないようにしているようだ。
警察犬を連れた警官が白テントから出てきた。
スカイウェイには、ますます多くの人が。
白衣を着た職員の姿や、カメラをだして写真を撮る人も。
警官があらわれ、スカイウェイでも人ばらいをはじめた。
集まっていた人々が散りはじめ、ついに誰もいなくなる。
やはり大統領がこの下に到着するのだろう。
そんな思いを強めながら、仕方なくわたしもノロノロと退散。
頭上にいくつも並ぶ画面は
「Welcome Mr. President」の歓迎メッセージを映していた。
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